2022年12月28日水曜日

恒例!今年印象に残った水草 2022

年々時間の経過が早くなる気がするのは

そんなお年頃だからでしょうか。。。

今年も振り返ってみると大したことはしていない。

頑張っていたのは配信だけ(笑)

今年の入荷はと言うと、漠然とした印象は

「結構水草来たよね!」

だったのですが、拾ってみると普通でした(笑)

まぁちょっと贅沢言いすぎだと自覚してますが。

 

※決まり事※

当店に「入荷した」、当店から「リリースした」

水草に限ります。

イベント、個人輸入、直販のみ、他店入荷は

関係無いので対象外です。


クリプトコリネ+ラゲナンドラ

コメント:問屋さんの現地便が再開してます。

ただインドネシア便なので今までのトレースが

多いですね。TBさんもたまに入れてくれます。

最近はファームからラゲナンドラも来るので

プラスしました。

・Cry.ウェンティ ピンク(Sreepadma)

昨年のフルールポットフラミンゴもなかなか

驚きましたがインドファームの組織培養カップが

更に凄いことに。フラミンゴとは言ってませんが(笑)

・Lag.ケラレンシス

それっぽいポット物が来ました。こう言うところ

作ってくるのは評価したいですね。

・Lag. ミーボルディ グリーン(AQUQFLEUR)

これかどうか不明ですが緑っぽいのはもしかしたら

別種の可能性があるようです。なんにせよ

ラゲナンドラはまだ楽しめそうですね。

・イデイイ(TB便)

お久しぶりと言う事で。

Sreepadmaのウェンティピンク。
凄いボリュームとびっくり価格(笑)
ラベルの裏にインド最大ファームって
書いてあったのが面白い(笑)










アヌビアス

コメント:諸般の事情で基本的にはファーム物が

メインですが神畑さんから古いものがちらほら。

個人的には結構取捨選択してます。

一応水草マニアの端くれなので商売上やれば

良いものでもやらないこともあります。

そう言う人は店に不向きです(笑)

・ジャンボキリン(台湾)

お気を確かに!と言いたくなるようなものでした(笑)

いや、こういう姿勢は嫌いじゃないです。

とは言えそのうち消えるでしょうけど。

・ジェイド

今のところ見ている分にはこれは優秀ですね。

こういうのを「改良」品種と呼ぶべきかと。

・ミニコイン(Tropica)

なんとなく出そうな感じでしたが本当に

出るとは。。。普通に水中で育ってるので

使えますよ。

・ギニア・カメルーン便増殖株

神畑さんが何とか残してくれていたので

僅かながら今でも入手できました。

有り難い限り。

大丈夫か?と思う取り組み(笑)
いや、良い意味で。












エキノドルス+ヘランシウム

コメント:引き続き採集物は来ません

ファーム物は今も昔も変わらず色々あるのですが

元々名前と実物が異なるものは大なり小なり

ありました。しかしながら近年は以前にも増して

と言う気がします。

・ラジカンス(アクアフルール)

種類としては普通ですが、丸葉が可愛らしく

かなり良かった印象。次来ることがあれば

敢えて沈めてみたいかも。

・グリセバキィ ブレヘラエ(Tropica)

普段なら神畑さんは仕入れないらしいので

無理に頼みました。皆さんお付き合い頂き

ありがとうございました。うちはまだ

浮かんでます。。。やっと植える所を決めました。

・テネルムいろいろ(Sreepadma)

入荷が再開したインドファームですが

こちらも諸般の事情で組織培養カップのみ。

なんとなく名前で買ってしまうブロードと

マイクロ?ミクロ?でしたが、さて。


なんか懐かしいですね。
アマゾンソードは流通してますが
昔は普通種でもトロピカってだけで
輝いて見えたものです。。。














ブセファランドラ

コメント:引き続き寄生虫で規制中(笑)

取り敢えず建前上採集物が入ることはありません。

もちろん、当店にも入りませんよ~。

増殖株も新たに入荷することは無いですね。

・Bucephalandra(TB便)

草じゃなくて本(笑)TBさんによるオール現地写真の

通称「ブセ本」(笑)まぁ私が勝手に呼んでるだけの

いつものパターンですが。。。

草が無いので本を入れておきました(笑)

ウソでしょ?
持ってない人居るんです?(笑)













アポノゲトン・ニムファエア・他

コメント:取り敢えず球根系もさほど目新しいものは

なかったので。。。

・クリナム ナタンス コークスクリュー(神畑カメルーン便)

もう入荷は無いと思ってましたが神畑さんが

やってくれました。上手くいく時とそうでない時の

差が大きいきがしますね。

・クリナム ナタンス (神畑カメルーン便)

例のオモダカ科の中に混ざっていたので葉をカットされずに

現地葉付きで来たナタンス。

他にあったかどうかは確認出来ましたが、葉付きで届いたのは

珍しいのでお店に残してます(笑)

・バークレア モトレイ(TB便)

時々入れてくれるのでありがたいです。

直近の物は着状態が素晴らしかったのと

なぜか売れたようなので割と残ってるっぽい。

分類が変更になって種類が増えてましたね。

モトレイなど丸葉のバークレアは
なかなか機会がないのでありがたい。












有茎草

コメント:ファームからポツポツと来てますね

とは言え、欲しがる人は大していないので

2発目以降は動きが止まることが定番ですねぇ。

・ヒプティス ラキニアータ(AQUAFLEUR)

ファーム物の有茎草の新作は多くが逆輸入パターン

ですが、本種は完全に新着種。形状、性質など

面白いのですが、それと人気とは別問題。

・バコパ サルツマンニィ var SG(Sreepadma)

予想としてはアラグアイアレッドバコパ(パープルバコパ)

