2015年12月31日木曜日

恒例!印象に残った水草&植物 2015

2015年も終わります。
水草業界自体は何年も言い続けていますが、氷河期の
真っ只中。観賞魚業界においてもエーハイムの日本からの
撤退もあり、浮上の兆しは全くありません。
反面、水草ではない植物はピクタムが牽引役となり
様々な種類へと広がりを見せています。
ただ、その植物への動きは個人的には先日のブログ
書いた通り、違和感も抱きつつ眺めています。
もちろん、矮小な存在ながらも植物の流通の一端を
担うものとしては歓迎してはいるのですが。
ただ、昨年にも増して考えさせられることがあまりにも
次々に起こるので、個人的には諦め気味。


水草各種

クリプトコリネ
コメント:
ワイルド物は引き続きお寒い状況です。スリランカの
3種の神器があの価格で販売されてはもうどうしようもないでしょう。
個人的には聖域があっても良かったと思いますが。。。
もちろんリアルボグネリはまだ来てないのでしょうけど。
あと、ちょこちょこ色んな人がザーライに行ってるようですけど(笑)
さぁ出せんのかな?
1:ルテア 'Hobbit'(DENNERLE)
ルテアすなわちワルケリィですが、その矮性株の固定と
思われる小型種です。店頭で育成していますが、
色と言いサイズと言い、かなりの優れもの。
ただし矮性のためか、成長はオリジナルと比較して
格段に遅いため、必要なだけ買い揃えなければ
時間がかかってしょうがないオリエンタルパルバと
同じ扱いが必要かも。
2:コルダータ ココン カンボジア
以前にも入荷があったように思いますが。ちゃんと
リリースしたかどうか覚えていないので。何人かが
採ってますね。同じところで採ってるのかわかりませんが
このタイプは基本ココンからしか来てないので、
たぶん変種になりそうですね。


アヌビアス
コメント:神畑在庫の破壊力のみが際立ちました(笑)
ただし、新入荷ではないので。。。
1:ナナ 'Pinto'(DENNERLE)
なかなか綺麗に作ってきましたね。正解かどうかは
わかりませんが、10年以上水草業界に居れば経緯は
想像できなくもないですが、まぁデナリーから名前付きで
出てきたのは良いことです。


エキノドルス
コメント:残念ながら目立ったものは特に無い感じですね。
デナリーから新作も来てましたが、赤系改良にどのくらいの
目新しさが盛り込めるかと言われると難しい所でしょうね。
該当種なし


有茎草
コメント:
ギニアから少し来てましたがタイミング的に
買わず。。。逆にインドからは買ったものの。。。
該当種なし

参考:アマニアsp.ギニア(神畑)
最初はロタラかと思ってましたが、草姿はアマニアっぽい。
これは面白そうです。仕入れてないのでここに。
ロタラの学名が?と言う形でついてました。


ホシクサ
コメント:
ワイルド物はギニア便が久々に来ましたが
再入荷品なので。。。カンボジアからも来ましたがオオシラタマ系で
特にインパクトは無く、以前にも来たことあるかもですし。
該当種なし

参考:キングクリムゾンなど インドファーム便(神畑)
    ギニアンケヤリなど ギニア便(神畑)
なななななんと!ついにファームまで始まっちゃいました(笑)
キングクリムゾンの大きな株がロックウールに根付いて
やってくるとは!!!
ギニア便も以前よりは入荷状態がやや改善されたのか。。。
どうかはわかりません。この辺は今回良くても次回ボロボロとか
ザラにあるので。


シダ(水生種)
コメント:
こちらもなかなか入荷が難しくなってきました。
水草の入荷自体が減っているので尚更ですね。
そもそも水生のシダがどのくらいあるのかって話ですが。。。
1:ボルビティス ヘテロクリタ 'カスピダータ'(ファーム) 
なぜかヨーロッパやその他アジアに遅れること数年、
日本にも入荷しました。
2:ミクロソリウム sp. 北カリマンタン
トライデント系ですね。水中向きに持ち帰られたと
思いますのでここに。意外と買っていただいたので(笑)


ブセファランドラ
コメント:
。ついにオランダファームからも入荷しましたが
私は買うタイミングを逃して買わず。まぁちょっと買えない
名前ではありましたが(笑)
1:Mentarang2(TB便)
よく見るとなかなか変わっていて、今までに無いタイプでした。
たぶん種類は違いますね。BB後だから売れなかったのか
わかりませんが、これが動かないというのも寂しい感じ。
2:Murung raya(LA便)
形状はさほど変わってるということはありませんが、
色が濃くなかなかの美種だと思います。

その他
コメント:ギニアのアレはちょっと水草かどうか不明すぎて
ちょっと入れづらい。現地画像が欲しいところ。
該当種なし


水草以外の植物

アグラオネマ
コメント:
引き続き盛り上がっていると思います。
まぁこれほどまでに色々な側面をえぐり出した草も無かったです。
今年も順位無し(該当種無しではないです!)
すみません。今年も順位のつけようがないです。

個人的にはNias、Sumatra baratに思い入れがありますので
最後に来たイギーが良いですね。忘れた頃に色々出てくるので
まぁぼちぼち集めてます。
Hermit greenもちょっと育ててみたいタイプでした。
雪風もカッコいい!AZ便っぽくない印象だったので
Maxが見たい。あとちゃんれんじの王様と親衛隊、
ヘルキャットも良い感じでした。
TB便はG産地タイプ8でしょうか。


