2021年12月29日水曜日

恒例!今年印象に残った水草 2021

※ブラウザで見ると文字の

重なりが無いかもしれません。



気が付けばもう年末です。

1年間何をやってたのか

言われると大したことを

やっていない気がします。。。


水草の入荷は以前の新しいものなんか

殆ど来ないと言った状況からはファーム物が

やや持ち直しているものの目を見張るものは

年に1回あるかどうか。

採集物はもう望めないでしょうし、

私が身を置く変な水草界隈は矮小化が

止まりません。引き続き水草に注力してるのは

変わりありませんがさてどうなりますか。


※決まり事

当店に「入荷した」、当店から「リリースした」

水草に限ります。

イベント、個人輸入、直販のみ、他店入荷は

関係無いので対象外です。


クリプトコリネ

コメント:この状況下で採集物がほぼ入ってこなくなり

目新しいものや選別されたものは難しくなったまま。

サラワク物が望めないので今後も更に厳しいでしょうね。

・フラミンゴ(アクアフルール)

やってくれました(笑)デナリーの入荷が止まり、

東南アジアファームの割と高額なバラ株しかなかった

ところに見事に滑り込んできました。

・ウェンティ ピンク

なんだかちょっと面白そうな感じ。と思ってたら

見なくなった。。。

・ストリオラータ(TB便)

今となってはストリオも貴重となりましたねぇ。

・フスカ(TB便)

フスカまでも(笑)















アヌビアス

コメント:近年はタイや台湾から改良品種が続々と

リリースされています。ただしなんでもかんでも

有り難がってはいけません。それなりにお手軽な

価格ならともかくとんでもなく強気な値付けを

してきています。となれば見る目もシビアでなければ

なりません。厳しいようですが「ハズレ」という

結論も出さねばならないのですよ。

・ミニキリン(台湾)

今のところ近年でトップクラスのアタリでは

ないでしょうか。特徴的な葉を持つ小型種。

・カーリィリーフ(台湾)

入荷時の状態だと面白いですが、水中育成で

どうなるかがポイントです。















エキノドルス

コメント:採集物はまず来ないと考えるべきなので

基本的にはファーム物ですね。

・ウルグアイエンシス バリエガータ

ウルグアイっぽいですが成長が緩やか。ただ

バリエガータ(いわゆる斑入り)ではありません。

褐色斑ではあるのでしょうけどそれは

バリエガータとは言わないのが普通のはずです。

・sp.ロングリーフ(オリエンタル)

以前別のファームから来たものは別種だったので

こんどこそと思い頼んだら来てくれました。

昔から不明種として存在している変なファーム物。

シュートに子株が付いたのでエキノなのかな。。。

・デクンベンス(アクアフルール)

幾つかのファームから来ていましたが今となっては

フルールだけかな。黄緑細葉はあまり見なくなりました。
















ブセファランドラ

コメント:規制後のフィーバーから丸1年が

経過しました。まぁどこも売れるものが欲しいから

仕方ないよねぇ。考えなくていいから。

・ラマンダウ(アクアフルール)

しかし良い所を突いてくると言うか何と言うか(笑)

水中葉はまだ見てませんがそれなりになるはずです。

たぶん。

・アラマンダ

名前がややこしい(笑)間違えてることもあるっぽい。

とは言え久々に大き目のタイプで良さそうな感じ。

グリーンブロードの系統かと思われますが、さて。














アポノゲトン・ニムファエア・他

コメント:この辺はよほどのことが無い限り

驚くようなものは来ませんね。。。ちょっと

難しいかな、と。

・該当種無し



有茎草

コメント:微妙に何かしら発掘されることがあります。

とは言え新しいものが来るかと言われるとこちらも

結構難しい。たまにファームで当たりがあるので

チェックを怠ってはいけないのですが。。。

・リムノフィラsp.ベレン(タイ)

いや、ベレンは違うやろ!と突っ込みたくなる

草姿ですが、特徴的な色彩を持つ種類ではあります。

ダメ元で聞いたら出てきたラッキーパンチ(笑)

・ロベリア カージナリス ウェービー(アクアフルール)

このファームはなかなかの貪欲さが出てきてますね。

いや、良い事です。今更だけど有茎で良いのかな(笑)
















シダ(水生種)

