2022年4月24日日曜日

持っておきたい水草関連書籍【1】

 水草のことを調べる時に、今なら取り敢えずみなさんの

目の前の四角いもので検索すればなんとなくいろんなことが

出てきてそれなりにわかることがたくさんあります。

しかしながら昔はそんなに便利ではなく基本的に書籍が頼りでした。

と言う訳でなんだかんだと買ったのです(笑)

もちろん昔の書籍は情報自体は古くなっているのですが

それが劣化することは無く今でもなお役に立つことがしばしばあります。

例えば当時の流行った水草、以前呼ばれていた名前、

最近見ない水草たちが使われたレイアウト、

制約が多い時代のレイアウト、かつて存在した水草…

今のインターネット上には容易に転がっていない情報が

そこにはあるのです。

もちろん全てが優れているわけではなく、なんじゃこりゃ

みたいなのもあるのですが、それも含めて情報です(笑)

まぁ個人的な思い入れだなんだでバイアスかかりまくりに

なるのですがそう言った書籍をご紹介していこうと思います。

では早速。


ダッチアクアリウムを徹底解説。
図鑑も当時の先端でしょう。
下手な入門書を何冊も買うより
これ一冊を読み込んで実践した方が
何倍も役に立つと思います。















日本の水草業界史上最高峰と言って良い本ですね。

図鑑、レイアウト作品、ノウハウ、写真の質、

すべてにおいて当時の最高であり、今なお日本の書籍で

これに匹敵するものはありません。※当社調べ(笑)

何と言っても本場のダッチアクアリウムのカラー写真が

多数掲載されているのが大きいです。

これは「Das Wunder im Wohnzimmer」の

Nieuwenhuizen氏の写真ですね。

筒井さんの「リヴィングルームの不思議な世界」と言う

邦題が印象に残ります。

未だに日本が追い付けない領域。


おすすめポイント

前述しましたが、まず当時の最先端にして最高の

ダッチアクアリウムが多数掲載されている点です。

写真1枚から学ぶべきことがたくさんあります。

また、吉野氏をはじめ日本人によるハイレベルな

ダッチアクアリウムも参考になります。

アクアリウムの水草図鑑としても非常に有用で

多くの種類がレイアウト内で使用されている

水中葉の写真となっておりとても参考になります。

水草として使用できないものについてはその旨が

明記してあり、これもまたポイント(笑)

水草水槽の作り方もセッティングから植え込み、

トリミングなど日々の管理まですべての説明が

あるのでこれ1冊あれば特に他を読む必要も

ないくらいと思います。

ただし、サブタイトル?にもあるように

ダッチアクアリウムに全振りしている内容なので、

それ以外に関してはほぼ触れていません。


脱・ビギナーを目指す人からマニアまで

満足できる1冊と思います。


水草の楽しみ方

定価3,800円

平成3年3月31日発行

著者 吉野敏

ISBN4-89531-626-2


2022年4月10日日曜日

アヌビアス ~きれいな水槽植物~ Part 5

アヌビアスの仲間はビギナーからマニアまで
幅広く認識されている水草です。
その中で我々が身を置くマニアの世界において
群を抜いて人気があるのがいわゆる「耳」を持つ
種類です。
耳とは何ぞや?と言う方は下の画像をご覧ください。
アクアフルールのハスチフォリアです。
ファーム物のハスチは種類としては
ギガンティアになるかと思います。
赤丸の部分がいわゆる耳ですね。

















ギニア便の巨大ギガンティアです。
赤丸部分が耳です。ここまでくると
ハッキリわかりますね。ご立派。

























この耳を持つ種類はいくつかあるのですが、
知られているものは以下の通りです。

An.gigantea
An. gilletii
An.gracilis
An.hastifolia
An.pynaertii

An.gracilis
最後のギニア便で入荷した巨大な
グラキリスです。ここまで大きな株は
見たことがありませんでした。葉の形状や
葉脈も小さい株とは一線を画します。



















An. gilletii
最後のカメルーン便でギレッティとして
入荷したものです。草体サイズの割に
やはり耳が小さいです。100%本種かと言われると
そこはまぁ。。。(笑)一応入荷名と外見上の
特徴からギレッティとしています。ちょっと
迷彩が入りかけてますね。






















An.hastifolia
カメルーン便でハスチフォリアとして
入荷したものです。なるほど耳が前に
返っていて3枚葉のようになってますね。
図鑑で見るような形状です。



















これらは大小はあれど明確な耳を持つ種類として
知られているアヌビアスです。しかしながら
耳付きと認識されてはいないもののアフリカ便で
入荷するAn.barteriの仲間と思われる種類の中に
耳を持つタイプがあります。
An.barteri var. barteriで入荷したものです。
なかなか特徴的な形状で普通の物と異なるのが
わかります。状態が悪かった回ですね。。。

An.barteri var.caladiifoliaで入荷したもの。
このようなバルテリィは昔から稀に見られたようで
マニアの眼に留まっていました。





































耳付きの個性的な種類は入荷頻度が低く、より特徴的な
草姿をしているタイプは更に入手する機会が
少なくなっています。
以前は不定期ながらもアフリカから野生の株が
入荷していましたが例の問題で止まってしまいました。

以下の種類(タイプ)の物はかなりの個性派で
私がとやかく説明するよりもその形状を見て頂いた方が
説得力があろうかと思います。

An.sp. Zohoyea 
ご存知ゾオイアです。これはいつもの便とは
少し異なる産地から入荷したと言うアナウンスが
ありました。現地からのアヌビアスが一旦終焉を
向かえる末期に来ていたためか関西のみ入荷の記憶が。
なぜか良い画像が残ってませんでした。。。

とにかく細葉の耳付きと言う事で
密かに1人で衝撃を受けていました。
当時はあまり伝わっていなかった気が。。

新しい種類なのかギガンティアの地域変異なのか
はたまたハイブリッドなのか詳細は不明です。
実生は出来るらしいです。























































An. cf. gigantea 「pynaertii」
まだカメルーン便が来る前に入荷していた
ワイルドかどうか微妙な感じのギニア便で
ピナエルティとして入荷したものです。

種類としてはギガンティアに当たるのだろうと
思いますが、既存のギガンティアと思われる種と
比較してとにかく耳が長い!場合によってはこの
画像のように耳の方が長くなることも。。。






































An.cf.pynaertii 「hastifolia
ごく初期のカメルーン便でハスチフォリアとして
入荷したものです。入荷時は葉が前に返っている
ハスチと思われる草姿をしていましたが、栽培すると
徐々に葉が細くなりなおかつ耳が左右に伸び始めました。


入荷した中で最もピナエルティに近い形状だと
思います。本種は葉柄に棘がある個体群で、
カメルーンからやってくるギガンティアなどにも
時折みられる特徴です。ファームから入荷する
アヌビアスの葉柄には棘はありません。






































これらは偶然店頭で成長した姿が確認出来ただけで
もしかしたら当時消耗品のごとく大量に入荷した中には
更に変わった耳付きがあったのかもしれません。
恐らく殆ど残っておらず見ることは叶わないかと
思いますが手にした方はラッキーですね。

このような魅力的な種類も今後は新たに入荷することも
無いのでしょう。もちろんそれはアヌビアスだけに
限った話ではありません。

。。。続く