早いもので、2010年も終わりに近付いております。
いろんな意味で波乱もありましたが、そんなこともあるでしょう。
狭い水草業界ですので、色々あります。
基本的に私はどこ吹く風なのですが、まぁ雑音の多いこと。
幸い同じコンセプトのお店は日本には皆無ですので、
のんびりやらせて頂いてます。
ただ、店頭では申し上げることもありますが、水草業界は
はっきりいっていろんな意味で「終わってます」ので私は
まわりに微塵も期待していません。
ですので、ユーザーの皆様には見苦しい状況もしばしば
あったとは思いますが、純粋な趣味家・愛好家としての目を
養っていただければ、自ずと進むべき道、取るべき行動は
容易に見えると思います。取捨選択は可能です。
では、今年もいってみましょう!
年末なので、言いたい事の「7%」位は言いますよ(笑)
若干前倒しになってしまったものもご容赦ください。。。
水草各種
クリプトコリネ
コメント:予想通り、2010年はクリプトコリネにとって不遇の年と
なりました。それでもなお、その魅力が衰えるわけではありません。
外に期待するのもなんですが、欧州勢が手ぬるい。
1:アフィニス “ヴァリエガータ” Sg.Tersang(AZ便)
とにかくカッコ良過ぎっ!!!金属でクリプト作ったのか?みたいな(笑)
意外とお思いかもしれませんが、これはかなりハイレベルですよ。
2:sp. Guangxi→Cryptocoryne crispatula var.
planifolia(TB便)
これ、みなさん反応薄かったですけど、ハッキリ言って甘いです。
どの種の形状でもないし、花は綺麗で変わってるし、新種臭ぷんぷん
でしたし、しかもチームボルネオ便なのに。私はここで一旦クリプトに
冬の時代の訪れを感じました。
残念ながら新種にはなりませんでしたが、他の未記載sp.差し置いて
さくさくっと名称が確定したのはそういう所じゃないですかね。
3:NILESHWAR-B(神畑インド便)
これと下記がスピラリスなのであれば、ニールさんが細葉に入れ込むのも
わかります。ましてや、グアンシはあの形状でクリスパチュラなのですから。
入荷数の割には反応鈍いです、これも。クリプトの冬は長そうだ。
4:スピラリス BHOOTHATANKETTU(神畑インド便)
個人的に面白いから(笑)完全観葉です。キリアータより強い。
へんたいクリプトですよ、これは。
5:スピラリス? KANNOR(神畑インド便)
これ、カッコよくなると思いますよ。って言うかスピラリス凄過ぎ(笑)
ただ、本種はスピラリスのつぼみではなかったんですよね。。。
細くて赤みがあって、テールが長めだったので、バスメイヤーの
サイトのどの花の形状にも当てはまりませんでした。
アヌビアス
コメント:タイプ的には概ね出揃った感がありますが、斑入りとか
新たな改良品種とか出ますから、ぼちぼち横ばいでOKですよ。
ボラが大きい方が良いかと言えば良いのですが、草とはのんびり
向き合うべきですからね。と言うわけで今年は物静か。なので
ちょっと強引に。
1:斑入りバルテリィ マザー株(???)
押し切られて買ったものの、良過ぎてちょっと売る気が無くなったんですけど(笑)
とにかく綺麗でした。ただ、これをマーブルと言うのはいい加減にやめてほしい。
2:オリエンタルグリーン(オリエンタル)
地味ですが、柔らかい雰囲気の質感が個人的には良いと思います。
まぁ売れないんですけど。
3:sp.ガボン(オリエンタル)
新着ではありませんが、まさかの復活組!他に同じものが無いので
良いアヌビアスだと思いますよ。起源は。。。皆さんご存知ですよね?
エキノドルス
コメント:AZさんの南米便が無ければ決まっていたのですが(笑)
ようやくエキノの夜明けと言ったところでしょうか。
そこにはきっと、夜明けが待っている(笑)
まだまだ始まったばかり。真正新着ワイルドの入荷があるまで、
きっちり眠っていた愛好家の方は、これきっかけでちゃ~んと目覚めてますよ。
逆にこれで起きなきゃウソですわ。
入荷が年内微妙ですが、紹介されているので前倒しで入れました。
早く来い来い南米便♪(笑)
1:サイサリス(AZ便)
他のエキノを差し置いて、エキノ好きが条件反射的に押さえてほしい!
と言ってきたダントツエキノ!ただのオシリスじゃないの?って?
わかってますよ。エキノ好きなら一目でそう思います。ただあの現地葉
見せられては仕方ない(笑)
こういうのを純粋に楽しめるかどうかがある種の線引きになりますね。
もちろん細葉・深緑が興味の対象のメインである方の場合は例外ですので
お気になさらないように(笑)
2:ゼフィランサス(AZ便)
深緑の常識を覆す水上葉!!デカいわ、色あるわ。。。
水鉢専用深緑か?(笑)いや、もちろん水中葉も良さげですが。
一応深緑と言う前提で。
3:他、AZ便エキノ全種
すいません、もう順位とか付けれません(爆)
4:ポルトアレグレンシス(神畑フロリダ便)
全取り(笑)あまり売れませんでしたが、ポルトの方が珍しくなってきてますよ。
しかもこれはフロリダに入荷した経緯が凄い(笑)
AZ便が無ければこれが唯一のエントリーでしたね。
有茎種
コメント:これは仕方ないです(笑)南米有茎群もかなり良いのですが
インパクト勝ち。最近のなんとかコンテストみたいなもんです(笑)
有茎は本当に誰もやらなくなりましたね。草好き変態の生息数が
少ないからですね(笑)
1:ルドウィジア インクリナータ var. ヴェルティキラータ cv.'トルネード'(シンガポール)
これ以上インパクトのある有茎種は無いでしょう!完全にアホです(笑)
どんなに小さい葉っぱでも無理やりねじれてますので、この形質は
相当強いのではないでしょうか。
2:マヤカ cf.フルヴィアティリス “パラグアリレッド”(AZ便)
名前はとりあえず今付けました(笑)水槽内でもちゃんと赤くなるし、
サンタレン程クセがなさそうなので、現時点では優秀かも。
マヤカなので速くはなるでしょうけどね。パラグラ「リ」です。
打ち間違いではないので。
3:赤ミニバコパ(AZ便)
入荷時の赤みをまだ再現できていないので順位は下に。本来ならこちらが上か?
久々の南米有茎で楽しめそうです。が、その割には。。。ですね。
難しい時代になりました。。。一旦緑になって、徐々に赤みを取り戻してきてます。
4:ハイグロフィラ ピンナティフィダ(トロピカ)
南米が無ければ2位にしてました。 意味不明な変なハイグロ(笑)
レイアウトで使うなら有茎の使い方だと難しそうですね。
着生するようなので、穴に突き刺した水草「付き」流木とは違いますね。
5:他、AZ便南米有茎全部
乱暴ですみません。。。それほどちゃんと水中化出来る有茎草で、しかも
南米と言うだけで価値があるんですよ。有茎もちゃんと考えましょう。
6:ハイグロフィラ cf.ポリスペルマ Guangxi(TB便)
どうしても入れたいので。これは良い。使えますね~
ホシクサ
コメント:アクアプランツ2号から早、数年。。。すでに門外漢になっている
私、るぅつではございますが。。。と言う訳で取扱量が少ないので挙げれる
種類が無い。。。
1:ホシクサの1種 Joia Rio
Uruguay(AZ便)
無事には届きませんでしたが、久々の南米有茎タイプのホシクサでした。
ボリビアンスターに似てますが、花が違うと思うので種類は違うんじゃないでしょうか。
2:キングクリムゾン(神畑インド便)
よくこの名前を付けたな、と(笑)
シダの仲間
コメント:う~ん。。。水生シダの変わったのって来てないような。
難しいのですが、ひねり出しました!(笑)
1:イソエテス ラクストリス(神畑フロリダ便)
フロリダ便のミズニラ。入荷時はパンタナール産を彷彿とさせる草姿。
しかも産地付きとは恐れ入りました。しかも安いとか。。。
1:ミクロソリウム BHOOTHATHANKETTU(神畑インド便)
スモールリーフよりもさらに小型になりそうな良い感じのミクロソリウム。
そんなにバカスカ増えないと思いますが、それでも売れない不思議さ。。。
私のところ以外ででも売れているなら構わないのですが。。。
4:イソエテス sp.CALICUT(I.coromandelina?)(神畑インド便)
葉っぱ太いし、インドだし、面白いと思ったのですが、これまた
殆ど売れませんでした。次無いよ~、たぶん。
ブセファランドラ
コメント:意外や今年も沢山出ました。さすがに失速するかと思ったのですが、
さすがはTBさん。ラストにしっかりすごいのをぶつけてきました!
