2017年12月29日金曜日

恒例!今年印象に残った水草&植物 2017

早いもので2017年も終わりに近づいています。
年々時間が過ぎるのが速くなるような気がして
あまり嬉しくないのですが。。。

まぁそんなことはさておき。
毎年もういいのかぁ。。。と思いながらも
続けてきました。
当初は掲示板で軽くやっていたので、もう
残っていませんが、ブログに書くようなって
今年で10年目。
やれやれです、まったく(笑)

今年は水草がちょびーっと来たので
個人的にはまずまずモチベーションも
維持しつつ、水草への気持ちも底打ちかな、と。
やはり水草が面白いです。
ただ、昨年もなんとなく感じましたが、
年末にザーッと見返してみると昔に比べて
物量がかなり少ない。1年分の入荷を
振り返らないといけないので「さて。。。」と
重い腰を上げた訳ですが、あっさり見終り
拍子抜け。まぁ仕方ないですが。

※例年通りですが、「当店に入荷・リリース」した
中から選んでいます。イベントや直販のみ、他店入荷は
わからないので除外です。
昨年から順位を付けていませんので、掲載順に
意味はありません。



水草各種

クリプトコリネ
コメント:近年はインドネシアの現地の人から
ダイレクト便が入荷するようになって、あちらでも
仕事になっているのでしょうか、新しいものが
色々見つかってますね。新種がぼこぼこ出てるのは
調査の賜物か、はたまた副産物か。
・レジナ'Silver Queen'(神畑便)
恐らく種名がつく前に商品名としてシルバークィーンと
呼ばれていたんだと思ってます。美麗種。
・アウラ(神畑便)
これも以前から現地便でちらほら見かけてましたが
格好良いのは知ってたので欲しかった種類です。
残ってないけど。。。
・ヘンドリッキィ(神畑便)
これはユージィなんですね。ついにこんなのに
変種が出るとは。
この辺、誰かにちゃんと採ってきて欲しいけど
難しそうなので、新記載分も色々とお願いします、
カミハタさん(笑)
・イサエ(神畑便)
ちょっと厚手の葉だったような。水上が
好きなタイプでしょうか。


アヌビアス
コメント:
ナイジェリアやギニアから便はあるものの、
色々と難しくなってますね。。。
・ハスチフォリア(ナイジェリア便)
再入荷ではありますが、ナイジェリアから
来るのはなかなか貴重かと。
今後入荷するかどうか。。。
・グラキリス(トロピカ)
これと言って新しいわけではありませんが
アフリカからも東南アジアファームからも
来なくなったので、本物はある意味貴重。


エキノドルス
コメント:来ませんね。。。当然か(笑)
・該当種無し
ファームの新作っぽい感じのも、どこかで
あったやつだったり、特に目新しいさを
感じなかったりと、やはり不作。


ブセファランドラ
コメント:ポツポツは来るのですが、現地便もあって
完全に混乱してます。ハッキリ言って自身の店に
入荷していないものは把握できません。
・該当種無し
殆どが再入荷かな、言った印象。
衝撃的なものは無かったような。。。
思いつかないから無いんだと思いますが、
最近物忘れが更に酷くなったので(笑)
個人的には最近の物だとMahakam huluが
気に入ってます。なんとなく。


アポノゲトン
コメント:とにかく待ち(笑)
オーストラリアの道が開けているのだから
あとは待つだけ。アフリカ便で来ないのが
不思議。。。
・該当種無し
トフスは意外とクセがあるような。。。


有茎草
コメント:アポノゲトン同様でしょう(笑)
アフリカから少し来ましたが、なかなか
難しいですね。。。基本的には既存種で
遊ばねばならないのが常態化してますね。
・エイクホルニア sp. ナイジェリア2
十数年ぶりの上陸でしょうか?なので
勝手に「2」を付けてます。
エイクホルニアは傷みやすいのでだいたい
瀕死の状態で入荷しますが、なんとか
生き残りました。


