2015年も終わります。
水草業界自体は何年も言い続けていますが、氷河期の
真っ只中。観賞魚業界においてもエーハイムの日本からの
撤退もあり、浮上の兆しは全くありません。
反面、水草ではない植物はピクタムが牽引役となり
様々な種類へと広がりを見せています。
ただ、その植物への動きは個人的には先日のブログに
書いた通り、違和感も抱きつつ眺めています。
もちろん、矮小な存在ながらも植物の流通の一端を
担うものとしては歓迎してはいるのですが。
ただ、昨年にも増して考えさせられることがあまりにも
次々に起こるので、個人的には諦め気味。
水草各種
クリプトコリネ
コメント:ワイルド物は引き続きお寒い状況です。スリランカの
3種の神器があの価格で販売されてはもうどうしようもないでしょう。
個人的には聖域があっても良かったと思いますが。。。
もちろんリアルボグネリはまだ来てないのでしょうけど。
あと、ちょこちょこ色んな人がザーライに行ってるようですけど(笑)
さぁ出せんのかな?
1:ルテア 'Hobbit'(DENNERLE)
ルテアすなわちワルケリィですが、その矮性株の固定と
思われる小型種です。店頭で育成していますが、
色と言いサイズと言い、かなりの優れもの。
ただし矮性のためか、成長はオリジナルと比較して
格段に遅いため、必要なだけ買い揃えなければ
時間がかかってしょうがないオリエンタルパルバと
同じ扱いが必要かも。
2:コルダータ ココン カンボジア
以前にも入荷があったように思いますが。ちゃんと
リリースしたかどうか覚えていないので。何人かが
採ってますね。同じところで採ってるのかわかりませんが
このタイプは基本ココンからしか来てないので、
たぶん変種になりそうですね。
アヌビアス
コメント:神畑在庫の破壊力のみが際立ちました(笑)
ただし、新入荷ではないので。。。
1:ナナ 'Pinto'(DENNERLE)
なかなか綺麗に作ってきましたね。正解かどうかは
わかりませんが、10年以上水草業界に居れば経緯は
想像できなくもないですが、まぁデナリーから名前付きで
出てきたのは良いことです。
エキノドルス
コメント:残念ながら目立ったものは特に無い感じですね。
デナリーから新作も来てましたが、赤系改良にどのくらいの
目新しさが盛り込めるかと言われると難しい所でしょうね。
該当種なし
有茎草
コメント:ギニアから少し来てましたがタイミング的に
買わず。。。逆にインドからは買ったものの。。。
該当種なし
参考:アマニアsp.ギニア(神畑)
最初はロタラかと思ってましたが、草姿はアマニアっぽい。
これは面白そうです。仕入れてないのでここに。
ロタラの学名が?と言う形でついてました。
ホシクサ
コメント:ワイルド物はギニア便が久々に来ましたが
再入荷品なので。。。カンボジアからも来ましたがオオシラタマ系で
特にインパクトは無く、以前にも来たことあるかもですし。
該当種なし
参考:キングクリムゾンなど インドファーム便(神畑)
ギニアンケヤリなど ギニア便(神畑)
なななななんと!ついにファームまで始まっちゃいました(笑)
キングクリムゾンの大きな株がロックウールに根付いて
やってくるとは!!!
