2010年12月12日日曜日

Ech.uruguayensisとEch.horemanii

ついにAZさんによって南米にてワイルドのホレマニーグリーンや
ウルグアイエンシスが新たに発見されました。

これは非常に素晴らしいことで、かつてのAppo工房便の場合は
ワイルドで入荷してましたが、現地の状況などの情報は殆ど
伝わってこず、フィッシュマガジン誌の「水草最前線」と言うコーナーに
川島淳平(PN)氏が写真や記事を掲載していた程度で、それも入荷する
すべての物ではありませんでしたし、詳細な産地は概ね伏せられて
いることが多かったものであります。
もちろん功績を否定するものではありませんが、はっきり申し上げると
グレーゾーンが多かったのも事実です。

しかし今回のAZ便は入荷する草そのものの現地画像及び産地名が
明確に認識できるようになっており、その点に関しては非常に
喜ばしいことであります。

そこでしばしば話題に挙がるホレマニーとウルグアイエンシスの
関係に少し触れてみたいと思います。

かつては、ホレマニーとウルグアイエンシスは別種とされており、
ファームから入荷するのはウルグアイエンシスのみで、ホレマニーは
入荷が殆どありませんでした。
ホレマニーとして入荷してもウルグアイエンシスであったりしたのですが、
その中でも通常のウルグアイエンシスとは異なるタイプの物が
ホレマニーではないかと言われたりしていたようです。

その名残が、現在時折流通する「クラシックブロード」と呼ばれるタイプの
ウルグアイエンシスであります。
ごく稀に、本物のホレマニーグリーンの入荷もあったようで、私の手元に
あるもので、はっきりとその当時のものとして残っているのは、以前、
筒井氏に譲っていただいた、当店で「座標軸」と呼んでいるものです。
これはブロードリーフタイプでありました。

ところがなぜか不思議なことに、一般的には先にホレマニーレッドの
ナローリーフが流通することとなります。町の熱帯魚店でも購入できたので、
恐らくオリエンタルアクアリウムからのリリースであったと考えられます。
その後、90年代にはファームからナローリーフタイプのホレマニーグリーンが
多数入荷するようになり、2000年代にはワイルドとされるもののナローリーフが
入荷、続いてブロードリーフの入荷となりました。

この間、ダークグリーンやオレンジホレマニー、スーパーレッドなども入荷し、
さらにはウルグアイエンシスも入荷することとなりました。
ここで更に1点不思議なことに、入荷するホレマニーグリーンはすべて
ナローからブロードに変わったのです。

ホレマニー各タイプの詳細は別の機会に譲ることとして、ここでカッセルマン女史が
登場することとなります。
彼女は水草に関する著書や専門誌への寄稿を通して、エキノドルスについての
知識を我々に与えてくれました。
そこで初めてE.horemaniiはシノニムに落とされ、E.uruguayensis var.minorと学名が
変更されたものであります。
しかしながら、前述のAppo工房よりもたらされた、E.uruguayensis var.minorは
ホレマニーグリーンではなく、また、ウルグアイエンシスでもなく、まったく異なる
第3の長葉エキノドルスでありました。本種は葉幅はブロードタイプ、色彩は
黄緑色のウルグアイエンシス、サイズは両種よりも大型と、非常に興味深い
種類でありました。

詳細を省き、駆け足で見てまいりましたが、結論を申し上げますと、

「ホレマニー」は「ホレマニー」であって、決して「ウルグアイエンシス」ではないのです。

どのような環境で育成しても両種は同じにはならないのです。
そしてAppo工房便ミノールが存在する限り、学術的には同種・変種扱いであっても、
趣味界において、3種を同じで整理してはいけないものだと断言するものであります。

これは観念論的思想となるかと思いますが、この草に関してはそうであるべき
だと考えます。

反面、形状・色彩に関しては無段階に中間個体があるように、私自身が感じて
いるのも事実であります。
エキノドルスに関しましては、様々な意味である程度見限っておりました。
しかしながら、南米から真正・新着採集株が入荷するにあたり、再度様々な角度で
掘り下げたいと考える物であります。

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