コメント:基本的に新しいものはヨーロッパからは

殆ど来なくなり東南アジアのファームからですね。

採集物も稀にありましたがこの状況下では難しい。

・ミクロソルム トライデントミニ

トライデントもしっかり育てばそれなりになるので

小さいと便利かも。ホントに小さいかは検証して

いないので知ってる人は教えて下さい(笑)

・ミクロソルム プテロプス フレイミング

個人的にはちょっといいな、と思った草姿でした。

・ミクロソルム フォークリーフ

久々に見ただけです(笑)でも変わらず格好良かった。

・ミクロソルム コーラル

最近は獅子葉の新品種?があまり無かったように

思うのと、最後に入荷したので(笑)















その他

コメント:基本的に採集された不明種である場合が

多かったのでファームものだけになるとなかなか。。。

・該当種無し



ちょっと一言

コメント:新しく来た種類・品種の中で「ん?」とか

「ちょ、待てよ!」とか思ったりしたもの(笑)

・エキノドルス スカベル(オリエンタル)

いや、何回変わるの?(笑)カタログの写真は無視です。。。

・アヌビアス色々(タイ)

うーん。。。と思うことが増えてきた昨今。

・エキノドルス オゼロット ナローミニ

名前の通りの草姿ならかなり良いと思いますが

入荷型は想像とは似ても似つかぬ。。。

改良?品種はポツポツ新作らしきものが

あるのですがなんでもかんでも有り難がるのは

良くないので私は厳しく見ています。

・エキノドルスの属名変更の続き

一応学術的に信用してしまいそうなところで

公表されていたものの、エキノおばさん達は

納得しておらず確定では無いようです。



まとめ?!

ファーム物に関してはなんとなく入荷があったような

印象です。めちゃくちゃ退屈と言ったことも無く

さりとて超エキサイティング!みたいなこともありません。

まぁ今後は良くてこんな感じ、悪ければ年間通して

目につく新しいものが殆ど来ない、来ても微妙みたいな

状態と言ったことが予想されます。

アクアフルールやタイの某ファームは割とアクティブに

新作を出してきますが、すべてが良いわけではありません。


引き続き入荷に関しては細かい所をよく見て

遊べそうな物を新旧問わずこまめに拾っていくしか

ありません。興味を持った種類にはトライするのが

良いと思います。漫然とコレクションするよりも

ある程度目的を持って取り組んだ方が

楽しいような気がするのですよ。


あと個人的に思うのは流れてくる情報は

鵜呑みにせず、客観的に見てよく考えるのが

オススメですよ。まぁひねくれろと言っている

訳ではありませんが(笑)

ずっと言ってますがリテラシー上げた方が良いです。

結構事実が見えてないかと。



と言う訳で2021年もお疲れ様でした!


2021年1月3日日曜日

アヌビアス ~きれいな水槽植物~ Part 3

前回はファームからくるアヌビアスの仲間を少しですが
ご紹介しました。
その中でも基本となるいわゆるナナとバルテリィは
様々な品種(突然変異の固定がメインと想像できる)が
もたらされています。

しかしながら前回の最後に書いた通り、その他の種類は
あまり紹介されることがありません。と言う訳で
今回はその辺をもう少し詳しく見てみたいと思います。
(と言っても種類の紹介ではない。)

ショップの店頭に並ぶアヌビアスは主に初心者向けや
熱帯魚水槽の装飾用として売られているナナや
バルテリィとそれらを元にしている改良品種です。
問屋さんのリスト見てもその辺が多く、最近よく
見るものにバルテリィならダイアモンド、ストライプ、
バタフライ、ショート&シャープ、ラウンドリーフ、
ナナならアイズ、ゴールデン、コインリーフ、プチ、
リンクルと言ったところでしょうか。

前回(Part2)で紹介したようなナナ、バルテリィ以外の
種類を入手するにはどうしたら良いのでしょうか。
ふらっとショップに立ち寄った時に水草コーナーを
覗くもお馴染みのものばかり。
アヌビアスに興味が出てきて図鑑などで調べても
実物になかなかお目にかかれない。
しかしながら今は便利な時代です。今このブログを
読んでいるその目の前の四角いもので色々と
調べることが可能なのです。

