2015年10月22日木曜日

重箱の隅

私もこの業界に身を置いてそこそこの時間が
流れました。
基本的には水草の人なので、水草にはこだわってきた
つもりです。そしてそこそこの年齢になっているので
凝り固まった考えになりつつあります。
もちろん色々なご意見はあると思いますが、それは
今回はちょっと横へ置いておきます。

私がお店を始めてほどなく、ご縁がありまして
無知な私がホームページを持つこととなりました。
当時は家から持ってきたWindows'95、回線は
ダイヤルアップ接続です。PCのハードディスクは
1.5Gほど、撮影するデジカメは25万画素。
そういう時代から時間があればネットを
見るようになりました。

それから15年ほど。その間ネット環境は大きく
様変わりし、説明の必要はないでしょうけど
今のこの状況です。
そして入荷する水草も増え、様々な不明種も
もたらされました。今は水草のみならず多くの
植物がやってきます。

ネットで容易にあちこち飛び回れるようになると
入ってくる情報量も増大します。入荷に伴い
水草の種類もどんどん増えます。情報収集は
不可欠となるので、ネットだけではなく、売れる
当てもない月刊誌を毎月購入しては水草関連だけは
目を通していました。
お店と言う立場を利用して水草関連の洋書も
買い漁りました(笑)

しかしながらネットや雑誌を見ていると、どうしても
気になって仕方がない、何かの拍子に思い出して
もやもやする、と言うことがいくつか見られるように
なりました。
そこで、これからシリーズでお伝えしていこうと
思います。

今回は主に水草の名称について。その辺は結構
こだわりがあるんです。
ただし、私個人の主観であることをお忘れなく。
もちろん、出来る限り事実に基づいての情報を
書くようにしています。


「オーストラリアンドワーフヒドロコティレ」
水草をある程度やってきた人ならば、この水草を
見た瞬間、

「あぁ、ノチドメね。」
「マリチマでしょ?」
「シブソルピオイデスかな?」

となるわけです。ここまでは至って普通。
これが出ないようだと水草好きではない(笑)
あの草姿でデンジソウとは思わないのですが
どういう訳かオーストラリアンクローバー、
略してオークロと呼ばれるようになっています。
これ、私はダメなんですよね。。。

反してパンタナールハイグロ ピンクや
パンタナールヘミグラフィスsp.ですが、この辺は
最初から属どころか科もわからず、便宜上付けた
名前であったり、商品名として付いたということ
ありきなので違和感はありません。


「エキノドルス sp. 'サターン'」
この「サターン」ですが、もちろん種小名ではなく
通称名(商品名・品種名とも言えるでしょうか)です。
で、もちろんこのサターンは「Saturn」で「土星」を
意味する言葉で、「Satan」=「悪魔」ではないのです。
これは名付けた本人の談ですので間違いありません。
しかし、いつまでたってもSatanとの表記に
出くわします。個人的にはここを間違えている時点で
エキノドルス好き??。。。と思うわけです。

ちなみに名付けた方のコメントで、「Saturn」には
別の意味もあるので興味のある方は調べてみて下さい、
と言っていました。
後にエキノドルス 'ケリュケイオン'と言うものが
出てくるので、「Saturn」が神話からの引用で、ローマ神話の
農耕神であるサートゥルヌスを意味していると想像できますね。
悪魔ではなく、むしろ神、的な(笑)
もしかしたらアニメや漫画、ゲームからの引用かも
しれないですが。。。(笑)


「ロタラ メキシカーナ」
入荷名はロタラ メキシカーナであって、
オリエンタルのカタログに「プレミアム レッド」とか
付いてないです。なので、後付けでこういうことを
すると、別物のように解釈できていますので、
やめた方が良い。
残念ながら育成難なのか立ち上げ難なのかで
流通は殆ど見られません。ただ育つところでは
育っていたようなので、そこまで育成難種では
ないように思うのですが。。。
確か入荷が水中葉で、着状態が良くなく
立ち上がらなかったものが多かったように
記憶していますが。。。
しかしファームはなぜ水上葉で生産しないのか
よくわからない。。。
細い葉と赤い色は人気が出ると思うのですが
なぜでしょうね。


「ゴイアス ドワーフロタラ」
そう呼び始めたのは志藤氏と私なので、当時その二人は
ゴイアス ドワーフロタラ 「レッド」とは呼んでなかったと
思います。少なくとも最初にリリースした私はそうは
呼んでません。
ブラジルはゴイアスから持ち帰られた小さな水上葉を
最初に水中葉に展開させた一人は私ですが、
第一印象は「ピンク」だったので、色を名前に入れるとしたら
ドワーフロタラ ゴイアスピンクになってたかも。
Newラージパール同様、這う性質に感動したものです。
もちろん、あのサイズ、色、形状にも。
ちなみに最初は1本3000円、3本7500円だったかな。
そのくらいの価値がある有茎草なんです。
まぁ新着南米有茎草の下限が3000円/1本と言った
ところだったので、そう考えると安い部類です。

最近見かけたのは新作?「ゴライアスドワーフロタラレッド」。
ドワーフって言ってるのにゴライアス。。。
小さいのか大きいのかどっちなんだ???(笑)
そもそも地名ですらなくなってるのですが。。。

続く。。。

2015年9月6日日曜日

ブログ移行しました!

