2013年もいろいろあったような気もしますが、
さて、何か驚いたことを挙げてみなさい、と
言われても何も浮かばないと言う寂しい状況です。
今年1年を通して、様々な状況を見たり聞いたりして
個人的(“Roots”的?)にも、この小さな業界的にも
考えさせられることの質が変わりました。
結論としては毎年のように年末にここで書くことと
変化はなく、と言うべきか悪化していると言うべきか。。。
何を削って何と向かい合ってるのだろうと。
ビギナー向けの楽しい熱帯魚が廃刊となり、
2大アクア誌(?)の一角、フィッシュマガジンが
廃刊となり(敢えて廃刊と言いますが)、アクアライフの
薄さに私もお客様も驚きを隠せず。。。
ALの新着には水草は無くて当たり前になりました。
専門店と言う言葉も既に意味を成さない状況です。
何の専門かわからないからです。
そして、近年稀に見る水草不作の年となりました。
まぁそんなことを言っても、私は出来ることなら
まだしばらく“Roots”を存続させたいわけですが。。。
今月PC(内部)を物理的に破損してしまい、
再確認出来ない入荷の画像が多数。。。
店頭でも、年末のあれはいつですか?と
稀におっしゃっていただいておりますので
やらねばなりません。
水草があるのかどうかわかりませんが
とりあえず行きましょう。
ちなみに毎年ここで挙げるのは基本的に
「当店に初めて入荷したもの」
となっております。他店にしか入荷しなかったものは
知らないです。
水草各種
クリプトコリネ
コメント:昨年からの微かな復調が持続している
印象はありますが、右肩上がりではなく、殆ど
横ばい。底は脱したとは思いたいのですが、取り巻く
状況は良いとは言えない。入荷も同種・同産地の
再入荷が殆ど。
1:キー Tongdon(TB便)
特にアナウンスは無かったのですが、産地は
初です。AZ便のカリマンタンから来たキーと
思われるものと言い、今回の本種と言い、
いつもの産地以外からキーが出ることは
かなり大きな出来事のはずなのですが、
これが話題にも上らないと言うこと自体が
残念な状況を反映している。
アヌビアス
コメント:昨年のゾオイアを最後にギニア・カメルーンの
アフリカ便は途絶えてしまいました。ファームものも
時折マーブルと呼ばれる斑入りのバルテリィ(var.nana?)が
入荷する程度でした。
該当種なし
エキノドルス
コメント:エキノはファームからやってくる改良品種しか
入荷が難しい状況ですので、AZ便が無い限りは
大幅なエントリーはなかなか。。。
1:オシリス‘Pinwheel’(神畑フロリダ便)
フロリダ便の新作エキノ。ここはオシリスばかり
作っているから色々出るのか、担当者が
オシリスが好きなのか(笑)
こだわりかたまたまかはわかりませんが
こういう傾向も嫌いじゃないです。
有茎草
コメント:近年稀に見る不作。
1:スタウロギネsp.サウスゴアなど(神畑インド便)
入荷インパクトとしては特にありませんが
まぁ有茎草が無さ過ぎて。。。
とにかく神畑インド便の復活を祝って。
しかしながら兎にも角にも少し高いと
売れない。新産地スターレンジ1本5000円、
不明種1本3000円がベースだった頃を
考慮すると採る方は当然誰もやらない。
有茎は売れないから利殖目的の需要も
無くなったということでしょう。
ホシクサ
コメント:基本的に入荷もないし、私個人的にも
モチベーションは上げてもらえない。入荷がないとか
そういう次元ではないです。
トニナやスターレンジの美しさは普遍(不変)ですが。
該当種なし
参考:ケヤリソウ Canacona Goa(神畑インド便)
草姿や産地からインターメディウムではなくセタケウムか?
という声がちらほら。大変美しい状態で入荷しました。
シダ(水生種)
コメント:元々入荷が多いものではありませんが
年に1つくらいは出るような感じでしょうか。
1:ミクロソリウム sp.Saripoi(LA便)
ワイルドトライデントと言った感じの水中育成可能な
ミクロソリウムと思われる種。トライデントより先ならば
ちょっとしたムーブメントになったかも?!