サトイモ科の仲間
コメント:
今年は後半に入荷が失速したので、さほど種類が
出ていません。
1:ホマロメナsp."竜鱗"(LA便)
鮫肌、蛇腹、狐尾に続き、スマトラのホマロメナは底が知れません。
来年も1種出るでしょうか。
2:ポトス バルベリアヌス(LA便/AZ便)
あの赤いごわごわしたラフィドフォラと思われていたやつです。
なかなか生えている場所が無いようで、滅多に出ません。
3:アリダルム cf. ヴェルタンドルム(神畑便)
cf.ながらも種小名付きで入荷。アングスチをそのまま
大きくしたような草姿はなかなか良い感じでしたがすぐには
売れず。後から売れていきました。やはり良いものなんですよ。


シダの仲間
コメント:
入手経路や機会が減りました。まぁ仕方ないですね。
今回はLA便のセラムの回が内容濃く印象的でした。
1:プラティケリウム エレファントティス・ステマリア(神畑カメルーン便)
まさかのアフリカ物ワイルドビカク!!これはリスク取ってでも
行かねばならないものです。
2:フマタsp.セラム(LA便)
質感が人工水草そのものでとても興味が持てました!
個人的に残したいと思いましたがすべて手放してます。
3:フペルジア sp.の極小種/フレグマリア似の小さいやつ(LA便)
小さくて個性的な種類でした。こちらもすべて放出済み。
フペルジアもかなり多様なんだと感じました。
4:キクロペルティス クレナタ(LA便)
質感、色、形状ともに印象に残ったシダでした。テラで
壁面に付けたくなる草姿。当然全放出。
5:ディプラジウム sp. セラム(LA便)
幹立ちディプラとか素敵やん(笑)
6:ブレクナム ヴィエラルディ(KSB便)
形も模様も面白かった。


その他
コメント:
こちらもちらほらと増えているようですが、基本的に
入荷があったものの中からなので、さほど種類数は無いです。
1:ブセの木(Sauvagesia serrata)Bundang(LA便)
産地違いで銀葉もありましたが、こちらの方がより
ブセ感(笑)が強い。可愛らしい木本でした。
2:マパニア カウダータ(広葉)(LA便)
M.カウダータとしてはこちらの方が知られているのかも
しれませんが、我々には枝垂れムラウィの方が(笑)
3:マパニアsp. Kalimantan utara (TB便)
色は普通でしたが形が面白かったので。




まとめ?!
当店サイトの入荷案内のページ、項目は多いのですが、
ピクタムのリリース方法を五月雨式にしたため、表題が
増えているだけで、実際はたぶん入荷自体は大きく減ってる
印象です。なぜかと言うと、とりあえずこれを書くのに
入荷案内を遡るのですが、まずピクタムは除外して1月から
見てみるも、あっさりと12月に到達(笑)ホントにこれだけ?
と思いましたが、たぶん間違ってない。
特に年後半は殆どがAZ便ピクタムじゃないでしょうか(笑)
まぁこの流れは恐らく変わらないでしょう。

2016年はどうなるんでしょうね。入荷が減ると選びようも
無くなってくるのでこの企画も見直さないといけませんね。
近年は本当に色々と考えさせられます。

うーん、あまりまとまりが無いな、今年は。。。

2015年12月21日月曜日

見えざる手

非常に個人的な見解であり、感覚的なものですので、読まなくても
大丈夫です(笑)読む場合は単純に読み物として流してください。


日ごろよくお話しさせて頂く方々数人にはいつごろからでしょうか、
お伝えしていたことです。

きっかけはどの辺にあったのか、古い話なので既に記憶から
消えていっていますが、恐らくは2~3年前くらいでしょうか。
水草水槽かそれに近い熱帯魚の水槽をテレビ(CM、ドラマ等)で
見かけることが一気に増えた感じがありました。
また、雑貨店などには一定の植物が置いてあったりしたのですが
それにも増して、植物の取扱量が増えてきてるような印象を
持ちました。また置いている植物の種類にも変化が見られました。

そうしていると、日用品や化粧品など様々な商品に植物・ボタニカル
と言うワードが組み込まれるようになりました。
アパレルや雑貨のショップでもビカクシダ等を見るようになり、
そうこうしているとお洒落系?観葉植物店、鉢や小物などの店が
異様に目立つようになったことにどこか違和感を感じつつ過ごしていると
それらと並行して、プラントハンターと言う仕事がピックアップ
されるようになり、メディアに取り上げられるようになりました。
有名な方がいらっしゃいますが、良くも悪くもその人がアイコンに
なっているようですが、それもご自身の希望なのか、周りが
作り上げているのかわかりません。
もちろんその両側面があるとは思います。

そこを担ぎ上げている人がいるなら、そこと対立する人や
乗り損ねた!と思う人も居るのでしょう。なぜか?お金が
動くからです。マリオがいれば、ソニックもいる、ピカチュウがいれば
ジバニャンもいるんです。また作らねばならないのかもしれません。


2~3年前に感じでたこと。それは

「見えない力が “植物” をキーワードにマーケットを創出しようとしている」

と言うことでした。もちろん、それが個人なのか、何かしらの
集合体なのかはわかりません。ただ、「雰囲気(空気)」と言うものは
勝手に集合して、一方向へ動き出すものです。

