2016年1月24日日曜日

アグラオネマ ピクタムで遊んでみる(2)

前回の記事では、アグラオネマ ピクタム(以下、ピクタム)を
壁掛けにして育成した経緯と実例をご紹介しました。
今回は、それ以外に何か出来ないかと試しているものを
ご紹介したいと思います。

基本的にはピクタムの丈夫さを利用して適当に遊ぼうと言うのが
コンセプトなので、それ意味があるの?ってのは言わないで下さい(笑)


最近流行の軽石+ミズゴケのスタイル(笑)
ただし、もちろんこのまま店内に置いてます。
いわゆる常湿ですね。別に特別な用土でなくても
普通に育ちます。テトラのプラケースが
17x17x17なのでピクタムの大きさがおわかり
頂けると思います。モデルはゴールドラッシュ。
中身はこれだけ。どんどん大きくなりますよ。
軽いし、倒れてもこぼれない(笑)
幹を持って持ち上げても抜けないです。

鉢なんて無くても良いんですよ(笑)
見たまんま、ペットボトルをカットしたもの。
軽い上に割れにくい、汚れたポイ。
モデルは2-2。グリーンフレイムと言いたくなる
炎のような模様が特徴(笑)当然常湿。


水耕栽培のようなものですね。
入っている丸いのは鉢底石として販売
されている焼成した軽いものです。
水が減ってきたら水槽の水を入れるだけ。
栄養が足りなければ粒状の肥料でも
撒いとけば特に問題ないでしょう。

元は販売用のミズゴケ植えだったものですが、
水槽内で他の株の陰でカラッッカラになって
萎れてしまったので。。。再生のために水へ(笑)
ミズゴケごと突っ込んで鉢底石を入れただけ。



こちらは流木植えです。ほぼ棒でキープしていた
株が展開し始めたので早速悪ふざけに(笑)
植え付けてから1枚目の葉が出てきたところです。

この流木は中空で、小さな穴が開いてました。
穴をちょっとドリルで広げてミズゴケを詰め込んだだけ。
育ってからのことは育ってから考える(笑)
せっかくなので別の植物も着生させたいところ。

裏の様子。ミズゴケがバラバラ落ちても
困るので、ビニールの切れ端でゆるく蓋。
3点ほどネジで止めてます(笑)
まぁピクタムはミズゴケでどうにでもなりますね。
お金をかけるとしたらちょっと良いミズゴケを
使うだけ。用土は赤玉や鹿沼でOKでしょう。

ミズゴケのみで苔玉を制作しました。
中身に保水するものが無いので結構乾きます。
ピクタムだけだと寂しいのでよく伸びるピロシアも
一緒に巻き付けておきました。当然常湿、これ基本。
モデルはチャンプールアンダー。

元々長めの茎だったので、育つとバランスが
悪くなったため、取り木の要領でミズゴケを
巻き付けたのち、発根を確認してカットしました。
左が元の苔玉。ピロシアが育ってますね。右が
カットした株です。ぶら下げたまま行ったので
仕掛け中は連結していて苔玉団子のようでした(笑)


しばらく後、カットした切り株からタケノコ出現(笑)
ぶら下げたまま増えますよ。ピロシアも絶好調ですね。
作がどうのとか言わずにキープしたいだけなら
土地問題知らずですよ!素晴らしい(笑)

ざーっとですが、店頭でピクタムを使って遊んでみた例を挙げてみました。
まぁミズゴケが万能だということだけが際立ったような気もしますが、
これで育つピクタムが優秀と言うこともわかりますね。目詰まりの激しい
用土以外は特に気を使う必要が無いというのもこれでお分かり頂けると
思います。ホント、ピクタムは丈夫(笑)

個人的にはビバリウムに使えるとは思いますが、サイズ的にしっくりくるのが
たぶん180センチくらいのサイズからな感じがするのは私が水草の人間
だからなのでしょう(笑)そのくらいのケースだとDBや0413-2aあたりの
大きくなりにくいピクタムでライデン作るのは楽しそうです。あ~、ちょっと
やりたくなりますねぇ(笑)
60センチくらいのケースだとS水槽にラージリーフハイグロ植えてるような
感覚になるんですよね。。。