図鑑で見た名前をインターネットの画像検索などで
徹底的に調べます。そうすると該当種や別種の
アヌビアスの画像がたくさん出てくると思うので
その中から1種類欲しいものを決めましょう。
それを行きつけのショップに取り寄せをお願いします。
もちろん、ショップによっては取り寄せの可・不可が
ありますので、まずそれを確認してからです。
ショップとの関係性に依存する場合もありますので
そのへんは上手くやりましょう(笑)
取り寄せが可能であれば希望するものの情報と
こちらの予算を伝えるのも大切です。

取り寄せが難しい場合は通信販売を利用します。
近年はもっぱらこちらが多くなっているかと
思いますので、最初から通販でも良いでしょう(笑)

例えば図鑑で見たランケオラータと言う種類が
気になったとします。
そこで「アヌビアス ランケオラータ」で
画像検索をかけるとなるほど、図鑑で見るような
細い葉の種類がたくさん出てくる、と言う事に
なります。

2021年1月某日の検索結果です。
概ねそれらしいものが出てきますが
アヌビアスに引っかかっている物が
ちらほらありますね。まぁその辺は
気にせず該当するものの最大公約数を
頭に入れましょう。

















色々ありますがだいたいのサイズ感、状態、価格などの
平均値も見て取れるかと思いますので、あとは
良い株が来るようにお祈りするだけ(笑)

あとは近年便利になったのが問屋さんがサイトを
構えていることですね。掲載しているものの量や
ページの質は差があると思いますが、これを
使わない手は無いです。
代表的なのはカミハタビジネスオンライン、
通称「KBO」ですね。

2021年1月某日、アヌビアスで検索。
画像の有無はともかく取り扱いが
わかりますので取り寄せを頼む際には
便利です。ただし神畑さんは関東と
関西があるので要注意です。
























このように実際にインターネットを覗いてみると
ナナ、バルテリィ系以外のアヌビアスは
流通しているものの、普段はあまり姿が
見えないものなのです。
普通になんとなく水草を水槽に入れている
段階から一歩二歩と深く進んでいくためには
池の鯉ではお話になりません。
繰り返しますが、能動的に自分から・自分で
情報を集めにいかないと出会えるものにも
出会えないのです。

ちょっと話が逸れた気がしますが気にしない。

。。。続く

2020年12月24日木曜日

恒例!今年印象に残った水草 2020

 2020年も当然ながら年末が来てしまいました(笑)

昨年はオープンから20年が経過したのですが、
特にこれと言ってやることも無く、マイペースに
運営してきたわけですが、歳のせいか色々と
悩ましいのです。。。
2018年以降は以前にも増して色々考えさせられて
いるのですが、とりあえず水草に注力すると言う事は
継続しており引き続き色々な形で頑張れればと。
だからと言って水槽が綺麗になるかと言うと、
それはまた別問題(笑)

※例年通りですが、「当店に入荷・リリース」した
中から選んでいます。イベントや直販のみ、他店入荷は
わからないので除外です。
再入荷品も好印象の物は積極的に取り上げて
いきます。
順位を付けていませんので掲載順に意味はありません。

※スマートフォンで見づらい場合は
コメント欄の下にある
「ウェブバージョンを表示」
からご覧ください。


クリプトコリネ
コメント:現地便が少しは来ていたように
思いますが特に変化も無いため売りづらく
なったと思います。とどめにインドネシアが
やらかしたので難しくなってきました。
・ブラッシィ(国産ファーム)
昔よく買ったオリエンタルのブラッシィが
元株のようです。水中でも水上でも楽しめて、
The Cryptocoryneと言った花が咲きます。

ブラッシィの仏炎苞。

















アヌビアス
コメント:採集物は完全に入荷が無くなりました。
当店では増殖株をいくつか出していますが
種類が増えるわけではありませんからね。。。
ファームからはまだ何かとあります。
・ナナ キリン
なぜか突然極少数やってきて一部で
「あれどこよ?!」と話題になったアヌビアス。
草姿は優秀ですが、名前の由来はピンと来ない。
・チリ ミニ
たけーよ(笑)そういう問題ではないのは
わかってはいるのですが、バランスを考えると。
ハラペーニョ、ドラゴンクロウ、カーリーリーフは
買えてないのでまたそのうち(笑)
で、来なくなるパターンだったり。
・ハスチフォリア(ナイジェリア便)
問屋さんでキープされていたものを奪取!
これは良いですね。元株は葉っぱが前に
返ってたと思います。
・ギガンティア・グラキリス(オリエンタル)
一応まだちゃんと作ってくれているので
嬉しいですね。