ギニア便も以前よりは入荷状態がやや改善されたのか。。。
どうかはわかりません。この辺は今回良くても次回ボロボロとか
ザラにあるので。
シダ(水生種)
コメント:こちらもなかなか入荷が難しくなってきました。
水草の入荷自体が減っているので尚更ですね。
そもそも水生のシダがどのくらいあるのかって話ですが。。。
1:ボルビティス ヘテロクリタ 'カスピダータ'(ファーム)
なぜかヨーロッパやその他アジアに遅れること数年、
日本にも入荷しました。
2:ミクロソリウム sp. 北カリマンタン
トライデント系ですね。水中向きに持ち帰られたと
思いますのでここに。意外と買っていただいたので(笑)
ブセファランドラ
コメント:。ついにオランダファームからも入荷しましたが
私は買うタイミングを逃して買わず。まぁちょっと買えない
名前ではありましたが(笑)
1:Mentarang2(TB便)
よく見るとなかなか変わっていて、今までに無いタイプでした。
たぶん種類は違いますね。BB後だから売れなかったのか
わかりませんが、これが動かないというのも寂しい感じ。
2:Murung raya(LA便)
形状はさほど変わってるということはありませんが、
色が濃くなかなかの美種だと思います。
その他
コメント:ギニアのアレはちょっと水草かどうか不明すぎて
ちょっと入れづらい。現地画像が欲しいところ。
該当種なし
水草以外の植物
アグラオネマ
コメント:引き続き盛り上がっていると思います。
まぁこれほどまでに色々な側面をえぐり出した草も無かったです。
今年も順位無し(該当種無しではないです!)
すみません。今年も順位のつけようがないです。
個人的にはNias、Sumatra baratに思い入れがありますので
最後に来たイギーが良いですね。忘れた頃に色々出てくるので
まぁぼちぼち集めてます。
Hermit greenもちょっと育ててみたいタイプでした。
雪風もカッコいい!AZ便っぽくない印象だったので
Maxが見たい。あとちゃんれんじの王様と親衛隊、
ヘルキャットも良い感じでした。
TB便はG産地タイプ8でしょうか。
サトイモ科の仲間
コメント:今年は後半に入荷が失速したので、さほど種類が
出ていません。
1:ホマロメナsp."竜鱗"(LA便)
鮫肌、蛇腹、狐尾に続き、スマトラのホマロメナは底が知れません。
来年も1種出るでしょうか。
2:ポトス バルベリアヌス(LA便/AZ便)
あの赤いごわごわしたラフィドフォラと思われていたやつです。
なかなか生えている場所が無いようで、滅多に出ません。
3:アリダルム cf. ヴェルタンドルム(神畑便)
cf.ながらも種小名付きで入荷。アングスチをそのまま
大きくしたような草姿はなかなか良い感じでしたがすぐには
売れず。後から売れていきました。やはり良いものなんですよ。
シダの仲間
コメント:入手経路や機会が減りました。まぁ仕方ないですね。
今回はLA便のセラムの回が内容濃く印象的でした。
1:プラティケリウム エレファントティス・ステマリア(神畑カメルーン便)
まさかのアフリカ物ワイルドビカク!!これはリスク取ってでも
行かねばならないものです。
2:フマタsp.セラム(LA便)
質感が人工水草そのものでとても興味が持てました!
個人的に残したいと思いましたがすべて手放してます。
3:フペルジア sp.の極小種/フレグマリア似の小さいやつ(LA便)
小さくて個性的な種類でした。こちらもすべて放出済み。
フペルジアもかなり多様なんだと感じました。
4:キクロペルティス クレナタ(LA便)
質感、色、形状ともに印象に残ったシダでした。テラで
壁面に付けたくなる草姿。当然全放出。
5:ディプラジウム sp. セラム(LA便)
幹立ちディプラとか素敵やん(笑)
6:ブレクナム ヴィエラルディ(KSB便)
形も模様も面白かった。
その他
コメント:こちらもちらほらと増えているようですが、基本的に
入荷があったものの中からなので、さほど種類数は無いです。
1:ブセの木(Sauvagesia serrata)Bundang(LA便)
産地違いで銀葉もありましたが、こちらの方がより
ブセ感(笑)が強い。可愛らしい木本でした。
2:マパニア カウダータ(広葉)(LA便)
M.カウダータとしてはこちらの方が知られているのかも
しれませんが、我々には枝垂れムラウィの方が(笑)
3:マパニアsp. Kalimantan utara (TB便)
色は普通でしたが形が面白かったので。
まとめ?!
当店サイトの入荷案内のページ、項目は多いのですが、
ピクタムのリリース方法を五月雨式にしたため、表題が
増えているだけで、実際はたぶん入荷自体は大きく減ってる
印象です。なぜかと言うと、とりあえずこれを書くのに
入荷案内を遡るのですが、まずピクタムは除外して1月から
見てみるも、あっさりと12月に到達(笑)ホントにこれだけ?
