2016年4月24日日曜日

~屋って難しい。。。

かつて兵庫県西宮市に水草や(屋)がありました。
今はもうありません。
そこには水草も扱っている偏ったラインナップの植物を
販売しているお店があります。


お店を始めた1999年から何年か前まで、当店の“Roots”と言う
店名の前に枕詞的に「水草や」を付けていました。
お店を始めた頃は有茎大好きで、以前にも書いたと思うのですが、
ダッチアクアリウムが私の水草人生に多大なる影響を与えた
こともあり差し戻し大好き人間でした。まぁ差し戻しは今でも
水草水槽での楽しみの上位ですが。

水草と、それに合う熱帯魚と使える器具と言ったラインナップ
でしたが、まぁ何年か経つと売れるものと売れないものが
わかるようになりますので、徐々に器具類の在庫を絞り、
熱帯魚のスペースも減らし、水草の水槽を増設することを
繰り返した訳ですね。まぁ「引き算」です。

店内の殆どが水草水槽になり、良くも悪くも文字通り
「水草屋」になろうかと言う時に、南米有茎やホシクサ、
エキノやクリプトなど、各ジャンルの人気は収束しつつあり、
大きな変化を感じ取ったのをよく覚えています。
その時に偶然ですが、観葉植物(サトイモ科やシダ類)との
出会いがあり、これからはこっちだろうと思い、急激にそちらへ
シフトすることにしたわけですが、その過程で
アグラオネマ ピクタムと出会ったんです。
その頃はまだどこのショップでもそう言ったアプローチは
殆ど見かけなかったと思いますね。
ここにシフト出来たのは私がダッチアクアリウムから入って
いたのも幸いしたのかもしれません。

そうこうしていると、水草を目当てにご来店いただく方には
期待外れなお店になり。。。そこで思ったのは「水草や」は
もう外さないとダメだな、と言うことです。
何年か前にこっそりと宣言して、当店サイトやSNSの表記は
「水草や“Roots”」から「“Roots”」に変更しています。
まぁ最初から店名は「“Roots”」のみだったんですけどね。
漏れはあると思いますが、見つけ次第変更してます(笑)
じゃないと、水草やを名乗っていると「どんなに水草があるんだろう!」と
期待と共にご来店頂いた方がいらっしゃると申し訳なくて。。。
そうです、「~屋」と名乗るのであれば、その「~」を目的に
ご来店頂く皆様の期待にある程度は報いなければ
ダメでしょうからね。


10年以上前にお客様に作って頂いたバナー。
気に入っていましたが、さすがに撤去。。。










何をもって、「~屋」なのか、と言うのは難しいとは思います。
店頭に並んでいるのが多いものがそれになるのか、売上比率が
高いものがそれになるか、収益の柱になっているものか、
はたまた、気持ちの問題なのか(笑)

例えば、うちは熱帯魚屋だ、と言っても収益構造が
「熱帯魚・関連器具2:メンテナンス8」なら、実質それは熱帯魚屋さんの
体のメンテ屋さんです。
更にうちは熱帯魚屋だと言っても、それを維持するのに所有している
不動産の家賃収入が99.999で熱帯魚が0.001なら、それは
不動産賃貸業の人が副業か税金対策で熱帯魚屋をやっていることに
なるでしょう。
ただし、いずれも見かけ上、やっていることは熱帯魚屋ですので、
お店に入った印象は「熱帯魚屋」ですね。まぁよくあることです。
後ろ盾が何か、なんてユーザーから見てる分にはわかりませんから、
そう言う部分では入ってみて「看板に偽りあり」なんてことには
ならないと思います。



現状、当店の場合は誰が見てもアグラオネマの量が多いのは
明らかなので、そうなると「アグラオネマ屋」なのか、と言うことに
なりますが、有効に機能しているかどうかは別として床面積だと
水の入った水槽の方がまだ若干多いと思います。最近減ってますが。。。
気持ちの問題なら、売る物が殆ど無いにも関わらず、「水草屋だ」
と、私が思えば水草やなのでしょうけれど、それは自分にしか
通用せず、世間から見ると間違いなんですね。

更に、世間的にはそのお店がネットで発信している情報量が
多いもの(つまり入荷の頻度の高いものや、生産量の多いもの)、
または店頭で目視できる商品の比率の多いものがその店が
「~屋(~専門店)」である判断基準になると思います。
と言うことは、通販しか利用できない距離のお客様はネットでの
情報を見るしかないですし、近年のネット通販全盛の時代に
おけるネット上の情報の重要性を考慮すると、例えば当店が
ピクタムばかり載せていると、"Roots"はピクタム屋だな、と
思われても仕方がないわけです。
しかしながら、まだなんとか水草いじくったり、たまに水槽掃除
してみたりして、店頭ではなんか色々やってるな、と言う感じだと
思います。そのはず(笑)