なのですが私は確認していません。

もしそうなら良いバコパなのでぜひ。

・ジャイアントアンブリア(神畑便)

神畑さんの国産物です。トロピカのが微妙なので

リアルアクアティカならこちら。

もう失われているのかと思ってました。

・ロタラ ラモシオール フロリダサンセット

確か以前からフロリダのラモシオールは色が違うっぽい

的な話はちらほら聞いていたので恐らくそれなんだと

思います。色々と組織培養カップで来るように

なりましたね。。。

面白い水草ですけどね。










シダ(水生種)

コメント:引き続き東南アジアのファームから

何かしら出てきますが。。。個人的に多少興味は

あるもののまず売れないのであまり買わない(笑)

・ミクロソルム トールズハンマー

以前から流通していたのですが、うちでは

ようやく仕入れたものですが。。。

カッセルマンのインスタを見て格好良いなと

思いましたが需要は特に無い(笑)

・ミクロソルム プテロプス フィッシュテール

シダのフィッシュテールは獅子葉のことらしいので

単にそれだけの名前かも。

昔、ウィンデロフと呼べないのでフィッシュテールと言う

名で来ていた物のまんまウィンデロフだったらしいので

これは別タイプ。なお需要(笑)


その他

コメント:基本的に採集された不明種である場合が

多かったのでファームものだけになるとなかなか。。。

・リムノフィトン フルイタンス(神畑カメルーン便)

エキノのところに入れようかと思いましたがひとまず

別枠で。クリナム同様、二度と見ることは無いと

思ってましたが史上最良の株が入荷しました。

サイズも驚きでしたが葉幅の広さ、花芽など

得るものが多かった入荷となりました。日本で

本種の増殖株がホレマニー並みに流通する未来は

あるのでしょうか。。。

・混じり色々(神畑ギニア便)

種類と言うか属と言うかがバラバラなのでまとめて。

と言いますか入荷に載せてないし(笑)

なかなかこう言うのも無くなりましたが来ると

なんとなく楽しめます。

こちらでロストしたものやぐずっているものが

多くなかなかご紹介出来ずにいます。。。

すみません。

衝撃的な入荷でした。
神々しい。











ちょっと一言

コメント:新しく来た種類・品種の中で「ん?」とか

「ちょ、待てよ!」とか思ったりしたもの(笑)

・ノマフィラ ストリクタ(AQUAFLEUR)

昔のジャスティキアっぽいやつ。まだ作ってたのか。。。

・アヌビアス色々(タイ)

昨年同様です(笑)

・エキノドルス ホレマニー グリーン/レッド 他

相変わらずホレマニーじゃないものを送ってきてます。

もちろんこれはこれ、として楽しむのもありだと

思いますが個人的にはこれがホレマニーで国内で

流通するのは受け入れ難い。みんながみんな

別物として扱ってくれる保証はないのです。

昔の改良品種の名前で来るものですら

別物になってたりしますが、こういう物って

極稀にあるから楽しめるのであって来るもの来るもの

全部一致しないってのは個人的にはいかがなものかと

思い続けてますがどうやらそう思うのは

マイノリティなようで。


・いろいろ(スリランカ便、ギニア便など)

落差が大きすぎて(笑)


まとめ?!

取り敢えずなんとなくたくさん来たような

そうでないような。まぁ寂しい感じでは

なかったですね。

もちろんリムノフィトンのインパクトは

大きかったので開封した時は声が出ましたが(笑)

神畑さんのワイルドアヌビアスの増殖株も

楽しいのですがいずれも完全に新しいものでは

ありません。ファームからは新着もありましたが

スター水草に登り詰める種類と言うものは

なかなか出るものではありませんね。

神畑インドファーム便や各問屋のインドネシア現地便も

再開となりました。インドネシア便はかなり価格が

上昇しており状況は良いとは言えないですかね。

もちろんファーム物もまだ値上がりします。

それらを鑑み、結果的にトータルでは中の中~中の上

と言ったところでしょうか。


しかし情報発信もなかなか難しいですね。

ポイズン。。。(笑)

と言う訳で2022年もお疲れ様でした!!

疲れた(笑)



2022年11月3日木曜日

誰得な資料シリーズ【2】

昔、入荷していたファーム物が来なくなることはよくあります。 
特定の種類が来なくなると言うのはまぁ仕方がありませんが
ファームごと入荷が無くなる、ファーム自体が無くなる、
なんてこともあったりします。
そうなった後に、ふと調べたくなっても意外と大した資料は
残っていないものです。
とは言え、そんなこと割とどうでも良かったりすることが
殆どなのですが、気になっちゃう人も居たりします(笑)

先日の配信であったのでカタログから拾ってみましょう。
こういう事じゃないのかもしれませんが、まぁ書いたので
参考までに(笑)


DENNERLE(デナリー)オリジナルのシリーズものになっている
エキノドルスの改良品種です。

Dschungelstar®(←○の中にRです。環境依存文字でした)
いわゆるジャングルスターシリーズですね。


古い方のタグ。紙っぽいやつです。
個人的にはこっちの方が好きですね。


こちらは新しい方。今はどうなってるか
わかりませんが、入荷していた頃の
後半のやつですね。悪くは無いですが
ちょっと普通かもしれません。





E01
名前がありません。日本国内では昔からナンバー1(ワン)と
呼ばれています。私が輸入業者に居た時からずっと
ナンバー1呼びです。

no.2
E02 'LITTLE BEAR'
カタログではリトルベアーですが、昔はスモールベアと
呼んでいました。今でも日本ではスモールベアですね。
リトルと言う人はいないと思います。

