今はもうありません。
そこには水草も扱っている偏ったラインナップの植物を
販売しているお店があります。
お店を始めた1999年から何年か前まで、当店の“Roots”と言う
店名の前に枕詞的に「水草や」を付けていました。
お店を始めた頃は有茎大好きで、以前にも書いたと思うのですが、
ダッチアクアリウムが私の水草人生に多大なる影響を与えた
こともあり差し戻し大好き人間でした。まぁ差し戻しは今でも
水草水槽での楽しみの上位ですが。
水草と、それに合う熱帯魚と使える器具と言ったラインナップ
でしたが、まぁ何年か経つと売れるものと売れないものが
わかるようになりますので、徐々に器具類の在庫を絞り、
熱帯魚のスペースも減らし、水草の水槽を増設することを
繰り返した訳ですね。まぁ「引き算」です。
店内の殆どが水草水槽になり、良くも悪くも文字通り
「水草屋」になろうかと言う時に、南米有茎やホシクサ、
エキノやクリプトなど、各ジャンルの人気は収束しつつあり、
大きな変化を感じ取ったのをよく覚えています。
その時に偶然ですが、観葉植物(サトイモ科やシダ類)との
出会いがあり、これからはこっちだろうと思い、急激にそちらへ
シフトすることにしたわけですが、その過程で
アグラオネマ ピクタムと出会ったんです。
その頃はまだどこのショップでもそう言ったアプローチは
殆ど見かけなかったと思いますね。
ここにシフト出来たのは私がダッチアクアリウムから入って
いたのも幸いしたのかもしれません。
そうこうしていると、水草を目当てにご来店いただく方には
期待外れなお店になり。。。そこで思ったのは「水草や」は
もう外さないとダメだな、と言うことです。
何年か前にこっそりと宣言して、当店サイトやSNSの表記は
「水草や“Roots”」から「“Roots”」に変更しています。
まぁ最初から店名は「“Roots”」のみだったんですけどね。
漏れはあると思いますが、見つけ次第変更してます(笑)
じゃないと、水草やを名乗っていると「どんなに水草があるんだろう!」と
期待と共にご来店頂いた方がいらっしゃると申し訳なくて。。。
そうです、「~屋」と名乗るのであれば、その「~」を目的に
ご来店頂く皆様の期待にある程度は報いなければ
ダメでしょうからね。
10年以上前にお客様に作って頂いたバナー。 気に入っていましたが、さすがに撤去。。。 |
何をもって、「~屋」なのか、と言うのは難しいとは思います。
店頭に並んでいるのが多いものがそれになるのか、売上比率が
高いものがそれになるか、収益の柱になっているものか、
はたまた、気持ちの問題なのか(笑)
例えば、うちは熱帯魚屋だ、と言っても収益構造が
「熱帯魚・関連器具2:メンテナンス8」なら、実質それは熱帯魚屋さんの
体のメンテ屋さんです。
更にうちは熱帯魚屋だと言っても、それを維持するのに所有している
不動産の家賃収入が99.999で熱帯魚が0.001なら、それは
不動産賃貸業の人が副業か税金対策で熱帯魚屋をやっていることに
なるでしょう。
ただし、いずれも見かけ上、やっていることは熱帯魚屋ですので、
お店に入った印象は「熱帯魚屋」ですね。まぁよくあることです。
後ろ盾が何か、なんてユーザーから見てる分にはわかりませんから、
そう言う部分では入ってみて「看板に偽りあり」なんてことには
ならないと思います。
現状、当店の場合は誰が見てもアグラオネマの量が多いのは
明らかなので、そうなると「アグラオネマ屋」なのか、と言うことに
なりますが、有効に機能しているかどうかは別として床面積だと
水の入った水槽の方がまだ若干多いと思います。最近減ってますが。。。
気持ちの問題なら、売る物が殆ど無いにも関わらず、「水草屋だ」
と、私が思えば水草やなのでしょうけれど、それは自分にしか
通用せず、世間から見ると間違いなんですね。
更に、世間的にはそのお店がネットで発信している情報量が
多いもの(つまり入荷の頻度の高いものや、生産量の多いもの)、
または店頭で目視できる商品の比率の多いものがその店が
「~屋(~専門店)」である判断基準になると思います。
と言うことは、通販しか利用できない距離のお客様はネットでの
情報を見るしかないですし、近年のネット通販全盛の時代に
おけるネット上の情報の重要性を考慮すると、例えば当店が
ピクタムばかり載せていると、"Roots"はピクタム屋だな、と
思われても仕方がないわけです。
しかしながら、まだなんとか水草いじくったり、たまに水槽掃除
してみたりして、店頭ではなんか色々やってるな、と言う感じだと
思います。そのはず(笑)
なので、ネット上で私がいくら「水草屋なんですよ!」
「水の入った水槽の方が多いですよ!」言ったところで、
ネットでは「何言ってんの?水草売ってないじゃん。」となるわけです。
まぁご来店頂いても「いや、水槽きたねーから水草屋とは
言えねーわ。」となるわけですが。。。
まぁ昔はエキノドルスに注力しているときはエキノ屋と呼ばれ、
クリプトコリネの時はクリプト屋と呼ばれ、その時々にみなさんの
認識は変化しているのですが、まぁエキノもクリプトも水草ですから
「水草屋」でも大きな問題は無かったわけです。
しかしながら現在、水草以外の植物が多くを占めてきたのに
いつまでも「水草屋」です、なーんて言ってるのも。。。と
思ってしまいます。
まぁ私の場合は知識が全くついていかない・もう頭に入らない
ってのが最大の理由ですが水草とそこから派生した植物や自分が
使える・面白いと思った植物にフォーカスしてるわけです。
水草時代は「アピストやらないんですか?」「レッドビーやりませんか?」
と言われたものですが、やらないんですね。出来ないと言った方が
正確ですが(笑)そう、他のことはさっぱりわからないんですよ(笑)
あと、私が「レッドビー始めました!」なんてことを言って、エビ水槽
並べだした日には「あいつどうかしたんじゃないのか?」と言う声が
飛んでくるんですよ(笑)
でも本当に~屋ってのは難しいと思います。そのつもりでも
実際はそうではなくなってたり、いつのまにやらその名は
ほったらかしになってたり、そこを曲げないと生き残れなかったり。
前向きに捉えるとダーウィンの言葉(と言われている?)通りなのかな、
と思うのですが、それとはちょっと違う感じがするんですよね、
専門店の場合。
まぁ名は体を表。。。さない、になってしまいがち。
しかしこれもまた、観賞魚業界の矮小化によるものとも考えられるの
かもしれません。その辺もまた考えてみたいと思います。
今年もちらほらとそう言う動きも見られますからエーハイムほどでは
ないにせよ、それなりのニュースがあっても不思議ではないかな。。。
と思います。