2009年2月11日水曜日

統一の難しい有茎草の名称

最近は南米便での有茎草の入荷が無いので、新しいスターになるような
有茎が出にくくなっております。
そうなると過去の入荷のもので、隠れたスターの存在がピックアップされます。

最近の例ですと、「ベトナムゴマノハグサ科」が目立っております。
本種はゴマノハグサ科というところまではわかるのですが、それ以上のことが
まだわかっておらず、いわば仮称が通称名になってしまったというところです。
シソクサに似ており、色彩は概ね緑、輪生して這うように育つ、と言うのが
特徴ですが、ここから名前を導き出すのも難しいと言うのもありますし、
仮称のインパクトが強く間違いようが無いと言うのもあり、本種の名称は
統一されております。

しかしながら、かつての珍しい系の水草が現在トニナのように普及してくると
始めに付いた名前が、伝言ゲームのように誤って伝わったり、色々な目的で
当初は無かった形容が付与されたり、単にうろ覚えで呼んでしまったりと
弊害が出てきます。

もちろん多少名前が異なるからと言っても実害はありませんが、異なる名称で
同種が販売されることがありますので、注意が必要です。
また、私があまり名前を変えない方が良いと考えておりますので、
当店で優先する名称と共に、変化をしている名称を上げておきます。


緑:当店での優先名
赤:伝播先で変化してしまった名称
青:同時期に付けられた名称

・ネグロジャイアントトニナ = トニナsp.ウェーブリーフ(ネグロ)
・トニナsp.マナウス  トニナsp.スレンダーリーフ ニュートニナ
・トニナsp.ラーゴグランデ  トニナsp.ナローリーフ(マナウスの可能性もあり)
(またはトニナsp.リオネグロナロー)
・ナローリーフロトンジフォリア = ロトンジフォリア“ベトナム”

・アラグアイアレッドロタラ  アラグアイアドワーフロタラまたはドワーフバコパ
・アラグアイアナローリーフハイグロ = ハイグロフィラsp.アラグアイア
・ゴイアスドワーフロタラ  ゴイアスドワーフロタラ“レッド”
・ロタラsp.ヴェルティキラリス  ロタラsp.ヴァルデキラリス
・レッドステムワリッキー = ロタラsp.ベトナムレッド ロングリーフ

・ピーファウルハイグロ = ビハールハイグロ
・パンタナールヘミグラフィスsp.  ヘミグラフィスsp.パープル
・ヘディオティスsp.ベトナム ダ・ナン = ケニオイグサsp.オレンジ
(または、ヘディオティスsp.サラワク)
・ロタラ メキシカーナ  ロタラ メキシカーナ“プレミアムレッド”

 
上記のものは同種異名で売られていると言うことになります。
そして、まだ多数の水草が異なった名称で流通しております。
導入の際に似てると感じる場合は販売店への確認後が安心と思われます。

しかしながら上記の例でのヘディオティスなどは、オレンジだけでは
ベトナムかサラワクか判別は不可能でありますので、確認作業も
必然的に不可能であります。
もちろん、その形状・色彩のものであれば産地や名称には拘らないという
スタンスを否定するものではございませんので、皆さんの価値観の上で
ご判断下さい。


(注)
ロタラsp.ヴェルティキラリスに関しましては、検証結果について
後日、誌面にてアナウンスがある予定です。

レッドステムワリッキーに関しましては、学術的wallichiiではなく、
商品名としてつけた名称であります。

0 件のコメント:

コメントを投稿