エキノドルス(アクアリウス)・ヘランシウム
コメント:当然ファーム物のみで現地から
原種が来ることも無く。。。
それよりも属名が変わったことの方が衝撃。
・該当種なし
改良も微妙ですからね。。。
・アクアリウス(属名変更)
エキノドルスはベルテロイ種のみとなりました。
あとはナチュラルハイブリッドのいくつかも
エキノドルス属に取り残されました。

その話をした時の配信です。


ブセファランドラ
コメント:カオスからのとんでもない展開。
コロナやセンチュウの猛攻撃で採集物は
一旦終了。現状ではファームの勝ち確。
・sp.クダガン(トロピカ)
あちこちからクダガンほにゃららが
出まくりやがってますがトロピカも作る
と言うことで、クダガンがいかに優秀かと
いう事がわかります。
・カテリネアエミニ・レッドミニ(インドネシアファーム)
あの尖った組織培養ファームの物です。
自分では出来てませんが小さく収まっている
ようなので使いやすいのでは?
・sp. HB No.9(AZ便)
ガイド採取物の中では特徴的な個体群でした。
キシイ以外に側脈が浮き出るのは初めて見たかも。
個体差があってあまり出ない株もあったようで
数は少なかった。


アポノゲトン/ニムファエア/他
コメント:アフリカからの仕入れも困難に
なっているようで、アポノゲトンはなかなか
厳しい状況。ニムファも変化は乏しいですが、
球根系はファーム物と言えど何かしら
出る可能性があります。
・アポノゲトン カプロニー(オリエンタル)
古くから知られるいわゆるカプロニーです。
葉が大きく波打つ種類で本当は何かは不明。
一応図鑑で見る草姿の物が来ましたが、
かなり久々だったと思います。
・バークレア モトレイ(TB便)
いつも売り切れるのですが、久々に
自分でもやりたい種類ですね。
・アポノゲトン クリスプス(国産ファーム)
洋書にはノーマルタイプとブラウンタイプが
掲載されており、ブラウンは葉がやや細く
波打つのですが、それらしいものがあったので
本当にあるのね、と言うことでした。
花の感じも少し違うらしい。
・タイガーロータス レッド(東南アジアファーム)
しばしば球根で入荷するのですが、葉が展開すると
3色で結構綺麗でした。同じの欲しいです。
タイガーロータス レッド
これは良個体ですね。



















有茎草
コメント:引き続きファーム物頼り。台湾便は
そろそろラインナップが頭打ちなので来年はどうなるか。
・ハイグロ ハーフレッド(台湾便)
昔のハーフレッドストリクタであれば良いな
と言う願望で育ててみます。昔のもどうだったか。。。
・ラージナヤス
数件ですがずっとお問い合わせを頂いておりました。
国内にあるのは知っていたのですが、ようやく
入手できました。ホントにナヤスが来たら
どうしようかとヒヤヒヤものでしたけど(笑)
・パンタナールヘミグラフィスsp.(国産ファーム)
こちらもあるのは知ってましたがタイミングが
合わず。久々に見ました。トライアングルリーフは
消滅したかな。。。
・ロタラsp.パール(オリエンタル)
台湾便は別種でしたが本家から極少数本物が
来ました。まだあったのか。。。
もう来なさそうな気もしますが(笑)
・アマニアsp.トゥティ(インドネシアファーム)
朝焼けかと色めき立つもどうやら別種のようです。
アマニアかどうかもまだ不明のまま。
育ててる人はレポート提出してください(笑)
・パンタナールウェーブリーフハイグロ(オリエンタル)
90年代南米有茎ラッシュの先駆けである1種。
こちらもあるのは知ってましたがタイミングが
合わずようやく見れました。こればっか。。。(笑)


シダ(水生種)
コメント:相変わらずこの辺は東南アジアから
よくわからないものが出てくるのですが、
個人的にはなかなか食指が動きづらいものが
多いかな。食わず嫌いでしょうけどね。
・ミクロソルムsp.グリーンノーム
小型種のようです。水槽内でもちゃんと育つので
使い勝手は良いと思います。