なので、ネット上で私がいくら「水草屋なんですよ!」
「水の入った水槽の方が多いですよ!」言ったところで、
ネットでは「何言ってんの?水草売ってないじゃん。」となるわけです。
まぁご来店頂いても「いや、水槽きたねーから水草屋とは
言えねーわ。」となるわけですが。。。

まぁ昔はエキノドルスに注力しているときはエキノ屋と呼ばれ、
クリプトコリネの時はクリプト屋と呼ばれ、その時々にみなさんの
認識は変化しているのですが、まぁエキノもクリプトも水草ですから
「水草屋」でも大きな問題は無かったわけです。
しかしながら現在、水草以外の植物が多くを占めてきたのに
いつまでも「水草屋」です、なーんて言ってるのも。。。と
思ってしまいます。


まぁ私の場合は知識が全くついていかない・もう頭に入らない
ってのが最大の理由ですが水草とそこから派生した植物や自分が
使える・面白いと思った植物にフォーカスしてるわけです。
水草時代は「アピストやらないんですか?」「レッドビーやりませんか?」
と言われたものですが、やらないんですね。出来ないと言った方が
正確ですが(笑)そう、他のことはさっぱりわからないんですよ(笑)
あと、私が「レッドビー始めました!」なんてことを言って、エビ水槽
並べだした日には「あいつどうかしたんじゃないのか?」と言う声が
飛んでくるんですよ(笑)

でも本当に~屋ってのは難しいと思います。そのつもりでも
実際はそうではなくなってたり、いつのまにやらその名は
ほったらかしになってたり、そこを曲げないと生き残れなかったり。
前向きに捉えるとダーウィンの言葉(と言われている?)通りなのかな、
と思うのですが、それとはちょっと違う感じがするんですよね、
専門店の場合。
まぁ名は体を表。。。さない、になってしまいがち。


しかしこれもまた、観賞魚業界の矮小化によるものとも考えられるの
かもしれません。その辺もまた考えてみたいと思います。
今年もちらほらとそう言う動きも見られますからエーハイムほどでは
ないにせよ、それなりのニュースがあっても不思議ではないかな。。。
と思います。

2016年4月15日金曜日

クリプトコリネ ~この美しい水草~ Part2

前回(Part1)に引き続き、クリプトの魅力について思うところをつらつらと。
古い画像が混ざるのはご愛敬と言うことで(笑)


水草としての魅力からは少し外れるものの、クリプトの水上育成は
クリプトを語る上では避けては通れませんね。ですが、そこはさらっと。

今でこそケース内で水草を水上葉で栽培するのが普通になって
いますが、クリプトの水上栽培が水草界での分水嶺じゃないかと
思ったり。
クリプトを水上で栽培する目的は基本的に花を咲かせることです。
入荷した不明種の判別はもちろん、その独特な仏炎苞は非常に
魅力的です。また、水中育成の条件が見えない種類に対しては
水上栽培で一旦保留することができます。
葉の形状も水中と水上で異なる種類が多く、そう言った別の
表情も楽しめるのも良いところです。

ただし、花を見ることに関しては何も水上育成が絶対と言う
わけではありません。水中育成をしていても、株が充実したり
外的要因の変化を感じ取ったりして咲くことがあります。
チューブの長い種類は水面を突破して開花しますし、小型水槽や
らんちゅう水槽(フラット)などではさほど長い種類でなくても
水面付近で開花することがあります。
そう、クリプトは「栽培者へのご褒美的に」「気まぐれで」水槽内でも
開花した姿を見せてくれるのです。
なんとも「クリプトコリネ」らしいじゃありませんか(笑)

水中育成での開花に関しては、私個人が見たことに限り、
トリミングや植え替えを極力行わない水槽で多く見られています。
店内の水槽で開花したのを見つけたのは下記の種類です。


・ウエンティ
・パルバ
・コルダータ
・アポノゲチフォリア
・アウリクラータ
・ウステリアーナ
・ストリオラータ
・クリスパチュラ



水面から顔を出したウステリアーナの仏炎苞。
大型種のため、花茎やチューブがかなり伸びます。

水中で開花したコルダータの仏炎苞。
The Cryptocoryne!と言った形状。
抑めな色調をした葉の中でレモンイエローが眩しいです。

タイプによるのか、ウエンティも
水面から出る場合があります。
ウエンティは水槽への適応能力が高く、特にソイルの水槽だと
短期間で密生するため、群落の中で咲いていても気づかない
場合がありますね。恐らく気づいていないだけで、みなさんの
水槽でも咲いていると思います。
また、パルバは仏炎苞も小さいので見逃すことが多いかも
しれません。
ある程度の期間群生を維持していた場合は、時折掻き分けて
生長点付近を確認してみると良いと思います。