以前はアメーバブログにて不定期投稿を行っていました私のブログである
「水草プロパガンダ」を、こちらに移行しました。
古い記事の移行がすべて終わりましたので、昔の出来事を思い出しながら
あの「熱い時代」を振り返って頂ければ幸いです。

この記事の下に移行した記事があります。よろしければご覧ください。
ちょっと言いたいことはサルベージがてらツイッターで共有してますので
そちらからもご覧いただけます。







 
 
 

 
移行完了!
↓↓↓↓

2014年12月30日火曜日

恒例!今年印象に残った水草+植物 2014

いよいよ2014年も暮れようとしております。
とにかく年々水草の入荷が見られなくなり、
この企画も「印象に残った水草」を振り返ると言う
趣旨自体が揺らいでしまうので、今年は止めようかと
考えておりました。
しかしながら、一人の若者が「やってください」と
言うので、おじさんはやることにしました(笑)
ただ、水草が皆無に等しいのでどうにもこうにも
ネタ不足過ぎるのをどうするか。。。
逆に、いかに狭義の水草業界が矮小化しているかを
知ってもらうには良い機会かな、と。
現在のこの状況が、今までの積み重ねの結果であると。

そして。。。水草界はいつまで経っても変わらず
残念でしかない。


水草各種

クリプトコリネ
コメント:
引き続きTB便にて時折入荷する程度と
なってます。べトンのアウリが入荷したのは嬉しかったですね。
1:楽園のキリアータ(LA便)
キリアータ自体は、もちろん珍しいと言うことは
無いのですが、あの画像とネーミングで。

アヌビアス
コメント:
アフリカ便の入荷歴がある問屋さんも
頑張ってるのですが。。。一筋縄ではいかないですね。
該当種なし

エキノドルス
コメント:もうなーんも来ません。
該当種なし

有茎草
コメント:
状況さほど変わらず。ずっと
デフレスパイラル。
該当種なし

参考:ペントルム(ペンソルム) セドイデス(神畑便トロピカ)
タコノアシ、そして一緒にイボクサもわざわざデンマークで作られて
入荷してます(笑)デナリーさんがミズユキノシタの紅葉に感激したのと
同じ感じですかね(笑)あれは銅色だからYenPennyだったのかな。
でも毎年新しい物を必ず出してくるトロピカ社や色々トライしている
アヌビアス社は評価できますよね。

ホシクサ
コメント:
特定のルートで入荷があるようですが
このジャンルは勝手に他店さんにお任せしてます。
ただし、昔の名前とは被らないように配慮して
ほしいですね。新しい人には初めてみる名前でも
古い人には勘違いさせてしまいます。
該当種なし

参考:ホシクサの1種 レユニオン(LA便)
アフリカからの入荷は今は殆ど無いので貴重。

シダ(水生種)
コメント:
やはり年に1つは出るもんですね!
1:ブレクナム オブツサータム var. フランシィ(KSB便)
これ以外に水草で印象に残ったものが無いと言っても過言では
無い種類。みなさん手こずっているようですが、生きている個体が
ちらほらいるので絶対水槽内であの姿に出来るはず。ただしオブオブを
沈めてもこれにはならないと思うんだけど。。。なるのかな?(笑)
水中化と水没に耐えるのとは別ですよ。

ブセファランドラ
コメント:
引き続き落ち着いた動き。海外の
ファームからも生産品が入荷するようになり、また1つ
日本から新たな水草のジャンルが発信され、水草としての
地位は確立されたようです。
しかしながら、新たに衝撃を受けるような入荷は無し。
該当種なし

参考:ブセファランドラ キシィ(旧カユラピス2)
日本におけるブセブームの副産物として、今まで学術的には
同じものだとされてきたブセが20数種に分類されるに
至りました。趣味家目線からすると当然なんですけどね(笑)
その中の1つTBさん(季子さん)がもたらしたカユラピス2に
季子さんの名前が学名に付きました。