とにかく遊べる要素がいくらでもあるピクタム。まだ頭の中には試したい
ことがいくつかありますが、実現できればそのうちまたご紹介致します。

それでは楽しいピクタム・ライフを(笑)

2016年1月16日土曜日

アグラオネマ ピクタムで遊んでみる(1)

ピクタムを触るようになって9年近く経ちますが、当初は
園芸ルートからのみでしたが、今ではスマトラからの
採集株がメインとなりました。
入荷頻度が上がるとともに、様々な模様のバリエーションが
もたらされ、ピクタムの葉模様に飽きることはありません。
しかしながら、順調に生育していると数も増えますし、置き場所も
考えなければならなくなりますので、どうしても鉢植えで
並べる以外に何か無いかと思い始めました。

以前はクリプトの水上育成の頃に、こちらも同様に
鉢を並べるだけでは面白みに欠けるので何かないかと
模索したのですが、当時は水草としての視点が強すぎて
アイデアはいくつか浮かぶものの、さほど目新しさもなく
やってみようというところまでモチベーションも上がらずじまいで
終わってしまいました。

話を戻してピクタムですが、こちらはと言うと、まず大前提として
水草じゃない(笑)
更に、病院や商業施設に置かれている観葉植物に
アグラオネマのシルバークィーンなどを目にすることが
あるように、あのくらいの過酷(笑)な環境に耐えれるほどの
種と同属の本種が弱いはずがない、との観点から、

「どうにでもなるんじゃないか?」

と思ったわけです(笑)
あとは個人的には数年前からVertical Gardenに注目していたので
まずは壁面しかないと思ったんですね。
ちょうどフペルジア等に使おうと思って買ってあったバスケットが
あったので、それにミズゴケを突っ込んで小さな株を挿して
みました。

制作から1年以上が経過しました。
エウレカタイプとクラス2の寄せ植え。
一見すると鉢植えに見えますが。。。

横から見ると前面から生えているのがわかります。
マッキーが約14センチなので、一番草丈の高い株は
かなり伸びています。本来ならもっと早い段階でカット
した方が良いのでしょうけど、ひとまず伸ばしました。



こちらはエウレカのみで制作しました。
同じく一見鉢植えに見えますね。

こちらはバスケットではなく、巨大な水草ポット(笑)
ではなく、蘭に使う穴鉢と呼ばれるものですかね。
直径はマッキーくらい。当然ミズゴケのみ。
みんな上を向いて成長してますね。当たり前か。。。
下部は寂しくなりがち(笑)




と言うわけで先日制作しました新作(笑)ですが、こちらはピクタムじゃなくて
ネブローサム。放置してたら都合の良いことに傾いてL字気味になっていたので
これ幸いに使いました(笑)
下はたまたま入手したマコデス ペトラを植えこんでみました。
うまく茂ってくれるでしょうか。まぁ買ってきた方が早そうですね(笑)
腐らなければ良いですが。。。




今回は壁掛けスタイルに仕立てたものをご紹介しました。基本的にはミズゴケのみで
植え付けています。メンテナンスは水やりだけ。なんて楽なんでしょう!(笑)
次回はまた違った仕立て方をご紹介することにしましょう。まぁツイッターには画像を
投稿したこともありますが、それは言いっこ無しで。。。(笑)

全部ピクタムでもカッコイイですけどね。

2016年1月9日土曜日

悲しき観賞魚業界

私はこの観賞魚業界についての記事を色々と書きました。
そして、今なお業界の矮小化は進んでいます。
様々な情報が集まってきますし、その中で感じることも
何かしらあるものです。

本当に良い話は無く、業界内をマクロで見ても
ミクロで見ても、かなり疲弊し、負のスパイラルは
止めようもないようです。

そこで、話をしたり、考えたりしていて、今更ながらに
ふと気づくことがありました。
先日の記事の中で、メダカや金魚が業界内でもなんとか
踏ん張っていることに触れました。
そこで考えてみると、メダカはともかくとして、金魚関係を
想像すると、夏には夜店(最近は減りましたが)やイベントなどで
金魚すくいがあります。皆さんもお子さんが小さい時に
お祭りなどで金魚すくいをやって、小さな巾着に入れて
持ち帰って、「さて、どうするか」と思ったことがあると思います。
もちろん由緒正しいアクアリスト(笑)なら、プラケースや
余った水槽が家に2~3は転がっているはずなので、
そこに収容することになりますが、それ以外の人は、ひとまず
バケツなどに入れて、翌日以降にペットショップや熱帯魚屋で
楽しい仲間セットなどの飼育用のセット水槽を購入します。
そして、藻を入れた方がいいと言われ、カボンバやアナカリスを
一緒に買って帰ります。