no.3
E03 'PYTHON'
これは後になってから来たものなので入荷した回数は
やや少なめでしょうか。
パイソンだと思いますが、もしかしたら間違って?
フィトンと呼ばれることがあるような気もしてます。

no.4
E04 'GRIZZLY BEAR'
これも後から出てきたものですね。同じく入荷した数は
更に知れてるような印象です。入荷したっけ?
グリズリーベアでなぜかクマ好き(笑)

no.5
E05 'BIG BEAR'
スモールベアと並んで割と有名な品種です。
今でもたまに国産品が流通しているような気が
しないでもない。無いかもしれない。知らない(笑)

no.6
E06 'ELEPHANT'
象さん(笑)
新しいカタログでは欠番になっていて名前すら
載っていません。さてはロストしたな(笑)
さらっと資料を探したものの見当たらず
私の記憶だけで書いています。

no.7
E07 'LARGE OSIRIS'
大きなオシリスと言う事ですがオシリスは大きいような
気もする。。。リアタイで知っている人には
GROSSE OSIRISの方が馴染みがあるかも。
国産も無いと思うので見かけないんじゃないかな。

no.8
E08 'OZELOT GOLD'
オゼロット、オゼロットグリーンに次ぐ第3の山猫。
後半の中では回数は多かった方かもしれない。
なんとなくですが。違ったらすみません。

no.9 
E09 Spotted Harbich
名前はあるような無いような。。。
カタログ掲載が他の品種のような大文字ではなく
「'~'」と言う表記でもないので便宜上こう呼んでる
と言った感じでしょうか。

no.10
E10 'RED LEOPARD'
スクルエテリに褐色斑が入ったのがレオパードですが、
こちらは地色が赤系。あまり来てないかな。。。
忘れました(笑)

no.11
E11 'RED CORDIFOLIUS'
赤いラジカンスですが、結局褐色斑も入るので
既視感はある感じでしょうか。
これは入荷があったかどうか覚えてないですね。

no.16
E16 'RED MAMBA'
何度か入荷していますが、四角いマザーポットで
のみ入荷していた記憶があります。
当時7000円くらいしていたと思いますが、高くて
売れてなかったような。今はそれ以上のポットも
しばしば入荷しますけどね。。。


no.12~no.15はカタログでは欠番です。
ジャングルスターっぽい名前ですが入っていないものに

E163 'OZELOT'
E165 'FOXTAIL'
E168 'OZELOT GREEN'
E177 'GREEN LEOPARD
E178 'TROPICAL FISH'

などがあります。

まさに誰得(笑)





2022年8月20日土曜日

誰得な資料シリーズ【1】

 昔は色んなやりとりがFAXで行われていました。

問屋さんの在庫や新入荷のリスト、器具の発注、

新製品の案内、年末年始の休業のおしらせ等々。。。

現在も一部残っていて微妙な感じはするのですが

そのうち無くなることでしょう。

私も昔は一斉送信リストの登録や削除をやった

記憶が。。。あ、今のお店じゃないですよ(笑)

PCでの受信と言う手段もあるのでしょうけど

多くは感熱紙だったと思います。

この感熱紙と言うのは時間が経つと消えるんですよね。

そう、うすーーーくなって読めなくなる。

と言う訳で、水草関連で役に立ちそうだけど

誰の役に立つかわからない消えそうな情報を

残してみます(笑)

今回は某業者さんが輸入していたクリプトリストです。

店頭にも少し前にいくつか残ってましたが

殆ど無くなりましたね。

※表記等すべて原文のままです。

※エクセルに打ち直したものをスクショ

何種類かはお店でもやってました。
クブはパリジだったと思います。
丸葉系は恐らく殆どがグラボウでしょうね。













古くからクリプトを維持している方は

もしかしたらお手元に残っているかも

しれませんね。

そう言えば昔買ったなぁ…と懐かしむも良し、

伝言ゲームで原型をとどめていない産地を

訂正するも良しです。

たまにめちゃくちゃになってる地名を

見かけますよ(笑)

もうそのまま引き継がれるのだろうと

諦めて見てますけど。

2022年6月26日日曜日

持っておきたい水草関連書籍【10】

 昔は毎年のように何かしら熱帯魚の

図鑑的なものが出ていたように思います。

恐らく良い時代だったからでしょうね、

ある程度売れたんだと思います。

内容は出版元の熱量だったりどのような

情報ソースやライターを持っているかで

大きく変わったかと思います。

そこで南米最強のバックグラウンドを持つ

アグアから出た図鑑がこれ。



もちろん熱帯魚がメインですが
水草も多数掲載されています。
結構使えるんですよ、これ。














熱帯魚も水草も怒涛の入荷があった時代、

黄金期の軌跡ともいえる書籍ですね。

2300と言う数字に圧倒されます(笑)

水草そっちのけで魚だけ見ていても

かなり満足できます。

水草は300種の掲載となっています。

500種だなんだと言っていると少なく

感じてしまいますが十分な数ですよ。


おすすめポイント

図鑑の写真は恐らく殆どが吉野さんの

物なので綺麗で見やすいです。

種類は一般種から新着系、ファーム物の

ちょっと変わったところまで幅広く

掲載されていて非常にバランスが良く

水草好きならなるほどと思えるチョイス。

やはり多くが水中葉なのもポイントです。

属ごとに分けてある点や、インデックスも

ポピュラーネーム、学名と2種あるのも

毎回のことながら見るべき点ですね。

種類の解説は字数制限が結構大変

だったんじゃないかと思うのですが

意外と重要なこともサラっと書いてあり

よくまとめてあると思います。


水草にしか興味が無く、熱帯魚の

部分は要らないよ。。。と思っても

それが買わない理由にはならない

図鑑だと思います。


THE AQUARIUM 2300 ATLAS

熱帯魚2000種&水草300種大図鑑

定価3800円(税別)