エコ、ロハス、スローライフなどのブームが沈静化し、
次の柱が必要なのかどうかはわかりませんが、
グレートサイクル的に見えないムーブメントが、経済の
活性化のため、搾取のために作られているのでしょう。
将来への漠然とした不安や、未だに脱することのできない
不景気、食品安全問題などもあり、上記のようなテーマは
引き続きある程度注目されると思いますが、そこにプラスアルファで
マッチするキーワードがボタニカルであろうと思われます。


そして、満を持して登場したのが雑誌「BRUTUS」での特集、
「珍奇植物(BIZARRE PLANTS)」です。
ここで一気にこういう少し尖がった植物達の知名度が
上がります。
ついには沸騰ワード10と言う番組で「ビザールプランツ」が
取り上げられ、どのくらいの宣伝効果があるのかは未知数ながらも
更に全国的となりつつあります。
この番組のコンセプトとして「一般の人は聞いたことがないが、
特定の業界内では、実は話題にのぼっている超ホットなワードを
徹底調査。半年後に絶対にブームになる【流行の源泉】をどこよりも
早く見せる」と言うものがあります。

少し考えると、「ビザールプランツ(珍奇植物)」と言うのは、そもそも
植物の業界(生産者・販売者・採集者)側から出た言葉ではないんじゃ
ないかと思ってます。(※ごく個人的な見解です。単にアクア業界は
そういう部分に関われてないだけかもしれません。) そもそも、それらを
好きでやっていたり私たちの様に趣味からショップ側に回った人間は、
恐らく自分のフィールド内の植物を「珍奇」とは思っていないでしょう。
チランジアなどは、100均で販売されており、消耗品の様に
扱われています。また何年も前にエアーブランツと言って空気中の
水分だけで生きていくと言った宣伝文句と共に大量に輸入され、
ことごとく消費され、値段が付かなくなったはずです。
それが今になって、新たな付加価値の「珍奇植物」と言う名と共に
蒸し返されている。
流行などは大きなサイクルがあって何年、何十年と言う単位で
まわっているのと言う側面はあるかもしませんが。。。

もちろん、BIZARRE =奇怪な、異様な、と言う意味なので、
英語圏では変わった植物のことをそう呼ぶこともあったでしょう。
しかしながら、調べ物をするときにネットで検索して植物を
あれこれ見ていても、「BIZARRE PLANTS」として説明している
ことはありません。それは種類を調べるには学術的なサイトや
紀行文的なサイト、ナーセリーのサイトなどを見るからだと
思われますが。


数年前に感じた違和感が現実の物として姿を現しました。
販売をしている立場の私としては、ある程度歓迎される動きでは
ありますが、実際のところうちみたいなところはあまり関係
ありません(笑)完全に異世界の出来事ですね。
ただ、やはり流行り物的なワードになっているため、そこかしこに
珍奇植物・ビザールプランツと言う文字が散りばめられるように
なりつつありますね。

さて、どのくらい息の長いテーマになるのでしょうか。

そして、なぜかTVやその他メディアでチラ写りするのですが、
残念ながらその大きなうねりの中には水草水槽は存在しないのです。
レースプラントなんて、捻じれてる草より何倍も変だし、世界で
屈指の珍奇植物なのにねぇ(笑)

2015年12月8日火曜日

瓦解

全世界のアクアリストが知っているグローバルな
アクアリウムの巨人、エーハイムが日本市場(と米国市場)からの
撤退を決定しました。これが意味することはとてつもなく
大きいと考えられます。

すでに公表されていますが、神畑養魚株式会社が日本における
エーハイム総代理店と言う形で製品供給を引き継ぎました。
これは安易に、「神畑恐るべし」「神畑凄い」、ではないのです。
もちろん、神畑の存在が無ければ、エーハイムの日本への
供給は一旦は絶たれたことは紛れもない事実ですが。。。

グローバル企業になると、売れる商品に国民性・民族性が
影響することも考え、マルチドメスティックマーケティングを
行っているでしょうから、例えばエーハイムだと日本向けは
昔と異なり、小型水槽とその周辺器具など、近年の製品構成
と言うものがあったと思われます。
もちろん、2213等は定番中の定番であり、我々世代あたりから
上には外部濾過機はエーハイム、と言うのが根底にあり、
減りはすれど外部濾過機としてのエーハイム需要は存在します。


ただ、長年の不景気ですっかり市場が縮小してしまった日本市場は
天災と電力事情も重なり、消費マインドの低下に拍車が掛かり
ますます矮小化しています。
そして日本市場にマーケティング費用や人件費を払ってまで
自社で展開を続ける意味が無いという経営判断が下ります。

すなわち

「日本のマーケットでは収益化は不可能である」

と断じたのです。
アクアリウム先進国・大いなる先人から見放されたことになります。
ドイツ以外の売上高が最も高いにもかかわらず。
もちろん、市場のみが悪者と言うわけではありません。ただし、
そういう方向へ暗に導いてしまったのは紛れもない事実です。

翻って国内事情です。なぜこうなったかを考えてみたいと思います。

2004年7月26日、JASDAQ上場の国内最大手の水槽器具メーカー、
株式会社ニッソーが民事再生手続き開始を申し立てました。
負債総額は約95億。その後、株式会社マルカンに吸収合併される
ことになります。
このような大きな動きの裏には様々な状況の悪化、すなわち
観賞魚業界の低迷と価格競争の激化と言うものがあります。

大小問わず、近年はショップや問屋、メーカーの閉店・廃業が
目立ちます。本当にネガティブな動きしか見られません。
そんなことはない、凄い店は凄い、と言う声もあると思います。
もちろん、どの業界にも一握りの成功者はいるものです。
ただ、一般の方々から見ているのと業界内部から見ているのでは
見え方が違います。