そうです。夏に業界以外のところから需要が喚起されるのです。
もちろん、そのまま金魚が死なずに育つかどうかはわかりません。
ただ、毎年ある程度の確率でこの需要が生まれます。そして
金魚が長生きすれば、「餌」「交換ろ材」「カルキ抜き」「藻(笑)」の
需要が生まれ続けます。もしかしたら金魚が育ったらS水槽から
L水槽に買い替えるかも知れません。
金魚が死んでしまっても、また新たに買い直すかもしれません。
もちろん、そこから金魚を止めて熱帯魚の飼育に切り替える人も
居るかもしれませんが、それはあくまで金魚ありきなんですね。

もうお分かりですね。そう、熱帯魚には「季節イベント」が
無いんです。で、季節イベントとはなんぞや、と考えたのですが。。。

洋菓子(ケーキやチョコレート)の場合は、クリスマスや
バレンタインなど、毎年決まった時期に売れる何かがあります。
それに合わせて雑誌等のメディアもそれを話題に紙面や
番組も作るので、それを見ての需要も生まれることでしょう。
また、毎日誰かの誕生日で、もしかしたらバースデーケーキを
買う習慣も減りつつあるのかもしれませんが、ケーキの需要も
ある程度発生しています。
また、業界全体や企業ごとに、~の日や、こんな時には~を贈ろう、
と言った「仕掛け」を行うことで新規の需要を喚起します。

花屋さんは入学式や卒業式、母の日など、毎年のように
特需シーズンがあります。
近所の花屋さんが、その時期に遅くまで準備や発送を
行っているのもしばしば見かけるでしょう。

ドラッグストアは花粉の季節にはマスクやティッシュ等、夏は
虫よけや防虫グッズ、日焼け止めなど、冬はウィルス関連、
マスク、風邪薬などの需要があります。

スポーツ関連などは、最近のラグビーのように突発的に
大きな出来事があったり、ワールドカップやオリンピックなどで
グッズ販売、スポーツバー、教室など恩恵を受ける部分が
少なくないでしょう。

玩具メーカーや販売業者などは、ポケモンや妖怪ウォッチの
ように、文字通りモンスターが登場し、凄まじい需要を
発生させます。

このように、色々な業界をさらっと見ても、総じて世の中
全体で需要が喚起されるイベントがあります。


翻って観賞魚業界。
せいぜい、冬のヒーター、夏のファン程度で、それも一度買えば
何年も使い続けることが出来、水槽を増やしたり、新規の人が
居ないと急激に需要が発生することはありません。
(ただし、ヒーターの理想は1~2年で買い替えですが)
ファンが新しくなりました!バージョン2です、と言っても
それを理由に誰も買い替えることはないでしょう。
誕生日や季節のイベントに水槽や熱帯魚を贈ることは
ありません。
春や秋には何もありません。やはり大きな需要が発生する
タイミングが皆無です。
映画に水草水槽が題材に取り上げられても、業界には
波風が立ちませんでした。世の中の認知度は何も変わって
いないでしょう。

世間ではあれやこれやと盛り上がったりしても、
観賞魚業界はそれらに乗ることが出来ないんです。
唯一記憶にあるのは「ニモ」ですが、一過性で終わり、
また、私はその真偽を確認のしようもありませんが、一部では
カクレクマノミの乱獲問題も起こってしまったようで、
ネガティブな印象も残ってしまいました。

こう考えると、外の業界とのシナジーが生まれづらいということが
良くわかる気がします。

ここまでのことを頭に入れ、水草の特需が発生することを
どうにか想像しようとするのですが、何も思いつきません。
もう48グループとジャニーズが一斉に水草を始めるくらいで
ないと、動きようがないでしょう(笑)