1997年8月20日発行

松坂實 富沢直人

ISBN 4-938954-85-0



2022年6月19日日曜日

持っておきたい水草関連書籍【9】

こうやって水草関連の書籍を拾っていくと

意外に日本の本があることに気付きます。

しかしながらやはり水草マニアとしては

海外の図鑑は所有しておきたいところ。

何と言っても装丁が格好良い。

むしろ飾らずにはいれないですよ(笑)

もちろん中身も優れていてこそでは

ありますが。。。

それを実現しているのがこちら。


飾ってくれと言わんばかりの
表紙です。超イカしてる(笑)
中身は完全にマニア用。














まず装丁でやられますよね(笑)

重厚で迫力があります。

所有することによる満足感が相当高い。

ドイツ語なので基本的には絵本ですが

眺めるだけであれこれ妄想出来ました。

まさかここに載っている水草がその後

入手出来るようになるとは。


おすすめポイント

水草は基本的にイラストですがそれが

また良いのです。拡大コピーして

額に入れて飾りたいくらいですね(笑)

写真も少しあってクリプトのものが

多いのですがほぼ仏炎苞です。

これだけまとめて仏炎苞の画像が

見ることが出来る書籍も少ないと

思います。

掲載している種類はかなりロゼットに

振ってます。アポノゲトンも多いですね。

有茎もありますが普通の水草本よりは

かなり少ないかと思います。

今はインターネットでも翻訳出来るので

読もうと思えば読めるかもしれませんが

見ているだけでも飽きの来ない内容です。

1種ごとにしっかり解説があるので気になる

種類だけも読んでみるのも良いと思います。


水草マニア、特にロゼットに寄っている人は

必ず役に立つと思います。

もちろんそうでない人にも。



AQUARIENPFLANZEN

定価----

1990年発行

Hendrik C.D.De Wit

ISBN 3-8001-7185-6


2022年6月12日日曜日

持っておきたい水草関連書籍【8】

今現在、水草のことを調べる時に

まず使うのはインターネットだと思います。

ただ検索と言うのはちょっと頭を使わないと

思うような結果が得られないことがあります。

そういう時に書籍は便利なのですが

マイナーオブマイナーな水草と言うジャンルでは

そうそう頻繁に使える図鑑が出るわけでは

ありません。

そんな中、登場したのがこれです。


満を持して登場した水草図鑑です。
アクアリウムの水草に対しては
全方位型なのでとても便利!














水草図鑑と言うのは滅多に出るものでは無いので

出版されるだけでもありがたいのですが、やはり

水草マニアとしては中身にこだわりたいところです。

掲載されている種類、写真のクオリティ、水草の

状態、等々。。。そう言った複数のファクターに

対する要求を満たすと言うのはなかなか困難ですが

本書は水草の採集、栽培、同定、撮影等をこなす

吉野さん本人が作ったことによってそれが達成

されています。


おすすめポイント

何と言っても掲載数の多さですね。

しかも古い水草から当時の最新まで幅広く

網羅しています。写真も美しく非常に

見やすくなっています。

また、著者がAL誌において新着水草や水草特集で

写真を提供し続けてきたことや国内外で

採集していたこともありマニアが通ってきた

道程そのものが掲載されていると言っても

過言ではありません。

あと私も少し協力しているところもポイントです(笑)

1つ難点を挙げるとすれば、初期に紹介された名称と

本誌に掲載されている名称が大きく変更されている

種類があり、少しややこしくなっています。

とは言え、過去の南米や東南アジアから入荷した

採集物の水草たちを知る上では外すことのできない

資料となっています。


水草の楽しみ方、AQUATIC SCENE、そして

本書を加えてこの三大吉野本は水草マニアに

欠けてはならないピースでしょう。


世界の水草728種図鑑

定価2552円+税

2005年11月2日発行

著者 吉野敏

ISBN 4-89512-534-3

2022年6月5日日曜日

持っておきたい水草関連書籍【7】

以前ご紹介した「世界の水草」以降、

昔から馴染みのある種類から新しく

もたらされた種類まで幅広く取り上げた

図鑑と言うものは無かったと思います。

雑誌の特集や熱帯魚図鑑と併せてのものは

ありましたが、やはり水草のみと言うのは

なかなか難しいのでしょうね。

しかしながら新着で盛り上がった時期を経て

ようやく出たのがこちら。


待望の水草図鑑でしたね。
新着種を多く掲載したのは
大きかったです。














水草図鑑、しかも500種となればこれはもう

楽しみでしかないと言ったところでしょう。

ピーシーズと言う事で写真を期待するものの

500種と言う数を揃えるのはかなり困難を

極めたんだろうな。。。と言う印象。

あとデジカメへの過渡期でもあったため

不自然な色合いの画像が多いのがやや

気になる点ですね。

個人的に一番厄介だと感じるのは

ページ構成がカラー見開きの次に

その解説でモノクロ見開きになっており

カラー・モノクロ・カラー・モノクロと

交互になっていて、ハマるとページを

めくれどめくれどモノクロしか開かん!!