群落と言う点からすると、特に渓流系の凸凹した葉を持つ種に
関しては、水上育成よりも水中育成の方が美しい姿を容易に
見せてくれるます。また、増殖速度も圧倒的です。
もちろん状態の上下はあるものの、概ね好調を維持している
ヒュードロイはもちろん、キー、ブローサなどは完全に水中向きです。
もちろん、水上育成で10年維持することも可能ですが、前述の
通り、水槽でやった方が楽しいです。一度あの群生を見ると
もう虜になります(笑)

古い画像ですが。。。キーです。
ちょっとレイアウト風になってますね。
キーはサイズと草姿からレイアウト向きです。
ただし、色を狙うのは難しいかもしれません。

ブローサです。こちらも以前の画像です。
今は藍藻と格闘中。。。年内に復調予定(笑)
キーよりもランナーが長い傾向があるので、
自然に密生させるのはちょっと時間がかかります。

いつものヒュードロイ。
群生は上から見るのも最高!(笑)

これらの種類を何年も継続して栽培していると色々と見えることも
ありますし、やはりクリプトは水草だな~と感じます。
この葉を見てると世間で言われるところの「珍奇植物」に引けを
取りませんね(笑)
クリプトの群生と言うのは有茎のそれと違って派手さはありませんが、
ずっしり来るんですね。自分が育てきれなかった種類の群生を
見せられると圧倒的敗北感があるんですよ。。。
水草水槽でのクリプトの群生はそれほどの存在感があるんです。
有茎と違ってそこへ持っていくのに「時間と」「運」が必要なためかも
しれませんね。
そして、それは自分との戦いなんです。すなわち孤高の趣味です。


。。。続く


※コメント欄の設定がGoogleアカウントが無いと書き込めなく
なっていたようで。。。今は書き込めると思います。
何かありましたらどうぞ。


2016年4月9日土曜日

その手は「水草」を動かさない

先日、「BIZZARRE PLANTS HANDBOOK2」と言う特集で
BRUTUSが発売されました。
そう、前回の同特集から約半年で2回目です。
これが早いのか遅いのかはわかりませんが、同時期に放送された
「沸騰ワード10」のコンセプトからするとまさに今、と言う
タイミングなのかもしれません。恐らくはリンクしているのでしょう。

植物を扱ってる以上、一応確認をしないといけませんので
いつも買い物をする近所のファミマに行くも売っておらず、
ネットで買うか。。。と思いながらそのうちどこかで買えるだろう、と
楽観。自宅近くのセブンイレブンに偶然用事が出来たので
探すと3冊売ってました。それが4/6(水)。

中を見ると、前号で見たような「珍奇植物」の代表的な感じの
植物が巻頭に。
様々な種類がありますが、やはり多肉・球根がメインと
言った感じです。それらの知識が皆無の私でも既に見覚えの
ある物もちらほら。

今回もお宅訪問的なページもありましたが、私自身は基本は
水草の人であるため、当然プラントグラスにエーハイムのLEDで
水草を栽培している方に目が行きました。
また、数あるキャプションの中からアグラオネマ ピクタムと言う
文字が一瞬で目に飛び込んでくるのも現状の職業病。

それはさておき。。。ピクタムを栽培されている方の説明には
目下注目はミストラバー、とありますが、植物ははっきり写って
おらず、瓶の外観のみ。メインはタンク ブロメリア。
ほぼ運営側の方でしょうから、趣味でミストラバーをやっていても
紙面的にはそっちではないんだろうな、と感じます。
プラントグラスの人に関してはお気に入りのソテツのみが紹介
されており、同列に写っている水草に関してはノータッチ。
まぁ普通種しか入ってないのでしょうけど。。。
もしくは写ってるだけマシと考えるべきかも?!下手したら
「悪目立ちするのでちょっとどけてもらっていいですか?」と
言われかねない(笑)

やはり水草周辺って、今現在の商業的に不向きなんでしょうね。
基本的に入門種で考えたとしても、多肉や球根と比べて
いきなり植物体以外に必要なものが多すぎる時点でアウト。
こういうのって
「フラッ」っと買いに出かけて、
「スッ」と持ち帰って、
「ポンッ」と部屋に置く、
ってな感じじゃないとダメなんですよね。
いちいち場所を確保して、耐荷重調べて、コンセント確認して
給排水の段取りして、照明用意して。。。そう考えると
凄い趣味だな、アクアリウム(笑)

前述のスッと持ち帰るじゃないですが、業者レベルでも
水草って面倒なんだと思います。乾いちゃいけない
蒸れちゃいけない、冷えちゃいけない、潰れちゃいけない。
いや、基本なんでもそうなんですが、特に水草はそう言ったことに
デリケートで密閉が必須。輸送面を考えても割が合わない。

増してやガラス水槽ってのは総じて室内のインテリアに
合わない。おしゃれな鉢に植わったブーファン(個人的に
気に入っている。持ってないですが)なんかが可愛らしいし、
ソテツのホリダス(こちらも気に入ってます。同じく持ってません)
なんかの方が圧倒的にカッコイイ。
(それを考えるとダッチアクアリウムは凄い!!)