他のは霞んじゃいますね~(笑)
1:Melawi(TB便)
最後に出ましたねぇ。小型で今までのと色が違うと来ればヒット間違いなしっ!!
這うタイプのようですし、小型なら水中も得意でしょうから定番になりそうですね。
2:モトレイアーナType2 Air Terju Manangar
Ngabang(AZ便)
幅広で緑色でごっつい。今までになかった形状で面白かったです。
もちろん売り切れました。押し売りはたぶんしてません。大丈夫なはず(笑)
3:北サンガウ・シリーズ(AZ便・TB便)
厳密に言うと、TBさんがサンガウより北、AZさんがサンガウの北、と言う感じでしょうか。
ですので、取ってる場所は違います。「この二人のサンガウ」は。
細葉で色の濃淡、ウェーブの有無などバラエティに富んでました。
北サンガウマニアが存在するとかしないとか。。。しません(笑)
新設・アポノゲトン
コメント:カムバック賞です!!!新設しても来年度から新たなものが来るか
どうかは不明ですが、一応働きかけてますのでなんとか1~2種程度は
入荷していただきたいものです。単に入荷リストのファックスをありがたく見て
選んでるだけじゃないですよ、「私は」ね。
1:超アラメレースソウ(魚好き便)
まだ巨大な株を見れてませんので詳細は不明ですが、大きくなっても
マス目がこのままだとかなりの変態草です(笑)再度の入荷が待たれる
ところです。
2:クリスプス レッド(トロピカ)
良い色です!!炭酸ガス無添加、または微量や大磯系底床と言った
抑えめの環境では可愛らしいサイズで展開します。大きくなるから
入れれないという言い訳からはそろそろ卒業しましょう。与えられた水槽内で
育てるのは本人の「腕」です。
もう一度言います。「サイズは管理者がコントロール」するんです。
その草が大好きなら、ですけどね。
3:“コンパクタ”(スリランカ便)
ハイブリッドですよ、ハイブリッド。と言うことは改「良」品種ですね。
「ウンデュラータ」×「クリスプス」と言うことです。
その他
コメント:恐らくはもっとあったのでしょうけど、印象が薄いので。。。
1:クリナム sp.(神畑インド便)
良い遊び道具をありがとう(笑)
2:タイガーロータス グリーン(カメルーン便)
完全に水槽向きです。私が残そうと努力しなくても世間で残ると思える位
レベルの高いニムファだと思います。
3:アリダルム カウレッセンス
どこに入れるか迷いましたが、水中行けそうだったのでここに。
良さげですよね。私は殆ど売りきっちゃいましたが、皆さんの
育成画像に期待(笑)
水草以外の植物
サトイモ科の仲間
コメント:予今年も色々入ってきました。かなり面白いものが来たので
個人的には大満足の内容。売れたか売れてないかは別。。。
ホマロメナ、買い時なのになぁ。
1:アグラオネマ sp.トリカラー“エウレカ”(AZ便)
:アグラオネマ sp.トリカラー“モザイク”(AZ便)
既存のトリカラーを覆した色彩と形!!!これ以上のトリカラーは出ないでしょう。
モザイクは勝手に私が呼んでるだけです(笑)他のと区別したいので
こう呼んでます。
2:サトイモ科の1種(スキスマトグロッティス?スコッタリエラ?) Julau(AZ便)
これはカッコよかった!見た瞬間久々に自分の分キープ!と思ました(笑)
数量も少なかったのでさすがに売り切れましたが、もちろん自分用は
押さえてあります。最近そうしなくても売れ残ることが多いので遊び道具には
困らないんですけどね。。。
3:スキスマトグロッティス sp.南スカダウ#3&カユラピス(TB便)
ごわごわざらざらのスキスマトグロッティスの未記載種。完全水中でも
OKのすごいヤツ。もちろん水中でも独特の質感は維持されますので
ぜひ水没させてやってください。水上の方が育ちは良いと思いますが(笑)
4:アリダルム ボルネエンセ?(AZ便)
私はようやく入手と言うか、現物を見れたので。これも水中OKです。
どうやらボルネエンセではなく、なんの種類かはわからないようです。
面白ければ種名は特にこだわりません(笑)
5:ホマロメナ sp.Pendang 中央カリマンタン(TB便)
水中に群生してるホマロメナとかすごいじゃないですか!
しかも変な色だし(笑)再入荷希望です。
着状態さえ良ければ、育成には何の問題もないでしょう。
今のところホマロメナは全種育成がしやすいと思います。シダの仲間
コメント:相変わらずの不人気さ(笑)ケースから出せない種類が多いのが
難点でしょうね。。。観葉植物用の温室ならOKでしょうけどね。
1:光るシダNo.1(TB便)
シダ好きの方たちには普通なのかもしれませんが、私は単純に
綺麗で面白いと思いました。
2:光るシダNo.2(TB便)
1とはまた違った趣の光るシダ。まぁ珍しくないのかもしれませんが、
私は知らないので(笑)店内の隅でひっそり光らせたい2種です。
3:シダ植物の1種“ラフランス”(AZ便)
新芽の白さを一発で気に入ったのですが、販売価格が高かったのが
幸いして手元に残りました(笑)もう自分のおもちゃにしますよ。
完全に個人的な趣味。
4:バードウィングファン(AZ便・TB便)
まとまって、しかもマレー半島とボルネオ島から来たのでランクイン!
恐らくシダの中でのスターは本種だろうと思います。これで水中育成が
完全に可能であれば大スターだったのですが。。。惜しい。
その他
コメント:ひっそりと?入荷する変態草(笑)
1:不明種 Melawi(TB便)
ツルアダン?シダ以外でもなんで青く光るんだ??(笑)
以前からこう言うのをお願いしていたのですが、なかなか手にすること叶わず。
ようやく無理やり1株キープしました(笑)TBさん、いつも無理ばかり言って
すみません。。。私は「しだれムラウィ」と呼んでます(笑)趣あるでしょ?
<ランキングを終えて>
後半の方が有利なのは変わりありませんが、一応前半から
大雑把には見直しました。色々あり過ぎて抜けてるとは思いますが
それは印象に残って無いと言うことで(笑)
ただ、書き始めたのが結構切羽詰まっていたので、見方が粗いのは
毎年か。。。
ただ、入荷する物量はとんでもないなぁ、と(笑)
私はサプライヤーを厳選しているので、概ね良いものばかりが
来てますね。まぁまれにとんでもないのもありますが(苦笑)
ユーザーの皆さんも何か印象に残ったものがあれば教えてください。
誤字脱字、コピペの名残があればご指摘ください。
昨年はちょっとキツイこと言いましたが、今年は結構面白くしてくれたので、
ありがとうございます!という以外は特にありませんよ、Yさん(笑)
2010年12月28日火曜日
2010年12月27日月曜日
水草水槽は本当に「癒し」なのか
近年、水草関係の謳い文句に「癒し」と言う単語が頻繁に使われるように
なりました。
日本においては、世界的金融危機などの追い打ちもあり、閉塞感が
漂う状況が続いており、ストレス社会となっていることも否定できません。
そういった中、ストレス解消や癒しと言ったキーワードで様々な商品や
サービスが提供されているのは周知の事実であります。
緑(植物)を見ることは、目にも優しく、精神的にも落ち着くと言った作用も
あるのでしょう。
水草も植物です。同様に癒し効果があるのかどうか、考えたいと思います。
確かに美しくレイアウトされた水槽や、活き活きと生育している水草を
見ると「綺麗」・「癒される」等の声を聞くことがあるかと思います。
しかしながら、それは第3者的な視点であり、その水槽・水草の管理・育成を
している側、すなわち私たちはどうなのでしょう?
