2008年11月9日日曜日

サイアミーズフライングフォックス

水草水槽にはコケ(アクアリウムで言う便宜上のもの)が付き物です。
もちろん、発生させない管理が出来ればベストなのは言うまでもありませんが、
そういうわけにはまいりません。

そこで生物に頼る訳ですが、有用な生物の中にサイアミーズフライングフォックスが
おります。
この種は大変優秀で、水草水槽のコケ対策に推奨できる魚であります。
ただ、幾つかの誤解や注意点が存在するのでご紹介いたします。

近年、比較的そのようなことは減りましたが、いわゆる「本物」と「偽者」があると
言うことです。
こちらの都合で本物・偽者を分けるのもかわいそうな話かもしれませんが。。。
本物は顔が尖っており、小さい個体ですとペンシルフィッシュを想像して頂ければ
良いかと思われます。
また、偽者と比較してヒレの黄色が薄い、黒のラインが細目である等が挙げられます。
偽者がコケを食べないかと言うと、そういう訳ではありません。ただやはり本物の方が
積極的に食べてくれるので効果があります。

次に小さい個体はやや弱いということです。文字通りペンシルフィッシュ程度の
大きさのものは少し注意しても良いと考えられます。

以上、導入時の注意ですが、ここからは導入後についてです。

導入当初は魚も落ち着かないので、いきなりバクバクとはコケを食べてくれません。
ですので、一週間以上は様子を見てあげて下さい。
同じ理由で、当初はよく飛び出します。しばらくは水位を下げる、縁に何か置いておく、
草を浮かべておくなどの施策は効果的であります。

落ち着くとコケを食べ始めますが、もちろん給餌の際はエサも食べますので、
コケ対策の期間中は、あまり潤沢にエサを与えないようにした方が効果的です。

そうするとサイアミーズフライングフォックスは順調に成長します。
そこで誤解が生じます。

「サイアミーズフライングフォックスは大きくなるとコケを食べない」

もちろん、そんなことはありません。
ただ、小さい頃より動き回ることが減るようです。もちろん、給餌の際は
食べに来ますのでエサだけ食べに来て普段はコケを食べていない、と言う目で
見られてしまうのです。
大きくてもコケは食べてますので、かわいがってあげてください。

水草の食害についてですが、残念ながら幾つかのものは本種に食べられて
しまいます。その際は食べなくなるまで我慢する、その水草は取り出す、本種を
取り出す、と言う消極的な方法しかありません。
この食害は、今まで食べなかった水草を急に食べだしたりすることが殆どです。
食害は、マヤカの類・ウィローモスによく見られます。稀にエキノドルスの新芽なども
食べるようです。
突然食べるのをやめることもあるのですが、それまでに水草が弱ってしまい、
枯れてしまう恐れもあるので、食害を発見したら注意深く観察して対応すべきで
あります。