その他
コメント:インドネシアファームくらいしか
変なものを作らなくなりましたし、そもそも
採集物で変なものが来ないので。。。
ブセが止まったことでファームからも難しい状況。
一応フルールには何かしら期待してますけどね。
・エレオカリス sp. 'スラウェシ/スラウェシ2(インドネシアファーム)
カーペットスターと同じような環境に生えている、または
混生しているエレオカリスの1種。現地からスラウェシ便が
来ていた頃から入荷していました。
個人的には結構お気に入りなのですが理解者が居ない。
・新装版 レイアウトに使える水草500種図鑑
まさかの再販(笑)便利ですよ。
・水草カタログ(トロピカ)
昔の物に比べて寂しくなってます。
まぁいずこも合理化の嵐が吹き荒れております。
・トロピカ社50周年記念本(トロピカ)
取引先に記念で配る感じのやつですね。
まさに記念に持っておくとかコレクションと言った本です。
見た目は悪くないので飾るもよし。


がっかりさん
コメント:長年やっていると色々な出来事がありますし、
仕方のないことがしばしば見られるのですが、
許容したくない気もするし、どうでも良いような
気もします(笑)
・エキノドルス アスケルソニアヌス(オリエンタル)
緑の小型種(原種)のはずなのに赤系の改良が来たよ。
もう何年もこの名前で赤い品種が流通しているようで
修正できるのかどうか。。。
・ロタラ メキシカーナ(いろいろ)
海外ファームによるメキシカーナ詐欺と言うべきか(笑)
とりあえずファームから来るメキシカーナは基本的に
疑ってかかるのが良いかも。まぁ試すんだけど。。。
・アポノゲトン ロンギプルムロスス
某なんとかの森のやつです。見た目悪いよね。。。



まとめ?!
昨年は結構楽しめたような気がするのですが、
今年はなかなかどうして逆風的なものが。。。(笑)
お店の入荷を1年分見直してみたら新しいものが
殆ど無いような印象でした。
昨年の台湾便は新たに仕入れるようにしたところだったので
色々とありましたが、今年は特に新しいファームが
あったわけでもなく、採集物があれこれ来るわけでもなく、
そりゃまぁ新しいものは無いわな、と(笑)

2021年は良くて現状維持でしょうかね。
採集物がたくさん来るようになるイメージは
一切湧いてこないのですが、ファーム物は今まで通り
それなりに入荷するでしょう。
しかしながら、私が欲しいような種類などはかなり難しく
なるであろうと思われます。まぁその中で上手く遊ばないと
いけないのですが、私が身を置く特殊な水草業界はなかなか
シビアになりそうです。

昨年のまとめにも書きましたが

「水草リテラシーを上げる」

と言う事がいかに大事かと言うのをよく考えましょう。
あとはなんでもそうですが、いつまでもあると思わないように
しましょう。

2020年もお疲れ様でした!!






2020年5月5日火曜日

アヌビアス ~きれいな水槽植物~ Part 2

ナナとバルテリィの知名度とは逆に他の種類が
あまり知られていないアヌビアスですが、かつては
ナナは熱帯魚水槽の高嶺の花、他の種類はマニアックな
水草でありました。
しかしながら現在はアヌビアスが主役になることは殆ど無くなり
レイアウトに登場するのはナナかプチナナで、用途はもっぱら
着生する性質を利用しての目地埋めくらいです。

かつてはアトラスレイアウトと呼ばれる水槽が存在しており、
水草、魚の産地を揃えて統一感のあるレイアウト水槽として
作られることがしばしばありました。
その中で西アフリカ水景を作る際に主役となり得るのが
アヌビアスの仲間です。
増殖させたナナをライデン通りよろしく流れるように配置、
中景にタイガーロータスとクリナムを左右に振り分けて
メインに据え、後景にバルテリーやヘテロフィラ、
ランケオラータの区画を作りボルビティスを中後景に
上手く配置する、と言ったイメージでしょうか。
そう言った熱いレイアウトを見ることが無くなりました。

しかしながら現在は小型水槽かジオラマ的なレイアウト、
NA風レイアウトが主流となり、アヌビアスのポテンシャルを
余すことなく引き出すことが難しいスタイルが殆どです。
そんなわけでアヌビアスを使うことが無くなっているため
紹介されることも無くなった次第です。

では、ナナとバルテリィ以外は入手出来ないのでしょうか。
基本的にアヌビアスの仲間はファーム物で調達することに
なります。
最近入手できるものにどういった種類があるでしょうか。
代表的なものを見てみましょう。