確かにレイアウトの完成直前や育成難種が育った際の喜びや満足感は
あるでしょう。みなさんも思い返してください。まず、セッティング前には
器具類の選定があります。メーカー、価格、スペックなどトータルでの
費用対効果を追求します。それにはネットショップの価格を比べたり
ショップのセールを待ったりします。
次にセッティングですが、空の水槽からはじめる場合はともかく、リセットとなると
それは大変な労力です。
そして、水を張った翌日から藻類発生を防ぐための戦いになるでしょう。
セッティングの後は、二酸化炭素の量が不安定となったり、フィルターの
アクシデントなど多くのトラブルの要素がつきまとうものであります。
水草を買いそろえる際も、価格・種類・状態等納得してスムーズに準備できる
ことは稀です。
植栽後は育成ですが、育つもの・育ちが悪いものの差が出始めたり、やはり
藻類の発生が見られたりと四苦八苦です。
上手く育てばトリミングに追われ、育たなければ藻類とのせめぎ合いとなります。
また、入荷が立て続けにあったり、物入りの時に限って欲しい草が入荷したりと
買いたいのに買えない状況もあることでしょう。
クリプトコリネやホシクサが翌日に溶けていることもしばしばあることです。
もちろん、そう言ったすべての過程を楽しんでいると言えば、なるほど
その通りです。しかしながら、その際には程度の差こそあれストレスを感じる
こととなるでしょう。
つまり、水草水槽は決して「癒し」ではなく、それなりのストレスなのです。
ストレスは一概に害ではありませんので、問題はないのですが、
水草水槽=癒し、という構図は決して正しいとは考えられません。
見るだけの人にとっては綺麗な水草水槽は癒しになるかもしれません。
また、状態の良い水槽を維持できている間は見ていると嬉しい気持ちになります。
しかしながら、やはり日々の水槽周辺の出来事に振り回されることを
考えると、管理者側=ショップで買い物をするユーザーとしての結論は
「水草水槽、即癒し、と言うのは全体像を捉えてはいない」
と言わざるを得ません。水草水槽=癒しと言うのは、基本的には日々の管理を
する人「以外」に当てはまる構図であります。
水草水槽は戦いであり、自己実現であり、自己表現であり、自己満足です。
さて、みなさんはいかがでしょう?
なりました。
日本においては、世界的金融危機などの追い打ちもあり、閉塞感が
漂う状況が続いており、ストレス社会となっていることも否定できません。
そういった中、ストレス解消や癒しと言ったキーワードで様々な商品や
サービスが提供されているのは周知の事実であります。
緑(植物)を見ることは、目にも優しく、精神的にも落ち着くと言った作用も
あるのでしょう。
水草も植物です。同様に癒し効果があるのかどうか、考えたいと思います。
確かに美しくレイアウトされた水槽や、活き活きと生育している水草を
見ると「綺麗」・「癒される」等の声を聞くことがあるかと思います。
しかしながら、それは第3者的な視点であり、その水槽・水草の管理・育成を
している側、すなわち私たちはどうなのでしょう?
確かにレイアウトの完成直前や育成難種が育った際の喜びや満足感は
あるでしょう。みなさんも思い返してください。まず、セッティング前には
器具類の選定があります。メーカー、価格、スペックなどトータルでの
費用対効果を追求します。それにはネットショップの価格を比べたり
ショップのセールを待ったりします。
次にセッティングですが、空の水槽からはじめる場合はともかく、リセットとなると
それは大変な労力です。
そして、水を張った翌日から藻類発生を防ぐための戦いになるでしょう。
セッティングの後は、二酸化炭素の量が不安定となったり、フィルターの
アクシデントなど多くのトラブルの要素がつきまとうものであります。
水草を買いそろえる際も、価格・種類・状態等納得してスムーズに準備できる
ことは稀です。
植栽後は育成ですが、育つもの・育ちが悪いものの差が出始めたり、やはり
藻類の発生が見られたりと四苦八苦です。
上手く育てばトリミングに追われ、育たなければ藻類とのせめぎ合いとなります。
また、入荷が立て続けにあったり、物入りの時に限って欲しい草が入荷したりと
買いたいのに買えない状況もあることでしょう。
クリプトコリネやホシクサが翌日に溶けていることもしばしばあることです。
もちろん、そう言ったすべての過程を楽しんでいると言えば、なるほど
その通りです。しかしながら、その際には程度の差こそあれストレスを感じる
こととなるでしょう。
つまり、水草水槽は決して「癒し」ではなく、それなりのストレスなのです。
ストレスは一概に害ではありませんので、問題はないのですが、
水草水槽=癒し、という構図は決して正しいとは考えられません。
見るだけの人にとっては綺麗な水草水槽は癒しになるかもしれません。
また、状態の良い水槽を維持できている間は見ていると嬉しい気持ちになります。
しかしながら、やはり日々の水槽周辺の出来事に振り回されることを
考えると、管理者側=ショップで買い物をするユーザーとしての結論は
「水草水槽、即癒し、と言うのは全体像を捉えてはいない」
と言わざるを得ません。水草水槽=癒しと言うのは、基本的には日々の管理を
する人「以外」に当てはまる構図であります。
水草水槽は戦いであり、自己実現であり、自己表現であり、自己満足です。
さて、みなさんはいかがでしょう?