プラス、縮小しているとはいえ、既存のマーケットの商品なので
新たな需要が創造しづらい、園芸やオシャレ系のマーケットで
扱っても新たに設備は要るだろうし、維持管理も別で手間が
かかる。
園芸→水草界への植物の移転は起こりますが、恐らく逆は
起こりようがないんですね。
以前の記事にも書きました、これは新たなマーケットの創出から
始まったと、私は考えていますので、その観点からは水草の
魅力は0なんですよ。

もちろん、元々ある観賞魚市場における水草の存在は
まぁ盛り上がってくれるに越したことはないですし、
一般的な熱帯魚に入れる水草と言う側面や、レイアウトと言う
方向性は、私が身を置く水草界とはやや異なりますので
そちらとは分けて考えてと言う前提での結論ですが、
やはり、水草と言う趣味はクリプトコリネのようにひっそりと、
それでいて気づいた人には光り輝いているようなもので
良いと思う。
既に結論は出ていたんですけどね(笑)やはり水草の栽培って
特殊なんですよ。


2016年4月5日火曜日

クリプトコリネ ~この美しい水草~ Part1

今更と言わずに(笑)

クリプトコリネと言う水草が持つ魅力はなんでしょう。
苔むした水草愛好家なら小一時間は語れるかもしれませんね(笑)

まず水草として考えた場合、その個性とバラエティに富んだ
草姿(≒葉の形状や色彩)だと思います。
葉幅数ミリのテープ状の物(線形)から、丸葉(心形・卵形?)まで
様々であり、大きさも数センチ~1メートル近いものまであります。
また、緑から茶色までの間にその色彩は無段階に存在し、
葉1枚でも様々な色の変化が見られます。
更に、葉の縁や葉全体が波打っていたり、葉の表面が
ハンマーで叩いたように凸凹になっていたりと、その形状も
非常に興味深いものです。
Cry. ウェンティ 'リアルグリーン'で入荷するもの。
スリランカ狭葉系で最も緑を維持できるタイプ。
ただし、好条件下で茶色は乗る。

水草水槽においてのクリプトコリネは主役にも脇役にも
なれる魅力を持っています。
前景~後景まで使える種類が揃っているのは、様々な草姿を
持っている水草であるためなのは前述の通り。

主にランナーで増殖するため自身で群生を形成してくれます。
もちろん、ある程度離れた場所から出現することもあるので
そのような意図に反する区画に侵入した際はカットすれば
良いだけ。
多くの水草に言えることですが、やはり真骨頂は群生美!
もちろんクリプトも茂った時が美しいのです。
Cry. ペッチィで入荷するもの。
スリランカ狭葉系では見かけることはやや少ない。
ウェンティやウンデュラータ、ワルケリィで入荷するものに
比べて若干ではあるが弱い側面がある。

また、一般的に流通している種類は育成条件が厳しくなく、
二酸化炭素の添加や肥料、照明などの下方への適応範囲が
広く、設備的に控えめでも育ってくれるところも優れている点です。
Cry.ウンデュラータ レッドで入荷するもの。
成長が速くレイアウト向き。独特の赤茶色も魅力。
Cry.パルバ「オリエンタル」
シンガポールのオリエンタルアクアリウムから入荷する
パルバがパルバで最小。恐らく最小のクリプト。ただし
成長が非常に遅く、必要数の購入が必須。


。。。とまぁ、そう言ったところは一般的な視点。
(画像が古くてすみません。。。)
さて、ここからはちょっと屈折した水草好きとして考えてみましょう。


まずはファームで生産されていないものが殆ど。
もちろん、採集物の増殖株が販売されてはいるものの、
無くなれば終わり。次に入手出来る保証はない。
まぁワイルドものすべてにおいて言えるかもしれませんが、
稀にファームに渡って逆輸入と言うパターンが見られますからね。
その代表はNewラージパール。少し前だとアマゾンハイグロや
スターレンジ、ギニア便のルドなんかもそう。
クリプトだとなぜかヒュードロイはそんな感じ。
有茎草はファームがその気になればあっさりと作られます。
ただし、水上葉を作ることが大事ですが。
まぁこの辺の話題はまた別の機会にでも。。。