と思いましたが、たぶん間違ってない。
特に年後半は殆どがAZ便ピクタムじゃないでしょうか(笑)
まぁこの流れは恐らく変わらないでしょう。
2016年はどうなるんでしょうね。入荷が減ると選びようも
無くなってくるのでこの企画も見直さないといけませんね。
近年は本当に色々と考えさせられます。
うーん、あまりまとまりが無いな、今年は。。。
2015年12月31日木曜日
2015年12月21日月曜日
見えざる手
非常に個人的な見解であり、感覚的なものですので、読まなくても
大丈夫です(笑)読む場合は単純に読み物として流してください。
日ごろよくお話しさせて頂く方々数人にはいつごろからでしょうか、
お伝えしていたことです。
きっかけはどの辺にあったのか、古い話なので既に記憶から
消えていっていますが、恐らくは2~3年前くらいでしょうか。
水草水槽かそれに近い熱帯魚の水槽をテレビ(CM、ドラマ等)で
見かけることが一気に増えた感じがありました。
また、雑貨店などには一定の植物が置いてあったりしたのですが
それにも増して、植物の取扱量が増えてきてるような印象を
持ちました。また置いている植物の種類にも変化が見られました。
そうしていると、日用品や化粧品など様々な商品に植物・ボタニカル
と言うワードが組み込まれるようになりました。
アパレルや雑貨のショップでもビカクシダ等を見るようになり、
そうこうしているとお洒落系?観葉植物店、鉢や小物などの店が
異様に目立つようになったことにどこか違和感を感じつつ過ごしていると
それらと並行して、プラントハンターと言う仕事がピックアップ
されるようになり、メディアに取り上げられるようになりました。
有名な方がいらっしゃいますが、良くも悪くもその人がアイコンに
なっているようですが、それもご自身の希望なのか、周りが
作り上げているのかわかりません。
もちろんその両側面があるとは思います。
そこを担ぎ上げている人がいるなら、そこと対立する人や
乗り損ねた!と思う人も居るのでしょう。なぜか?お金が
動くからです。マリオがいれば、ソニックもいる、ピカチュウがいれば
ジバニャンもいるんです。また作らねばならないのかもしれません。
2~3年前に感じでたこと。それは
「見えない力が “植物” をキーワードにマーケットを創出しようとしている」
と言うことでした。もちろん、それが個人なのか、何かしらの
集合体なのかはわかりません。ただ、「雰囲気(空気)」と言うものは
勝手に集合して、一方向へ動き出すものです。
エコ、ロハス、スローライフなどのブームが沈静化し、
次の柱が必要なのかどうかはわかりませんが、
グレートサイクル的に見えないムーブメントが、経済の
活性化のため、搾取のために作られているのでしょう。
将来への漠然とした不安や、未だに脱することのできない
不景気、食品安全問題などもあり、上記のようなテーマは
引き続きある程度注目されると思いますが、そこにプラスアルファで
マッチするキーワードがボタニカルであろうと思われます。
そして、満を持して登場したのが雑誌「BRUTUS」での特集、
「珍奇植物(BIZARRE PLANTS)」です。
ここで一気にこういう少し尖がった植物達の知名度が
上がります。
ついには沸騰ワード10と言う番組で「ビザールプランツ」が
取り上げられ、どのくらいの宣伝効果があるのかは未知数ながらも
更に全国的となりつつあります。
この番組のコンセプトとして「一般の人は聞いたことがないが、
特定の業界内では、実は話題にのぼっている超ホットなワードを
徹底調査。半年後に絶対にブームになる【流行の源泉】をどこよりも
早く見せる」と言うものがあります。
少し考えると、「ビザールプランツ(珍奇植物)」と言うのは、そもそも
植物の業界(生産者・販売者・採集者)側から出た言葉ではないんじゃ
ないかと思ってます。(※ごく個人的な見解です。単にアクア業界は
そういう部分に関われてないだけかもしれません。) そもそも、それらを
好きでやっていたり私たちの様に趣味からショップ側に回った人間は、
恐らく自分のフィールド内の植物を「珍奇」とは思っていないでしょう。