みたいなことになります(笑)

あとは少し間違いがありますね。


おすすめポイント

その頃リアルタイムで入荷していた

ワイルド物が多く取り上げられている点です。

また、ライターや写真の出元がMPJと

異なることが多いため、こちらにしかない

水草や自生地の写真が結構あります。

しかも結構マイナーと言うか狭い範囲でしか

出回らなかったと思われるものもちらほら。

お気づきの方も多いかと思いますが

アグアの緑本と同じ写真もありますね。

2001年の段階でこの水草があったんだ、と言う

検証にもなるかなりいいタイミングでの

出版だと思います。

一応協力に当店の名前があるのもポイント(笑)


いわゆる新着水草系の指標となる存在で

データとして時系列を確認するのにも

役立つかと思います。


アクアリウムで楽しむ水草図鑑

定価2667円+税

2001年発行

富沢直人 山崎浩二

ISBN4-938780-61-5

2022年5月29日日曜日

持っておきたい水草関連書籍【6】

水草マニアと言うものは基本的に

収集や栽培自体を楽しむことが多く

レイアウトは二の次と言ったことも

しばしば。かくいう私もそんなものは

そっちのけで適当に水草を放り込むと

いった始末。。。(笑)

しかしながら少しは見れる水槽を

作ってみたくなる瞬間もあるかも

しれない。。。さりとてNAは面倒。

でもレイアウトのヒントが欲しい。

そんなマニアなあなたに(笑)















アクアティックシーンって良い響きですよね。

水草の生える水中の1シーンを切り取って

レイアウトとして再現すると言った

感じでしょうか。

もちろん自生地を完全に再現するわけではなく

イメージを水槽内に作り上げています。

アトラスレイアウトを中心に、すべての

レイアウトにコンセプトがあり、それを

表すタイトルが付いていることで

想像を掻き立ててくれます。


おすすめポイント

こういったレイアウト集の場合、

急ごしらえで直前に植えました感が半端無い

水槽が多くなりがちですが、本書に掲載される

レイアウトは多くの水草がその水槽で

繁茂しているか、完全な水中葉で生育しているので

違和感が全くありません。

吉野さんが水草を植えるのが上手いと言うのが

大きいとは思いますが(笑)

※吉野さん以外のレイアウトもあります。

各レイアウトの解説ページには配置図と名称が

書いてあるので非常に便利です。

解説文もどういったコンセプト・狙いがあって

水草や魚の種類を選定・配置しているのかを

明確にしており、製作者の意図がよくわかります。

こういう点は近年の書籍には欠けている気がします。

今はレイアウト自体が商品広告化しているから

と言う側面もあるでしょうね。


ダッチを志すなら水草の楽しみ方が必携なのと

同様に、アトラス・レイアウトを作りたい人は

本書が大いなる指針になることは間違いありません。


AQUATIC SCENE

定価2800円

1986年6月25日発売

著者 吉野敏

写真 小林道信

ISBN 4-89512-312-X

2022年5月23日月曜日

アヌビアス ~きれいな水槽植物~ Part 6 最終回

前回はマニアが好む耳付きの種類を紹介しました。
これらは流通が少ない種類が多く、採集物やその
増殖株でしか入手出来ないものが多く、まさに
コレクターズアイテムと言ったところです。
もちろん、その草姿はとてもナナ等と同じ
仲間であるとは思えないくらい勇ましく巨大な
種類が殆どで、その佇まいに魅了されるマニアも
多いかと思います(人数は少ないのですよ)。

その特徴的な草姿故、耳付きの種類は非常に
わかりやすい魅力があるのですが、実は本当に
マニアックなのはスルーされがちな細い葉や
狭い葉を持つ種類と言えます。
これらはついてくる名前がランケオラータや
コンゲンシス等と言ったファーム物で古くから
馴染みのあるものが多いためインパクトに
欠けるのですが、よくよく見ると変なのが
混ざってることがあります。

An. barteri var. angustifolia
ギニア便定番種で昔からずっと輸入されていた
バルテリィvar. アングスチフォリアです。
入荷はファーム物のように同じ物が殆ど。
トロピカから来る本種は赤くない。




















An. barteri var. ?? 
入荷名はアフゼリィでしたが
それとも違うような感じです。
その入荷の中に混じっていた
模様が入るような葉を持つ個体。
草体はアングスチっぽい。




















An. sp. 
カメルーン便のバルテリィvar. ナナとして
入荷しましたがいつものカメルーンナナとは
全く別物でした。ナナと言うよりは
草姿はグラブラと言った印象ですね。
これはすんなり水中化しました。






















An. sp. 
sp.物ですが、細葉ウェーブで
葉柄が短めだったので草姿的には
バルテリィvar. グラブラに近いタイプ
ですが、上記の物ともまた異なる感じ。



















An.
sp. 

sp. 物として入荷しましたが
同じ物の中に3~4タイプ混ざっていました。
この葉は葉先や質感が変ですね。


















An. barteri 
var. ??

バルテリィvar. グラブラとして入荷するも
全体は葉柄が長く、葉の質感も併せて
とてもそんな草姿ではない印象です。


















An. afzelii ??
入荷名はコンゲンシス。
入荷の中から葉っぱがかなり丸い株を
抜き出してみたもの。カッセルマンの
水草図鑑に掲載されている
アフゼリィに似ていて面白い。






















An. cf. heterophylla
cf. ヘテロフィラとして入荷したもの。
それにしては葉が長いようにも見えますが
葉脈の感じはヘテロフィラっぽい。














葉のアップ。個人的にはこのタイプは
結構お気に入りだったりします。
個人的には心の中で勝手に
ロングリーフコーヒーフォリアと
呼んでいるのはここだけの秘密(笑)
























An. sp. 
恐らく同じタイプ(種類)と思われますが
こちらはsp.として入荷しました。
幾分ヘテロフィラっぽくはありますが
やはり葉が細長い様に感じます。





















あの頃にあんなのが来ていたはず。。。と思い出しながら
少し遡ってピックアップしました。買えなかった、
買わなかった種類もかなり多くあったと思いますので
これでも極一部と言えるでしょう。
こういった細葉や狭い葉の種類はどうしても耳付きに
比べて購入・栽培される機会が少ないかと思います。
もちろん私もそうなのですが。。。