先日少量入荷したアポノゲチフォリアなんかは
もう長い間まともな入荷もない状態でしたし。。。
気になった時に買わないと次が無い、かもしれない種類が
多いんですね。
斑入りのポンテデリフォリアもロザエも海外からはもう
入ってきてません。ネットでは見つけましたが(笑)
幸いコルダータのロザエは元株がタイ産なので、日本の水に
馴染みやすかったのか、水草水槽であっさりと育つこともあり、
叩き売られるようになりましたが。。。
草そのものの価値がなんら変わるわけではありません。
「ロザエ」は「ロザエ」なんです。128.000円でも1280円でも
「Rosanervig」なんですよ。

まぁ要約すると入手が意外と困難、と言うところも魅力の
1つ、と言ったところでしょうか。


次にコレクション性の高さ。これは重要視する必要も
無いのですが、これが無いと始まらないのもまた事実。
クリプトが優れているのは、種類ごとに全く異なる外見を
していることや、種の中でも変異があること。
わかりやすい所だとコルダータやクリスパチュラですね。
ここらは種類の中で結構なタイプがあります。
学術的に「var.~」となっているものもあれば、趣味目線での
個体群の差まで様々。
最近だと神畑インド便の功績であるスピラリスの多様性。
まぁスピラリスマニアなんて日本に1~2人居れば奇跡だと
思いますが、居ても良いくらい違う。

また、東南アジア各国に自生しており、その地域ごとに
特有の種が存在していて、国ごとに見ても面白い。
特にボルネオやスリランカは固有種が多産でとても
魅力的です。また、ベトナムやフィリピン、ニューギニアなどは
少数精鋭で独特の種類が存在しています。
マレーやインドネシア、周辺の島々にも見られますから
未だに新たな種や変種が発見されています。

クリプトは情報収集さえ行っていれば、飽きることのない
水草なんですね。


。。。続く





2016年3月10日木曜日

水草の維持・水槽の維持

ご来店頂いたことがあり、かつクリプトコリネに興味がある
みなさんは当店の奥に120cm水槽があって、そこにクリプトが
植わっているのをご存知だと思います。

最近は動画にアップしているので、遠方の方でもご存知かも
しれませんね。そうです、これです。


1996年バース便としてご紹介していますが、私がデナリーの水草の
輸入に携わっているときに、上司がインターズーでバースさんと話を
してきて輸入できるようになったんですね。 その際に日本に初入荷と
なったのが、

Ottelia ulvifolia
Anubias barteri 'coffeefolia'」

そして

Cryptocoryne hudoroi

でした。
その時に1株持ち帰ったのが、現在店頭にある株の元になった1株です。
もちろん当時は自宅の水槽で育成してたのですが、一緒に植えていたのが
トニナやスターレンジ、ガードネリィ、アマゾンハイグロなどでしたが、
硝酸処理大磯は良いとしても、pHマイナスと液肥を常に添加しており、
今考えるとよく育ってたと思います。。。(笑)

確か当時は水草倶楽部でヒューが1万円、アフリカンオテリアが
2万円だったと思います。古い記憶なので正確かどうかはあれですが。

その後、お店を始めてしまったので家の水槽は放置になったため、
瀕死の状態のヒューを救出してこちらに持ってきたわけですね。
持ってきたのはお店を始めてから1年後くらいだったと思いますので
植えてから16年くらいです。入手してからは今年で20年。

1種類の水草を20年キープするのは有茎草だとかなりの重労働だと
思います。もちろん、水草レイアウトを長年やっていて、何本かの水槽を
使っている場合、定番種1~2種程度がどこかしらに必ず使ってあって
気づくと10年くらいはあるな、と言うことはあると思います。
また、今は使わないからとりあえず屋外の水上で、と言う逃げ方も
あります。
しかしながら、意図して水中葉の状態、同一水槽内でキープしようと
思うと、有茎草はかなりハードルが高いです。
反面、ニムファ、アポノゲトンなどの球根を作る種類やクリプトコリネの
ように根茎が球根に近い役割を果たす種類などは、水槽がラン藻だらけに
なろうが、黒髭だらけになろうが、こちらがある程度の意識を持っている
限りは復活してきます。
他にはボルビティスやミクロソリウムなんかは底床への依存度が
低いので維持はしやすいですね。

もちろんボルビティスやミクロソリウム(そろそろミクロソルムと言った方が
良いのかもしれませんが。。。)も純然たる水草で、それがある水槽は
水草水槽なのですが、個人的にはなんとなく、底床があって、そこに
様々な水草が根を下ろしている姿が水草水槽としてあるべき姿な
ように思います。
そこには差し戻しが好きと言っている自分との自己矛盾が生じるような
気もしますが、底床に水草を植える、そこに根を張る、と言った流れが
大事なのかとも思います。

話が逸れましたが。。。

レイアウト水槽をメインとする場合、どうしてもたくさんのレイアウトを
作ろうと思うと、完成したらリセットが必須になるわけです。なぜかと言うと
所有している水槽の本数には限りがあるからです。
レイアウトが上手い人は、もちろんセンスの部分が大きいとは思いますが、
いかに本数(回数)をこなしているかと言うところも大切な要素のように思います。