チランジアなどは、100均で販売されており、消耗品の様に
扱われています。また何年も前にエアーブランツと言って空気中の
水分だけで生きていくと言った宣伝文句と共に大量に輸入され、
ことごとく消費され、値段が付かなくなったはずです。
それが今になって、新たな付加価値の「珍奇植物」と言う名と共に
蒸し返されている。
流行などは大きなサイクルがあって何年、何十年と言う単位で
まわっているのと言う側面はあるかもしませんが。。。
もちろん、BIZARRE =奇怪な、異様な、と言う意味なので、
英語圏では変わった植物のことをそう呼ぶこともあったでしょう。
しかしながら、調べ物をするときにネットで検索して植物を
あれこれ見ていても、「BIZARRE PLANTS」として説明している
ことはありません。それは種類を調べるには学術的なサイトや
紀行文的なサイト、ナーセリーのサイトなどを見るからだと
思われますが。
数年前に感じた違和感が現実の物として姿を現しました。
販売をしている立場の私としては、ある程度歓迎される動きでは
ありますが、実際のところうちみたいなところはあまり関係
ありません(笑)完全に異世界の出来事ですね。
ただ、やはり流行り物的なワードになっているため、そこかしこに
珍奇植物・ビザールプランツと言う文字が散りばめられるように
なりつつありますね。
さて、どのくらい息の長いテーマになるのでしょうか。
そして、なぜかTVやその他メディアでチラ写りするのですが、
残念ながらその大きなうねりの中には水草水槽は存在しないのです。
レースプラントなんて、捻じれてる草より何倍も変だし、世界で
屈指の珍奇植物なのにねぇ(笑)
大丈夫です(笑)読む場合は単純に読み物として流してください。
日ごろよくお話しさせて頂く方々数人にはいつごろからでしょうか、
お伝えしていたことです。
きっかけはどの辺にあったのか、古い話なので既に記憶から
消えていっていますが、恐らくは2~3年前くらいでしょうか。
水草水槽かそれに近い熱帯魚の水槽をテレビ(CM、ドラマ等)で
見かけることが一気に増えた感じがありました。
また、雑貨店などには一定の植物が置いてあったりしたのですが
それにも増して、植物の取扱量が増えてきてるような印象を
持ちました。また置いている植物の種類にも変化が見られました。
そうしていると、日用品や化粧品など様々な商品に植物・ボタニカル
と言うワードが組み込まれるようになりました。
アパレルや雑貨のショップでもビカクシダ等を見るようになり、
そうこうしているとお洒落系?観葉植物店、鉢や小物などの店が
異様に目立つようになったことにどこか違和感を感じつつ過ごしていると
それらと並行して、プラントハンターと言う仕事がピックアップ
されるようになり、メディアに取り上げられるようになりました。
有名な方がいらっしゃいますが、良くも悪くもその人がアイコンに
なっているようですが、それもご自身の希望なのか、周りが
作り上げているのかわかりません。
もちろんその両側面があるとは思います。
そこを担ぎ上げている人がいるなら、そこと対立する人や
乗り損ねた!と思う人も居るのでしょう。なぜか?お金が
動くからです。マリオがいれば、ソニックもいる、ピカチュウがいれば
ジバニャンもいるんです。また作らねばならないのかもしれません。
2~3年前に感じでたこと。それは
「見えない力が “植物” をキーワードにマーケットを創出しようとしている」
と言うことでした。もちろん、それが個人なのか、何かしらの
集合体なのかはわかりません。ただ、「雰囲気(空気)」と言うものは
勝手に集合して、一方向へ動き出すものです。
エコ、ロハス、スローライフなどのブームが沈静化し、
次の柱が必要なのかどうかはわかりませんが、
グレートサイクル的に見えないムーブメントが、経済の
活性化のため、搾取のために作られているのでしょう。
将来への漠然とした不安や、未だに脱することのできない
不景気、食品安全問題などもあり、上記のようなテーマは
引き続きある程度注目されると思いますが、そこにプラスアルファで
マッチするキーワードがボタニカルであろうと思われます。