また、水草界の出来事ですが、器具メーカーが生体を販売するという
事態となっています。
これは2つの側面を持っています。

ミクロ的には良い面として、魚以外の生体は同社製品で
すべてが揃うということです。1から10まで自社製品で
完結させられる、すなわち器具を揃えてセッティングする
ところから、素材を配置し、水草を植えて育成、そしてレイアウトの
完成までのノウハウをすべてマニュアル化出来、非常に
わかりやすく提供できると言うことです。
これは水草水槽を始めたいという人や、説明をするショップに
とっては大変便利なものです。
きっちり教科書として機能しているので、レイアウトの完成までの
道筋をしっかりと歩むことが出来ます。

少し視野を広げて考えると、生体(水草)を輸入・生産して小売店に
販売している問屋の売り上げを奪うことになります。
つまり今までの流通をある意味覆したと言っても良いでしょう。
また、収益を考えた時に自社で生産した生体を販売するのと
既存の工業製品を仕入れて販売することを比較すると
やはり利益率が大きく違うと考えられます。
現在の水草業界では収益構造の転換を図らないと、維持が
困難になるのだろうと思います。

つまり、現在の業界の状況はそのくらい疲弊しているのです。


また、アクア内通販業界を考えると、このご時世です、当然
価格競争にさらされます。エーハイムのメインはもちろん
外部濾過機です。ある程度のサイズの水槽からは基本的に
外部フィルターになるので、まずエーハイムとなるわけですが、
やはり通販になると、みなさん価格を比較します。
もちろん、フィルターだけ買って終わり、と言うこともあるかも
しれませんが、普通はせっかくだからと色々部材を買うことに
なります。
多くの場合は、そのついで買い需要の部分に利益率の
高いものがラインナップされていると考えられます。

そのついで買いを誘うために定番のエーハイムの価格を
下げる、と言う手法をとるわけです。そのため、エーハイムの
仕入れ価格は安ければ安いほど良いということになります。
いつかはエーハイムと憧れていた、かつての立ち位置とは
比べ物にならない扱いになってしまいました。
安く売る、利益は薄い、それならば数を売らねばならない、
そして更に数を売るために安く売る、悪循環でしかありません。

また、我々世代より上はドイツ(ヨーロッパ)信奉が大なり
小なりあって、その代表がエーハイムであり、デュプラであり、
デナリーであったわけです。それはまだ日本のアクアリウムが
発展途上にあり、ヨーロッパの知識を吸収しながら、模索していた
ためですが、近年はすでにすべてが揃っており、今の人々は
始めた瞬間から器具類は低価格で手に入り、情報はインターネットで
あれこれ収集できる(間違いも多いですが)という環境となっており、
ヨーロッパへの思いというものは希薄な世代であると考えられます。
我々の頃はエーハイム本体を買ってからが本番で、ダブルタップを
2つ買い、メックを買い、サブストを買い。。。と、基本的に高価なもの
と言うイメージがありましたが、現在は安くて当たり前、と言う
低価格が常態化してしまう環境にありました。

いくら売り上げが高くても、利益率が悪化の一途では
存続する意味はなくなるのです。当たり前ですね。人を雇い、
場所を借り、商品を動かし、結果安売りのイメージだけが残り
他は何も残らない。
少し前から、エーハイムジャパンがそれらを払拭すべく方向転換を
行ったようですが、それまでの蓄積が大きすぎたようです。
そのことは非常に残念でなりません。

バブル崩壊後の景気後退によるデフレ、そして消費マインドの
低下がもたらした、販売価格や仕入れ価格への下方バイアス。
市場の矮小化によるパイの奪い合いが招いた価格競争の激化。
天災および電力事情による観賞魚業界の低迷。
節約志向による価格での選別および、ネット通販の台頭による
一極集中化が及ぼすショップ離れ。
それらからくるメーカーの影響力低下。低価格販売の常態化。

バブル期からその残り火の間に膨張した観賞魚業界は
反転縮小する中で、すべての住人を賄うことは出来なかった。
以前ここで、業界の衰退が顕在化してくるであろうと書きました。
今回の1件もその1つです。
このままの状態だとまだまだ気を緩めることはできないでしょう。

2015年11月26日木曜日

too big to bring up

日本のアクアリウム業界は一昔前までは
「60x30x36(WxDxH)cm」
と言うサイズが主流でした。

しかしながら、景気の悪化をはじめとする様々な
理由から、以前のブログにも散々書いた通り、水槽が
小型化し始めます。
そうなると入れられる生体(水草・魚)がかなり限定されます。
だからと言うわけではないのですが、水草を売り始めて
もうすぐ17年が経とうとするわけですが、いつまでたっても
無くならない声があります。

それは

「大きすぎて育てられない」

と言うことです。

もちろん、手持ちの水槽サイズは人によって全く
異なり、主力が120の人もいれば30キューブの人も
居るでしょう。
例えば売ってるサイズが葉長60cm・葉数100枚の
エキノドルス ウルグアイエンシスなら30キューブの人は
「入らない」と言っても仕方ありません。
ただ、殆どの場合はそのような株は販売されておらず
草丈10cm強の水上葉だったり、そこから水中葉が展開した
15cmほどの株だったりします。ウルグアイは1例ですが、
多くの場合、販売されている姿は最終形には程遠いものです。