特にソイル系の底床材が使われるようになってから、そのソイル自身が
持つ能力を使って育成するスタイルが主流になったため、その効果が
低下すると新しいものを交換するのが当たり前になりました。
もちろん、作物でも新しい土や配合し直した土を使うように、水草水槽も
新しい土に交換することによって生き生きと育つさまが見れるようになるのは
素晴らしいことだと思いますし、大いに活用すべきだと思います。

ただ、私やそれ以上の古い人たちには、どこかに水草水槽≒長期維持と言う
思いがあるんですね。(もしかしたら私だけ?)
長期的に安定して維持され、中のメンツも多少の入れ替わりはあるものの
大きく変わらないと言った水槽には、こまめに換水して隅々まで苔を取って、
非の打ち所がないオール5の美しい水槽が持ちえない雰囲気が漂うんです。
個人的にはその雰囲気が欲しいの半分、面倒くさいの半分で長期維持を
したいと思うわけなんです。
まぁそれがお店のラン藻水槽のようではリセットした方が精神衛生上にも
見た目にもよろしいかとも思いますが(笑)

そういった長期維持水槽の中で、自然と有茎草は淘汰され、前述したような
球根や根茎に避難できる能力のある種類や、底床依存度の低い種類が
残っていくわけです。
もちろん、個人的にも有茎草は好きなので、底床を水作プロホースで
耕し、汚泥や根の繊維などを除去して、有茎草が植えれるスペースも
作り直したりします。やはり有茎草は「水草水槽の華」ですからね。
同一の底床で維持することは困難でも、やはり時々植えたくなります。

2001年に設置した1200x450x450(左側)です。
ツイッターに画像を掲載しているイエローアマニアはこの水槽の一員です。
照明はコトブキのフラットLED120x3、水面から約50cmから照射しています。
底床はパワーサンド+軽石、アクアセラミック、アマゾニアパウダーで、設置から
入れ替えせずに使用しています。石や木を置かないので粒は壊れにくいです。
イエローアマニアを植えるにあたって底床掃除をしましたが、いつの物か
わからないエキノの根や根茎、おこし、ニムファの球根など出るわ出るわ(笑)
上の1200x450x450水槽の右側です。
こちらは長年植わっているエキノドルスやアヌビアス、ミズニラで
いっぱいになっています。エキノとミズニラはともにゴイアスからで
入荷は1999年です。アヌビアスは数種類入っていて、カメルーン便、
ギニア便、ファームものと色々。すべて2009年より前の入荷物です。

ヒュードロイ水槽(1200x450x450)の底床です。基本は
硝酸処理大磯(細目)です。昔はよく処理しましたね。
一番下にパワーサンド+軽石とアクアプラントサンドが入ってます。
設置はたしか2000年。当時はホレマニーグリーンも植えてましたが
ヒュードロイとの生存競争に敗れました。クリプト強し!
サンドクリーナーもかけますが、根とランナー・根茎でがっちりガード
されていて、入らない部分が多くなっています。それでも隙間を
見つけてはプロホースを突っ込むようにしています。
当然リセットや底床の入れ替えは行っていません。















































































やはりこういう水槽にはロゼットがよく似合う。
ポイントで有茎草が入るとそこが アイキャッチになるので、意外と変化に
富んでいるように見える、と思う(笑) 
前述しましたが、近年は長期維持のスタイルは殆ど見かけなくなりました。
主にソイル系の底床の存在がリセットへと向かわせるのかもしれませんが、
それに加えて、水草そのものへの執着と言うものが希薄化しているように
感じます。
(ただし、私はソイル否定は一切しません。どちらでも長期維持できます。)
水槽の本数に余裕がある方は、好きな水草を見つけて維持してみて下さい。
また、底床の入れ替えを行わず、じっくりと水槽自体を長期に渡って
維持するというのも、水草水槽の楽しみじゃないかと思うんですね。
なので、コケと戦いながら、水槽の好不調を見ながら、その水草と底床を
何年も眺めてみると、今までには見えない景色が見えるかもしれません。

2016年2月20日土曜日

重箱の隅

当店も老舗とは言わないまでも、年数だけはそろそろ
中堅と言っても良さそうなところまで来ました。

まぁ歳を重ねると柔軟ではなくなるんですね。
今回も名前やそれに準ずることに着目です。


「ロタラ sp. アンナミカ」
見た瞬間、「なんじゃこりゃ?」と言う感想しか出ない
名称です(笑)
すみません、アンナミカは地名ではありません。
人名ではありますが(笑)
誰が付けたのかは知りませんが、確かにベトナムへ
「クリプトコリネ アンナミカ」を見に行った時に
アンナミカの自生する河川にロタラ ロトンジフォリアは
ありましたし、それは当店で「ナローリーフ ロトンジフォリア」で
販売しています。一般的なロトンジよりやや葉幅が狭く、
赤味は強いタイプです。
しかしながら、このロタラsp.アンナミカがそれと同じか
どうかは見てないのでわからないです。
他にもロタラsp.ベトナムなどもおそらく吉野氏や私由来の
物ですが、こちらもいつの間にか生産されるようになってますね。
確か海外ファームからも来てます。

