2018年7月12日木曜日

逆に長期維持 <3> 

引き続き長期維持についてです。
前回は近年のレイアウトは主に短期思考で
作られることが殆どであり、使用する器具や水草も
同じようなものであるために、水槽としての
性質は似たような状態に収斂したところで
終了するとしました。

その場合、個性と言うものはレイアウトのみで
表現されることになり、問われるセンスは、
どのような材質の素材(木や石)をどう組み合わせて
どう並べるか、そしてどこにどの水草を配置するか、
と言うことになります。

もちろん、それも発想の自由度や新しさ、
組み合わせの妙みたいな部分で個性が出せると
思います。
しかしながら私の考えるところの

「水草水槽の個性」

と言うのはまた別の部分なのです。
そしてそれを見るためには、それ相応の時間が
必要になります。
それこそが、「水草水槽」を「長期維持」する
楽しさと言うことになるのです。

短期思考での水槽は、もちろん技術も大いに
関係するのですが、主に底床や器具が作り出す
「性能」が反映され、その似た環境で生育する
定番である数種類の水草の状態を見ていることが
多くなってしまいます。

アマゾニアですね。
どのくらいの年数か定かではありません。。。
恐らく7~8年くらいは経っているはず。



















そこでなぜ長期維持の水草水槽に個性が
出るのかを考えてみましょう。

まず、大きな違いとして底床の扱いがあります。
主にソイル系の場合はある期間を経過すると
ソイルの持ついくつかの力が減衰します。
そうなると、そこからの水草育成は、管理者の
影響がより大きくなり始めますが、
短期思考の場合は、そうなった底床は
賞味期限切れとされ、リセットにより新たな
ソイルに入れ替えられることが殆どです。

しかしながら長期維持の場合は、その
賞味期限切れ以降も使い続けます。
そこから引き続き自分の良いと思う管理や
生活ペースに合わせた管理を継続すると、
更に水草の様子が変化したり偏ったり
することでしょう。
そこがその管理者の「水草水槽」の個性に
なりうる部分なのです。

大磯の場合はどうでしょうか。
近年は大磯などの砂礫を底床に用いて
レイアウトを作る人は殆ど居ないと思いますが
せっかくなので少し触れておきます。

大磯ではありませんが。。。
アクアセラミックと言う商品で、
最近どこかの思い出話にも登場していました(笑)
セットしたは良いものの、一般的なレイアウトには
完全に不向きでした(笑)これで19年目。
当然セットしてから入れ替えてないです。





















例えばソイル系の底床を使ってレイアウトを作り、
そのセオリーに沿って管理して見ごろ迎えるとします。
仮にその期間を4ヶ月とした場合、大磯を使用した
水槽はその頃から少し良くなってくるかな、と
言ったところですので、そもそも短期思考の水槽に
不向きな底床なのです。


長くなりそうなので、予定を変更して続きます(笑)

2 件のコメント:

  1. 僕も大磯砂の水槽を30年来維持しています。
    近年になってソイルを底床に使うことも多くなってきましたが、どれも3年以上ソイルを使っての長期維持を目指しています。
    ソイルはスタート時に植える水草の調子を崩すことが少ないという利点があるのでそこは便利なアイテムだと思います。
    そして、それの持つ肥料分が切れてから、種々の水草に合わせた肥料調整の効く育生コントロールがしやすくなるのだと思ってます。
    なのでRootsさんのおっしゃることが良く解ります。

    個人の楽しみなので良い悪いは無いのだと思いますが、僕には今流行りの「ネイチャーアクアリウム」の画一的な景観にあまり魅力を感じません・・・ 
    昔の「水草水槽」には水草の魅力とそこに生きる魚の魅力がいっぱい詰まっていた気がします。
    なのでどうしても僕の水槽には遠近感も風景も見当たらないものになっています。
    昔のアクアライフに広告として出ていた「ペンギンビレッジ」さんの大きな切り株のあるディスカス水槽にいまだ憧れているのです。

    長々と書きこんでしまってすみません。
    このシリーズは共感することが多いので今後も楽しみにしています。

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  2. コメントありがとうございます。

    価値観もアプローチも人それぞれで時代によって
    変化するものだと思いますが、個人的には
    長期維持の水槽には短期の水槽には無い魅力が
    あると思っています。

    あとはあくせくやるのも最初のうちは楽しいですが
    歳をとると色々と大変ですから、のんびり構えて
    やった方が新しい発見もありますし、長く続けられるかなと
    思う次第です。

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