そして、満を持して登場したのが雑誌「BRUTUS」での特集、
「珍奇植物(BIZARRE PLANTS)」です。
ここで一気にこういう少し尖がった植物達の知名度が
上がります。
ついには沸騰ワード10と言う番組で「ビザールプランツ」が
取り上げられ、どのくらいの宣伝効果があるのかは未知数ながらも
更に全国的となりつつあります。
この番組のコンセプトとして「一般の人は聞いたことがないが、
特定の業界内では、実は話題にのぼっている超ホットなワードを
徹底調査。半年後に絶対にブームになる【流行の源泉】をどこよりも
早く見せる」と言うものがあります。
少し考えると、「ビザールプランツ(珍奇植物)」と言うのは、そもそも
植物の業界(生産者・販売者・採集者)側から出た言葉ではないんじゃ
ないかと思ってます。(※ごく個人的な見解です。単にアクア業界は
そういう部分に関われてないだけかもしれません。) そもそも、それらを
好きでやっていたり私たちの様に趣味からショップ側に回った人間は、
恐らく自分のフィールド内の植物を「珍奇」とは思っていないでしょう。
チランジアなどは、100均で販売されており、消耗品の様に
扱われています。また何年も前にエアーブランツと言って空気中の
水分だけで生きていくと言った宣伝文句と共に大量に輸入され、
ことごとく消費され、値段が付かなくなったはずです。
それが今になって、新たな付加価値の「珍奇植物」と言う名と共に
蒸し返されている。
流行などは大きなサイクルがあって何年、何十年と言う単位で
まわっているのと言う側面はあるかもしませんが。。。
もちろん、BIZARRE =奇怪な、異様な、と言う意味なので、
英語圏では変わった植物のことをそう呼ぶこともあったでしょう。
しかしながら、調べ物をするときにネットで検索して植物を
あれこれ見ていても、「BIZARRE PLANTS」として説明している
ことはありません。それは種類を調べるには学術的なサイトや
紀行文的なサイト、ナーセリーのサイトなどを見るからだと
思われますが。
数年前に感じた違和感が現実の物として姿を現しました。
販売をしている立場の私としては、ある程度歓迎される動きでは
ありますが、実際のところうちみたいなところはあまり関係
ありません(笑)完全に異世界の出来事ですね。
ただ、やはり流行り物的なワードになっているため、そこかしこに
珍奇植物・ビザールプランツと言う文字が散りばめられるように
なりつつありますね。
さて、どのくらい息の長いテーマになるのでしょうか。
そして、なぜかTVやその他メディアでチラ写りするのですが、
残念ながらその大きなうねりの中には水草水槽は存在しないのです。
レースプラントなんて、捻じれてる草より何倍も変だし、世界で
屈指の珍奇植物なのにねぇ(笑)
2015年12月8日火曜日
瓦解
全世界のアクアリストが知っているグローバルな
アクアリウムの巨人、エーハイムが日本市場(と米国市場)からの
撤退を決定しました。これが意味することはとてつもなく
大きいと考えられます。
すでに公表されていますが、神畑養魚株式会社が日本における
エーハイム総代理店と言う形で製品供給を引き継ぎました。
これは安易に、「神畑恐るべし」「神畑凄い」、ではないのです。
もちろん、神畑の存在が無ければ、エーハイムの日本への
供給は一旦は絶たれたことは紛れもない事実ですが。。。
グローバル企業になると、売れる商品に国民性・民族性が
影響することも考え、マルチドメスティックマーケティングを
行っているでしょうから、例えばエーハイムだと日本向けは
昔と異なり、小型水槽とその周辺器具など、近年の製品構成
と言うものがあったと思われます。
もちろん、2213等は定番中の定番であり、我々世代あたりから
上には外部濾過機はエーハイム、と言うのが根底にあり、
減りはすれど外部濾過機としてのエーハイム需要は存在します。
ただ、長年の不景気ですっかり市場が縮小してしまった日本市場は
天災と電力事情も重なり、消費マインドの低下に拍車が掛かり
ますます矮小化しています。
そして日本市場にマーケティング費用や人件費を払ってまで