2010年12月12日日曜日
Ech.uruguayensisとEch.horemanii
ついにAZさんによって南米にてワイルドのホレマニーグリーンや
ウルグアイエンシスが新たに発見されました。
これは非常に素晴らしいことで、かつてのAppo工房便の場合は
ワイルドで入荷してましたが、現地の状況などの情報は殆ど
伝わってこず、フィッシュマガジン誌の「水草最前線」と言うコーナーに
川島淳平(PN)氏が写真や記事を掲載していた程度で、それも入荷する
すべての物ではありませんでしたし、詳細な産地は概ね伏せられて
いることが多かったものであります。
もちろん功績を否定するものではありませんが、はっきり申し上げると
グレーゾーンが多かったのも事実です。
しかし今回のAZ便は入荷する草そのものの現地画像及び産地名が
明確に認識できるようになっており、その点に関しては非常に
喜ばしいことであります。
そこでしばしば話題に挙がるホレマニーとウルグアイエンシスの
関係に少し触れてみたいと思います。
かつては、ホレマニーとウルグアイエンシスは別種とされており、
ファームから入荷するのはウルグアイエンシスのみで、ホレマニーは
入荷が殆どありませんでした。
ホレマニーとして入荷してもウルグアイエンシスであったりしたのですが、
その中でも通常のウルグアイエンシスとは異なるタイプの物が
ホレマニーではないかと言われたりしていたようです。
その名残が、現在時折流通する「クラシックブロード」と呼ばれるタイプの
ウルグアイエンシスであります。
ごく稀に、本物のホレマニーグリーンの入荷もあったようで、私の手元に
あるもので、はっきりとその当時のものとして残っているのは、以前、
筒井氏に譲っていただいた、当店で「座標軸」と呼んでいるものです。
これはブロードリーフタイプでありました。
ところがなぜか不思議なことに、一般的には先にホレマニーレッドの
ナローリーフが流通することとなります。町の熱帯魚店でも購入できたので、
恐らくオリエンタルアクアリウムからのリリースであったと考えられます。
その後、90年代にはファームからナローリーフタイプのホレマニーグリーンが
多数入荷するようになり、2000年代にはワイルドとされるもののナローリーフが
入荷、続いてブロードリーフの入荷となりました。
この間、ダークグリーンやオレンジホレマニー、スーパーレッドなども入荷し、
さらにはウルグアイエンシスも入荷することとなりました。
ここで更に1点不思議なことに、入荷するホレマニーグリーンはすべて
ナローからブロードに変わったのです。
ホレマニー各タイプの詳細は別の機会に譲ることとして、ここでカッセルマン女史が
登場することとなります。
彼女は水草に関する著書や専門誌への寄稿を通して、エキノドルスについての
知識を我々に与えてくれました。
そこで初めてE.horemaniiはシノニムに落とされ、E.uruguayensis var.minorと学名が
変更されたものであります。
しかしながら、前述のAppo工房よりもたらされた、E.uruguayensis var.minorは
ホレマニーグリーンではなく、また、ウルグアイエンシスでもなく、まったく異なる
第3の長葉エキノドルスでありました。本種は葉幅はブロードタイプ、色彩は
黄緑色のウルグアイエンシス、サイズは両種よりも大型と、非常に興味深い
種類でありました。
詳細を省き、駆け足で見てまいりましたが、結論を申し上げますと、
「ホレマニー」は「ホレマニー」であって、決して「ウルグアイエンシス」ではないのです。
どのような環境で育成しても両種は同じにはならないのです。
そしてAppo工房便ミノールが存在する限り、学術的には同種・変種扱いであっても、
趣味界において、3種を同じで整理してはいけないものだと断言するものであります。
これは観念論的思想となるかと思いますが、この草に関してはそうであるべき
だと考えます。
反面、形状・色彩に関しては無段階に中間個体があるように、私自身が感じて
いるのも事実であります。
エキノドルスに関しましては、様々な意味である程度見限っておりました。
しかしながら、南米から真正・新着採集株が入荷するにあたり、再度様々な角度で
掘り下げたいと考える物であります。
ウルグアイエンシスが新たに発見されました。
これは非常に素晴らしいことで、かつてのAppo工房便の場合は
ワイルドで入荷してましたが、現地の状況などの情報は殆ど
伝わってこず、フィッシュマガジン誌の「水草最前線」と言うコーナーに
川島淳平(PN)氏が写真や記事を掲載していた程度で、それも入荷する
すべての物ではありませんでしたし、詳細な産地は概ね伏せられて
いることが多かったものであります。
もちろん功績を否定するものではありませんが、はっきり申し上げると
グレーゾーンが多かったのも事実です。
しかし今回のAZ便は入荷する草そのものの現地画像及び産地名が
明確に認識できるようになっており、その点に関しては非常に
喜ばしいことであります。
そこでしばしば話題に挙がるホレマニーとウルグアイエンシスの
関係に少し触れてみたいと思います。
かつては、ホレマニーとウルグアイエンシスは別種とされており、
ファームから入荷するのはウルグアイエンシスのみで、ホレマニーは
入荷が殆どありませんでした。
ホレマニーとして入荷してもウルグアイエンシスであったりしたのですが、
その中でも通常のウルグアイエンシスとは異なるタイプの物が
ホレマニーではないかと言われたりしていたようです。
その名残が、現在時折流通する「クラシックブロード」と呼ばれるタイプの
ウルグアイエンシスであります。
ごく稀に、本物のホレマニーグリーンの入荷もあったようで、私の手元に
あるもので、はっきりとその当時のものとして残っているのは、以前、
筒井氏に譲っていただいた、当店で「座標軸」と呼んでいるものです。
これはブロードリーフタイプでありました。
ところがなぜか不思議なことに、一般的には先にホレマニーレッドの
ナローリーフが流通することとなります。町の熱帯魚店でも購入できたので、
恐らくオリエンタルアクアリウムからのリリースであったと考えられます。
その後、90年代にはファームからナローリーフタイプのホレマニーグリーンが
多数入荷するようになり、2000年代にはワイルドとされるもののナローリーフが
入荷、続いてブロードリーフの入荷となりました。
この間、ダークグリーンやオレンジホレマニー、スーパーレッドなども入荷し、
さらにはウルグアイエンシスも入荷することとなりました。
ここで更に1点不思議なことに、入荷するホレマニーグリーンはすべて
ナローからブロードに変わったのです。
ホレマニー各タイプの詳細は別の機会に譲ることとして、ここでカッセルマン女史が
登場することとなります。
彼女は水草に関する著書や専門誌への寄稿を通して、エキノドルスについての
知識を我々に与えてくれました。
そこで初めてE.horemaniiはシノニムに落とされ、E.uruguayensis var.minorと学名が
変更されたものであります。
しかしながら、前述のAppo工房よりもたらされた、E.uruguayensis var.minorは
ホレマニーグリーンではなく、また、ウルグアイエンシスでもなく、まったく異なる
第3の長葉エキノドルスでありました。本種は葉幅はブロードタイプ、色彩は
黄緑色のウルグアイエンシス、サイズは両種よりも大型と、非常に興味深い
種類でありました。
詳細を省き、駆け足で見てまいりましたが、結論を申し上げますと、
「ホレマニー」は「ホレマニー」であって、決して「ウルグアイエンシス」ではないのです。
どのような環境で育成しても両種は同じにはならないのです。
そしてAppo工房便ミノールが存在する限り、学術的には同種・変種扱いであっても、
趣味界において、3種を同じで整理してはいけないものだと断言するものであります。
これは観念論的思想となるかと思いますが、この草に関してはそうであるべき
だと考えます。
反面、形状・色彩に関しては無段階に中間個体があるように、私自身が感じて
いるのも事実であります。
エキノドルスに関しましては、様々な意味である程度見限っておりました。
しかしながら、南米から真正・新着採集株が入荷するにあたり、再度様々な角度で
掘り下げたいと考える物であります。
2010年12月4日土曜日
アポノゲトン復活の狼煙
以前より、私個人の思い及び水草発展のためにと、
アヌビアスの復権を願いこの場や店頭などで、アヌビアスの
楽しさをお伝えすべく、語り続けてまいりました。
幸いなことに、ギニア便のみならずカメルーン便と言う大いなる
後押しがあったことにより、様々な形で紹介されることとなり、
それにより、個人ブログや小売店の入荷で見かける機会が
飛躍的に増えたと言うのが現状ではないかと考えられます。