つまり、購入の段階では水槽に入るんですね。もちろん
底床は新しめのアマゾニア、二酸化炭素は十分に添加して
照明はリシアやグロッソスティグマがしっかり育つくらいに
明るい。そう言った場合は多くの水草が勢いよく成長
するでしょう。ほとんどの有茎草はほどなく水面に届きます。

そこで皆さんは何か作業を行いませんか?
そうです。トリミングです。
ここで思うのですが、有茎草も伸びれば草丈50cm以上に
あっさり到達しますが、これは長すぎて入らない、とは
言わないんですね。なぜか。そう、トリミングするからです。

グロッソが横に這います。どんどん這って水槽壁面に
ぶつかりますが、これも水槽幅に入りきらないとは言いません。
なぜか。そうです、トリミングするからです。


私の感覚が変なのかもしれませんが、有茎草はトリミング
ありきで話が進む反面、エキノドルスやアポノゲトン、
ニムファなど大きくなることが多い種類はトリミング前提での
話にならないのが不思議なんです。なぜかそれらだけは
ダイレクトに結果の方へ思考が飛ぶんですね。
大きくなるものはトリミングで調節すれば良いと思うのですが
なぜかそういう発想にならないことが多いです。

もちろんその種類の小さい姿はちょっと違う、そこまでして
その種類は育てたいと思わない、と言われればそれまで
なので、水草の図鑑に草丈30cm以上と書かれているものは
すべてオミットしてください。

エキノドルスの葉が増えすぎて他の水草が陰になるなら
葉っぱむしるだけで解決します。大きくなりすぎる時は
ガスを絞ったり肥料を切ったり、更には一度抜いて根を
処理して植え直します。鉢植えにして根を制限することも
可能です。増殖させて子株に更新してしまうことも出来ます。

ニムファが浮葉を出し続ける時は、出なくなるまでむしり
続ければそのうち水中葉に戻ります。
アポノゲトンもすごい勢いで葉が展開するならじゃんじゃん
むしればOKです。そのうち休眠します(笑)
ニムファも同様です。出たり引っ込んだりして楽しいものです。

クリプトコリネなどは大きくなったり増えてボリュームが出たら
私などは勿体なくてトリミングなんてとても出来ませんが、
しっかり育ったクリプトは根茎が底床中を這っており、
トリミングを施してもそのうちぴょこぴょこ出てきます。水草の
入れ替えで全部引き抜いたはずのクリプトが、忘れた頃に
生えてきた覚えが皆さんにもあると思います。

私はレイアウトをやらない(正確には出来ない、ですね。)ので
関係ないですが、レイアウトをやる時には水草のサイズ調整が
必要だと思うんですね。
その際に、その草のMaxサイズがどうこうと言うことには
ならないと思うんです。その場所にこういう草があってほしい、
と思ったときに、それが大型種しかない場合、サイズコントロールを
して使うと思うんです。

いくらでも方法があります。そういうのが水草水槽と上手く
付き合っていく、限られた水槽で長く遊び続ける技術だと
思ってます。

2015年11月9日月曜日

水草(と熱帯魚)は「流行っている」??

お店を始めて16年が経過しました。
観賞魚業界自体はバブル崩壊後、当然のように
市場規模は右肩下がりとなっていたのですが
小型美魚や水草は入荷に助けられていたのか
局所的に火柱が上がるように盛り上がってるものが
ありました。

しかしながら、前述の通り業界自体は徐々に
その勢いが削がれ、私がお店を開いた時期には
「悪い時期に始めるね。」と言う声をいただきましたし、
問屋、メーカーからは「今が底だから、ここで頑張れば、
景気が良くなれば。。。」という話も毎年のように
聞いたように記憶しています。
「今が底」と言う見立てには特に根拠はなく、今までで
一番悪いから底だと言うだけにすぎず、まさに
「落ちてくるナイフ」でしょう。まだまだ落ちている
過程にあるのです。

その16年の間に、数少ないご来店の「マニアでない」
お客様が
「水草(熱帯魚)って最近流行ってますよね。」
とおっしゃることが稀にあります。
もちろん私は「いえ、まったく流行ってないですね。」と
即答するのですが、どういうわけかこのフレーズは
忘れたころに登場するのです。

縮小する観賞魚業界の中で踏みとどまっているのは
金魚や錦鯉、近年はメダカが躍進したのが記憶に
新しいと思います。
では何が足を引っ張っているのかというと。。。そうです。
熱帯魚と水草です。

以前の記事にも書きましたが、熱帯魚関連は規模と
サイズがスパイラル的に矮小化しています。
私もそうでしたが、みなさんもショップ巡りのコースが
何パターンかあると思います。そのコースに入れていた
大型店、専門店などが寂れ、閉店していくのを
目の当たりにしている人も多いはずです。こんな状況で
どう考えても「流行っている」とは思えません。
途中で新しいショップが出来たりして、頑張って
贔屓目に見ても「横這い」が良いところでしょう。
しかし近年は、ショップが出来る速度と減る速度の
均衡が崩れ、減る方が優勢になっており、需要に合った
マーケットになるにはまだまだ矮小化が進むでしょう。

また、ここ数年はアグラオネマ ピクタムと言う
クリプトコリネの副産物で登場した大スターが
目立つようになっているのは周知の事実です。
当初は、観葉から引っ張った私、とんでもなく素晴らしい
野生株(エウレカ・ニルバーシュ)を見つけたアズールさんの
卸先、そしてチームボルネオさんとその卸先程度でしか
扱っていませんでした。
ピクタムのポテンシャルの高さからあっという間に
スターに駆け上がったわけですが、まだ狭い
水草関連のごく限られた中での話でした。