やはりアヌビアスは一般的にビギナー向け、入門種、
熱帯魚水槽のお飾りと言った風潮が業界内に根強く
残っています。もちろん入口はそんなものなので
それで良いのです。ただ、情報の発信側がそう言った
姿勢でいるといつまでも何も変わりません。
主な雑誌で何年も何年もそう扱われてきたので
出来上がったイメージは簡単には払拭出来ない。
1ジャンルとしては昔から確立しているものの
ワイルド物さえも安売りの対象となってしまった。
挙句の果てにはバナナネモグリセンチュウのために
カメルーンやギニアからの直接輸入は出来なくなり、
もう新たな種類が入荷することもほぼ叶わない。
今でこそマニアが大事に育てているのを見かけますが
現状がもうゴールでしょうね。

アヌビアスは水草を始めてから何年もずっと
アクアリストの側にいるような存在です。
気が付けば必ず水槽のどこかに居ていつも変わらぬ
姿を見せてくれている。たまにびっくりするくらいの
速度で枯れることもありますが。。。(笑)
そんなアヌビアス、ワイルドでもファーム物でも
お気に入りの1種を見つけて長い付き合いを
始めて見るのも悪くないと思いますよ。


アヌビアス ~きれいな水槽植物~ 
終わり。

2022年5月22日日曜日

持っておきたい水草関連書籍【5】

基本的にアクアリウムに関しては

昔から日本より海外の方が進んでいたので

あちらには水草関連の書籍にも多くの

良書が存在しています。もちろん古くから

あるため情報自体は古くなっていますが

古いと言う事は今の情報のアップデート前、

つまりその基礎になっている部分とも

言えます。なので流れを知ると言う事に

ついてはかなり有益であるでしょう。


熱帯魚関連の書籍でお馴染み
TFHの本です。なんとも
味のある表紙ですね。














中身も良い感じに古めかしく、写真もカラーと

モノクロが入り混じっていてとなんとも言えず

洋書と言った雰囲気を醸し出しています。

ページ数も多く参考になる部分も色んな意味で

多いです。

著者にビッグネームがあるのでそれだけでも

なかなかの満足感。本棚にもかなり映えます(笑)


おすすめポイント

古いからと侮るなかれ、この書籍あたりから

色々と変わっていったのかと感じることが

出来る内容です。水草として(と思われる)、

スキスマトグロッティス、アグラオネマなどが

掲載されているのもこれ以降さほど無いのでは

ないでしょうか。

日本ではかなり後になって紹介されるエキノドルスの

オパクスやホレマニー、アクアリウム用の水草として

既に知られていたと言うのもさすがと言える種類の

フロスコパやリモセラ等が掲載されています。

クリプトコリネの掲載も仏炎苞と共に多数掲載

しています。今はシノニムに落とされている学名での

掲載も多く、ある意味ためになります。

ほぼ図鑑となっており、レイアウトは無いと言っても

良いですが、現地画像が散りばめられており

なかなか良い刺激になるんですよ。


アクアリウムに用いる水草の推移や

ヨーロッパの底力が知れる良書だと思います。


aquarium plants

定価---

1977年

著者 dr. Karel rataj and thomas j. horeman

ISBN 0-87666-455-9


2022年5月15日日曜日

持っておきたい水草関連書籍【4】

 熱帯魚業界が盛り上がっていた時代は

様々な書籍や雑誌が出版されていました。

月刊誌もそうですが、不定期に発売される

ジャンルごとに特化したムックも多数

見られました。もちろん多くは熱帯魚で

プレコ、コリドラス、ドワーフシクリッド、

カラシン、等と言った具合です。

そんな中にも時折水草を取り上げたものが

あったのです。



松坂氏率いるアグアプロダクションの
Aqua magazineの別冊として発売された
Aquarium Plantsです。まさに
アクアリウムの草、ですね。
















発行元がアグアプロダクションと言う事もあり

メインは南米です。完全に水草のみとなっていて

水草好きの人は無条件で買っても良いですね。

表紙の時点でかなりヤバい(笑)

今も昔も水草の書籍自体は少ないのは変わりませんが、

本書はその内容の良さから長年水草好きには

「緑の本」的な感じで親しまれており、「アグアの

緑本に載ってたあの赤いエキノみたいなやつ」

と言った会話が成立するくらいです(笑)