その他
コメント:
昨年に引き続き、変態水草の入荷も無く
沈黙のままに終了。。。
該当種なし


水草以外の植物

アグラオネマ
コメント:
昨年末より更に発展。ピクタムのポテンシャルの底が
知れないと言うことがわかると言う驚異の状況。
これだけ出てもまだ違うものが出るので、これは最後まで見届けたい(笑)
順位無し(該当種無しではないです!)
すみません、多すぎて順位付けれません。。。良いのがたくさんあったのは
事実です。ただ殆どが手元で育成出来ておらず、成長していく様が
見れてないのが大きな理由でもあるんですよね。。。
今年入荷したもので、個人的に気になってるのは下記の株の最終形かな。。。

・ブラックマルチ(AZ便)
・イースター(AZ便)←これは入荷時に大きめだったのであれから先があるなら。
・白戦車(AZ便)←1st.の枠を超えるのかどうか。
・ホワイトアルバム(LA便)
・しるば~らいん全部(LA便)←これは誰しも気になるところでしょう(笑)

・参考:神畑便ピクタム
想定内ではありましたが、意外に大健闘!!
うるせー小売店と思われているはずですが、初便・2便目を買った者
として、リリース時の状態や画像等に意見しまくりました。
ただ、見事にそれ以上の物にして頂きましたので素晴らしいです。
と言う訳で、みなさんG3買った人はツイッターで
ハッシュタグ付けて画像お願いします!!

正直なところ、エウレカ・ニルバーシュ・サイレント・オリジナル法皇緑の
連合軍を超えるインパクトを求めてます。これらが基準になっちゃってます
からね。。。クシャトリアやキャッスルは見てみたいですね。この辺は
抜けてる感じがします。あと良くなりそうだけど、ポテンシャルを引き出せた
姿を見れてないものがたくさんあります。期待できそうなの結構あるんだけど。
しるば~らいんやスティーリアなんかは1年以上は切らずにじっくり育てた
方が良いと感じました。結果が出るのが凄く遅いです。LAさんやMSRさんの
様に先が見通せる眼を持っていれば別ですが、私なら2年は見たい(笑)

サトイモ科の仲間
コメント:
今年も色々来ました。ちょっと思い出すのが大変ですが。。。
1:ホマロメナsp."狐尾"(LA便)
鮫肌、蛇腹に続き、進化?!を続けるホマロメナ。年に1つは変なのが出る
と言う、良い傾向にあります。しかしインパクトあったなぁ(笑)
2:サトイモ科の1種 Kutai barat Kab. Kutai-barat S.Mahakam(TB便)
最後に来たウェービーなやつですね。縁の細かい波打ち具合、良いサイズ、
葉数の多さ、まさに容姿端麗。
3:キルトスペルマ ジョンストニィ(神畑便)
存在はとっくに知っていて、ちゃんと探せば買えただろうに
いつか手に入るはずと受け身だった草。同じスタンスの人が
数人いたとは(笑)大して欲しくなかったのかと聞かれると
凄く欲しかったのですよ(笑)

シダの仲間
コメント:
LAさん、KSBさんが居る限りまだまだ
色んな種類が入荷するでしょう!
1:ウチワタキミ・ホソハタキミ(LA便)
細かったり広かったり(笑)
2:レユニオン島のシダ類(LA便)
あの最中、まさかの渡航(笑)次は無いです。こういうトライが
あって初めて我々は待ってるだけで色んなものが見れるのです。
基本的に採りに行くにしても、モチベーションは草とはいえ、
仕事の側面があるのは当然なので、応援は目に見える形で
すべきです。
3:フペルジアの仲間
ようやく良い物を買い易い価格で入手・販売することが出来ました。
熱帯雨林化にも拍車がかかるってもんです(笑)

その他
コメント:
サトイモ科やシダ類が充実していたので
色々来てたと思いますし、皆さんの印象には残っているとは
思うのですが、なかなか。。。
該当種なし

参考:ジャスティキアsp.魚の骨(LA便)
まぁ私が勝手に魚の骨とか言ったように思いますが、意外や意外、
うちであの手があの数出るとは思いませんでした。綺麗だし
テラでも使えそうな形状なので良いと思います。
参考:ベゴニアsp.Bengkulu(LA便)
葉裏や茎が赤く、葉の表面は緑、でも毛が赤い(笑)
ベゴニアは自生地画像を見るようになって、テラ向きだと確信し、
3年前くらいに「採ってきて~」と言ってたのですが結局入荷せず。
やはり面白い物がたくさんあるようですね。


まとめ?!
今年もたくさんの入荷があったものの、水草は無いに等しい。
忘れてる・見落としてる物があるような無いような。。。(笑)
あったら教えてください。差し込みます(笑)

私はやらない・出来ないなので極力表だってレイアウトの話は
しないようにしてますが、今は殆ど石と木で出来てますし、削ったり
くっつけたりと水槽内造形ですから水草の存在価値は「素材の下」。
結局このブログでも再三述べてますが、水草水槽が流行ったり文化に
なったりはしないんですよ。
映画、本、TV番組内の映り込み。波風立たないです。