自社で展開を続ける意味が無いという経営判断が下ります。
すなわち
「日本のマーケットでは収益化は不可能である」
と断じたのです。
アクアリウム先進国・大いなる先人から見放されたことになります。
ドイツ以外の売上高が最も高いにもかかわらず。
もちろん、市場のみが悪者と言うわけではありません。ただし、
そういう方向へ暗に導いてしまったのは紛れもない事実です。
翻って国内事情です。なぜこうなったかを考えてみたいと思います。
2004年7月26日、JASDAQ上場の国内最大手の水槽器具メーカー、
株式会社ニッソーが民事再生手続き開始を申し立てました。
負債総額は約95億。その後、株式会社マルカンに吸収合併される
ことになります。
このような大きな動きの裏には様々な状況の悪化、すなわち
観賞魚業界の低迷と価格競争の激化と言うものがあります。
大小問わず、近年はショップや問屋、メーカーの閉店・廃業が
目立ちます。本当にネガティブな動きしか見られません。
そんなことはない、凄い店は凄い、と言う声もあると思います。
もちろん、どの業界にも一握りの成功者はいるものです。
ただ、一般の方々から見ているのと業界内部から見ているのでは
見え方が違います。
また、水草界の出来事ですが、器具メーカーが生体を販売するという
事態となっています。
これは2つの側面を持っています。
ミクロ的には良い面として、魚以外の生体は同社製品で
すべてが揃うということです。1から10まで自社製品で
完結させられる、すなわち器具を揃えてセッティングする
ところから、素材を配置し、水草を植えて育成、そしてレイアウトの
完成までのノウハウをすべてマニュアル化出来、非常に
わかりやすく提供できると言うことです。
これは水草水槽を始めたいという人や、説明をするショップに
とっては大変便利なものです。
きっちり教科書として機能しているので、レイアウトの完成までの
道筋をしっかりと歩むことが出来ます。
少し視野を広げて考えると、生体(水草)を輸入・生産して小売店に
販売している問屋の売り上げを奪うことになります。
つまり今までの流通をある意味覆したと言っても良いでしょう。
また、収益を考えた時に自社で生産した生体を販売するのと
既存の工業製品を仕入れて販売することを比較すると
やはり利益率が大きく違うと考えられます。
現在の水草業界では収益構造の転換を図らないと、維持が
困難になるのだろうと思います。
つまり、現在の業界の状況はそのくらい疲弊しているのです。
また、アクア内通販業界を考えると、このご時世です、当然
価格競争にさらされます。エーハイムのメインはもちろん
外部濾過機です。ある程度のサイズの水槽からは基本的に
外部フィルターになるので、まずエーハイムとなるわけですが、
やはり通販になると、みなさん価格を比較します。
もちろん、フィルターだけ買って終わり、と言うこともあるかも
しれませんが、普通はせっかくだからと色々部材を買うことに
なります。
多くの場合は、そのついで買い需要の部分に利益率の
高いものがラインナップされていると考えられます。
そのついで買いを誘うために定番のエーハイムの価格を
下げる、と言う手法をとるわけです。そのため、エーハイムの
仕入れ価格は安ければ安いほど良いということになります。
いつかはエーハイムと憧れていた、かつての立ち位置とは
比べ物にならない扱いになってしまいました。
安く売る、利益は薄い、それならば数を売らねばならない、
そして更に数を売るために安く売る、悪循環でしかありません。
また、我々世代より上はドイツ(ヨーロッパ)信奉が大なり
小なりあって、その代表がエーハイムであり、デュプラであり、
デナリーであったわけです。それはまだ日本のアクアリウムが
発展途上にあり、ヨーロッパの知識を吸収しながら、模索していた
ためですが、近年はすでにすべてが揃っており、今の人々は
始めた瞬間から器具類は低価格で手に入り、情報はインターネットで
あれこれ収集できる(間違いも多いですが)という環境となっており、
ヨーロッパへの思いというものは希薄な世代であると考えられます。