ブセファランドラ
コメント:昨年も述べたように1ジャンルとして確立されたと
思います。それなりに一般的になりつつあります。
こう言う形に落ち着くなら悪くはないでしょう。
1:Semadang(TB便)
色や形もなかなか格好の良いブセでした。
2:Sosok(TB便)
水中葉で入荷したため、その時の状況も相まって
若干状態が良くなかったものの、育ててみたい
ブセでした。
3:Kapit/Panyumpa(TB便)
あまりやってこない小型タイプのブセが2産地も
来ました。これらも水中で楽しみたいものです。
その他
コメント:毎年何かしら水草系でヘンタイ草が来るのですが
今年は記憶にありませんでした。。
該当種なし
水草以外の植物
アグラオネマ
コメント:昨年新設して、どうなるかと思いきや、流れは
変わらず。
1:Campur 月光(AZ便)
昨年のサイレントに引き続き、入荷時のインパクトと
好み的にはこれでしょうか。綺麗なのと受けるインパクトは
別と言う好例。
2:アルゲンタムシリーズ(LA便)
周りに後れを取ること1年以上でしょうか。
ようやく当店にもやってきました。
採集する場所で、個体群で、こうも違うのが
トリカラーの面白いところ。
サトイモ科の仲間
コメント:今やメインの入荷品となったサトイモ科の植物たち。
まだまだ変わった種類がどこかに潜んでいるようですね。
1:ホマロメナ sp. 蛇腹(LA便)
鮫肌に匹敵するインパクトのホマロメナでした。
2:アリダルム オリエンターレ (TB便)
個人的にお気に入りです。アリダルムも集めると
地味に楽しいです。
3:アリダルム sp. Ngabang(TB便)
やはりこういう細いやつもあるんですね(笑)このタイプのは
葉幅が無段階に存在しているようですが、すべて同一種
じゃないかなと思ってます。
4:スキスマトグロッティス sp. ガモアンドラ(TB便)
模様と言い質感と言い、いいじゃないですか(笑)
5:スキスマトグロッティス sp.Murung
Raya(LA便)
細葉で形は面白いし葉裏からぽこぽこ子株が出るし
面白いんだけどなぁ。。。と。
6:スキスマトグロッティス sp.?? ボルネオレッドステム(神畑便)
おそらく初めて見た種類だと思うのですが
あまり売れて無いようで。。。
シダの仲間
コメント:KSB便に引き続きLA便を得て、面白そうな
種類がさらに入手できるようになり、こっちのジャンルも
期待できます。この2便でテラリウムで遊ぶ幅が
何倍にも広がることに気づいてますか??
1:ミクロソリウム ペンタフィラム(KSB便)
大株は見たら忘れられないインパクトです!!
小さく育てても格好良い。もちろん巨大にするもよし!
2:アスプレニウム sp.Saripoi(LA便)
サイズも形状も申し分のないシダでした!
これは大当たりですよ。
3:ディプラジウム ポルフィロキラス Murung
Raya(LA便)
青光りのシダは外せません(笑)
4:クロコダイルファーン Maricu Santa
Fe(KSB便)
こういう誰も買わない一般種のワイルドが面白いんです。
どこまで拘れるかと言う部分が見えてきます。
インド便のワイルドウィステリア、ワイルドモンニエリなんかに
通ずるノリです(笑)
5:ドリナリア・アグラオモルファの類(KSB便)
何年も前からビカク推しだったのもあってこういう種類が
手ごろな価格で入手できるようになるのを
ずっと待ってました。
その他
コメント:最近はこちらもちらほらと。ただ、理解されにくい
物が増えてきました(笑)
1:アルトロポディウム ネオカレドニカム(KSB便)
通称「蛇皮」?(笑)丈夫で育てやすい変わった草です。
サンプル入荷で入手はしてましたが超放置でも
枯れない。なので手をかけるとかなり良くなるはず。
テラに使いたい1種。
2:リクアラ マッタネンシス?(KSB/TB便)
ヤシも園芸ではコアなファンが存在しているようです。
綺麗だし熱帯の雰囲気が出て良いですよ。
1:モノフィレア sp.(LA便)
個人的リクエストで無理に持ち帰ってもらいました。
入荷状態からどうなるか不明だったので様子見中。
<ランキングを終えて>
今年は近年稀に見る水草不作の年でしたが、インド便が
辛うじて復活したことが救いでしょうか。
個人的にはLA便が加わって、“Roots”では
「AZ」「KSB」「LA」「TB」の4大ルートを本人から
直接引っ張れることになったので、植物的には
かなりの幅が出ることになりました。ですので
シダとサトイモ科には困らないですね(笑)
そこで個人的な宿題であった、店頭に放置された