で、石原さとみと松下奈緒のドラマで部屋に水槽があるんですが
違和感しかない(笑)あの二人が水換えコケ取りトリミングしてる
姿が想像できませんよね(笑)家でやってたらゴメンナサイ。
それなら是非一度ご来店ください!!ピクタム良いですよ(笑)

冗談はさておき、数年前に自分で舵を切った水草ではない植物への
アプローチ。間違っては無かったと思う反面。。。まぁ私1人が
どうすることもできないので、今できることをやるだけです。
もう少しここに居たいので。

コメントはお気軽に!(笑)

2014年12月27日土曜日

没個性

以前、このような記事や、別にこのような記事をこのブログに書きました。
ちょうどあれから約1年過ぎようとしていますが、
状況はどのように変化したでしょうか。

自身の店に引きこもっている私ですが、なんとか
外の情報は収集しています。
そこから判断できるのは、やはり業界自体が矮小化しているに
他ならないと言うことです。

相変わらず業界では明るい話は聞こえてきません。
有名大型店の閉店も続いています。そして中・大型店や
チェーン店と言えど、苦戦しているように見受けられます。
もちろん小売店のみならず、その上の段階でも苦戦が
続いています。
一見、好調なように見えても、それはユーザー目線から見た
限られた一側面でしかありません。
取り巻く環境は厳しく、皆さんが驚くようなことがあっても
不思議ではないのです。

また、全国的に見て勢いがありそうなところは小売以外の
後ろ盾がある事が多く、それは一般ユーザーからは
見えないものです。

そうなると以前の記事にも書いた通り、数字が出せる
安易な方向へ傾かざるを得ない、と言うことになります。
以前の記事では、容易に手を出しやすい小型水槽と言うものへ
業界全体が一斉に動いたことを指摘しました。
その動き自体は主にメーカーの影響が大きくみられた
ように思います。

さて、今回は草を中心に小売店を見てみたいと思います。

一般的には以前の記事内にも書きましたが、小型水槽ブームの
最大の弊害として、没個性があります。
内容が重複しますが、小型水槽は当然ながら小さな魚を
少数しか飼育することが出来ません。
また、ビギナー向けであることが多い小型水槽で飼育できる
丈夫な(これも可哀想な表現ですね。良くない環境でも
頑張って生き残ることが出来る、と言った方が良いかもしれません)
小型魚と言うのは種類が限られてきます。

と言うことは小型水槽が幅を利かせているこの状況下で
限られた販売スペースに入れる魚種の優先順位は自ずと
決められてしまいます。
そうです、どこに行ってもいる魚が同じになってしまうのです。
この趣味の楽しみであるショップ巡り(もはや死語に近い?)を
したとしても、見る景色に違いが無くなるのです。
そうなるとユーザーの楽しみがまた一つ削がれてしまい、
ショップの矮小化が進むとともに、それが問屋にも波及
してしまいます、それがまたショップの選択肢を狭め、その結果
ますますショップの個性が薄れ、結局ユーザーがショップから、
この趣味から離れて行ってしまうのです。

個性の出し方はそれぞれで良いと思いますし、それは
今日始めて明日明後日に認知され歓迎されるものでは
ありません。そういうお店こそユーザーにその真贋を
じっくりと見極めらるべきものであるでしょうから。
残念ながら個性を認められるには不遇の時期が長いと
思いますし、またその時期を耐えられるだけの様々な力が
なくてはなりません。


一般的には年々個性を持って出来るショップが減少しているのは
明らかですが、そこで草業界を見てみましょう。

この狭い草業界にも稀にブームのようなものが起きます。
古くはダッチアクアリウム、そしてヨーロッパファームの
改良エキノ。南米便全盛時のトニナ・有茎草、そこから
派生したホシクサブーム。同時にやってきた深緑エキノや
採集ものが増え始めたクリプトコリネ。
このあたりはかなり大きな動きでした。
今思えばこの時に下地が出来上がりつつあったのかもしれません。

そして更に(狭い)世間を大きく動かしたのが、何と言っても
「ブセファランドラ」の存在です。
世の中の景気後退と共にその存在感を増していったこの
ブセファランドラは、今までそう言った類の草を
扱ってこなかったショップをも動かします。

こちらとしてはクリプトコリネがメインの時代に
その性質から気の休まらない日々が続くので、その
気分転換にと、私が始めた周辺のサトイモ科の模索の中、
良いタイミングで登場してくれた草と言った感じでした。
そこに可能性を見た私はTBさんに無理を言って色々
お願いしました。そうしているうちにブセファランドラの
認知度も徐々に向上してきました。
ただ、私がお付き合いさせて頂いている採集者の方々は
卸先を限りなく絞り込んでいます。