そしてLAさんのイベント、AZさんの即売会などや
ヤフオクの影響もあり、少し外側の人たちを巻き込むように
なりました。
そうなると観葉どころか水草すら添え物であった
アクアショップでもピクタムが販売されるようになり、併せて
その他サトイモ科、シダ類などが一気に並ぶようになり、
問屋である神畑さんが扱うアグラオネマ ピクタムの
Gシリーズも毎回すぐに完売するような状況です。
私もろくに買えませんから(笑)

さて、そこで振り返りましょう。

まず私のところや水草に強いと言われるショップで、
クリプトコリネや有茎草などの水草がひっきりなしに
売れるのであれば、ここまでピクタムにスポットが
当たっていないだろうし、そこに様々な資源を割くことも
なかったでしょう。これを裏返してください。

そうです、簡単なことです。マーケットは
需給(+心理)で成り立っているのです。

元々の取り扱い商材、つまり熱帯魚やエビ、水草が
売れている状況では専門外のピクタムを売る必要が
無いんです。
水草と周辺の植物を扱っていた私のところや、
元々爬虫類・両生類と共に熱帯植物を扱っていた
ショップならアイテムの1つとしてちょっとした
人気種的に扱うこともあるでしょう。
(もちろん、自分だけを正当化する気はありませんが。)

普通の熱帯魚店が限られた経営資源をピクタムや
ホマロメナなどのサトイモ科、そしてドリナリアや
ビカクシダ、フペルジア等、さらにはBRUTUSの
影響でしょうか多肉植物や木本等の畑違いの
これらへと、新たに振り向ける理由はどのあたりに
あるのでしょうか。

良い意味でも悪い意味でも短絡的に考えた場合、
「売れる」からです。そこに器具を山積みしておくよりも、
水槽を増やして熱帯魚を入れておくよりも、有茎草を
頑張って増やして並べておくよりも、単純に売れるからです。
しかも熱帯魚や水草に比べてロス率が大幅に低い。
薄利多売の器具や生体よりも利益率が高いし単価も高い。
その上、手間もかからない。
経営判断としては当然のことでしょう。

プラス、その光景を見ていて、ふと脳裏に浮かぶのは
大手家電量販店が日用品を販売している姿です。
もちろん上記の理由もありますが、家電量販店の
日用品的理由もあるのかもしれません。

これは、売り場が寂しくならないように場所を
埋めていることも考えられます。この場合、
本来なら生体や器具類で埋まっていなければ
ならない場所が、それらを置いても売れないから
より売れるであろう植物を置いていることも
考えられます。

また、日用品を置くことで、家電を買いに来る目的
以外の人も店内に引き込むということができます。
世間の植物への動き(これについても下書きしてますが
お蔵入りするかもしれません)のことを考慮すると、
ピクタムやシダ類には、今はそういう役割があるかも
しれません。今、最もキャッチーであるでしょうからね。

他には家電量販店の場合はポイントが売りですから
ポイントの消費用にあることも考えられるようです。
ただ、こちらはあまり熱帯魚店には当てはまらないでしょう。

そして最後に考えられるのは、日用品の利益が意外と
高く、置かない手は無いということです。もちろん、
上記のような効果と併せてのことではあると思いますが、
その利益は軽視できない側面もあるのかもしれません。

そう考えるとやはり、

「熱帯魚や水草が流行っている」

などとは、到底思えないのは私だけでしょうか。
上記の例は、私の居る水草界でも更に極端な立場から
見た側面に過ぎません。
ただ、そんな特殊な立場から見ていても、あからさまに
観賞魚業界は厳しいのです。

今後引き続き、まだ見えない観賞魚業界の衰退度合いが
顕在化してくることでしょう。

2015年11月3日火曜日

ゴマノハグサ科の水草たち。。。

先日、デンマークのトロピカ社より新たな水草が入荷しました。
Gratiola viscidula」と言う種類で、その名を聞いた時には
頭に「ベトナムゴマノハグサ科」がなんとなく浮かび、
もしかしたら。。。と思いましたが、まったく別種でした。

Gratiola属と言えば、水草好きはオオアブノメが浮かぶでしょう。
更に日本産好きの人はカミガモソウが浮かびます。
また、ゴマノハグサ科は水草好きには馴染み深いグループで
必ず通る道となっています。
入門種として水草を始めた頃に買ったアンブリアや
マニアに踏み入った際に集めたシソクサの仲間などの
Limnophila属。
丈夫だから買ったモンニエリ、南米有茎として集めた
パンタナール産やアラグアイア産などの個性的なBacopa属。
なぜか量販店でよく見かけた斑入りドリマリアや
水田雑草の定番種アゼナなどのLindernia属。
レイアウター御用達のNewラージパールをはじめとする
パールグラスの仲間、Micranthemum属。
もちろんこれも外せない、グロッソスティグマ。これは
Glossostigma属。

これらすべて「ゴマノハグサ科」として親しまれてきた
水草たちです。
私がぼんやりしている間に、なんとこれらはすべて
ゴマノハグサ科ではなくなっていたのです。。。
しかも結構前に。。。(笑)不勉強でした。スミマセン。