ウォーターフォールの改造に着手することへの
モチベーションは上がりました(笑)
と言うわけでテラリウムでの植物の遊び方も
模索しながらご紹介できればと考えてます。2012年も
書きましたが、買って並べて終わりではないです。
もちろん増やして終わりじゃないです。そこから先が
遊べるところなんです。
ただ、水草がとても寂しいので採集者の
みなさんには1入荷1水草をなんとかお願いしたいと
思い、声をかけさせてもらってます(笑)
2014年は水草をたくさん紹介できると
良いのですが。。。
最後になりましたが
「2013年度版も越年してしまい、申し訳ございません!!」
コメントは何なりとどうぞ。
2013年12月29日日曜日
2013年11月26日火曜日
水草水槽は文化となり得るのか
若かりし頃、水草に夢を持ってこの業界に入ってきた
現・業界人、ショップ経営者のみなさんはタイトルにある
「水草水槽を文化に」と言うことを一度は考えたことが
あると思うがどうだろうか。
そう言えば、最近でもそう言った言葉をどこかで聞いたことが
あるような気がする。
まず個人的な答えから。
「No」
そう、なり得ないのである。
残念ながら。
もちろん、凝り固まった個人の考えなので
「いや、そんなことはない!」と言うご意見もあると思う。
そう考えられる理由を挙げてみる。
まず市場規模が拡大しない点にあり、
併せてそこには日本独特の理由もあると思われる。
・メーカーによる小型化戦略
→簡単に始められるが簡単に処分できる
→収容生体の減少→売上減
→収容生体の種類の限定→多数の店舗存在意義減
・地震
→破損・火災等のリスク
→住宅事情(マンションが多い=水漏れトラブル)
・電力事情
・価格下落(=価格競争)の早さによる問屋・ショップの買い控え
→当然消費者の買い控え
→様々な機会損失
・消費者間の流通・利殖行為の簡易化
→ショップ販売機会減
→仕入れ・モチベーション減
→特化型ショップの意識・モラルの低下・個性の消失
・日本の家屋内でどこか浮いた存在の水槽
・メンテ・リース
→一般個人宅に不向き
→所有者の思い入れ低
→レンタル観葉植物と差が無いのにコスト高
・レイアウト
→国内状況はすでにレベル的にMaxに近い?
メディアへの露出なし
有名人の起用等なし→利益に直結しない
=先行投資として大き過ぎる上に
リターンが予測不能
・広告宣伝自体が完全に内向き
→すでに興味がある・やっている人に対してのみ
(=広がり無し)
→目新しさ無し
以上のような観点から、誰の家にも水草水槽が
あって、水草水槽文化と言うものが日本に定着する
と言う事は考えられない。
文化にする必要が無いと言うのが個人的な
結論となっている。
もちろん、水草好きである私がそう言った活動なり
考えに反対している訳ではない。
水草の事を誰もが知っていると言うのは喜ばしいことだ。
しかしながら、今までの状況から考えるとどうしても
その道筋が想像すら出来ない。
映画に使われてもCMの一部に用いられても
市場には波風は立たない。
すなわち世間一般からはいつまで経っても
どこか違う世界の、距離のある存在なのだ、
水槽は。
現在は割と地味な世界でも良いと思っている。
趣味の世界は自分の中だけで広がっていれば良い。
現・業界人、ショップ経営者のみなさんはタイトルにある
「水草水槽を文化に」と言うことを一度は考えたことが
あると思うがどうだろうか。
そう言えば、最近でもそう言った言葉をどこかで聞いたことが
あるような気がする。
まず個人的な答えから。
「No」
そう、なり得ないのである。
残念ながら。
もちろん、凝り固まった個人の考えなので
「いや、そんなことはない!」と言うご意見もあると思う。
そう考えられる理由を挙げてみる。
まず市場規模が拡大しない点にあり、
併せてそこには日本独特の理由もあると思われる。
・メーカーによる小型化戦略
→簡単に始められるが簡単に処分できる
→収容生体の減少→売上減
→収容生体の種類の限定→多数の店舗存在意義減
・地震
→破損・火災等のリスク
→住宅事情(マンションが多い=水漏れトラブル)
・電力事情
・価格下落(=価格競争)の早さによる問屋・ショップの買い控え
→当然消費者の買い控え
→様々な機会損失
・消費者間の流通・利殖行為の簡易化
→ショップ販売機会減
→仕入れ・モチベーション減
→特化型ショップの意識・モラルの低下・個性の消失
・日本の家屋内でどこか浮いた存在の水槽
・メンテ・リース
→一般個人宅に不向き
→所有者の思い入れ低
→レンタル観葉植物と差が無いのにコスト高
・レイアウト
→国内状況はすでにレベル的にMaxに近い?