ナナとその改良品種(通称) 
バルテリィとその改良品種
ハスチフォリア
グラブラ
アフセリィ
ヘテロフィラ
ランケオラータ
コンゲンシス
コーヒーフォリア

この辺りは問屋さんの在庫リストでみかけます。


アクアフルール社のヘテロフィラ。
葉脈の感じがそれっぽい。

こちらもフルールがリリースしている
コンゲンシスで入荷するもの。
この名前で来るものは比較的この形状が
維持されているように思う。
東南アジアからも入荷します。


こちらはトロピカ社のグラキリス。
現在のところ本種が安定して入手可能なのは
トロピカだけと思われます。

フルールのランケオラータ。
この種小名はどうやら有効ではなさそうですが
昔から馴染みのある細葉の代表的なものです。



昔からよく知られた、図鑑でも見かける種類は現在でも
ヨーロッパ、東南アジアのファームから継続して
入荷が見られます。ただし、問屋さんのリストに
掲載されているからと言って、店頭で見かけるかどうかは
また別問題です。
欲しい種類は取り寄せてもらった方が早いです。
アヌビアスを楽しむためには能動的に動ないといけません。
そういう意味ではやはり今でもナナとバルテリィ以外は
マニアックな領域なのかもしれませんね。


。。。続く

2020年5月4日月曜日

アヌビアス ~きれいな水槽植物~ Part 1

古くから水槽用の水草として親しまれているものにアヌビアス属が
あります。その存在はエキノドルス、クリプトコリネと共に
3大水草グループと言えるでしょう。
このブログでもクリプトコリネ、エキノドルスと取り上げて
来ましたが、さすがにアヌビアスをやらないわけにもいかないので
そろそろ書き始めます(笑)

アヌビアスの仲間は西アフリカ産サトイモ科の水草で
よく見かけるものはアヌビアス ナナと呼ばれる種類で
正確にはAnubias barteri var. nanaと言う学名になっています。
現在は小さな水草が数多く紹介されており選択肢は
いくつもありますが、昔はこのナナが比較的小型の水草と
されて用いられていました。

また、このナナとバルテリィと呼ばれる種類(An.barteri var. barteri)は
丈夫な水草としてアマゾンソードやミクロソルムと共に水草初心者や
熱帯魚飼育水槽の装飾品として推奨されてきました。
かつての熱帯魚水槽にはナナやミクロソルムが着生した流木が
転がっており、そこにラムズホーンがのそのそと這い、ネオンテトラや
パールグラミーが泳いでいる。底床付近にはプレコや赤コリがもぞもぞと
餌を探していると言ったイメージですね。え?違います??(笑)

古くは高級品だったアヌビアス ナナも今では丈夫な水草の代表種となり
バルテリィと共に二酸化炭素が添加されていない砂利の水槽に投げ込まれて
販売されています。
アヌビアスと言えばどうしてもそういうイメージを持たれますが、
水草好きとしてはちゃんと鑑賞・栽培対象の水草として捉えて
いきたいと思います。

アヌビアス ナナは色々と使い勝手が良い。


安価で販売されるナナとバルテリィ(それでも一時期よりも上がった?)以外の
種類は見かける頻度も少なく、水草をそれなりにやりこんでいないと
レイアウトを少しやってます程度では名前すら知らない人が多いのでは
ないでしょうか。
実はアヌビアスと言う水草は、ナナの知名度とは裏腹にあまり知られていない
水草なのだろうと思っています。
その理由の1つにナナをある程度効果的に使った、またはプチナナを
多目に配置したレイアウトは見たことがありますが、

「アヌビアスをメイン」「殆どアヌビアスだけ」、または
「ナナ、バルテリィ以外を効果的に配置」

と言ったレイアウトを20年以上見たことがないのです。
なぜそうなるかと言うと、アヌビアスの種類を知らない、使い方がわからない
と言ったこともあるでしょうし、いつも私が主張する水槽の小型化の弊害も
大きいでしょう。また、いわゆる流行りのレイアウト手法に馴染まないと
言う部分もあると考えられます。

一見メジャーに見えて実はマイノリティ。そういうアヌビアスの仲間を
見ていこうと思います。


。。。続く

2020年4月18日土曜日

前景草のアンチテーゼ

前景草とはなんでしょう??
基本的には水草水槽の鑑賞面のガラスから最も近いエリアに
植える草丈の低い水草で、芝生や絨毯と言った趣になる様に
密に茂り広がっていく種類と言ったところでしょうか。