シダ(水生種)
コメント:。しつこいようですがオーストラリアから
来てます。シダ!と言うと見落としがちですが。。。(笑)
・マルシレア ドルモンディ(神畑オーストラリア便)
個人的にちょっとお気に入り。
ラージーリーフヨーロピアンクローバー的な感じ。
・マルシレア コストリフェラ(神畑オーストラリア便)
状態によってやや褐色に色づくヨーロピアンと
言った感じです。そう、デンジソウはシダ植物(笑)
オークロはクローバーにあらず。


その他
コメント:くどいようですがオーストラリア。。。(笑)
・バリスネリア sp. リトルヤーバクリーク(神畑オーストラリア便)
花色が異なるものの、見た目はタイバーバリス。
いじめたら赤くなるのも同じ感じでしょうか(笑)
・ギニアンオテリア
再入荷品ではありますが久々の良タイプなので。


水草以外の植物

アグラオネマ ピクタム
コメント:。基本的にビッグネームは来ないので
特になっしんぐです。
・該当種無し
まぁ仕方ない。


サトイモ科
コメント:昨年から引き続きホマ・フィーバー。
でした。いわゆるテクスチャー系もそうですが
ビロードに火がついたのが不思議な感じでした。
・sp. Sumatera 'しわホマ'(LA便)
ぺったんこホマに引き続き勝手にしわホマと
呼んでます(笑)ぺったんこだ、しわだ、魚の骨だ
オブオブだと呼びやすいように勝手に名付けて
すみません(笑)
・sp. 'Sunshine'(AZ便)
昨年名無しで来てたように思いますが、
名前がついたのと、割とお手頃で凄く綺麗に
なるっぽいので。
・バコア ブレビペデュンクラータ(LA便)
こういうの、良いですよね。
・蛟(LA便)
小さい株しか見ていないのであれですが
大きいのを見たい。


シダの仲間
コメント:一大グループなので種類は無限に
あるのですが。。。
・該当種無し
気になって買ったものもあるのですが
寝かしたままだったり。。。すみません。
使えそうで定番化したいやつをそのうち
出したいと思ってるのですが。。。
買えてないので良いなぁ、と思うものが
ちらほらあった気はします。
あと見返すとシダ自体の入荷が意外と
少なかった気がします。


その他の植物
コメント:まぁ色々と入荷しますが、個人的な好みと言うか、
何と言うかは傾向がありますね。
・エラトステマ サルビニオイデス(LA便)
名前が水草に近かったりすると無条件に
反応してしまう感じ(笑)サルビニアっぽい。
小さくて可愛らしいですね。
・ソネリラ ドンナサメンシス(LA便)
写真を見ていつかほしいな~と思ってました。
サルビニオイデスと共にLAさんからですが
LAタグじゃない植物でした(笑)
・コドノボエア デンタータ(AZ便・LA便)
最初名前が違ったあれです。
意外に丈夫っぽいのでテラリウムに
使えそうな感じ?
・アコルスsp.ギニア(神畑ギニア便)
かわいらしかった。そして人気があった。
でも沈めたら腐った(笑)


まとめ?!
水草に関しては毎年変わらないのですが、
神畑さんのオーストラリア便に期待しています。
あれやこれや見つけてあるので入荷してくれると
嬉しいのですが。。。
ファームは逆輸入ものが目立つ印象。
完全な新作を期待したい。
ただ、最近は思いもよらないものが
逆輸入品として東南アジアから入荷しますので、
それでちょっと遊べるかな。
ワイルドものは辛うじて入荷が続いてますが
これもいつまでかはわかりません。
まぁ引き続き低空飛行を予想してます。

ジャングルの植物は。。。まぁ特に私が
言うことも無さそうな(笑)

今年の冬は寒い。
さて、来年はどうしましょうか。。。

2017年12月16日土曜日

凄いんだよ、水草。

水草業界の凋落が始まってから何年も経過しますが、
その転換期を察知出来た部分と、ダッチアクアリウムへの
憧れを抱き続けていた部分がタイミングよく重なり合った
こともあり、陸上の植物を取り扱う機会が増えました。

