2006年5月14日日曜日

ファームのモラル

毎週のように海外の水草ファームから大量に水草が送られてきます。
各社カタログやリストがあり、当然水草には各々名称・学名・コードなどがついております。

購入する際は、外観(草姿)から得られる情報及び、表記される名称で種類を
選ぶことになります。
例えばロベリア カージナリスやウィステリアなどは草姿から間違えようがありません。
水草が好きな人ならば、名称の表記が無くても「これはロベリアだ」と購入できる
わけであります。
このように個性的な草姿であり、また、環境により変化する草姿も独特のものである
種に関しては混同してしまうことはありません。

しかしながら、葉のみでは種の特定が困難なものがあります。それはクリプトコリネの
丸葉系、そして水上葉のエキノドルス等であります。
これらは、花が咲いたり水中展開して初めて種が確認できることが多いものです。
こうなるとインボイスネームを信じるしかないのですが、明らかに怪しい場合があります。
また、そういったものは殆ど名前と物が異なる結果となります。

以下、ファームによる確信犯と思われる例を挙げます。

入荷時の名称        実際の種          出荷したファーム

エリオカウロンsp.     ハイグロフィラsp.    デナリー(現在入荷無し)

Ech.ホレマニー      Ech.ルビン        デナリー

Cry.グリフィティ      Cry.コルダータ      バース

Cry.ローザネルヴィス  Cry.コルダータ      ラタイ(恐らく一度のみ)

Cry.グリフィティなど   Cry.コルダータなど    オリエンタル

Cry.コロナータ       Cry.ウステリアーナ    ダッセン(現在入荷無し)


このように、ファームは数合わせ的なことを行ったり、売上のために別種を
送りつけたりする場合があります。
その名称で入荷してしまった場合、問屋はそれで卸さなければならないわけです。
違ったからと言って何もかも処分とはいかないのであります。もちろん気付かない、
または判別が不可能である場合が最も多い思われます。

そのような水草を浮き彫りにするのは、数量を見ているとは言え水草が目の前を
素通りしてしまうのが日常の問屋より、むしろ日常から様々な水草を観察・育成
している専門店の力量にかかってくるわけであります。

ですので、購入の際に疑わしいものはショップに確認をとり、それでも不明な場合は
ご自身の目を信じるか、購入を控えるかになるわけであります。
本来であれば、ファームが誠実に種を表示すればなんら問題がないはずなのです。
これはファームのモラルや水草に対する意識の高さ・こだわりによるところのだと
考えます。


(補足)
オリエンタルから入荷するクリプトの安価なバラ株の場合は、名前が
いい加減なのは周知の事実であり、逆に何になるかと言う楽しみもあるので
実害は無いのが現状であります。

0 件のコメント:

コメントを投稿