おすすめポイント

前述しましたがアグアプロダクションの本なので

南米の現地写真がふんだんに使われており、非常に

見ごたえのあるものとなっています。またその中に

チラ写りしているホシクサなどを探すのも楽しみの

1つです。南米の各エリアごとに写真があり、同じ

ブラジルでも様子が大きく異なることもうかがい知れます。

図鑑の写真も美しく、ほぼ水槽内の水中葉で掲載され、

概ね流通している種類に限定されているところも

好感が持てます。当然インデックスは学名と通称名が

あり、良書の基本を押さえた内容です。

もちろん、東南アジア、アフリカの水草、現地写真も

ありますが、やはり南米が多いですね。


恐らくはこの書籍でしか見ない現地写真も多く

今現在で見てもハイレベルな内容となっており

必携書と言えるでしょう。



Aquarium Plants

定価2,500円

1990年4月1日発行

松坂實 富沢直人

ISBN----

2022年5月8日日曜日

持っておきたい水草関連書籍【3】

 水草の図鑑と言うものはそう多くありません。

ましてや多種多様な水草が掲載されて

それなりに信頼できるようなものと言ったら

更に限定されます。

近年、何度か発行されましたが直近

20年ほどで数冊程度と言ったところでしょうか。

趣味として水草水槽をやっていく上で

調べものと言うのは尽きないものです。

初めて手にする水草に対して少しくらいは

準備をして取り組みたい、と言った場合

何の仲間でどういった傾向があるのかと言う

ヒントが図鑑には隠されていることがあります。



世界の水草と言うなんとも
わくわくさせてくれるタイトル。
当時のアクアリウムに用いられた
水草の多くはここにあります。


箱入りで1・2・3と言うのは
3冊組だからなのです。
表紙も何とも趣のあるチョイス。

























こんな豪華な図鑑が出せたのは、時代の賜物なのか

先日発売された「水草おもしろ話」と同じく

採算度外視だったのか。。。それはわかりませんが

やはり著者お二方の熱量なのでしょう。

とにかく水草のことを調べるのはこの3冊で、

様々な情報が盛り込まれています。

もちろん情報は当時の物で、学名や分類等

今は見直されているものも多くあるかと

思いますが、それでも幅広い種を

取り上げていることを考慮すると

文句なしに役に立つと言えるでしょう。


おすすめポイント

まさに図鑑です!(笑)

科・属ごとに細かく分けられており、水草の

優れた書籍に共通している、学名・通称名の

両方を用いたインデックスは非常にわかりやすい。

種類ごとに学名、和名、シノニムなども

表記されており、名称を照合するのにも役立ちます。

写真は種類によって水中葉、自生地の様子、水上葉、

ビオトープ(水鉢)等になっていますが、いずれも

美しく見やすいです。

アクアリウム用の水草のみならず、日本産水草や

湿地の植物等も含まれており、自家採集物を

楽しむ際も参考になります。

とにかく水草と呼べそうな物を網羅しているので

調べものではなく単純に見ているだけでも

かなり楽しめます。


恐らく、後にも先にもこのレベルの水草図鑑は

国内で出ることは無いでしょう。

様々な条件が重なって奇跡的に出版された

図鑑だと思います。


世界の水草 1・2・3

定価 各2,200円

1994年4月1日

著者 山崎美津夫 山田洋

ISBN 4-7952-3012-9

ISBN 4-7952-3013-7

ISBN 4-7952-3014-5


2022年5月1日日曜日

持っておきたい水草関連書籍【2】

 水草関連の書籍に何を求めるか、と言うのは

大事なポイントだと思います。

【1】でご紹介した「水草の楽しみ方」を

ネイチャーアクアリウムを始めたい人に

渡してもさほど意味がありません。

目的意識を持って選択するのも必要な

事だと思います。ただし、水草と言う

趣味において情報や知識を増やしたいので

あれば、良書と言われるものはすべて

拾っておく方が良いでしょうね。

さて、今回は。。。


カッセルマンのそのものズバリ
「エキノドルス」
何とも潔いですよね(笑)
しかしこれが無いと始まらない。























エキノファン必携書の1冊です。

本書や同じくカッセルマンの水草図鑑を

ベースに話を進めないと話がまとまりません。

しかも当時は安かった。こんな素晴らしい本が

あんな値段で買えたと言うのは良い時代でした。

そしてすでにこの頃からカッセルマンは

サービス精神が旺盛でサイン入りもありました(笑)


おすすめポイント

とにかくエキノ尽くしです。当たり前ですが(笑)

写真が美しく貴重な現地写真も掲載されており

そこから様々なことをくみ取ることが出来るので

見ていて楽しいです。

やはりカッセルマンはベースがアクアリウムの人

なんでしょうね。図鑑の写真の多くが水中葉で

水槽内で育っているものとなっています。

「水草の楽しみ方」もそうですが、この「水中葉」

と言うのが個人的には結構大事なことだと

思っています。

メインは原種ですが、改良品種も代表的なものが

取り上げられています。安易にポット物の

画像を使用せずほぼ水中葉と言う素晴らしい

こだわりで、カッセルマンのエキノドルスに

対する熱量が感じ取れます。

学術的な側面も少しあり、各種の花や、葉模様、

種子の形状などにも触れています。

写真が多いのは非常にありがたい限りですね。


エキノドルスを語る上で避けることは出来ない

書籍であることは間違いありません。


Echinodorus

定価----

2001年発行

著者 Christel Kasselmann

ISBN 3-921684-98-X

ISBN 3-921684-99-4


2022年4月24日日曜日

持っておきたい水草関連書籍【1】

 水草のことを調べる時に、今なら取り敢えずみなさんの

目の前の四角いもので検索すればなんとなくいろんなことが

出てきてそれなりにわかることがたくさんあります。

しかしながら昔はそんなに便利ではなく基本的に書籍が頼りでした。

と言う訳でなんだかんだと買ったのです(笑)

もちろん昔の書籍は情報自体は古くなっているのですが

それが劣化することは無く今でもなお役に立つことがしばしばあります。

例えば当時の流行った水草、以前呼ばれていた名前、

最近見ない水草たちが使われたレイアウト、

制約が多い時代のレイアウト、かつて存在した水草…

今のインターネット上には容易に転がっていない情報が

そこにはあるのです。

もちろん全てが優れているわけではなく、なんじゃこりゃ

みたいなのもあるのですが、それも含めて情報です(笑)

まぁ個人的な思い入れだなんだでバイアスかかりまくりに

なるのですがそう言った書籍をご紹介していこうと思います。

では早速。


ダッチアクアリウムを徹底解説。
図鑑も当時の先端でしょう。
下手な入門書を何冊も買うより
これ一冊を読み込んで実践した方が
何倍も役に立つと思います。















日本の水草業界史上最高峰と言って良い本ですね。

図鑑、レイアウト作品、ノウハウ、写真の質、

すべてにおいて当時の最高であり、今なお日本の書籍で

これに匹敵するものはありません。※当社調べ(笑)