とにかくこれも、かなりのもやもや度合です。
付けた人に説明してほしいです(笑)
もちろん、納得いけば私もその名称使いますので。
由来知ってる方がいらっしゃれば教えてください。
割と本気で知りたいです。


「~~sp.」
これは結構見かけるので、もう何年も気になってます。
いつの頃からか気になりだして、自分では気を付けるように
してます。その昔、南米便全盛の頃は、多くの種類を
吉野氏が見ていたので割と属名を充ててくれていて、
特に問題なかったのですが、最近は水草以外の植物が
多くなったため、属どころか科以上での範囲が広がって、
種の特定の難しさに拍車がかかっています。
幸い、水草しか知らない私には皆目見当もつかないものを
「この辺の属だろう」と当たりを付けれる若い人が多いの
ですが、それでもやはり植物全般が対象となるため
不明種はちらほら出てきます。

そこで、まぁ私は調べるにも水草の範疇、しかも水草水槽に
使う種類に対してしか脳内データが無く、結局は不本意ながら
シダ植物なら「シダ植物の1種」とか「シダの仲間」と言う
壮絶に抽象的な呼び方をするのですが、まぁこれもまったく
褒められたものでもありません。むしろ範囲広すぎ。。。
といった感じです。ただ、属や科を適当に言ってしまうのも
難ありなので仕方が無いのだと思うようにしています。

あくまで個人的な感覚なので気にならない人は
気にする必要もないのですが、「sp.」を付けるのであれば
属名や科名を持ってこないと変な感じがするように
なってしまいました。。。

ホシクサsp. うーん、響き的に悪くは無いけどそれならば
ホシクサの仲間、ホシクサの1種、エリオカウロンsp.、ですかね。
もちろんEriocaulon  sp.が良いでしょうけど厳密に行くと
キリがないので。。。
個人的に商用としてはカタカナ表記が望ましいと思って
カタカナを使うことが多いです。ラテン語の読みは厳密には
間違ってることもあると思いますが、凡そローマ字読みに
プラスして慣用的な読み方を踏襲しています。
あ、いつも適当に書いてるんじゃないですよ(笑)
名前表記1つで数分悩んでることもあります。

モスsp.コケsp.シダsp.ウキクサsp.。。。アクアリウム業界ならば
ウィローモスの仲間でいいと思うんですよね。シダもそうですが、
sp.ってそういう使い方で良いのかな。。。と思うわけです。
極めつけは草sp.あたりですかね。不明種とか、まぁ謎草とかで
良くないですか?
あ、謎草sp.とか。。。sp.要ります??sp.付けなきゃいけない
決まりは無いです(笑)
これは恐らくアクアリウム業界のみの慣例?じゃないかと
思うんです。爬虫類や両生類で、トカゲsp.やイモリsp.、
ヤドクガエルsp.とは書かないんじゃないかな、と。
そもそもあちらは種がわかって入荷することの方が多そう
ですが。


昔、普通の熱帯魚屋さんでトニナが売ってたのですが、
よく見ると「トニナ スペシャル」って書いてあったんです。
数秒考えて、「あ~!sp.=スペシャル、ね(笑)」と
わかったのです(笑)
まぁ、お店によっては微笑ましいですけどね。
本気で草スペシャルならそれはそれで(笑)


続く。。。はず。

2016年2月7日日曜日

「現代」水草レイアウトの限界

私が身を置く水草の世界と対極にあるのがレイアウトの
世界ですが、一時はレイアウトもやらねば。。。と思った
瞬間もあった(思っただけ笑)水草好きの人間が、ある程度
知識のある第三者的視点で今のレイアウトについて
感じるところを挙げてみようかと思います。

私が水草を見るようになった時、山田氏の「アクアート」が
お手本で、水草の配置やレイアウトの考え方を真似たものです。
端折りますが、そうこうしているとFM誌に筒井氏の
オランダレポートが掲載され、あちらのレベルの高さが
紹介されました。そしてニューウェンホイゼン氏の
「Das Wunder im Wohnzimmer」(リビングルームの不思議な世界)の
写真が掲載され、衝撃を受けたものです。
※この邦題は筒井氏がつけたもので、実に良いと思います。

その後、吉野氏の「水草の楽しみ方」に繋がり、
アクアエントゥで、自分の中ではダッチ全盛で、「アクアート」に
魅かれた自分としては「ダッチ」に興味を持つのはごく自然な
流れでした。