と言うわけで、水草関係で馴染みのある物を
ざっくりとまとめてみましょう。

Scrophulariaceae(ゴマノハグサ科)→Plantaginaceae(オオバコ科)
・Glatiola(オオアブノメ属):オオアブノメ、G.ヴィスキデュラ
Limnophila(シソクサ属):キクモ(アンブリア)、シソクサ
Bacopa(ウキアゼナ属):モンニエリ、カロリニアーナ
Dopatrium(アブノメ属):アブノメ
Microcarpaea(スズメノハコベ属):スズメハコベ(インディアンクラススラ)

Scrophulariaceae(ゴマノハグサ科)→Linderniaceae(アゼナ科)
Lindernia(アゼナ属):斑入りドリマリア、アゼナ、シソバウリクサ
Micranthemum(和名?):パールグラス、ラージパールグラス

Scrophulariaceae(ゴマノハグサ科)→Phrymaceae(ハエドクソウ科)
Glossostigma(ハビコリハコベ属?):グロッソスティグマ

水草としてみなさんがなんとなく知っているものとしてはこんな
ところでしょうか。
調べているとアクア関係の9割以上はゴマノハグサ科のまま
となっています。また、それ以外の湿地の植物などを紹介
しているサイトでも多くがゴマノハグサ科のままです。

これでベトナムゴマノハグサはベトナムオオバコと呼ばなければ
ならくなり。。。ません(笑)
まぁ通称名として成立してるし、属を確定させたという報告を
見たことが無いので。。。

なんでも時々は調べないとダメですね。

2015年10月22日木曜日

重箱の隅

インターネット上には本当にいろんなことが書かれています。
何時間でも見てられますね(笑)
そこそこ暇な店ですが、まぁそればかりもやってられません。

今回は名称と由来について。


「エキノドルス フムルス」
以前にも書いたことがあるのですが、この名前に
ついて掘り下げたのは私くらいしかいないはずです(笑)
こういう疑問を持つ人に、今のところ出会ってない。
ただ、どこかで本種についてのやりとりをネット上で見かけた
覚えがあるのですが、その中で何かしらの質問の
答えが、私の以前のブログ記事とそっくりだった記憶が
あるんですね。。。どこだっけ?

昔は「オリエンタルから入荷する小さなチェーン系の
エキノみたいな水草だけど、水上葉は丸葉で、あっという間に
枯れてくる。ボンボンみたいな花芽が付いている。」と言う
認識だったはず。
原産地はブラジルとなっているものの、性質が
エキノっぽくないので「エキノ?」と言った印象のある
草でした。
フムルス=humulusと書くのでヒュムルスと呼ばれることも
ありましたが、どこでそうなったのか、なぜかこれが
「ハムリック」と呼ばれるようになっていました。
どうしてもこの「ハムリック」が気持ち悪くて色々
調べるようになったのです(笑)
そうです、調べる動機が「ハムリック気持ち悪い」と
言うところなんですね(笑)

私が洋書を入手するようになってフムルスを調べると
Echinodorus humilis」と言う名で載っており、
Alisma humileからエキノドルスになったようでした。
シノニムはSagittalia humilisRanalisma humilisの2つが
ありました。そして産地がセネガルからスーダン、
ザイールから北ローデシアとあります。
(ドイツ語なのでちょっと微妙ですが)
※ザイール:現・コンゴ民主共和国
 北ローデシア:現・ザンビア共和国

別の書籍には、Ranalisma humilisで載っており、
シノニムにEchinodorus humilisとあり、やはり起源は
熱帯アフリカ、セネガルからナイルエリアとあります。
ただし、こちらの書籍には「ラナリスマ属には2種あり、
そのうち1種は南アジアで見つかったロストラータ種である。
こちらはヨーロッパには未入荷。2種目のフミリス種は
輸入されており、アクアリウムやテラリウムで育成される。」
とありました。

と言うわけで、どうやらアフリカ産のオモダカ科らしいと
のことで、「アフリカンチェーンソード」と呼ばれることも
あったと思います。


しかしながら今となっては「ラナリスマ ロストラータ」と言う
名で輸入され、産地はマレーシアになっています。
昔のマザーを無くしてアジアで採集し直したのか、
はたまた元々アフリカ起源の物ではなかったのか、
その点は不明のままですが、1点、貴重な情報として
フミリスの方がロストラータより小さいという記述があります。
確かに昔のフミリスは小さかったような記憶があり
近年のロストラータになってから見た時に
「ん?ちょっと大きくなった?」と言う印象がありました。
差としてはブロードリーフテネルスとサンフランシスコ
ブロードリーフテネルスくらい違うかな。そこまでではないか。。。
って、誰がわかるんでしょ??(笑)

まとめると私個人の見解としては、その昔ヨーロッパ(ファーム)から
東南アジアファームに渡り、生産されていたラナリスマがフミリスで、
それを東南アジアファームが何らかの理由でマレーシア産に
入れ替え生産している現行品がロストラータと言うのが、
落としどころではないかと考えています。

もちろん今となっては検証も出来ないし、サイズの記憶も
上書きされてしまったものかもしれないので定かでは
ありません。私の感覚の中ではある時期を境にモノが
入れ替わってる感じがしているのは事実ですが。。。

ただし、いずれにせよ「ハムリック」とは呼ばないのです(笑) 

重箱の隅

私もこの業界に身を置いてそこそこの時間が
流れました。
基本的には水草の人なので、水草にはこだわってきた
つもりです。そしてそこそこの年齢になっているので
凝り固まった考えになりつつあります。
もちろん色々なご意見はあると思いますが、それは
今回はちょっと横へ置いておきます。