メディアへの露出なし
有名人の起用等なし→利益に直結しない
=先行投資として大き過ぎる上に
リターンが予測不能
・広告宣伝自体が完全に内向き
→すでに興味がある・やっている人に対してのみ
(=広がり無し)
→目新しさ無し
以上のような観点から、誰の家にも水草水槽が
あって、水草水槽文化と言うものが日本に定着する
と言う事は考えられない。
文化にする必要が無いと言うのが個人的な
結論となっている。
もちろん、水草好きである私がそう言った活動なり
考えに反対している訳ではない。
水草の事を誰もが知っていると言うのは喜ばしいことだ。
しかしながら、今までの状況から考えるとどうしても
その道筋が想像すら出来ない。
映画に使われてもCMの一部に用いられても
市場には波風は立たない。
すなわち世間一般からはいつまで経っても
どこか違う世界の、距離のある存在なのだ、
水槽は。
現在は割と地味な世界でも良いと思っている。
趣味の世界は自分の中だけで広がっていれば良い。
2013年11月9日土曜日
癒しとされる水槽と小型水槽に向かうアクア業界
2010年12月に“水草水槽は本当に「癒し」なのか”と言う
内容の記事を書きましたが、あれからいくらかの月日が経過しました。
当時はまだ景気の先行きは不透明で、世間の雰囲気も良いとは
言えなかったと思います。
現在、景気の持ち直しの「兆し」が、見えてきたかもしれない、
と言うところに差し掛かっていると思いますが、そうなった今は
どうでしょう?
個人的には何も変わることはありません。答えは「No」です。
また、水草水槽についての癒しの部分とは何を指しているのでしょうか。
特に趣味性の強いアプローチにおいて、またそこにターゲットを
絞ってアピールしているショップにおいて、水草水槽が「癒し」で
あるわけはないのです。
趣味家の場合は、前回の記事に挙げたような事柄のため
癒しでない部分が99.9999%を占めているでしょう。
では「癒し」であることをコピーにして売られている形態を
考える事にします。
基本的には即持ち帰れるように「小型」であり、お手軽感が
必要なため「セット済み」であることがしばしば見られます。
なるほど、小型なために置き場所を選ばない、セット済みで
あるため、水を入れればその日から大した手間もかけずに
「完成品」で始められると言ったところでしょうか。
ここに落とし穴があります。
まず「小型」と言う点。これは容易にスタートできる半面、
簡単に撤去できるのです。つまりやめやすいと言う事です。
次に「完成品」と言う点。初心者が完成品を持ち帰ると言う事は
器具や生体等を揃えてきたところから、現状に至る過程を
全て「すっとばして」、いきなり色んな部分が「ピーク」の
状態がスタートとなります。
すなわち、下り坂が殆ど確定的な上にやめやすいものから
スタートするのです。その後の展開は想像に難くありません。
次に、一からスタートする場合を考えます。
以前より徐々に器具類の単価は小型水槽関連の
ハードの増加により(後述)、購入するハードルが
下がっているわけですから、新たな購入者は
一定の割合で存在すると思われます。
ただ、小型水槽を状態良く維持するにそれなりの
知識、または経験や手間が必要で、入門関係の書籍や
特集には、水槽は小さいより大きい方が安定する、
と言った記述があるはずです。
小さい水槽は水槽寿命のサイクルが速いのです。
状態が崩れた際に探究心や興味を持ってその状況に
取り組める人、やめてしまう(=殆ど放置する)人に
分かれると思いますが、後者が多いことは想像に
難くありません。
話が前後しますが、現在の社会情勢では中~大型水槽を
設置するのはなかなか難しいと考えられるため、60cm
レギュラー水槽以上の動きがかなり悪くなっているだろうと
想像できます。そのため、小売店もメーカーも上述のように
比較的容易に始められる小型水槽を推し始め、今まで
主力であった60cmレギュラーやそれ以上の水槽と比較して
小型水槽の販売数量が徐々に増加したと考えられます。
そこで業界全体が比較的容易に売り上げが立つであろう
小型水槽への大いなるシフトが始まりました。
それはここ数年の新製品を振り返ると一目瞭然です。
「癒し」「簡単」「お手軽」と言った落とし穴だらけの
フレーズと共に、以前は周辺機器が60レギュラー水槽より
割高だった小型水槽は一気に主力にのし上がりました。
新製品と言うのは一時的に出荷数が増えます。そして
価格面での制約が無くなったので比較的売れたのでしょう、
新製品が乱発されます。
小型水槽を購入したとして、魚は何匹入るでしょう?