そして、初心者からコアな愛好家にも再度認識されたことにより
水草の1ジャンルとしての地位を再びある程度築くことが
出来たのではないかと考えております。
現在は私が執拗に叫ばなくても、自然な流れに任せておけば
ある程度良い状況下にあると感じております。
もちろん、入荷する種類に対する手詰まり感は否めませんが、
時折、ファームより新品種が入荷したり、sp.ガボンのように
スターダスト同様再生を果たした種類も見られるようになり、
それなりのペースを保っていると思われます。
そして、私が次にターゲットに絞ったものは「アポノゲトン」です。
本属は、入荷する種類数は少ないとは言え、なにかしらのアポノゲトン、
と言うことであれば、安定して供給されております。
個人的にはベトナムやスリランカで自生地を見ていることや、
レースプラントへの憧れは昔から変わらぬものであり、好きな
仲間ではありました。
ただ、悲しいことに本属には
「アポノゲトン=ウルバケウス=成長が速く巨大化する」
「レースプラント=休眠期がある=育成が難しい」
と言う2大既成概念(または固定観念)の存在が育成する機会を
排除していると思われます。
反対に、現在の流通品は一般ルートでの入荷が殆どで、価格による
障壁は皆無と考えます。
解決策・打開策は容易で、大きくなれば有茎草同様トリミングを
施せば良いだけです。
また、レースが水槽に入れることが出来ないくらい難しいので
あれば、導入翌日に回復不可能な状態に陥ることも珍しくない
ホシクサ類の方が余程難易度は高いと考えられます。
また、アポノゲトンには未入荷種も多く、これからも新しい草に
出会えると言う大いなる楽しみが残されております。
代表的な産地であるマダガスカルのみならず、産地は広範囲にわたり、
前述のスリランカ、ベトナムや、タイ、オーストラリア、インドなど
まだまだ入荷が期待できるものであります。
また、流通種とリアルなものが別である場合もあるかもしれません。
ナチュラルハイブリッドが存在する可能性もあるのです。
こういった部分を探求するのもまた興味深いものです。
既存の種類でも未知の部分が多く、レースプラントには様々な
タイプが存在しており、アラメ、ヒロハ、ホソハはもちろん、その中での
個体差が複雑に入り組んでおり、網目の違いや、葉先の形状の違い、
また葉幅などが異なるタイプも複数あるようです。
少数ではありますが、コンパクトやクリスプスレッドのような改良品種も
存在しております。
私にはレイアウトや素材等で果たせる役割は殆どありません。
しかしながら、こういった水草自体の興味深さや奥深さ等を
ご紹介していくことは少なからず出来ることがあると考えます。
そして、今年後半より、いくつかのアポノゲトンをご紹介し、
強く推奨してきたものであります。そして、ごくわずかでは
ありますが、他のショップにも入荷が見られ、販売されている
ようであります。
世界屈指の珍草・奇草であるレースプラントを自宅で、しかも
安価に入手できることの価値を見出し、そしてその仲間の
興味深さを堪能して頂きたいと願います。
アヌビアスの復権を願いこの場や店頭などで、アヌビアスの
楽しさをお伝えすべく、語り続けてまいりました。
幸いなことに、ギニア便のみならずカメルーン便と言う大いなる
後押しがあったことにより、様々な形で紹介されることとなり、
それにより、個人ブログや小売店の入荷で見かける機会が
飛躍的に増えたと言うのが現状ではないかと考えられます。
そして、初心者からコアな愛好家にも再度認識されたことにより
水草の1ジャンルとしての地位を再びある程度築くことが
出来たのではないかと考えております。
現在は私が執拗に叫ばなくても、自然な流れに任せておけば
ある程度良い状況下にあると感じております。
もちろん、入荷する種類に対する手詰まり感は否めませんが、
時折、ファームより新品種が入荷したり、sp.ガボンのように
スターダスト同様再生を果たした種類も見られるようになり、
それなりのペースを保っていると思われます。
そして、私が次にターゲットに絞ったものは「アポノゲトン」です。
本属は、入荷する種類数は少ないとは言え、なにかしらのアポノゲトン、
と言うことであれば、安定して供給されております。
個人的にはベトナムやスリランカで自生地を見ていることや、
レースプラントへの憧れは昔から変わらぬものであり、好きな
仲間ではありました。
ただ、悲しいことに本属には
「アポノゲトン=ウルバケウス=成長が速く巨大化する」
「レースプラント=休眠期がある=育成が難しい」
と言う2大既成概念(または固定観念)の存在が育成する機会を
排除していると思われます。
反対に、現在の流通品は一般ルートでの入荷が殆どで、価格による
障壁は皆無と考えます。
解決策・打開策は容易で、大きくなれば有茎草同様トリミングを
施せば良いだけです。
また、レースが水槽に入れることが出来ないくらい難しいので
あれば、導入翌日に回復不可能な状態に陥ることも珍しくない
ホシクサ類の方が余程難易度は高いと考えられます。
また、アポノゲトンには未入荷種も多く、これからも新しい草に
出会えると言う大いなる楽しみが残されております。
代表的な産地であるマダガスカルのみならず、産地は広範囲にわたり、
前述のスリランカ、ベトナムや、タイ、オーストラリア、インドなど
まだまだ入荷が期待できるものであります。
また、流通種とリアルなものが別である場合もあるかもしれません。
ナチュラルハイブリッドが存在する可能性もあるのです。
こういった部分を探求するのもまた興味深いものです。
既存の種類でも未知の部分が多く、レースプラントには様々な
タイプが存在しており、アラメ、ヒロハ、ホソハはもちろん、その中での
個体差が複雑に入り組んでおり、網目の違いや、葉先の形状の違い、
また葉幅などが異なるタイプも複数あるようです。
少数ではありますが、コンパクトやクリスプスレッドのような改良品種も
存在しております。
私にはレイアウトや素材等で果たせる役割は殆どありません。
しかしながら、こういった水草自体の興味深さや奥深さ等を
ご紹介していくことは少なからず出来ることがあると考えます。
そして、今年後半より、いくつかのアポノゲトンをご紹介し、
強く推奨してきたものであります。そして、ごくわずかでは
ありますが、他のショップにも入荷が見られ、販売されている
ようであります。
世界屈指の珍草・奇草であるレースプラントを自宅で、しかも
安価に入手できることの価値を見出し、そしてその仲間の
興味深さを堪能して頂きたいと願います。
2010年11月28日日曜日
専門誌の水草情報から見て取る
近年の情報収集ツールの代表格はインターネットであります。
日本国内の情報・画像のみならず、世界各国の情報を自宅に居ながら
閲覧できると言うことは非常に便利であります。
しかしながら、インターネットが発達する前の情報源はなんだったのでしょう。
恐らく専門誌や専門店のスタッフ、または専門店で知り合ったハイレベルな
お客様と言ったところではないでしょうか。
その中で急速にその存在が矮小化しているものに、専門誌があります。
昨今の内容(水草に限る)には目を覆いたくなるようなものが存在するのも
事実であります。もちろん、本を編集・出版するための労力は並大抵のものでは
ないことは、極々わずかながら紙面作りのお手伝いをさせていただいた私も
認識しているものであります。
また、売れる紙面作りというのが至上命題であると考えますので、特集記事や
注力する題材に偏りが見られることも致し方ないものでしょう。反面、バランスを
考慮した場合、どうしても水草と言うカテゴリーは組み込みやすいものであると
思われます。
ただ、常日頃お客様との会話でも申し上げることもありますが、アクアショップ、
いわゆる熱帯魚屋という商売からみた場合、水草というもののプライオリティは
最下位であると言わざるを得ません。つまり、お金にならないのです。
お金にならないと言うことは、水草と言うものに注力するお店が少ないということです。
すなわち、専門誌としても水草で特集を組んでも広告が集まらないのです。
更に水草でも特化した内容となると、読み手は限られてきます。そうなると
販売数の伸びは期待できません。
しかしながら、メインの特集タイトルとして掲げられる内容としては、水草は
1ジャンルとしては確立しています。そしてこのアクアと言う趣味の特徴として
始めやすくやめやすいという点があります。
日本国内の情報・画像のみならず、世界各国の情報を自宅に居ながら
閲覧できると言うことは非常に便利であります。
しかしながら、インターネットが発達する前の情報源はなんだったのでしょう。
恐らく専門誌や専門店のスタッフ、または専門店で知り合ったハイレベルな
お客様と言ったところではないでしょうか。