園芸と一括りには出来ない多種多様な植物が、
当然ながら存在しています。もちろん、私が触れている
種類数などたかが知れており、個人的に興味が無い、
または取り扱うタイミングを完全に外してしまったもの等も
数多くあるため、わかったような風に言うつもりは
ありません。

しかしながら、みなさんが様々な植物に取り組んでいる様を
見たり、店頭でいくつかの植物を触るようになったりして
感じることは、やはり観葉植物で言われているように
「水やり」「湿度」「温度」と言ったあたりが栽培する上で、
殆どを占めていると言う事でした。
特に水やりはかなり重要で、自分の作る環境においての
加減と言うのを把握するまでが大変だと感じました。
まぁ今更私が言うようなことでは無いのは重々承知。

そこでふと水草のことを考え、改めて水草って
植物だよな、と言う思考を動かしてみると、
水草は水やり要らないよね(笑)と改めて認識するわけです。
もちろん水草水槽をやっている誰しもが、普段から
「水草って水やり要らないから楽だわ~」と意識
しているはずもありません。
その上、水没しているので湿度の管理も不要です。
乾燥などはどこ吹く風(笑)
あとは温度ですが、これは熱帯魚用のヒーターが
あれば問題無し。もちろんエアコン管理は更に良いです。
水草メインで魚が居ないかオマケの場合、水温は20度ちょい
あれば問題無いです。お店の下段の水槽は冬季は
20度を切ります。それはそれで新たな発見もあるのですが(笑)

また、水やり頻度や加減、湿度、温度と言うのは
観葉植物においては、種類によって大きく変えないと
いけません。水切れ即アウトの物からかなり乾かさないと
いけないものまで、その間が無段階に存在しています。
しかし水草は、水質の程度が多少あるくらいで、
1環境で多国籍多種が栽培出来ます。

と言う訳で、観葉植物で最も重要で難しい部分が
水草だと無条件にクリアされていると言うから
驚きです(笑)
そして同一環境で多種を栽培出来る上に、サイズが
基本的に小さいので省スペースなんですね。
「昔の」スタンダードである60センチ水槽の底面積は
60x30(cm)で、5号鉢だと2個くらいしか置けませんが
水草だと10種は余裕で入ります。レイアウトを
しない場合は20~30種は突っ込めます(笑)
これは結構凄いことだと思うんですよ。
同一環境で、サトイモ科、オモダカ科、ウラボシ科、
シソ科、オオバコ科、ミソハギ科、キツネノマゴ科、
ヒユ科、アカバナ科、ヒガンバナ科、ミズアオイ科、
トチカガミ科、アリノトウグサ科、ホシクサ科、
カヤツリグサ科などなど。。。
これが60センチ水槽1本で栽培出来るんですよ(笑)

他の楽しみ方やサボり方が出来るのも便利な点です。
昔は割とマニアな楽しみ方でしたが、近年は
水草を水上葉で栽培して、水上葉を楽しんだり
花を見たりすることがビギナーにもある程度認識
されています。
またはキープの手段として、一旦水上育成に
しておいて、必要になったら水中に戻すと言う
パターンもあります。
もちろん屋外で水鉢などで栽培するスイレンも
水草です。昔ながらの睡蓮鉢やプランターで育てる
スイレンはもちろん、季節限定の物も多くなりますが、
エキノドルスやアヌビアス、有茎種やクリプトコリネ等を
育てるのはとても楽しいものです。

水草には楽しみ方が多様にある上に、設備さえ
整えてしまえばあとは限られたスペースで非常に多くの
種類の栽培が楽しめると言う利点があります。
まとめて「水草」ではなく、多くの種類を楽しみたいと
考えてみると、栽培して楽しむ植物の中ではなかなか
効率的に遊べると思うんですね。

わかりきったことではありますが、ちょっと思考と
視点を変えないと意識しない部分をご紹介致しました。

2017年12月3日日曜日

ノスタルジック プランツ

近年、海外から入荷する水草の殆どがファームものと
なっています。主には東南アジアとヨーロッパからの
入荷で、それぞれ複数のファームがあるのですが
ヨーロッパからは殆どがトロピカの入荷で占められている
と言う印象があります。

