2019年11月9日土曜日

挿し戻しは基本です #2

挿し戻しの続きです。

もちろん、水上葉を植えてもそこから何度も
逞しく水中葉を展開するのが丈夫な水草の良さでも
あります。しかしながらその過程で水上葉は
短期間で落ちてしまいます。
どうにもスカスカになりがちなので、その下部は
一部、もしくは大部分を残して(または除去して)
カットした水中葉を植え付けると挿し戻しをしたのと
同じことになります。

挿し戻しを行うことで、その水槽で展開した最新の部分を
残すことが出来、自分の水槽環境により適した水草に
アップデートすることになります。
自身が管理する水槽の水、栄養素、光など多くの要素で
再構築された水草は、その水槽でより育ちやすくなることが
あります。感覚的なものではありますが。

話は変わりますが、私はレイアウトの人間ではなく
水草いぢリスト(笑)です。
基本的には未知の水草と出会い、まずはロストを回避しつつ
水槽に馴染ませ、保険を確保しつつ増殖させなければなりません。

そうなるとその水草が安定するまでは差し戻しだけでは
リスクが高まります。そこでピンチカットを使います。
ピンチカットで株を残しつつ、長く成長した水中葉を
挿し戻して、より水槽に適応した草体を作り上げていきます。

挿し戻しの場合、最新の箇所を利用する反面、
デリケートの種の場合、稀にトリミングの影響、
つまり切断されたショック、光源からの距離の変化、
根が消失することによる栄養供給の一時的な停滞などで
劇的に調子を崩したり最悪の場合枯死することがあります。
なので前述の保険、つまりピンチカットを用います。

つまりトリミング方法はどちらも上手く使うのが
良いのです。
なんだ、そんなことか。。。と思われるかもしれませんが、
近年は挿し戻しと言う古くからの手法が特別なもののように
捉えられていたり、一般的ではないように見えたので改めて
ご紹介してみました。

まぁ使う水草やレイアウトスタイルの変化に因るところも
大きいかもしれませんね。

2019年11月8日金曜日

挿し戻しは基本です

一般的に近年はアクアリウムで水草を楽しむと言う事は
レイアウトを行う事とイコールとなっています。

水草水槽をやってみようと思うきっかけは多くの場合
店頭でのレイアウト水槽や、専門誌(今あるのか?)に
掲載されるレイアウト水槽の写真だったりします。

そう言ったレイアウトは殆どがネイチャーアクアリウムと
呼ばれるスタイル、またはその影響を大きく受けたと
思われるレイアウトとなっています。

近年はそれらのレイアウトにおいて用いられる有茎草は
多くがロタラの仲間となっています。
そしてそれらのトリミング方法はピンチカットと呼ばれる
上をバッサリとカットして下に残した茎から生長点を
新たに出させて再び茂みを作ると言うものです。

この方法はカットした葉が散らかるので厄介ですが、
ハサミを入れてバサバサとカットするだけで
割と楽に行うことが出来ます。
そう言う事もあり、今の水草水槽では恐らく
「トリミング」=「ピンチカット」
と言う認識に近いのではないでしょうか。
それは仕方のないことで、大型で少ない本数でも
存在感を出す種類(ウィステリアやジャイアントアンブリアなど)や、
茎が太めの直立して成長する種類(アマニア グラキリスや
ラージリーフハイグロ)は使用されることが
殆ど無くなったからです。
また、ダッチアクアリウムのように鑑賞上
常に美しい状態をキープすると言うことが無くなった
こともあろうかと思います。

ですが、これは数回繰り返すと新たに出てくる部分が
貧弱になってきます。下の茎には葉が無くなり
色が悪くなり最後には折れたり枯れたりして
その一生を終えます。

そこで「挿し戻し」です。

挿し戻しは、植えてある有茎草を引き抜いて、
茎の下部(根側)をカットして生長点(新芽)側の新しい部分を
新たに植え直す昔からあるトリミング方法です。
ピンチカットとは違い根付いていないと言うマイナス要因は
あるのですが、植える部分はその水槽で展開した
成長著しい若い箇所です。
そもそも新たに導入した有茎草は水上葉であることが
殆どで、そこを基幹部分として水槽内に残すと言うのも
不自然なことです。

#2に続く。。。