その中で急速にその存在が矮小化しているものに、専門誌があります。
昨今の内容(水草に限る)には目を覆いたくなるようなものが存在するのも
事実であります。もちろん、本を編集・出版するための労力は並大抵のものでは
ないことは、極々わずかながら紙面作りのお手伝いをさせていただいた私も
認識しているものであります。
また、売れる紙面作りというのが至上命題であると考えますので、特集記事や
注力する題材に偏りが見られることも致し方ないものでしょう。反面、バランスを
考慮した場合、どうしても水草と言うカテゴリーは組み込みやすいものであると
思われます。
ただ、常日頃お客様との会話でも申し上げることもありますが、アクアショップ、
いわゆる熱帯魚屋という商売からみた場合、水草というもののプライオリティは
最下位であると言わざるを得ません。つまり、お金にならないのです。
お金にならないと言うことは、水草と言うものに注力するお店が少ないということです。
すなわち、専門誌としても水草で特集を組んでも広告が集まらないのです。
更に水草でも特化した内容となると、読み手は限られてきます。そうなると
販売数の伸びは期待できません。
しかしながら、メインの特集タイトルとして掲げられる内容としては、水草は
1ジャンルとしては確立しています。そしてこのアクアと言う趣味の特徴として
始めやすくやめやすいという点があります。
そうなると常に一定の初心者が存在することになります。そこで水草特集での
ターゲットは初心者中心となるわけです。
入門的な内容と言うものは2~3年で劇的に変化するものではありません。
(ソイル系底床の登場時は例外)
また、水草を始めたいという動機は概ね美しいレイアウトを作成したいという
ことで間違いありません。
つまり、内容はセッティング関係から、レイアウト映えする水草の紹介と管理法に
なります。
すなわち、そのような内容は何年も変わらないのです。
2010年9月号の月刊アクアライフにおいても、レイアウトに使える水草は
昔と変わらずグロッソスティグマ、ブリクサショートリーフ、コブラグラス、
ロタラ ロトンジフォリア、ウィローモスなのです。
これは5年後も変わらないでしょう。
そこで7年前に登場した年刊誌AQUA PLANTSは、水草自体に特化した
しかも変草・珍草メインと言う奇特な雑誌でした。しかしながらいつの頃からか、
普段の水草特集号と殆ど同じ内容になってしまいました。
変草・珍草のカタログ的なものは不要だと言うことであり、3号までのような
レイアウトに使うには自分の頭をひねらなければならない・実践を繰り返さねば
ならないような草や、使えない草は必要なくなりました。
AQUA PLANTSだけはと尽力するつもりではありましたが、残念ながら
私にお手伝い出来ることは皆無となりました。
専門誌の水草関係における情報の内容で、現在の水草業界の熱量を
計れるように思われます。
そして、現在の体感温度は、まぎれもなく非常に低いものであります。
※レイアウトサイドとは、まったくの別角度です。
特殊である当店、及び私の個人的な意見です。
ターゲットは初心者中心となるわけです。
入門的な内容と言うものは2~3年で劇的に変化するものではありません。
(ソイル系底床の登場時は例外)
また、水草を始めたいという動機は概ね美しいレイアウトを作成したいという
ことで間違いありません。
つまり、内容はセッティング関係から、レイアウト映えする水草の紹介と管理法に
なります。
すなわち、そのような内容は何年も変わらないのです。
2010年9月号の月刊アクアライフにおいても、レイアウトに使える水草は
昔と変わらずグロッソスティグマ、ブリクサショートリーフ、コブラグラス、
ロタラ ロトンジフォリア、ウィローモスなのです。
これは5年後も変わらないでしょう。
そこで7年前に登場した年刊誌AQUA PLANTSは、水草自体に特化した
しかも変草・珍草メインと言う奇特な雑誌でした。しかしながらいつの頃からか、
普段の水草特集号と殆ど同じ内容になってしまいました。
変草・珍草のカタログ的なものは不要だと言うことであり、3号までのような
レイアウトに使うには自分の頭をひねらなければならない・実践を繰り返さねば
ならないような草や、使えない草は必要なくなりました。
AQUA PLANTSだけはと尽力するつもりではありましたが、残念ながら
私にお手伝い出来ることは皆無となりました。
専門誌の水草関係における情報の内容で、現在の水草業界の熱量を
計れるように思われます。
そして、現在の体感温度は、まぎれもなく非常に低いものであります。
※レイアウトサイドとは、まったくの別角度です。
特殊である当店、及び私の個人的な意見です。
2010年8月21日土曜日
水草と園芸に垣根はあるのか
近年様々な植物が水草ルート(問屋・採集者)から入荷するようになっております。
元々はクリプトコリネやミクロソリウム、アヌビアスと言った古くから水草として
流通している種の採集ものが主な入荷でしたが、近年は物色がその周辺植物に
まで及び始めました。
その中にはアヌビアスのように水陸共に問題無く育成できる種があります。
ただ、それらの育成は今に始まったわけではなく、数十年前の欧米の書籍には
すでにスキスマトグロッティスやピプトスパサを水中に沈めて紹介しているものが
存在しておりました。
ですので、古くからのマニアにとって、水辺~湿地に生えるサトイモ科の仲間を
育成することはそれほど不自然なことではないのだと考えます。
また、この約10年でクリプトコリネの水上育成の存在もかつてとは比べ物に
ならないくらい知れ渡りましたし、水中・水上共に育成できるブセファランドラの
登場によって、さらに水草及びらしき植物を鉢植えにしてケース内で育成する
行為に対して、違和感を抱くことも徐々にではありますが減りつつあります。
もちろんビオトープ(ここでは水鉢での育成を指します)も、その一助となったと
考えられるものであります。
そして、現在は水中育成がなんとか可能である種から元来園芸で取り扱うような
種まで、多岐に渡り入荷するようになりました。
近年アクアリウム(主に水草)を始めた方々や、レイアウトメインの方には
「それは水草なの?」という疑問が生じ、違和感を持ってその異様な光景を
ご覧になっているかも知れません。
しかしながら、それらの植物は水草の生えている川の岸辺の岩肌に着生していたり、
水草の水上葉の間から顔をのぞかせていたりと、非常に水草たちと近しいところを
生活圏としています。
水槽の隣にパキラやドラセナ、ポトスなどを飾ろうと考えられたことは
ありませんか?基本的にはそれと同じなのです。どうせ並べるなら、
水草の雰囲気に近いもの、水辺やジャングルに生えているもの、更には
同じ場所に生えているもの、すなわち同じ産地のもの、そういった植物の方が
不思議とすんなり溶け込みます。
近年そういうレイアウトは殆ど見なくなりましたが、かつてはアトラスレイアウトと
言って、現地を模したレイアウトがよく作られていました。たとえば
カージナルテトラにはエキノドルス、エイクホルニア、ヘテランテラ、ルドウィジアなど、
ラスボラにはクリプトコリネやミクロソリウム、ハイグロフィラ、ランプアイや
ペルビカクロミスにはアヌビアスやボルビティス、タイガーロータスやクリナムなどと
いった具合に、産地を統一することによって、より自然に、より現地へ想像を
膨らませると言うとても楽しいものです。
そしてやはり、それらは不思議と一体感のあるレイアウトになります。
また、古くはダッチアクアリウムでは、水槽内のみならず水槽台やその周辺の
インテリアにも統一感を持たせ、四角のガラスの中だけでなく、その周囲全体を
ハイレベルにレイアウトしております。
鉢植えを水槽のそばに置いたり、水槽の上の方からハンギングしたりと
それは水槽を中心に植物を楽しむと言った姿勢と言えるかも知れません。
水草にこだわるのも、また1つの楽しみ方です。私も水中育成にこだわってきた身
ですのでそれはとても理解出来ることです。
しかしながら、同じ植物であり、ましてや現地に想いを馳せるアイテムとしては
水草と魚に+αとして加えるのにふさわしいものだと思います。
園芸ルートでは、観賞価値・商品価値・育成法などにより、扱わない・扱えない
植物たちがアクアルートでは入荷します。もちろん同じもの・同じ仲間の物が
入荷することもありますが、園芸品では代用の効かないものが多数存在します。
それも含めて、楽しんでいただけるものであると確信しております。
少しでもご興味があるようでしたら、鉢植えなんて園芸だ、と言う見方を少し横へ
置いて、その世界の片鱗を垣間見るのも楽しい息抜きになると思います。
元々はクリプトコリネやミクロソリウム、アヌビアスと言った古くから水草として
流通している種の採集ものが主な入荷でしたが、近年は物色がその周辺植物に