狭い世界での情報発信と入荷です。需給自体はその
限られた範囲内でバランスは取れていましたが、
ブセのポテンシャルの高さから思わぬ人気となりました。

少しだけでも水草を知っているショップからすると
この業界低迷の物が売れないご時世、日々努力して
販売している1束250円の水草よりこの3000円もする
アヌビアス ナナの出来損ないみたいなのが飛ぶように
売れているのは異様な光景です。日に日に存在感を
増すこの草を売らない手は無い。

もちろんその流れはユーザーにも波及していて、
ヤフオクでは日に日にブセの出品が増え、価格も
高騰したようです。

長くなってきたので端折りますが、概ねこう言った流れを
経て、あちこちでブセファランドラを見るようになりました。
別にそれが悪いと言っているわけではありません。
ブセファランドラが1ジャンルとしてある程度の地位を
築けたのは一般化と言う方向性があったからです。
そしてブセファランドラを通じてこういう世界があることを
垣間見た人たちの中から、ほんの一握りのマニアが
生まれることを私は待っていますので。
また、そういう流れを経て水草の楽しみを発見できる
ショップが全国に少しだけ出来れば良いとも思ってます。

ブセの「ブーム」は去りましたが、1ジャンルとして残り、
価格面では私の想像通りで、世間で言われていた
価格破壊と程遠い物であるにせよ、海外ファームでの
組織培養なりの生産まで行われるようになったのです。

さて、翻って現在。
主役は引き続きサトイモ科。私個人は出来るだけ
多岐に渡るよう努力はしてますが、メインはどうしても
アグラオネマ ピクタムになっています。
ブセファランドラの価格帯で映画マルコムXの
1シーンにあったマルコムが手を翳したように
なるのですから、同じ現象が1つ上の世界で起こると。。。
そうです、結果としてブセに変わって売れるもの、しかも
世界が違う。当然起こるべくして起こりました。

引き続き業界で売れるものは無い、景気も良くならない、
業界は冷え込む一方。
そこにスターが現れると野中の一本杉が如く、注目が集まり、
誰もがそこにすがろうとするのです。もちろんそうなるのは
わからなくはないですし、発信源であるこちら側の多くが
そうなってしまいがちなのですから一定の理解はしています。

ただ、こだわりも何もなく、人気商材の1つとして
そのようなものに興味も思い入れもなく、どこかと
戦うかのようにかき集め騒ぎ立てる姿には、個性など感じず、
そこから感じ取れるものは、本来あるべきものとは
全く異質の熱量でしかないのです。

2014年2月8日土曜日

新着水草裏道の駆け抜け方

久々に良記事に出会ったのでオマージュを。
誌面ではないので、一般的な認識から外れます。

※確かAL2014年2月号だったと思います。


新しい水草の魅力
最近はなかなか入荷がないのが残念ではあるが
入荷状況を緻密に見つけていくことで、何かしらの
出会いはあるはず。
偶然または必然、努力の賜物で引き当てた
新着水草を自分の水槽で育て上げる喜びは
育成派側の人間には格別であると思う。

もちろん育成条件不明の難種を克服した時の
達成感・充実感は何物にも代えがたいが
結果的に育成が容易であっても、スター水草に
なったものをいち早く、正体不明時に自分が
手がけていたという自己満足もなかなかの
ものではないだろうか。


各便の特徴
近年において新着が来るコマーシャルルートは、
普通の人にはわかりづらいインドネシア特殊便や
明確に新しいルートであるイタリアAnubias社、
私のわがままで始まったフロリダ便(北米便)、
スリランカファーム便など、高城氏が挙げている
ようなところだろう。

ただしヨーロッパは金融危機以降、総崩れに近い状態で
新たなファームを掘り起こさないと難しいだろう。
その1つがAnubias社なのだが、かつてのGULA社の
ような奥行きが垣間見えるかどうか。良いところは
ついているとは思うのだが。
インドネシア特殊便は所在地を生かしたクリプトコリネや
交配種のエキノドルス等があった。Anubias社は
ハイドロパイパーに目が行くが、多くの「逆輸入」ものが
見られた。復活したインド便ではロタラなどの有茎種や
ホシクサ、クリプトコリネやラゲナンドラがメイン。

ただ、年末にも私が2013年は近年稀に見る水草不作の年と
書いたし、高城氏をして「地味な年になってしまった感は
どうしても否めない」と言わしめたのは残念な話。
細かな種類は高城氏の記事・年表に譲る。


新着水草を見つけよう
新着水草はまず、水草に注力しているショップ、または
担当者がいるショップでないと入荷することが殆ど無い。
当然狭き門であるし、入荷数が少ないことが多い。
もちろんコマーシャルルートのものや、あからさまに
生産品である場合は次回の入荷も望める蓋然性は高い。
しかしながら単発、もしくは1年~数年に1回の入荷となる
場合が多い。

