2012年8月31日金曜日

LEDを楽しもう

水草育成に欠かせない照明器具ですが、時代とともに
主流となるものが、ゆっくりですが変化しております。

近年までは安価で容易に入手できることもあり
蛍光灯が主流でありました。もちろん今なお使われ
続けております。

かつてのハイマニアは海外の水銀灯を使ったり、知識が
豊富な方は、ハロゲンランプを自作したりしていました。、
それはドイツへの憧れや、より良い状態に水草をもって
行きたいと言う願望はもちろん、システムに凝りたい、
他人とは違うアプローチで育てたいと言う側面も
あったかと思われます。

その後、オープンアクアリウムへの流れとなり、メタハラが
急速に普及していきました。
もちろん、メタハラ自体はそれなりの価格になってしまうので
蛍光灯が活躍するのも当然であります。ただし、かつての
直管が新たな製品に使われることは無くなり、効率の良い
ツイン管やスリム管が使われるようになりました。

蛍光灯全盛~メタハラ普及と言う過程で、ひっそりと
現れたのがLEDであります。
淡水のアクアリウムに限定して話を進めるもので
ありますが、当初は小型水槽用、しかもお世辞にも
「明るくて良いものだ」と言えるような商品は、残念ながら
見かけませんでした。価格の面で折り合いをつけるには、
当時はその程度にしか出来なかったのだと思われます。
その後も、革新的な商品の出現はありませんでした。

しかしながら、問屋主催の展示会で目を引くものが
ありました。NISSOのルシファーです。明るさと本体の
シンプルさは、今までの水槽用LEDとは一線を画していました。
残念ながらやや高額でしたが、これは使えるものと
感じられるものでありました。

その後、ZENSUIのLEDの登場で価格面の壁は
ぐっと下がり、LEDがより身近な存在となったのは
周知の事実であります。

時を同じくして、個人的にアクア関係ではないルートで
興味深いLED製品群との出会いがあり、水草水槽や
水上葉・水辺の植物・観葉植物等の育成に用いることが
出来る様々なLEDを試す機会を得ることとなりました。
その中で感じたのは、蛍光灯やメタハラと違い
LEDは形状の自由度が非常に高いのです。
これは器具マニア・育成環境自作マニアにとって
この上ない楽しみであると思います。

LEDで植物が育たないのでは?と言うお問い合わせを
多数頂きます。もちろん、水草に「まともに」使われ
始めてからは日が浅いので、様々な面から考えると
答えは出ていません。しかしながら1年間~数カ月
LEDのみで育成している水槽をいくつか維持しておりますが
育成に関しては問題ないと思われます。
あとは色・形・育ち方等を突き詰めていくことで
有用なLEDの種類を見つけていく作業が残る
程度だと考えております。

見た目(意外と重要)に関しましては、ZENSUIの白は
青白さが強く、水草の緑や赤が飛びがちとなります。
GEXの物は水草育成用として白以外に青と赤を
少量加えてある点は非常に良いのですが、その分
白の球数が少なく、やや暗いのが難点となっております。
その点は専門メーカーであるADAが発売した
アクアスカイが優れており、W数の違いもありますが
大きさの割に非常に明るく、色合いも見なれたものに
近く、水草の色は自然なものと感じることが出来ます。

また当店が独自で仕入れているパネル型やバー型は
4500Kまたは6500Kとなっており、比較的自然な
色合いに見えます。

今後も様々な製品が発売されることと思われます。
誰かが使用して正解が出てからも良いですが、
自身で様々な製品を使いながら試行錯誤を繰り返し、
LEDと言う新しい素材を水草・その他植物育成の中で
活用していく。それこそが、本来の楽しみ方ではないでしょうか。
その過程で不要と感じれば使う必要はなく、効果がある、
または既存の照明の代替品として十分機能すると
感じれば移行すれば良いだけです。

これはLEDをはじめとする器具類だけでなく、
もちろん、新たな水草の導入。まはた育成そのものにも
言えることであります。

最初から答えなど無いのです。