まで及び始めました。
その中にはアヌビアスのように水陸共に問題無く育成できる種があります。
ただ、それらの育成は今に始まったわけではなく、数十年前の欧米の書籍には
すでにスキスマトグロッティスやピプトスパサを水中に沈めて紹介しているものが
存在しておりました。
ですので、古くからのマニアにとって、水辺~湿地に生えるサトイモ科の仲間を
育成することはそれほど不自然なことではないのだと考えます。
また、この約10年でクリプトコリネの水上育成の存在もかつてとは比べ物に
ならないくらい知れ渡りましたし、水中・水上共に育成できるブセファランドラの
登場によって、さらに水草及びらしき植物を鉢植えにしてケース内で育成する
行為に対して、違和感を抱くことも徐々にではありますが減りつつあります。
もちろんビオトープ(ここでは水鉢での育成を指します)も、その一助となったと
考えられるものであります。
そして、現在は水中育成がなんとか可能である種から元来園芸で取り扱うような
種まで、多岐に渡り入荷するようになりました。
近年アクアリウム(主に水草)を始めた方々や、レイアウトメインの方には
「それは水草なの?」という疑問が生じ、違和感を持ってその異様な光景を
ご覧になっているかも知れません。
しかしながら、それらの植物は水草の生えている川の岸辺の岩肌に着生していたり、
水草の水上葉の間から顔をのぞかせていたりと、非常に水草たちと近しいところを
生活圏としています。
水槽の隣にパキラやドラセナ、ポトスなどを飾ろうと考えられたことは
ありませんか?基本的にはそれと同じなのです。どうせ並べるなら、
水草の雰囲気に近いもの、水辺やジャングルに生えているもの、更には
同じ場所に生えているもの、すなわち同じ産地のもの、そういった植物の方が
不思議とすんなり溶け込みます。
近年そういうレイアウトは殆ど見なくなりましたが、かつてはアトラスレイアウトと
言って、現地を模したレイアウトがよく作られていました。たとえば
カージナルテトラにはエキノドルス、エイクホルニア、ヘテランテラ、ルドウィジアなど、
ラスボラにはクリプトコリネやミクロソリウム、ハイグロフィラ、ランプアイや
ペルビカクロミスにはアヌビアスやボルビティス、タイガーロータスやクリナムなどと
いった具合に、産地を統一することによって、より自然に、より現地へ想像を
膨らませると言うとても楽しいものです。
そしてやはり、それらは不思議と一体感のあるレイアウトになります。
また、古くはダッチアクアリウムでは、水槽内のみならず水槽台やその周辺の
インテリアにも統一感を持たせ、四角のガラスの中だけでなく、その周囲全体を
ハイレベルにレイアウトしております。
鉢植えを水槽のそばに置いたり、水槽の上の方からハンギングしたりと
それは水槽を中心に植物を楽しむと言った姿勢と言えるかも知れません。
水草にこだわるのも、また1つの楽しみ方です。私も水中育成にこだわってきた身
ですのでそれはとても理解出来ることです。
しかしながら、同じ植物であり、ましてや現地に想いを馳せるアイテムとしては
水草と魚に+αとして加えるのにふさわしいものだと思います。
園芸ルートでは、観賞価値・商品価値・育成法などにより、扱わない・扱えない
植物たちがアクアルートでは入荷します。もちろん同じもの・同じ仲間の物が
入荷することもありますが、園芸品では代用の効かないものが多数存在します。
それも含めて、楽しんでいただけるものであると確信しております。
少しでもご興味があるようでしたら、鉢植えなんて園芸だ、と言う見方を少し横へ
置いて、その世界の片鱗を垣間見るのも楽しい息抜きになると思います。
2010年6月6日日曜日
日本におけるトロピカ社の1人勝ち
近年、欧州系ファームの閉鎖?や縮小傾向に歯止めがかからない状況であります。
欧州のファームにはそれぞれ取り扱う種類に関して、得意分野或いは
特徴を有しており、この種類はこのファームからしか来ない、この種類は
このファームの株がずば抜けて良い、と言う傾向が顕著でした。
しかしながら、世界的な金融危機、投機マネーによる原油高が直撃したかのように、
時期を同じくして、途絶えてしまったファームがあります。また、少し手がかかるような種は
アイテムから外すという傾向も見られました。
さて、現状はどうなっているのでしょうか。
オランダからはしばしば入荷があるものの、どれも代わり映えせず、
ラインナップ、種名に関する無頓着さ、共に変化無しと言った状況であります。
ドイツに目を向けてみても、Barthはもう入荷することはありません。
GULAの入荷も期待することは出来ません。Zoologicaも売れる要素がありません。
惨憺たる状況であります。
DENNERLEに関しては、日本のマーケットを重視しているとは言えず、また
価格も昔よりも高くなっており、新作と言ってもジャングルスターシリーズ程度、
クリプトのフラミンゴも寒天培地での入荷に留まりました。
先日久々にRatajが入荷しましたが、入荷ごとに種類の幅は狭くなっており、
目を見張るようなものはありませんでした。
数年前からわかっていることではありますが、赤いウルグアイエンシスは
ホレマニーレッドです。ただし純然たるレッドではなく、若干ではありますが、
グリーンの要素を持ち合わせている雰囲気があります。
ホレマニーグリーンも入荷しましたが、検証用に入手したポット(葉が傷んでいた)には
小さいながらも3株入っており、状況証拠的ではありますが、それだけですでに
ホレマニーグリーンとは言いがたく、DENNERLEからも数年前にホレマニーグリーンで
ウルグアイエンシスが入荷していることを考慮に入れ、こちらもウルグアイエンシスの
蓋然性が高いと思われます。
(注)現在は断定いたしません。入手した株で検証いたします。
そんな中、毎年のように一大ブームを作り出す新作をリリースしてくるのが
デンマークのTropica社です。
シペルス ヘルフェリィ、グロッソスティグマ、ポゴステモン ヘルフェリィ、
ウトリクラリア グラミニフォリア、キューバパールグラス、
そしてハイグロフィラ ピンナティフィダ。
どのファームよりも日本に目が向いているとは思えるのですが、それでもなお
Japan Passing(日本を素通り)と言う印象が拭えない入荷状況は残念ですが。
ただし、欧州ファームから、国内市場に目を向けてみるとTropicaの果たす役割は大きく、
もし、明日からトロピカの入荷が皆無になったことを考えると、水草業界(プロアマ問わず)は
確実に矮小化すると思われます。
もちろん、アジアファームや国産ファームで事足りると言えばそれまでですが、
現在と比較して、層が薄くなると言う感覚は必ずあります。
また、グロッソスティグマやキューバパールグラスのように、新作が一大ムーブメントを
起こすという、業界内の大きなうねりが消え去ります。
結論としては、日本においての欧州系ファームはTropicaの1人勝ちとなっております。
また、ファームに対して新たな種を期待できるのもTropicaしかないと言うのも
寂しい現実ではありますが、その裏づけとなっております。
果たして来年はどんな水草をリリースしてくれるのか。。。
欧州のファームにはそれぞれ取り扱う種類に関して、得意分野或いは
特徴を有しており、この種類はこのファームからしか来ない、この種類は
このファームの株がずば抜けて良い、と言う傾向が顕著でした。
しかしながら、世界的な金融危機、投機マネーによる原油高が直撃したかのように、
時期を同じくして、途絶えてしまったファームがあります。また、少し手がかかるような種は
アイテムから外すという傾向も見られました。
さて、現状はどうなっているのでしょうか。
オランダからはしばしば入荷があるものの、どれも代わり映えせず、
ラインナップ、種名に関する無頓着さ、共に変化無しと言った状況であります。
ドイツに目を向けてみても、Barthはもう入荷することはありません。
GULAの入荷も期待することは出来ません。Zoologicaも売れる要素がありません。
惨憺たる状況であります。
DENNERLEに関しては、日本のマーケットを重視しているとは言えず、また
価格も昔よりも高くなっており、新作と言ってもジャングルスターシリーズ程度、
クリプトのフラミンゴも寒天培地での入荷に留まりました。
先日久々にRatajが入荷しましたが、入荷ごとに種類の幅は狭くなっており、
目を見張るようなものはありませんでした。
数年前からわかっていることではありますが、赤いウルグアイエンシスは
ホレマニーレッドです。ただし純然たるレッドではなく、若干ではありますが、
グリーンの要素を持ち合わせている雰囲気があります。
ホレマニーグリーンも入荷しましたが、検証用に入手したポット(葉が傷んでいた)には