もちろん現在もオランダからの入荷もあるのですが、
かなり影が薄くなっており、目を引く新作にも乏しく、
10年以上も誤った種小名を使い続けている※ような
状況があります。

※アクアフルールと言うオランダのファームは
 もう10年以上、スリランカの狭葉系クリプトに
 「クリプトコリネ ブローサ」の名前をあてて
 販売しています。

ドイツからはデナリー(DENNERLE)が入荷します。
最近の代表作は「クリプトコリネ 'フラミンゴ'」や
「アヌビアス ナナ 'Pinto'」などがあります。
一時期は改良品種のエキノドルスにも手詰まり感が
ありましたが、ようやくそこから脱却して近年は
なかなか良いものを作ってきています。

ドイツと言えばアクアリウム先進国であり、
名だたるメーカーやファームがあります。
その中で、水草マニアが忘れてはならない存在が
あります。

「Hans Barth Dessau」

旧東ドイツのDessauにあったこのファームは
その名の通り、バース博士のファームなのです。
確か、博士と呼ばれるのはご本人はあまり好きではなかった
ように記憶していますが、古い事のなので(笑)

私がバースの水草と出会ったのは水草の輸入卸に
いた時に、上司が確かインターズーだったかで
バースのブースを見つけて、その後に始まった
輸入が最初でした。
そのリストにはオテリア ウルヴィフォリア’、
クリプトコリネ ヒュードロイ、アヌビアス コーヒーフォリア、
カボンバ シルバーグリーンと言うとんでもないメンツが
勢揃いしていました。当然すべて日本初入荷で、まだ
誰も実物を見たことが無いものばかり。
もちろん、バース氏の作出したエキノドルスの改良品種や
オリジナルのEch.バーシィ、ホレマニーグリーン、
タイガーロータス、後半に日本初入荷となり、その
毒の有無が話題となったハイグロフィラ バルサミカなど
水草マニアには垂涎ものでした。
こぼれ話的なことを言えば、最初はウルヴィフォリアと
ヒュードロイのスペルが間違っていました(笑)

また、バース氏が水草研究者と言いますか、または
愛好家と言いますか、商売人じゃなかったんですね。
取引も日本を下に見がちなヨーロッパ勢の印象とは
かなり異なったように記憶しています。
大量生産から一定の距離を置き、地道に生産していた
そのスタイルも非常に好感が持てました。

南米有茎やワイルドのエキノドルスやクリプトコリネと共に
水草の一時代を担ったバース便は今はもう来ませんが、
オテリア、ヒュードロイ、コーヒフォリア、シルバーグリーンは
今でも入手できる素晴らしい水草となっています。

Ottelia ulvifolia
これは先日入荷した神畑ギニア便の株ですが、バース便の
子孫は時折東南アジアのファームや国産ものが出回ります。
久々のギニア便で入荷した株です。
水槽内で葉を展開してくれました。
バース便のとは違う個体群だと思います。
凄く大きくなるのですが、これを良いサイズと
ボリュームに仕立てるのが腕の見せ所(笑)
透明感のある葉に虎斑模様が素晴らしい。


Cryptocoryne hudoroi
私がその初便をキープしています。
私個人は初入荷の96年から切れることのない
お付き合いです。以前はワイルドの入荷も
ありましたが、今はアジアのファームから
比較的安価で時々入荷しています。




















Anubias barteri ’Coffeefolia’
ヨーロッパ、東南アジアのファームからある程度の頻度で
入荷しています。
初めて見た時はこれもしびれました!
波打つ葉に色づく新芽に感動。
大きく育てると凄く格好良くなる種類です。
ファーム物が流通しますが、稀に途切れます。




















Cabomba caroliniana 'Silver-Green'
国産品が流通しています。
斑じゃないですよ。ねじれです。
元祖トルネード(笑)
これも憧れの水草でしたね。
上からの見た時の美しさは格別!




















今後、こんなにも熱い水草ファームが見つかることは
無いでしょう。。。