レイアウトの中でも前景は重要で、区画としては
出来るだけ早期に仕上がるのが良さそうな感じです。

かつては

・ピグミーチェーンサジタリア
・(旧)エキノドルス テネルス
・ヘアーグラス

以上3種が三大前景草と言ったところでしょうか。
少し面倒くさいところでは、

・ヨーロピアンクローバー
・コブラグラス
・クリプトコリネ パルバ
 (ウィリッシィ、ルーケンス)

等がありますが、この辺りは割と通好みと言う印象を
受けますね。ちょっと腕がある、他の人と違ったことがしたい、
そういう人が扱ってた感じです。
今でもこの辺が上手く使える人を見かけると
「お、やるな!」と思うのですが、しばらく
そういった感覚になった記憶がありません。

水槽がもう少し大きくなったり、ダッチアクアリウムの
要素が取り入れられると

・ヘテランテラ
・ロベリア カージナリス
・パールグラス
・ホトニア

前景にヘテランテラを用いた水槽です。
使い方次第ですがそれなりにメンテは必要です。


と言った種類が考えられます。ただし、このダッチ系前景草は
レイアウトに対する気持ちとは別に、その水草に対する執着みたいな
ものがないと無理なんですよね。だから最近見ないんです。

ロベリア カージナリスは
区画の形状を整えやすい。


更に少し前までくると

・グロッソスティグマ
・キューバパール
・インディアンクラススラ
・ウォーターローン
・ゴイアスドワーフロタラ
・ミニヘアーグラス(ショートヘアー)
・エラチネ ハイドロパイパー
・ミゾハコベ系
・Newラージパールグラス

などなど枚挙に暇がありません。

ゴイアスドワーフロタラは良い水草です。
99年に本種の水上葉を初めて手にして
水中葉が展開した時の感動は忘れません。




前景草と言えばこう言ったラインナップとなるでしょう。
近年高い頻度で使われるものや、いわゆる定番種と言われる種類が
ちらほら見受けられますね。

さて、前景草とは?それに求められるものは?と考えると
冒頭に挙げたように、比較的短期間に横方向へ次々に展開し、
意図した区画に隙間なくびっしりと茂ると言う事が重要です。

まぁ私のように至極マイペースで水草水槽をやっている場合
そんなことは無いのですが、なぜか短期間でやり遂げないと
いけないレイアウトと言うものが存在しているため、その場合
とにかく全自動で素早く区画を埋めると言う事が超絶求められる
条件であったりします(笑)
そうなると前述の様々な前景草の中でその条件を満たすのは
ごく限られた種類になります。
その筆頭が世界を埋め尽くしたNewラージパールグラスです。
本種は吉野屋みたいな前景草ですね(笑)

Newラージパールグラスは
非常に優れた前景草ですがあまり
考える必要が無いので善し悪しですね。
あの時、這うと分かった時の直感は正しく
世界的スターに登りつめました。

トリミングは面倒くさいと言うのに前景草にはスピードを求めながら
こまめに管理すると言う点に何とも言えないパラドックスを感じるのは
私だけでしょうか(笑)
もちろん、多くの水草レイアウトとその取り組みを否定するわけでは
ありません。しかしながらそれが全てではなく、のんびりじっくり
取り組む長期維持水槽で普段触ることも考えたことがないような
前景草を時間をかけて密生させるのも悪くないかと思います。

以前キープしていたカーペットスターです。
年単位で少しずつ手動で区画を拡大させます。


1区画を成立させることに対して、ここまで時間がかかること、
達成感を味わえることはそうそう無いと思います。例えば60センチ水槽の
前景をパルバで作るのとNewラージパールで作ることを考えれば
想像できますよね。

成長の遅い前景草でしょ?黒ひげつくじゃん!って?
そこはあなたの技術でなんとかするんですよ(笑)

※オマケ※
成長速度の遅い前景に使えそうな水草
・クリプトコリネ パルバ
・クリプトコリネ ルテア 'ホビット'
・セレベスカーペットスター(エリオカウロンsp.スラウェシミニ)
・エレオカリスsp.スラウェシ
・ブセファランドラの仲間(ミクランサ、ピグマエア等)
・アヌビアスの仲間(プチ、パンゴリーノ、スターダスト等)