小さいながらも3株入っており、状況証拠的ではありますが、それだけですでに
ホレマニーグリーンとは言いがたく、DENNERLEからも数年前にホレマニーグリーンで
ウルグアイエンシスが入荷していることを考慮に入れ、こちらもウルグアイエンシスの
蓋然性が高いと思われます。
(注)現在は断定いたしません。入手した株で検証いたします。
そんな中、毎年のように一大ブームを作り出す新作をリリースしてくるのが
デンマークのTropica社です。
シペルス ヘルフェリィ、グロッソスティグマ、ポゴステモン ヘルフェリィ、
ウトリクラリア グラミニフォリア、キューバパールグラス、
そしてハイグロフィラ ピンナティフィダ。
どのファームよりも日本に目が向いているとは思えるのですが、それでもなお
Japan Passing(日本を素通り)と言う印象が拭えない入荷状況は残念ですが。
ただし、欧州ファームから、国内市場に目を向けてみるとTropicaの果たす役割は大きく、
もし、明日からトロピカの入荷が皆無になったことを考えると、水草業界(プロアマ問わず)は
確実に矮小化すると思われます。
もちろん、アジアファームや国産ファームで事足りると言えばそれまでですが、
現在と比較して、層が薄くなると言う感覚は必ずあります。
また、グロッソスティグマやキューバパールグラスのように、新作が一大ムーブメントを
起こすという、業界内の大きなうねりが消え去ります。
結論としては、日本においての欧州系ファームはTropicaの1人勝ちとなっております。
また、ファームに対して新たな種を期待できるのもTropicaしかないと言うのも
寂しい現実ではありますが、その裏づけとなっております。
果たして来年はどんな水草をリリースしてくれるのか。。。
2010年1月13日水曜日
確信犯と思われる欧州系ファーム
現在、流通する多くの水草は海外から輸入されている物が多くを占めております。
低価格帯の物は主にシンガポール、タイ、インドネシア等からやってきており、
比較的新しいところでスリランカ、台湾、中国等もあります。
中~高価格帯のものでは、オランダ、ドイツ、デンマーク、チェコ(最近途絶えております)等が
あります。
東南アジアと比較して、距離的にも気候的にも、欧州ではコストがかかると言うのは
理解が出来ます。管理の良さや梱包の方法などから着状態も比較的良いので、
価格が多少割高になることも頷けるところであります。
もちろん、その価格の中にはある程度の信用が含まれてもしかるべきかと考えます。
ところが、10年以上も前から欧州勢の日本に対する姿勢には疑問を持たずには
いられない部分が存在しております。
それは“種の誤り”です。
ただし、これは単なる“誤り”ではなく、“確信犯的誤り”と言う風に受け取ることが
出来るものであります。
これが、以前のトロピカ社のラージマヤカ(Mayaca sellowiana)で販売していた種が
実はロタラ ナンセアン(Rotala sp. Nanjeshan/Rotala nanjean)であると修正を
行ったことがあります。
これはかなり珍しい事例であり、トロピカ社の信用度が高いことを裏付けることと
なります。
しかしながら、その他のファームでは明らかに異なる種名を付けて送ってくることがあり、
しかもそれが継続的である上に、修正する姿勢すらないのが現状であります。
すでに10年にも亘って続いている例もあり、未だに混乱を招いております。
以前にも取り上げたことがあるかとは思いますが、下記のものは現在もなお
流通している代表的な例です。
流通名(入荷名) 実際の種類
クリプトコリネ ブローサ(オランダ)・・・・・・スリランカ産狭葉系(ウェンティ?)
クリプトコリネ モエルマニィ(オランダ)・・・スリランカ産狭葉系(ウェンティ?)
アヌビアス グラキリス(オランダ)・・・・・・・耳の無いやや狭い葉(グラブラ?)
エキノドルス ホレマニー(ドイツ)・・・・・・・エキノドルス ウルグアイエンシス
問題はこれだけではありません。
水草を主力商品としている専門店では、これらは判別できる筈なのです。
もちろん、その旨をユーザーに伝えてから販売することはなんの問題もありません。
しかしながら、その購入希望者が、ショップから見てその判別が出来ない、または
そのような知識が無いと判断できる場合は、しっかりと伝えるべきであります。
残念ながら欧州のみならず、日本国内においてもそのようなことが意識される
事自体が稀であるのが現状であります。
また、輸入業者においても「この名前で来ているからこれ」という言い訳は
初回や2回目程度ならまだしも、10年も通用させてはいけないと認識すべきで
あると考えます。
極一部の輸入業者では、そのような判別を行いつつあるところも見られます。
しかしながら大手でも未だに改善する姿勢が見られないところがあるのも、
これもまた、残念ながら事実となっております。
近年は様々な水草が容易に入手できるようになった反面、供給側に
そのような情報・知識の蓄積・そしてそのアナウンスの重要さをまったく
理解出来ていない(知らない)、または誤りを黙認するような場合がしばしば
見られるのは、非常に危ういことだと考えるものであります。
同様にユーザーの、古くからの慣習及び現状に対する認識も更に高いものに
なればと、願って止みません。
低価格帯の物は主にシンガポール、タイ、インドネシア等からやってきており、
比較的新しいところでスリランカ、台湾、中国等もあります。
中~高価格帯のものでは、オランダ、ドイツ、デンマーク、チェコ(最近途絶えております)等が
あります。
東南アジアと比較して、距離的にも気候的にも、欧州ではコストがかかると言うのは
理解が出来ます。管理の良さや梱包の方法などから着状態も比較的良いので、
価格が多少割高になることも頷けるところであります。
もちろん、その価格の中にはある程度の信用が含まれてもしかるべきかと考えます。
ところが、10年以上も前から欧州勢の日本に対する姿勢には疑問を持たずには
いられない部分が存在しております。
それは“種の誤り”です。
ただし、これは単なる“誤り”ではなく、“確信犯的誤り”と言う風に受け取ることが
出来るものであります。
これが、以前のトロピカ社のラージマヤカ(Mayaca sellowiana)で販売していた種が
実はロタラ ナンセアン(Rotala sp. Nanjeshan/Rotala nanjean)であると修正を
行ったことがあります。
これはかなり珍しい事例であり、トロピカ社の信用度が高いことを裏付けることと
なります。
しかしながら、その他のファームでは明らかに異なる種名を付けて送ってくることがあり、
しかもそれが継続的である上に、修正する姿勢すらないのが現状であります。
すでに10年にも亘って続いている例もあり、未だに混乱を招いております。
以前にも取り上げたことがあるかとは思いますが、下記のものは現在もなお
流通している代表的な例です。
流通名(入荷名) 実際の種類
クリプトコリネ ブローサ(オランダ)・・・・・・スリランカ産狭葉系(ウェンティ?)
クリプトコリネ モエルマニィ(オランダ)・・・スリランカ産狭葉系(ウェンティ?)
アヌビアス グラキリス(オランダ)・・・・・・・耳の無いやや狭い葉(グラブラ?)
エキノドルス ホレマニー(ドイツ)・・・・・・・エキノドルス ウルグアイエンシス
問題はこれだけではありません。
水草を主力商品としている専門店では、これらは判別できる筈なのです。
もちろん、その旨をユーザーに伝えてから販売することはなんの問題もありません。
しかしながら、その購入希望者が、ショップから見てその判別が出来ない、または
そのような知識が無いと判断できる場合は、しっかりと伝えるべきであります。
残念ながら欧州のみならず、日本国内においてもそのようなことが意識される
事自体が稀であるのが現状であります。
また、輸入業者においても「この名前で来ているからこれ」という言い訳は
初回や2回目程度ならまだしも、10年も通用させてはいけないと認識すべきで
あると考えます。
極一部の輸入業者では、そのような判別を行いつつあるところも見られます。
しかしながら大手でも未だに改善する姿勢が見られないところがあるのも、
これもまた、残念ながら事実となっております。
近年は様々な水草が容易に入手できるようになった反面、供給側に
そのような情報・知識の蓄積・そしてそのアナウンスの重要さをまったく
理解出来ていない(知らない)、または誤りを黙認するような場合がしばしば
見られるのは、非常に危ういことだと考えるものであります。
同様にユーザーの、古くからの慣習及び現状に対する認識も更に高いものに
なればと、願って止みません。
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