何と言っても本場のダッチアクアリウムのカラー写真が

多数掲載されているのが大きいです。

これは「Das Wunder im Wohnzimmer」の

Nieuwenhuizen氏の写真ですね。

筒井さんの「リヴィングルームの不思議な世界」と言う

邦題が印象に残ります。

未だに日本が追い付けない領域。


おすすめポイント

前述しましたが、まず当時の最先端にして最高の

ダッチアクアリウムが多数掲載されている点です。

写真1枚から学ぶべきことがたくさんあります。

また、吉野氏をはじめ日本人によるハイレベルな

ダッチアクアリウムも参考になります。

アクアリウムの水草図鑑としても非常に有用で

多くの種類がレイアウト内で使用されている

水中葉の写真となっておりとても参考になります。

水草として使用できないものについてはその旨が

明記してあり、これもまたポイント(笑)

水草水槽の作り方もセッティングから植え込み、

トリミングなど日々の管理まですべての説明が

あるのでこれ1冊あれば特に他を読む必要も

ないくらいと思います。

ただし、サブタイトル?にもあるように

ダッチアクアリウムに全振りしている内容なので、

それ以外に関してはほぼ触れていません。


脱・ビギナーを目指す人からマニアまで

満足できる1冊と思います。


水草の楽しみ方

定価3,800円

平成3年3月31日発行

著者 吉野敏

ISBN4-89531-626-2


2022年4月10日日曜日

アヌビアス ~きれいな水槽植物~ Part 5

アヌビアスの仲間はビギナーからマニアまで
幅広く認識されている水草です。
その中で我々が身を置くマニアの世界において
群を抜いて人気があるのがいわゆる「耳」を持つ
種類です。
耳とは何ぞや?と言う方は下の画像をご覧ください。
アクアフルールのハスチフォリアです。
ファーム物のハスチは種類としては
ギガンティアになるかと思います。
赤丸の部分がいわゆる耳ですね。

















ギニア便の巨大ギガンティアです。
赤丸部分が耳です。ここまでくると
ハッキリわかりますね。ご立派。

























この耳を持つ種類はいくつかあるのですが、
知られているものは以下の通りです。

An.gigantea
An. gilletii
An.gracilis
An.hastifolia
An.pynaertii

An.gracilis
最後のギニア便で入荷した巨大な
グラキリスです。ここまで大きな株は
見たことがありませんでした。葉の形状や
葉脈も小さい株とは一線を画します。



















An. gilletii
最後のカメルーン便でギレッティとして
入荷したものです。草体サイズの割に
やはり耳が小さいです。100%本種かと言われると
そこはまぁ。。。(笑)一応入荷名と外見上の
特徴からギレッティとしています。ちょっと
迷彩が入りかけてますね。






















An.hastifolia
カメルーン便でハスチフォリアとして
入荷したものです。なるほど耳が前に
返っていて3枚葉のようになってますね。
図鑑で見るような形状です。



















これらは大小はあれど明確な耳を持つ種類として
知られているアヌビアスです。しかしながら
耳付きと認識されてはいないもののアフリカ便で
入荷するAn.barteriの仲間と思われる種類の中に
耳を持つタイプがあります。
An.barteri var. barteriで入荷したものです。
なかなか特徴的な形状で普通の物と異なるのが
わかります。状態が悪かった回ですね。。。

An.barteri var.caladiifoliaで入荷したもの。
このようなバルテリィは昔から稀に見られたようで
マニアの眼に留まっていました。





































耳付きの個性的な種類は入荷頻度が低く、より特徴的な
草姿をしているタイプは更に入手する機会が
少なくなっています。
以前は不定期ながらもアフリカから野生の株が
入荷していましたが例の問題で止まってしまいました。

以下の種類(タイプ)の物はかなりの個性派で
私がとやかく説明するよりもその形状を見て頂いた方が
説得力があろうかと思います。

An.sp. Zohoyea 
ご存知ゾオイアです。これはいつもの便とは
少し異なる産地から入荷したと言うアナウンスが
ありました。現地からのアヌビアスが一旦終焉を
向かえる末期に来ていたためか関西のみ入荷の記憶が。
なぜか良い画像が残ってませんでした。。。

とにかく細葉の耳付きと言う事で
密かに1人で衝撃を受けていました。
当時はあまり伝わっていなかった気が。。

新しい種類なのかギガンティアの地域変異なのか
はたまたハイブリッドなのか詳細は不明です。
実生は出来るらしいです。























































An. cf. gigantea 「pynaertii」
まだカメルーン便が来る前に入荷していた
ワイルドかどうか微妙な感じのギニア便で
ピナエルティとして入荷したものです。

種類としてはギガンティアに当たるのだろうと
思いますが、既存のギガンティアと思われる種と
比較してとにかく耳が長い!場合によってはこの
画像のように耳の方が長くなることも。。。






































An.cf.pynaertii 「hastifolia
ごく初期のカメルーン便でハスチフォリアとして
入荷したものです。入荷時は葉が前に返っている
ハスチと思われる草姿をしていましたが、栽培すると
徐々に葉が細くなりなおかつ耳が左右に伸び始めました。


入荷した中で最もピナエルティに近い形状だと
思います。本種は葉柄に棘がある個体群で、
カメルーンからやってくるギガンティアなどにも
時折みられる特徴です。ファームから入荷する
アヌビアスの葉柄には棘はありません。






































これらは偶然店頭で成長した姿が確認出来ただけで
もしかしたら当時消耗品のごとく大量に入荷した中には
更に変わった耳付きがあったのかもしれません。
恐らく殆ど残っておらず見ることは叶わないかと
思いますが手にした方はラッキーですね。

このような魅力的な種類も今後は新たに入荷することも
無いのでしょう。もちろんそれはアヌビアスだけに
限った話ではありません。

。。。続く