2020年4月10日金曜日

長期維持水槽のポートフォリオ #7

長期維持水槽に使えるであろう水草を#6までで見てきました。

#1 イントロ
#2 着生
#3 ロゼット
#4 有茎草
#5 クリプトコリネ
#6 エキノドルス

これを見て鋭い人はこう思ったのではないでしょうか。

「全部じゃん」

そう、取り敢えずどんな水草でも長期維持水槽に
用いることが出来るのです。
ただ、自分が使いたい水草と育つ水草に乖離が
あったり、何をメインにしてサブでどの辺を使って
遊ぶか、メンテナンスに割ける時間や労力はどの程度か、
そう言った部分を考えると使える種類の比率や
種類が変わってきます。

長期維持水槽も最初は新品です。
まぁ当たり前ですが(笑)
例えばソイル系の底床でセットした場合、取り柄えず
適当に何でも育つので入れたい水草を入れれば良いと
思います。そうです、普通に水草水槽を楽しむだけ。

その過程で様々な水草を楽しんだり実験をしてみたり
たまにはやらかしてみたり。そうするうちに時間は
経過するものです。
そうしていると自然に自分の好きな種類やその水槽で
割と楽に管理できる種類が残ることになることが
多いのではないでしょうか。

2001年6月号のアクアライフに掲載された
水槽なので19年は経過してる感じですね。
ほぼ全面有茎草~全面クリプトロザエ~
そしてエキノだアポノゲトンだと放り込み
ずーっと遊んでます。当然底床の入れ替えは無し。


さてここからが長期維持のスタートです。
好みの水草でそれぞれやりたいことが違うと思いますが、
#1~#6の水草を上手く組み合わせて、古い底床を活かしつつ
じっくり育てる水草+部分的に入れ替えて楽しむ水草の
エリアを使い分けていきます。
そして優先すべきはそれらを踏まえた上で、

「とにかくあまり手間がかからないようにする」

と言う事です。

例えば前景をCry.パルバやカーペットスター、
這うように成長する小型のブセファランドラなどに
しておくとトリミングは殆ど不要です。

殆どブセなのでメンテは非常に楽だと思います。
古くからの方はご存知かもしれませんが、
昔、入口で泥沼みたいになっていた水槽です(笑)
当然リセットなんかしてません。自慢には
ならない。。。設置して10年以上かな。



後景はシダ類やクリプトコリネ、アポノゲトンの類に
しておけば定期的なメンテナンスをわずかに行うだけで
大丈夫です。もちろん1区画程度であれば有茎草でも
問題ありません。
足元を上手く隠せるならアヌビアスなんかも良いでしょう。

よく登場する20年選手ですね(笑)
今はロゼットかそれに近いものがメインと
なっています。日頃のメンテナンスは
水を抜いて入れるだけ(笑)あとは時々トリミング。


中景は手入れがしやすく自由度の高いエリアなので
縦方向に成長するブセファランドラ、クリプトコリネの仲間、
小型のミクロソルムや小型のアヌビアス、有茎草でも
良いと思います。
センタ―プラントとしてクリナムやエキノドルスも使えます。
もちろんお気に入りのクリプトコリネを茂らせると言うのは
とても素晴らしいと思います。

これも19年くらいだと思います。
ニムファが出たり引っ込んだり、エキノが
どんどん移動したりと変化も多いです。
時々有茎草を入れ替えたり、実験にホマロメナや
スキスマトグロッティスを沈めたりと退屈もしません(笑)



水草を種(しゅ)として維持しようとするとそのストレスたるや
かなりのものです。しかしながら好きな種類が馴染む水槽を
作り、水草と言うよりも水槽全体を維持していくと言う
方向性で進めるとなぜか楽な気がします。
水草自体は時には水上葉が展開することや、休眠することも
あります。もちろん黒髭に覆われたり驚くほど綺麗になったりと
良い時も悪い時も経験できます。

新規セッティングもリセットも新たに取り組む楽しさが
あると思います。しかしながら長期維持は文字通り
長期間維持しないとその魅力は感じることが出来ないのです。

まぁだらだら出来て楽なだけですけどね(笑)
性格にあった水草水槽を心がければ細く長く楽しめると
思いますよ。


長期維持水槽のポートフォリオ。。。終わり