私がお店を始めてほどなく、ご縁がありまして
無知な私がホームページを持つこととなりました。
当時は家から持ってきたWindows'95、回線は
ダイヤルアップ接続です。PCのハードディスクは
1.5Gほど、撮影するデジカメは25万画素。
そういう時代から時間があればネットを
見るようになりました。

それから15年ほど。その間ネット環境は大きく
様変わりし、説明の必要はないでしょうけど
今のこの状況です。
そして入荷する水草も増え、様々な不明種も
もたらされました。今は水草のみならず多くの
植物がやってきます。

ネットで容易にあちこち飛び回れるようになると
入ってくる情報量も増大します。入荷に伴い
水草の種類もどんどん増えます。情報収集は
不可欠となるので、ネットだけではなく、売れる
当てもない月刊誌を毎月購入しては水草関連だけは
目を通していました。
お店と言う立場を利用して水草関連の洋書も
買い漁りました(笑)

しかしながらネットや雑誌を見ていると、どうしても
気になって仕方がない、何かの拍子に思い出して
もやもやする、と言うことがいくつか見られるように
なりました。
そこで、これからシリーズでお伝えしていこうと
思います。

今回は主に水草の名称について。その辺は結構
こだわりがあるんです。
ただし、私個人の主観であることをお忘れなく。
もちろん、出来る限り事実に基づいての情報を
書くようにしています。


「オーストラリアンドワーフヒドロコティレ」
水草をある程度やってきた人ならば、この水草を
見た瞬間、

「あぁ、ノチドメね。」
「マリチマでしょ?」
「シブソルピオイデスかな?」

となるわけです。ここまでは至って普通。
これが出ないようだと水草好きではない(笑)
あの草姿でデンジソウとは思わないのですが
どういう訳かオーストラリアンクローバー、
略してオークロと呼ばれるようになっています。
これ、私はダメなんですよね。。。

反してパンタナールハイグロ ピンクや
パンタナールヘミグラフィスsp.ですが、この辺は
最初から属どころか科もわからず、便宜上付けた
名前であったり、商品名として付いたということ
ありきなので違和感はありません。


「エキノドルス sp. 'サターン'」
この「サターン」ですが、もちろん種小名ではなく
通称名(商品名・品種名とも言えるでしょうか)です。
で、もちろんこのサターンは「Saturn」で「土星」を
意味する言葉で、「Satan」=「悪魔」ではないのです。
これは名付けた本人の談ですので間違いありません。
しかし、いつまでたってもSatanとの表記に
出くわします。個人的にはここを間違えている時点で
エキノドルス好き??。。。と思うわけです。

ちなみに名付けた方のコメントで、「Saturn」には
別の意味もあるので興味のある方は調べてみて下さい、
と言っていました。
後にエキノドルス 'ケリュケイオン'と言うものが
出てくるので、「Saturn」が神話からの引用で、ローマ神話の
農耕神であるサートゥルヌスを意味していると想像できますね。
悪魔ではなく、むしろ神、的な(笑)
もしかしたらアニメや漫画、ゲームからの引用かも
しれないですが。。。(笑)


「ロタラ メキシカーナ」
入荷名はロタラ メキシカーナであって、
オリエンタルのカタログに「プレミアム レッド」とか
付いてないです。なので、後付けでこういうことを
すると、別物のように解釈できていますので、
やめた方が良い。
残念ながら育成難なのか立ち上げ難なのかで
流通は殆ど見られません。ただ育つところでは
育っていたようなので、そこまで育成難種では
ないように思うのですが。。。
確か入荷が水中葉で、着状態が良くなく
立ち上がらなかったものが多かったように
記憶していますが。。。
しかしファームはなぜ水上葉で生産しないのか
よくわからない。。。
細い葉と赤い色は人気が出ると思うのですが
なぜでしょうね。


「ゴイアス ドワーフロタラ」
そう呼び始めたのは志藤氏と私なので、当時その二人は
ゴイアス ドワーフロタラ 「レッド」とは呼んでなかったと
思います。少なくとも最初にリリースした私はそうは
呼んでません。
ブラジルはゴイアスから持ち帰られた小さな水上葉を
最初に水中葉に展開させた一人は私ですが、
第一印象は「ピンク」だったので、色を名前に入れるとしたら
ドワーフロタラ ゴイアスピンクになってたかも。
Newラージパール同様、這う性質に感動したものです。
もちろん、あのサイズ、色、形状にも。
ちなみに最初は1本3000円、3本7500円だったかな。
そのくらいの価値がある有茎草なんです。
まぁ新着南米有茎草の下限が3000円/1本と言った
ところだったので、そう考えると安い部類です。

最近見かけたのは新作?「ゴライアスドワーフロタラレッド」。
ドワーフって言ってるのにゴライアス。。。
小さいのか大きいのかどっちなんだ???(笑)
そもそも地名ですらなくなってるのですが。。。

続く。。。

2015年9月6日日曜日

ブログ移行しました!

以前はアメーバブログにて不定期投稿を行っていました私のブログである
「水草プロパガンダ」を、こちらに移行しました。
古い記事の移行がすべて終わりましたので、昔の出来事を思い出しながら
あの「熱い時代」を振り返って頂ければ幸いです。

この記事の下に移行した記事があります。よろしければご覧ください。
ちょっと言いたいことはサルベージがてらツイッターで共有してますので
そちらからもご覧いただけます。







 
 
 

 
移行完了!
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