そういったものを入手するためには常日頃、アンテナを
張り巡らせる、ラインを確保しておくことが重要。
インターネットが普及して情報の価値が下がったように
見えるし、情報を軽んじている人が多いのだが
「情報」こそが宝なのである。決して安くは無い。
入荷した場合は、「様子見」と言うくだらないことは
避ける。育つかどうかなど大した問題ではない。
状態は良いに越したことはないが、そもそも不明種の
場合は何がどうなのかわからないのだから、目を閉じて
入手する。価格など気にしない。どこまで自己満足を
追求できるかの1点しかないのだから。

仮に3本日本に上陸を確認したものを1本買ったとしよう。
2本の存在を確認しつつ育てていると、1本が溶けたという。
数日後、もう1本が枯れたという。日本でその水草は
自分の水槽に1本しかない。屈折した珍草好きには
たまらない瞬間である。

育つかどうか確認され、ショップや趣味家が増殖して
すっかり人工環境下に馴染んで、安全を担保された
ものは新着とは「呼ばない」。そう、わけのわからない
ものほど良いのだ。さすが高城氏である。

もちろん育てたり増やしたり、そもそも維持すら難しいといった
水草だけを新着と呼ぶのではなく、近年ではその代表と
なった「Newラージパール」のようにレイアウトに
使えるような水草を発掘するのも新着水草を
掻き回す理由にもなる。ただし、当たり前なのだが
来るものすべてがそんな水草ではない。それっぽいものの
中から極々稀にスターが生まれるのだ。
レイアウターでもそういう種類を探す努力を惜しまない人は
昔は多かったように思う。

誰かが見つけて育成法や使い方を確立されたものを
1年後に使うのか、入荷して正体不明の時に「これって。。。」と
話しながらスターに駆け上がるのをそばで見るのか。
真正水草好きならどちらを選ぶのかは言わずもがなだろう。

そして、スターになったとき、自分の水槽から抜いて
「あぁ、楽しかった!」と、捨てるのだ。

2013年12月29日日曜日

恒例!今年印象に残った水草 2013

2013年もいろいろあったような気もしますが、
さて、何か驚いたことを挙げてみなさい、と
言われても何も浮かばないと言う寂しい状況です。

今年1年を通して、様々な状況を見たり聞いたりして
個人的(“Roots”的?)にも、この小さな業界的にも
考えさせられることの質が変わりました。
結論としては毎年のように年末にここで書くことと
変化はなく、と言うべきか悪化していると言うべきか。。。
何を削って何と向かい合ってるのだろうと。

ビギナー向けの楽しい熱帯魚が廃刊となり、
2大アクア誌(?)の一角、フィッシュマガジンが
廃刊となり(敢えて廃刊と言いますが)、アクアライフの
薄さに私もお客様も驚きを隠せず。。。
ALの新着には水草は無くて当たり前になりました。
専門店と言う言葉も既に意味を成さない状況です。
何の専門かわからないからです。

そして、近年稀に見る水草不作の年となりました。
まぁそんなことを言っても、私は出来ることなら
まだしばらく“Roots”を存続させたいわけですが。。。

今月PC(内部)を物理的に破損してしまい、
再確認出来ない入荷の画像が多数。。。
店頭でも、年末のあれはいつですか?と
稀におっしゃっていただいておりますので
やらねばなりません。
水草があるのかどうかわかりませんが
とりあえず行きましょう。

ちなみに毎年ここで挙げるのは基本的に
「当店に初めて入荷したもの」
となっております。他店にしか入荷しなかったものは
知らないです。


水草各種

クリプトコリネ
コメント:昨年からの微かな復調が持続している
印象はありますが、右肩上がりではなく、殆ど
横ばい。底は脱したとは思いたいのですが、取り巻く
状況は良いとは言えない。入荷も同種・同産地の
再入荷が殆ど。
1:キー Tongdon(TB便)
特にアナウンスは無かったのですが、産地は
初です。AZ便のカリマンタンから来たキーと
思われるものと言い、今回の本種と言い、
いつもの産地以外からキーが出ることは
かなり大きな出来事のはずなのですが、
これが話題にも上らないと言うこと自体が
残念な状況を反映している。


アヌビアス
コメント:昨年のゾオイアを最後にギニア・カメルーンの
アフリカ便は途絶えてしまいました。ファームものも
時折マーブルと呼ばれる斑入りのバルテリィ(var.nana?)が
入荷する程度でした。
該当種なし