水草や底床材、その他消耗品にかける金額はどうでしょう?
そもそも水槽や器具は生体を購入してもらうための
足がかりに過ぎません。
その「うつわ」が致命的に小さいのです。
魚は小型魚数匹、水草は鉛巻2つ、底床材は2リットル。
これが60cmだとどうでしょう?
小型魚3~40匹、水草は鉛巻5~10にポットを3つ
底床材は8リットル。
小型水槽が主流となってしまうと、泳がせる魚の数量は
もとより、種類にも大きな制約が生まれます。
淡水熱帯魚で屈指の美しさの一般種、カージナルテトラを
考えてみましょう。S水槽に入れれなくもないですが、
体長を考えるとやはり窮屈です。次に価格的に少し上の
ラミーノーズを考えてみます。水槽内を疾走するような
彼らはサイズこそカージナルより少し大きい位ですが
60cmでもその良さは活かしきれないでしょう。
卵胎生メダカのモーリーやプラティも最初は良いですが
親サイズになれば手狭でしかありません。
ましてやコンゴテトラクラスの魚は買うことが出来ません。
そうなると小型水槽が広まっても肝心の生体の販売の
数・種類共に極端に少なくなるのです。
そうなると、売れる魚種が限られるので、小売店や
問屋も魚種をシビアに絞り込まなければなりません。
外すと不良在庫化しかねないからです。
つまり、どの小売店に行っても同じものが並ぶと言う
事につながります。
すなわち小売店の個性の消失です。
個性の問題は、別の意味でも深刻化していますが
それはまた別の機会にと思います。
容易に売れる方向へ傾いてしまった結果として
業界全体が水槽を購入した先に待っている、本来最大化を
図らねばならない生体の需要を自ら矮小化してしまったと
言えそうです。
これが時代・業界の趨勢と言ってしまえば
それだけかも知れません。またそうしなければ
生きていけなかったのかもしれません。
此処で述べていることも結果論であると思います。
もちろん、メーカー、問屋、小売店にすべての
責任があるわけではありません。
ただ、アクア業界はこのようなスパイラルに
陥っていることだけは事実だと思います。
内容の記事を書きましたが、あれからいくらかの月日が経過しました。
当時はまだ景気の先行きは不透明で、世間の雰囲気も良いとは
言えなかったと思います。
現在、景気の持ち直しの「兆し」が、見えてきたかもしれない、
と言うところに差し掛かっていると思いますが、そうなった今は
どうでしょう?
