2010年6月6日日曜日

日本におけるトロピカ社の1人勝ち

近年、欧州系ファームの閉鎖?や縮小傾向に歯止めがかからない状況であります。
欧州のファームにはそれぞれ取り扱う種類に関して、得意分野或いは
特徴を有しており、この種類はこのファームからしか来ない、この種類は
このファームの株がずば抜けて良い、と言う傾向が顕著でした。

しかしながら、世界的な金融危機、投機マネーによる原油高が直撃したかのように、
時期を同じくして、途絶えてしまったファームがあります。また、少し手がかかるような種は
アイテムから外すという傾向も見られました。

さて、現状はどうなっているのでしょうか。

オランダからはしばしば入荷があるものの、どれも代わり映えせず、
ラインナップ、種名に関する無頓着さ、共に変化無しと言った状況であります。
ドイツに目を向けてみても、Barthはもう入荷することはありません。
GULAの入荷も期待することは出来ません。Zoologicaも売れる要素がありません。
惨憺たる状況であります。
DENNERLEに関しては、日本のマーケットを重視しているとは言えず、また
価格も昔よりも高くなっており、新作と言ってもジャングルスターシリーズ程度、
クリプトのフラミンゴも寒天培地での入荷に留まりました。

先日久々にRatajが入荷しましたが、入荷ごとに種類の幅は狭くなっており、
目を見張るようなものはありませんでした。
数年前からわかっていることではありますが、赤いウルグアイエンシスは
ホレマニーレッドです。ただし純然たるレッドではなく、若干ではありますが、
グリーンの要素を持ち合わせている雰囲気があります。

ホレマニーグリーンも入荷しましたが、検証用に入手したポット(葉が傷んでいた)には
小さいながらも3株入っており、状況証拠的ではありますが、それだけですでに
ホレマニーグリーンとは言いがたく、DENNERLEからも数年前にホレマニーグリーンで
ウルグアイエンシスが入荷していることを考慮に入れ、こちらもウルグアイエンシスの
蓋然性が高いと思われます。

(注)現在は断定いたしません。入手した株で検証いたします。

そんな中、毎年のように一大ブームを作り出す新作をリリースしてくるのが
デンマークのTropica社です。
シペルス ヘルフェリィ、グロッソスティグマ、ポゴステモン ヘルフェリィ、
ウトリクラリア グラミニフォリア、キューバパールグラス、
そしてハイグロフィラ ピンナティフィダ。
どのファームよりも日本に目が向いているとは思えるのですが、それでもなお
Japan Passing(日本を素通り)と言う印象が拭えない入荷状況は残念ですが。

ただし、欧州ファームから、国内市場に目を向けてみるとTropicaの果たす役割は大きく、
もし、明日からトロピカの入荷が皆無になったことを考えると、水草業界(プロアマ問わず)は
確実に矮小化すると思われます。

もちろん、アジアファームや国産ファームで事足りると言えばそれまでですが、
現在と比較して、層が薄くなると言う感覚は必ずあります。
また、グロッソスティグマやキューバパールグラスのように、新作が一大ムーブメントを
起こすという、業界内の大きなうねりが消え去ります。

結論としては、日本においての欧州系ファームはTropicaの1人勝ちとなっております。
また、ファームに対して新たな種を期待できるのもTropicaしかないと言うのも
寂しい現実ではありますが、その裏づけとなっております。

果たして来年はどんな水草をリリースしてくれるのか。。。