2006年4月27日木曜日

書籍から得られる水草情報

近年は水草関連の書籍が容易に手に入る環境になりました。
また、新たなものが出版されており、様々な情報を得ることが出来ます。
現在はインターネットの普及により、書籍が全く及ばない速度で情報が
更新され、開示されております。

しかしながら、インターネットでは知りうることが出来ない情報が、書籍には
大量にあります。

例えば先日入荷した「クリプトコリネ ウェンティ グリーンゲッコウ」。
この草の存在は、数年前に少数入荷したオリエンタルアクアリウムの
2002年度版カタログに既に掲載されております。

そこには、このクリプトが

・突然変異であること
・新芽は中央脈にそって茶色が乗り、黄緑の葉を展開すること
・その後は薄い緑になること
・中景用であること

などの特徴を示す記述があります。


同時に「クリプトコリネ ウェンティ カメレオン」が掲載されており、
もちろんこちらが以前日本の書籍でも紹介された「斑入りウェンティ」で
あることは容易に理解できます。両種を混同することはなかったのです。

また、時折ご質問があります、「アフリカンチェーンソード」ですが、
こちらは「AQUARIENPFLANZEN・DE WIT著」に「Echinodorus humiris」として
既に掲載され、シノニムは「Ranalisma humilisSagittalia humilis2つが
記されております。もちろん産地はセネガルやザイールなどアフリカと
なっております。


さらにaquarium plants・Rataj&Horeman」に「Ranalisma humilis」として
掲載され、シノニムは「Echinodorus humiris」となっております。産地はセネガルと
なっております。これらの情報は約10年前より一部では知られており、水草関連の
洋書の入手が容易になった2000年頃からは普通に知ることが出来たことであります。

オリエンタルアクアリウムからは現在「Ranalisma rostrata」のインボイス名で
やってきます。
こちらのラナリスマ属は、aquarium plants・Rataj&Horeman」において
東南アジア産として掲載されております。
1995年版のオリエンタルアクアリウムのカタログには「Echinodorus humulus」の学名で
ブラジル産として掲載されております。
2002年版カタログ(前述のウェンティ等掲載)には「Ranalisma rostrata」の学名で
東南アジア産として掲載されております。

私自身はチェックが甘く、同種と言う推論を持っておりまして、反省しております。
改めてここに訂正させて頂きたく思います。
ただし、流通名の「エキノドルス ハムリック」は国産ファーム等の適当な呼び名であると
思われます。

しかしながら、いつファームで種の交代があったのかは不明であります。また、
種の交代自体が疑わしくもあり、元々東南アジア産の物であったにもかかわらず、
詳細が不明だったために容易に調べがついたエキノドルスと言うところから
ブラジル産という適当な情報を載せた可能性も否定できません。

逆もまたしかりで、水草自体はアフリカ産のもので変わっておらず、情報のみが
後付けかもしれません。

以上のように詳細不明と思われる水草も、ファームからやってくる以上、
既知の水草であり、水草の書籍を少し探せば判明することが多いことがわかります。

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