個人的には何も変わることはありません。答えは「No」です。
また、水草水槽についての癒しの部分とは何を指しているのでしょうか。
特に趣味性の強いアプローチにおいて、またそこにターゲットを
絞ってアピールしているショップにおいて、水草水槽が「癒し」で
あるわけはないのです。
趣味家の場合は、前回の記事に挙げたような事柄のため
癒しでない部分が99.9999%を占めているでしょう。
では「癒し」であることをコピーにして売られている形態を
考える事にします。
基本的には即持ち帰れるように「小型」であり、お手軽感が
必要なため「セット済み」であることがしばしば見られます。
なるほど、小型なために置き場所を選ばない、セット済みで
あるため、水を入れればその日から大した手間もかけずに
「完成品」で始められると言ったところでしょうか。
ここに落とし穴があります。
まず「小型」と言う点。これは容易にスタートできる半面、
簡単に撤去できるのです。つまりやめやすいと言う事です。
次に「完成品」と言う点。初心者が完成品を持ち帰ると言う事は
器具や生体等を揃えてきたところから、現状に至る過程を
全て「すっとばして」、いきなり色んな部分が「ピーク」の
状態がスタートとなります。
すなわち、下り坂が殆ど確定的な上にやめやすいものから
スタートするのです。その後の展開は想像に難くありません。
次に、一からスタートする場合を考えます。
以前より徐々に器具類の単価は小型水槽関連の
ハードの増加により(後述)、購入するハードルが
下がっているわけですから、新たな購入者は
一定の割合で存在すると思われます。
ただ、小型水槽を状態良く維持するにそれなりの
知識、または経験や手間が必要で、入門関係の書籍や
特集には、水槽は小さいより大きい方が安定する、
と言った記述があるはずです。
小さい水槽は水槽寿命のサイクルが速いのです。
状態が崩れた際に探究心や興味を持ってその状況に
取り組める人、やめてしまう(=殆ど放置する)人に
分かれると思いますが、後者が多いことは想像に
難くありません。
話が前後しますが、現在の社会情勢では中~大型水槽を
設置するのはなかなか難しいと考えられるため、60cm
レギュラー水槽以上の動きがかなり悪くなっているだろうと
想像できます。そのため、小売店もメーカーも上述のように
比較的容易に始められる小型水槽を推し始め、今まで
主力であった60cmレギュラーやそれ以上の水槽と比較して
小型水槽の販売数量が徐々に増加したと考えられます。
そこで業界全体が比較的容易に売り上げが立つであろう
小型水槽への大いなるシフトが始まりました。
それはここ数年の新製品を振り返ると一目瞭然です。
「癒し」「簡単」「お手軽」と言った落とし穴だらけの
フレーズと共に、以前は周辺機器が60レギュラー水槽より
割高だった小型水槽は一気に主力にのし上がりました。
新製品と言うのは一時的に出荷数が増えます。そして
価格面での制約が無くなったので比較的売れたのでしょう、
新製品が乱発されます。
小型水槽を購入したとして、魚は何匹入るでしょう?
水草や底床材、その他消耗品にかける金額はどうでしょう?
そもそも水槽や器具は生体を購入してもらうための
足がかりに過ぎません。
その「うつわ」が致命的に小さいのです。
魚は小型魚数匹、水草は鉛巻2つ、底床材は2リットル。
これが60cmだとどうでしょう?
小型魚3~40匹、水草は鉛巻5~10にポットを3つ
底床材は8リットル。
小型水槽が主流となってしまうと、泳がせる魚の数量は
もとより、種類にも大きな制約が生まれます。
淡水熱帯魚で屈指の美しさの一般種、カージナルテトラを
考えてみましょう。S水槽に入れれなくもないですが、
体長を考えるとやはり窮屈です。次に価格的に少し上の
ラミーノーズを考えてみます。水槽内を疾走するような
彼らはサイズこそカージナルより少し大きい位ですが
60cmでもその良さは活かしきれないでしょう。
卵胎生メダカのモーリーやプラティも最初は良いですが
親サイズになれば手狭でしかありません。
ましてやコンゴテトラクラスの魚は買うことが出来ません。
そうなると小型水槽が広まっても肝心の生体の販売の
数・種類共に極端に少なくなるのです。
そうなると、売れる魚種が限られるので、小売店や
問屋も魚種をシビアに絞り込まなければなりません。
外すと不良在庫化しかねないからです。
つまり、どの小売店に行っても同じものが並ぶと言う
事につながります。
すなわち小売店の個性の消失です。
個性の問題は、別の意味でも深刻化していますが
それはまた別の機会にと思います。
容易に売れる方向へ傾いてしまった結果として
業界全体が水槽を購入した先に待っている、本来最大化を
図らねばならない生体の需要を自ら矮小化してしまったと
言えそうです。
これが時代・業界の趨勢と言ってしまえば
それだけかも知れません。またそうしなければ
生きていけなかったのかもしれません。
此処で述べていることも結果論であると思います。
もちろん、メーカー、問屋、小売店にすべての
責任があるわけではありません。
ただ、アクア業界はこのようなスパイラルに
陥っていることだけは事実だと思います。
2013年7月13日土曜日
ツイッター・夏の企画→ハッシュタグ企画に
何か簡単で刺激になることが出来ないか。。。と言う
ところから、使用しているツイッターの「ハッシュタグ」機能を
使って皆さんから水槽・植物の画像を集めることにしました。
とりあえずある程度ジャンルを分けたかったので
ハッシュタグを3つ作りました。
※ハッシュタグ:半角スペース・シャープ・識別用の文字・半角スペース
#rootsmizukusa1
→水槽、いわゆるアクアリウム。もちろん超ヘンタイ水槽が
希望ですが、美しく育つエキノドルやアポノゲトン、
コレクションされた有茎水槽、ダッチアクアリウム等
様々な水槽画像をお願いします。
#rootsmizukusa2
→近年、やっている人が急増した水上育成物。
ブセファランドラ、アグラオネマ、ホマロメナ、アリダルム、
スキスマトグロッティス、その他シダ類、もちろんクリプトコリネも!