エキノドルス
コメント:エキノはファームからやってくる改良品種しか
入荷が難しい状況ですので、AZ便が無い限りは
大幅なエントリーはなかなか。。。
1:オシリス‘Pinwheel’(神畑フロリダ便)
フロリダ便の新作エキノ。ここはオシリスばかり
作っているから色々出るのか、担当者が
オシリスが好きなのか(笑)
こだわりかたまたまかはわかりませんが
こういう傾向も嫌いじゃないです。


有茎草
コメント:近年稀に見る不作。
1:スタウロギネsp.サウスゴアなど(神畑インド便)
入荷インパクトとしては特にありませんが
まぁ有茎草が無さ過ぎて。。。
とにかく神畑インド便の復活を祝って。
しかしながら兎にも角にも少し高いと
売れない。新産地スターレンジ1本5000円、
不明種1本3000円がベースだった頃を
考慮すると採る方は当然誰もやらない。
有茎は売れないから利殖目的の需要も
無くなったということでしょう。


ホシクサ
コメント:基本的に入荷もないし、私個人的にも
モチベーションは上げてもらえない。入荷がないとか
そういう次元ではないです。
トニナやスターレンジの美しさは普遍(不変)ですが。
該当種なし
参考:ケヤリソウ Canacona Goa(神畑インド便)
草姿や産地からインターメディウムではなくセタケウムか?
という声がちらほら。大変美しい状態で入荷しました。


シダ(水生種)
コメント:元々入荷が多いものではありませんが
年に1つくらいは出るような感じでしょうか。
1:ミクロソリウム sp.Saripoi(LA便)
ワイルドトライデントと言った感じの水中育成可能な
ミクロソリウムと思われる種。トライデントより先ならば
ちょっとしたムーブメントになったかも?!


ブセファランドラ
コメント昨年も述べたように1ジャンルとして確立されたと
思います。それなりに一般的になりつつあります。
こう言う形に落ち着くなら悪くはないでしょう。
1:Semadang(TB便)
色や形もなかなか格好の良いブセでした。
2:Sosok(TB便)
水中葉で入荷したため、その時の状況も相まって
若干状態が良くなかったものの、育ててみたい
ブセでした。
3:Kapit/Panyumpa(TB便)
あまりやってこない小型タイプのブセが2産地も
来ました。これらも水中で楽しみたいものです。


その他
コメント毎年何かしら水草系でヘンタイ草が来るのですが
今年は記憶にありませんでした。。
該当種なし






水草以外の植物

アグラオネマ
コメント昨年新設して、どうなるかと思いきや、流れは
変わらず。
1:Campur 月光(AZ便)
昨年のサイレントに引き続き、入荷時のインパクトと
好み的にはこれでしょうか。綺麗なのと受けるインパクトは
別と言う好例。
2:アルゲンタムシリーズ(LA便)
周りに後れを取ること1年以上でしょうか。
ようやく当店にもやってきました。
採集する場所で、個体群で、こうも違うのが
トリカラーの面白いところ。


サトイモ科の仲間
コメント今やメインの入荷品となったサトイモ科の植物たち。
まだまだ変わった種類がどこかに潜んでいるようですね。
1:ホマロメナ sp. 蛇腹(LA便)
鮫肌に匹敵するインパクトのホマロメナでした。
2:アリダルム オリエンターレ (TB便)
個人的にお気に入りです。アリダルムも集めると
地味に楽しいです。
3:アリダルム sp. Ngabang(TB便)
やはりこういう細いやつもあるんですね(笑)このタイプのは
葉幅が無段階に存在しているようですが、すべて同一種
じゃないかなと思ってます。
4:スキスマトグロッティス sp. ガモアンドラ(TB便)
模様と言い質感と言い、いいじゃないですか(笑)
5:スキスマトグロッティス sp.Murung Raya(LA便)
細葉で形は面白いし葉裏からぽこぽこ子株が出るし
面白いんだけどなぁ。。。と。
6:スキスマトグロッティス sp.?? ボルネオレッドステム(神畑便)
おそらく初めて見た種類だと思うのですが
あまり売れて無いようで。。。


シダの仲間
コメントKSB便に引き続きLA便を得て、面白そうな
種類がさらに入手できるようになり、こっちのジャンルも
期待できます。この2便でテラリウムで遊ぶ幅が
何倍にも広がることに気づいてますか??
1:ミクロソリウム ペンタフィラム(KSB便)
大株は見たら忘れられないインパクトです!!
小さく育てても格好良い。もちろん巨大にするもよし!
2:アスプレニウム sp.Saripoi(LA便)
サイズも形状も申し分のないシダでした!
これは大当たりですよ。
3:ディプラジウム ポルフィロキラス Murung Raya(LA便)
青光りのシダは外せません(笑)
4:クロコダイルファーン Maricu Santa Fe(KSB便)
こういう誰も買わない一般種のワイルドが面白いんです。
どこまで拘れるかと言う部分が見えてきます。
インド便のワイルドウィステリア、ワイルドモンニエリなんかに
通ずるノリです(笑)
5:ドリナリア・アグラオモルファの類(KSB便)
何年も前からビカク推しだったのもあってこういう種類が
手ごろな価格で入手できるようになるのを
ずっと待ってました。