そのころからADAの広告も目に付くようになっていましたが
今も変わりませんが、私は水草ぎゅうぎゅうが好きなので、
レイアウト的には興味を引くものではありませんでした。
なので、個人的にネイチャーアクアリウムに目が行ったのは
かなり後でした。

と、まぁこんな流れで醸成されたレイアウトの価値観な上に
途中からはレイアウトは二の次、石や木は水草を植えるのに
邪魔でしかなくなった私が思うところですので、レイアウターの
方は気にしないでください(笑)
言い訳終わり。さて、本題。

結論から行きましょう。「現代」水草レイアウト水槽はもうすでに

         「フル ポテンシャル」

だと感じるんですね。つまり伸びしろが無い。

なぜかと言うと、基本的に主役が素材であって水草では
なくなっている部分があります。
もちろん、素材を使ったレイアウトの場合、その配置が
骨格になることはわかります。なので非常に重要な部分で
あり、レイアウトの良し悪しがそこで90%以上決まって
しまうであろうことは理解しているのですが、結果的に
水草の分量があるかないかわからない程度しかない
ことが多いように思います。

例えばヘアーグラス単色の石組だと、水槽の容積に対して
水草の分量が少なくても当たり前です。そうではなく、
もう圧倒的な存在感の素材群に、オマケ程度の水草。
もちろん、そのわずかな水草が在るか無いかによって
全体の印象が大きく左右されることも緻密に計算してあると
いうのも、そこに一塊のウィローモスを置くことによって
レイアウトの出来が雲泥の差になることがあることも
よくよく理解してます。
最終形をイメージして、それに合った素材を集めて
造作することは並大抵の労力ではないというのも
わかります。イメージを脳内で画像にすることと、更に
それを形にすることの難しさも、デザインのプロたちが
安易な方向へ走ってしまうことからも想像を絶する苦悩だと
思います。

ただ、そこはそこなんですね。
水草好きからすると素材の造作は凄いんだけど、肝心の
水草は成長の読めるもの、育成が容易なもの、いつでも
入手できるもの、すなわち既存の種類を既存の用法で
使っていることが殆どなんです。要するに、その場所には
その色・その形の水草があれば、種類は何でも構わないんですね。
なので、石や木の使い方や、それを形にする根気と技術は凄いと
思うですが、「水草に驚くことが皆無」なんです。
やってるはずのものは「水草」レイアウトなんです。
私が想像する水草レイアウトと言うのは水草が主役なんです。
今は水草が素材の極一部で、石や木がメインになっていて
立場が完全に逆転しているように感じます。
今のレイアウターの方々はどちらに力を入れているのでしょう??

そして、近年よく使われる手法?が決定打になりました。
何かと言うと、水草を植えて根付くまでなのか、茂るまでなのか
わかりませんが、

「水を張らずに蓋をして水上葉で育てる」

と言う方法です。
これが普通に行われるようになったと分かった時点で、
水草レイアウトの限界を見たような気になりました。
なぜかと言うと、1つはこちら側の水草界では、水上育成は
「逃げ道」であり「保険」なんです。水中での維持・育成が
手ごわい種類において、水上葉でキープすることが、
とりあえずのロスト回避の手段であり、水質や肥料、苔などの
諸問題から逃げる、いわば「水中育成からの敗走」なんです。

恐らくいろんな意味で効率が良いのだと思います。
しかし水草しかやらない人たちは、今のこちらの世界を
「あんなもん、水草じゃなく観葉(園芸)じゃん。」と言うでしょう。
そういう声もクリプトコリネの水上育成の時代から実際に
聞いてきました。
しかし、水草を水の中で育てずに、初期の大変な期間に
水上育成を行っているということは、知らず知らずのうちに
こちらの世界に一歩近づいているのです。

そうしないと成立しないということは、そこが
「現代」水草レイアウトの限界
と言うことになるのではないかと私は感じてしまうわけなんです。

決して批判しているわけではなく、コンテストと言う限られた
時間の中でミスが許されない状況ではノーミス・ノンストップで
完成させないといけないのは理解しています。そしてそこへの
効率的・合理的な手法として高湿度育成の導入がなされたで
あろうことも想像できます。もちろん「お前が言うな!」と言うのは
承知しております(笑)なので、その辺はどうか寛容に。。。
外野から見て、こういう風に感じるのも、また1つの
側面だと言うことなんです。
「水草」レイアウト水槽において「水草」の存在が素材を生かす
ものでは本末転倒ではないかと思うんですね。それは
「水草」レイアウト水槽ではなく、単なるレイアウト水槽なんです。
水草を引き立たせるために石や木があるべきだと思うのは
今はもう少数派なのかもしれませんね。