我々の頃はエーハイム本体を買ってからが本番で、ダブルタップを
2つ買い、メックを買い、サブストを買い。。。と、基本的に高価なもの
と言うイメージがありましたが、現在は安くて当たり前、と言う
低価格が常態化してしまう環境にありました。
いくら売り上げが高くても、利益率が悪化の一途では
存続する意味はなくなるのです。当たり前ですね。人を雇い、
場所を借り、商品を動かし、結果安売りのイメージだけが残り
他は何も残らない。
少し前から、エーハイムジャパンがそれらを払拭すべく方向転換を
行ったようですが、それまでの蓄積が大きすぎたようです。
そのことは非常に残念でなりません。
バブル崩壊後の景気後退によるデフレ、そして消費マインドの
低下がもたらした、販売価格や仕入れ価格への下方バイアス。
市場の矮小化によるパイの奪い合いが招いた価格競争の激化。
天災および電力事情による観賞魚業界の低迷。
節約志向による価格での選別および、ネット通販の台頭による
一極集中化が及ぼすショップ離れ。
それらからくるメーカーの影響力低下。低価格販売の常態化。
バブル期からその残り火の間に膨張した観賞魚業界は
反転縮小する中で、すべての住人を賄うことは出来なかった。
以前ここで、業界の衰退が顕在化してくるであろうと書きました。
今回の1件もその1つです。
このままの状態だとまだまだ気を緩めることはできないでしょう。
アクアリウムの巨人、エーハイムが日本市場(と米国市場)からの
撤退を決定しました。これが意味することはとてつもなく
大きいと考えられます。
すでに公表されていますが、神畑養魚株式会社が日本における
エーハイム総代理店と言う形で製品供給を引き継ぎました。
これは安易に、「神畑恐るべし」「神畑凄い」、ではないのです。
もちろん、神畑の存在が無ければ、エーハイムの日本への
供給は一旦は絶たれたことは紛れもない事実ですが。。。
グローバル企業になると、売れる商品に国民性・民族性が
影響することも考え、マルチドメスティックマーケティングを
行っているでしょうから、例えばエーハイムだと日本向けは
昔と異なり、小型水槽とその周辺器具など、近年の製品構成
と言うものがあったと思われます。
もちろん、2213等は定番中の定番であり、我々世代あたりから
上には外部濾過機はエーハイム、と言うのが根底にあり、
減りはすれど外部濾過機としてのエーハイム需要は存在します。
ただ、長年の不景気ですっかり市場が縮小してしまった日本市場は
天災と電力事情も重なり、消費マインドの低下に拍車が掛かり
ますます矮小化しています。
そして日本市場にマーケティング費用や人件費を払ってまで
自社で展開を続ける意味が無いという経営判断が下ります。
すなわち
「日本のマーケットでは収益化は不可能である」
と断じたのです。
アクアリウム先進国・大いなる先人から見放されたことになります。
ドイツ以外の売上高が最も高いにもかかわらず。
もちろん、市場のみが悪者と言うわけではありません。ただし、
そういう方向へ暗に導いてしまったのは紛れもない事実です。
翻って国内事情です。なぜこうなったかを考えてみたいと思います。
2004年7月26日、JASDAQ上場の国内最大手の水槽器具メーカー、
株式会社ニッソーが民事再生手続き開始を申し立てました。
負債総額は約95億。その後、株式会社マルカンに吸収合併される
ことになります。
このような大きな動きの裏には様々な状況の悪化、すなわち
観賞魚業界の低迷と価格競争の激化と言うものがあります。
大小問わず、近年はショップや問屋、メーカーの閉店・廃業が
目立ちます。本当にネガティブな動きしか見られません。
そんなことはない、凄い店は凄い、と言う声もあると思います。
もちろん、どの業界にも一握りの成功者はいるものです。
ただ、一般の方々から見ているのと業界内部から見ているのでは
見え方が違います。
また、水草界の出来事ですが、器具メーカーが生体を販売するという
事態となっています。
これは2つの側面を持っています。
ミクロ的には良い面として、魚以外の生体は同社製品で
すべてが揃うということです。1から10まで自社製品で