#rootsmizukusa3
→夏の風物詩、ビオトープをメインに。水鉢や庭の池等で
立派に育っている水生植物です。エキノドルスやアヌビアス、
睡蓮やミミモチシダ、コビトヒメビシ、アポノゲトン、ラゲナンドラ等
屋外で力強く育っている画像を!
#rootsmizukusa4(後に追加しました)
→根の制限から解放された露地栽培の水草や
ジャングルからやってきた植物を庭などに
地植えして育っているものを!
#神畑ピクタムG3 (後に追加しました)
→神畑便でやってくるアグラオネマ ピクタムの
幼株が成長してどんな模様に変化したかの
画像を集めています。
全般を通して、
・あの時のこれがこんな姿に!!
・最近こんなの見かけませんよね?
・ここまで立派になりました!
・こんな環境でやってます!
・このアプローチは面白くないですか?
と言うような感じであればOKです!
遠慮無くどんどん刺激的な画像をお願い致します!!
※2015年10月現在、上記の通り一部追加も含め、
今も継続中ですので、宜しければハッシュタグを
つけて画像をツイートしてください。
ところから、使用しているツイッターの「ハッシュタグ」機能を
使って皆さんから水槽・植物の画像を集めることにしました。
とりあえずある程度ジャンルを分けたかったので
ハッシュタグを3つ作りました。
※ハッシュタグ:半角スペース・シャープ・識別用の文字・半角スペース
#rootsmizukusa1
→水槽、いわゆるアクアリウム。もちろん超ヘンタイ水槽が
希望ですが、美しく育つエキノドルやアポノゲトン、
コレクションされた有茎水槽、ダッチアクアリウム等
様々な水槽画像をお願いします。
#rootsmizukusa2
→近年、やっている人が急増した水上育成物。
ブセファランドラ、アグラオネマ、ホマロメナ、アリダルム、
スキスマトグロッティス、その他シダ類、もちろんクリプトコリネも!
#rootsmizukusa3
→夏の風物詩、ビオトープをメインに。水鉢や庭の池等で
立派に育っている水生植物です。エキノドルスやアヌビアス、
睡蓮やミミモチシダ、コビトヒメビシ、アポノゲトン、ラゲナンドラ等
屋外で力強く育っている画像を!
#rootsmizukusa4(後に追加しました)
→根の制限から解放された露地栽培の水草や
ジャングルからやってきた植物を庭などに
地植えして育っているものを!
#神畑ピクタムG3 (後に追加しました)
→神畑便でやってくるアグラオネマ ピクタムの
幼株が成長してどんな模様に変化したかの
画像を集めています。
全般を通して、
・あの時のこれがこんな姿に!!
・最近こんなの見かけませんよね?
・ここまで立派になりました!
・こんな環境でやってます!
・このアプローチは面白くないですか?
と言うような感じであればOKです!
遠慮無くどんどん刺激的な画像をお願い致します!!
※2015年10月現在、上記の通り一部追加も含め、
今も継続中ですので、宜しければハッシュタグを
つけて画像をツイートしてください。
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