ファームからやってくる水草の場合、便宜上不明種は殆ど無く、必ず学名か商品名が
ついてきます。
そのようなことから、日本の各問屋に同ファームから入荷する際の名称は必ず同じに
なります。ですので、その時点では間違えようは無いのです。
もし違っていることがあるようでしたら、問屋以降で間違いが発生したと考えられます。
しかしながら、稀に名称と実物が合致しなくなる場合があります。それは、ファームが
名称を変更、または名称はそのままで水草自体を変更した場合であります。
最近の例ですと、「オランダプラント」があります。2002年版オリエンタルアクアリウムの
カタログからは、かつての「Eusteralis stellata」はシノニムに落とされ、新名称は
「Pogostemon
stellatus」となり、水草自体もポゴステモンへと変更されております。
それに倣うようにトロピカのオランダプラントがポゴステモンへと変更されました。
しかしながら、トロピカの白札は「Eusteralis
stellata」のままとなっており、変更は
水草自体のみであります。
その他の例を挙げておきます。
流通名「ポリゴヌム sp. ピンク」と呼ばれる水草ですが、こちらも販売元は
オリエンタルアクアリウムです。
以前のカタログでは「Potamogeton
sp.」となっておりましたが、2002年版カタログでは
「Polygonum
sp.」に変更されております。水草自体の変更はありません。
現在「ロタラ ナンセアン(ナンシアン)」で流通している水草も、以前は別の名称で
呼ばれており、オリエンタルアクアリウムでは1995年版カタログでは「Mayaca sp.」
と言う学名で掲載されていました。2002年版では「Rotala najean」(nanjeanには
なっていない)に変更されております。水草自体は同じものです。
また、トロピカにおいては「Rotala sp. Nanjenshan」としていますが、同時にもうひとつの
名称の「Mayaca sellowiniana」を載せております。
注釈には「この草の正しい名前に幾つかの不安がある。かつてマヤカで販売していたが、
これはロタラである。」というような記述があります。
リリース初期にこの草を「ラージマヤカ」で販売していた経緯があり、その釈明かと
思われます。
以上のように、ファームから入荷する水草に目を向け続け、注意深く観察していると、
思わぬ発見や疑問があります。
これは多くの入荷に携わる問屋やショップが把握しておくべき事柄であります。問屋は
扱う量・出荷先が多く、ルーティンワークになるので仕方ないのですが、特にショップは
常に入荷した水草に目を向け、チェックを怠らないようにすべきであります。
水草専門店であるならばなおさらです。私も気をつけていく次第であります。
現在、トロピカとオリエンタルから入荷する「オランダプラント」は「ポゴステモン」であり、
国産ファーム等から入荷する「昔のオランダプラント」が「オランダプラント」なのであります。
入荷時の名称のままなんの疑問も持たず販売してしまうことは混乱を招くことになります。
0 件のコメント:
コメントを投稿