完結させられる、すなわち器具を揃えてセッティングする
ところから、素材を配置し、水草を植えて育成、そしてレイアウトの
完成までのノウハウをすべてマニュアル化出来、非常に
わかりやすく提供できると言うことです。
これは水草水槽を始めたいという人や、説明をするショップに
とっては大変便利なものです。
きっちり教科書として機能しているので、レイアウトの完成までの
道筋をしっかりと歩むことが出来ます。
少し視野を広げて考えると、生体(水草)を輸入・生産して小売店に
販売している問屋の売り上げを奪うことになります。
つまり今までの流通をある意味覆したと言っても良いでしょう。
また、収益を考えた時に自社で生産した生体を販売するのと
既存の工業製品を仕入れて販売することを比較すると
やはり利益率が大きく違うと考えられます。
現在の水草業界では収益構造の転換を図らないと、維持が
困難になるのだろうと思います。
つまり、現在の業界の状況はそのくらい疲弊しているのです。
また、アクア内通販業界を考えると、このご時世です、当然
価格競争にさらされます。エーハイムのメインはもちろん
外部濾過機です。ある程度のサイズの水槽からは基本的に
外部フィルターになるので、まずエーハイムとなるわけですが、
やはり通販になると、みなさん価格を比較します。
もちろん、フィルターだけ買って終わり、と言うこともあるかも
しれませんが、普通はせっかくだからと色々部材を買うことに
なります。
多くの場合は、そのついで買い需要の部分に利益率の
高いものがラインナップされていると考えられます。
そのついで買いを誘うために定番のエーハイムの価格を
下げる、と言う手法をとるわけです。そのため、エーハイムの
仕入れ価格は安ければ安いほど良いということになります。
いつかはエーハイムと憧れていた、かつての立ち位置とは
比べ物にならない扱いになってしまいました。
安く売る、利益は薄い、それならば数を売らねばならない、
そして更に数を売るために安く売る、悪循環でしかありません。
また、我々世代より上はドイツ(ヨーロッパ)信奉が大なり
小なりあって、その代表がエーハイムであり、デュプラであり、
デナリーであったわけです。それはまだ日本のアクアリウムが
発展途上にあり、ヨーロッパの知識を吸収しながら、模索していた
ためですが、近年はすでにすべてが揃っており、今の人々は
始めた瞬間から器具類は低価格で手に入り、情報はインターネットで
あれこれ収集できる(間違いも多いですが)という環境となっており、
ヨーロッパへの思いというものは希薄な世代であると考えられます。
我々の頃はエーハイム本体を買ってからが本番で、ダブルタップを
2つ買い、メックを買い、サブストを買い。。。と、基本的に高価なもの
と言うイメージがありましたが、現在は安くて当たり前、と言う
低価格が常態化してしまう環境にありました。
いくら売り上げが高くても、利益率が悪化の一途では
存続する意味はなくなるのです。当たり前ですね。人を雇い、
場所を借り、商品を動かし、結果安売りのイメージだけが残り
他は何も残らない。
少し前から、エーハイムジャパンがそれらを払拭すべく方向転換を
行ったようですが、それまでの蓄積が大きすぎたようです。
そのことは非常に残念でなりません。
バブル崩壊後の景気後退によるデフレ、そして消費マインドの
低下がもたらした、販売価格や仕入れ価格への下方バイアス。
市場の矮小化によるパイの奪い合いが招いた価格競争の激化。
天災および電力事情による観賞魚業界の低迷。
節約志向による価格での選別および、ネット通販の台頭による
一極集中化が及ぼすショップ離れ。
それらからくるメーカーの影響力低下。低価格販売の常態化。
バブル期からその残り火の間に膨張した観賞魚業界は
反転縮小する中で、すべての住人を賄うことは出来なかった。
以前ここで、業界の衰退が顕在化してくるであろうと書きました。
今回の1件もその1つです。
このままの状態だとまだまだ気を緩めることはできないでしょう。
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