あまり知られていないアヌビアスですが、かつては
ナナは熱帯魚水槽の高嶺の花、他の種類はマニアックな
水草でありました。
しかしながら現在はアヌビアスが主役になることは殆ど無くなり
レイアウトに登場するのはナナかプチナナで、用途はもっぱら
着生する性質を利用しての目地埋めくらいです。
かつてはアトラスレイアウトと呼ばれる水槽が存在しており、
水草、魚の産地を揃えて統一感のあるレイアウト水槽として
作られることがしばしばありました。
その中で西アフリカ水景を作る際に主役となり得るのが
アヌビアスの仲間です。
増殖させたナナをライデン通りよろしく流れるように配置、
中景にタイガーロータスとクリナムを左右に振り分けて
メインに据え、後景にバルテリーやヘテロフィラ、
ランケオラータの区画を作りボルビティスを中後景に
上手く配置する、と言ったイメージでしょうか。
そう言った熱いレイアウトを見ることが無くなりました。
しかしながら現在は小型水槽かジオラマ的なレイアウト、
NA風レイアウトが主流となり、アヌビアスのポテンシャルを
余すことなく引き出すことが難しいスタイルが殆どです。
そんなわけでアヌビアスを使うことが無くなっているため
紹介されることも無くなった次第です。
では、ナナとバルテリィ以外は入手出来ないのでしょうか。
基本的にアヌビアスの仲間はファーム物で調達することに
なります。
最近入手できるものにどういった種類があるでしょうか。
代表的なものを見てみましょう。
ナナとその改良品種(通称)
バルテリィとその改良品種
ハスチフォリア
グラブラ
アフセリィ
ヘテロフィラ
ランケオラータ
コンゲンシス
コーヒーフォリア
この辺りは問屋さんの在庫リストでみかけます。
アクアフルール社のヘテロフィラ。 葉脈の感じがそれっぽい。 |
こちらもフルールがリリースしている コンゲンシスで入荷するもの。 この名前で来るものは比較的この形状が 維持されているように思う。 東南アジアからも入荷します。 |
こちらはトロピカ社のグラキリス。 現在のところ本種が安定して入手可能なのは トロピカだけと思われます。 |
フルールのランケオラータ。 この種小名はどうやら有効ではなさそうですが 昔から馴染みのある細葉の代表的なものです。 |
昔からよく知られた、図鑑でも見かける種類は現在でも
ヨーロッパ、東南アジアのファームから継続して
入荷が見られます。ただし、問屋さんのリストに
掲載されているからと言って、店頭で見かけるかどうかは
また別問題です。
欲しい種類は取り寄せてもらった方が早いです。
アヌビアスを楽しむためには能動的に動ないといけません。
そういう意味ではやはり今でもナナとバルテリィ以外は
マニアックな領域なのかもしれませんね。
。。。続く