その他
コメント最近はこちらもちらほらと。ただ、理解されにくい
物が増えてきました(笑)
1:アルトロポディウム ネオカレドニカム(KSB便)
通称「蛇皮」?(笑)丈夫で育てやすい変わった草です。
サンプル入荷で入手はしてましたが超放置でも
枯れない。なので手をかけるとかなり良くなるはず。
テラに使いたい1種。
2:リクアラ マッタネンシス?(KSB/TB便)
ヤシも園芸ではコアなファンが存在しているようです。
綺麗だし熱帯の雰囲気が出て良いですよ。
1:モノフィレア sp.(LA便)
個人的リクエストで無理に持ち帰ってもらいました。
入荷状態からどうなるか不明だったので様子見中。


<ランキングを終えて>
今年は近年稀に見る水草不作の年でしたが、インド便が
辛うじて復活したことが救いでしょうか。
個人的にはLA便が加わって、“Roots”では
「AZ」「KSB」「LA」「TB」の4大ルートを本人から
直接引っ張れることになったので、植物的には
かなりの幅が出ることになりました。ですので
シダとサトイモ科には困らないですね(笑)

そこで個人的な宿題であった、店頭に放置された
ウォーターフォールの改造に着手することへの
モチベーションは上がりました(笑)
と言うわけでテラリウムでの植物の遊び方も
模索しながらご紹介できればと考えてます。2012年も
書きましたが、買って並べて終わりではないです。
もちろん増やして終わりじゃないです。そこから先が
遊べるところなんです。

ただ、水草がとても寂しいので採集者の
みなさんには1入荷1水草をなんとかお願いしたいと
思い、声をかけさせてもらってます(笑)
2014年は水草をたくさん紹介できると
良いのですが。。。

最後になりましたが
「2013年度版も越年してしまい、申し訳ございません!!」
コメントは何なりとどうぞ。

2013年11月26日火曜日

水草水槽は文化となり得るのか

若かりし頃、水草に夢を持ってこの業界に入ってきた
現・業界人、ショップ経営者のみなさんはタイトルにある
「水草水槽を文化に」と言うことを一度は考えたことが
あると思うがどうだろうか。

そう言えば、最近でもそう言った言葉をどこかで聞いたことが
あるような気がする。

まず個人的な答えから。


「No」


そう、なり得ないのである。
残念ながら。
もちろん、凝り固まった個人の考えなので
「いや、そんなことはない!」と言うご意見もあると思う。

そう考えられる理由を挙げてみる。

まず市場規模が拡大しない点にあり、
併せてそこには日本独特の理由もあると思われる。

・メーカーによる小型化戦略
  →簡単に始められるが簡単に処分できる
  →収容生体の減少→売上減
  →収容生体の種類の限定→多数の店舗存在意義減
・地震
 →破損・火災等のリスク
 →住宅事情(マンションが多い=水漏れトラブル)
・電力事情
・価格下落(=価格競争)の早さによる問屋・ショップの買い控え
  →当然消費者の買い控え
    →様々な機会損失
・消費者間の流通・利殖行為の簡易化
  →ショップ販売機会減
    →仕入れ・モチベーション減
      →特化型ショップの意識・モラルの低下・個性の消失
・日本の家屋内でどこか浮いた存在の水槽
・メンテ・リース
 →一般個人宅に不向き
 →所有者の思い入れ低
  →レンタル観葉植物と差が無いのにコスト高
・レイアウト
→国内状況はすでにレベル的にMaxに近い?
 メディアへの露出なし
 有名人の起用等なし→利益に直結しない
 =先行投資として大き過ぎる上に
  リターンが予測不能
・広告宣伝自体が完全に内向き
 →すでに興味がある・やっている人に対してのみ
   (=広がり無し)
   →目新しさ無し

以上のような観点から、誰の家にも水草水槽が
あって、水草水槽文化と言うものが日本に定着する
と言う事は考えられない。

文化にする必要が無いと言うのが個人的な
結論となっている。
もちろん、水草好きである私がそう言った活動なり
考えに反対している訳ではない。
水草の事を誰もが知っていると言うのは喜ばしいことだ。
しかしながら、今までの状況から考えるとどうしても
その道筋が想像すら出来ない。

映画に使われてもCMの一部に用いられても
市場には波風は立たない。
すなわち世間一般からはいつまで経っても
どこか違う世界の、距離のある存在なのだ、
水槽は。

現在は割と地味な世界でも良いと思っている。
趣味の世界は自分の中だけで広がっていれば良い。