2020年3月30日月曜日

長期維持水槽のポートフォリオ #6

引き続き長期維持水槽に使っていける水草を見ています。
前回はクリプトコリネを見てみましたが、最後に
エキノドルスです。

エキノドルスはクリプトコリネに匹敵する、むしろ
それ以上の根っこ植物です。根っこ植物とは私が勝手に
心の中で根が大事な水草のことをそう呼んでいるだけです(笑)
と言う訳でクリプトコリネと同様に植えたら動かさない方が
良い事が多い水草です。

新しいソイル系の底床では順調に展開することが多く、
導入時に躓かなければ割と短期間で結構なサイズに
なってしまいます。
大きな葉を広げる種類が多く他の水草の生育に
影響を及ぼすことがありますので葉数を調整しますが、
それまでの調子が良ければ何ら問題はありません。

ある程度の期間栽培して、しっかりと根付けば容易に
動かせないのがエキノドルスです。#3で挙げたクリナム
同様に基本的には植えたら動かさないようにしていれば
何年もそこに生えているため、結果的に放置気味で
維持できてしまうので手間もかかりません。

画像が殆ど無い。。。
これはデナリーE136です。ここに植えてから
何年も経ちますが数センチ位の移動で収まっています。



















エキノドルスには大きく分けて2タイプが存在していて
最近の名言になぞらえて、「深緑かそれ以外か」と
言うべきか。。。まぁ言いたいだけでした(笑)
そう言い切ると若干ズレが生じるので具体名を挙げると

ホレマニーグリーンです。深緑は基本は3種と
考えられていますが、今はどうなってるのやら。。。


ホレマニー、オパクス、ポルトアレグレンシスなどの
透明深緑葉系にウルグアイエンシスを加えたグループと
アマゾンソード、スプーンソード、メロンソードと
呼ばれるような昔ながらの黄緑色の原種や、多くの
改良品種のグループです。

入ってくる見込みのないデナリーですね。。。
このような改良品種も概ね場所移動は殆ど無いか
緩やかです。ただしホレマニーレッドの形質が
強く出ている品種は移動が速くなります。




















どちらのグループでも長期維持は可能ではあるのですが
より長く面倒を避ける場合は後者の黄緑グループが
推奨されます。
理由は1つ。透明深緑葉系のグループはアヌビアス ナナの
ように積極的に後方に根茎を形成しながら好きな方向へ
場所移動を行うからです。

良い画像が無いので古いのを引っ張り出す。。。
これはオパクスですが、左が頭で右が尻尾です(笑)
移動していることがよくわかりますね。



















黄緑の場合は5年程度なら植え替えを行わなくても良いことが
多くクリナム同様放置可能ですが、深緑系の場合は水槽の
サイズや株の進行方向によりますが数年で植え替えを
余儀なくされます。もちろん小技を使ってある程度
その時期をずらすことはできますが、底床内を完全に支配
されてしまうので、植え替えなければなりません。
その辺りを考慮に入れてこれぞと言う種類をセンターに
据えてみるのはどうでしょうか。

深緑はもちろん魅力的ですが、黄緑を維持していると
時折ハッとさせられる瞬間があるのを、多くの人は知らずに
水草水槽をやっている。


。。。つづく



2020年3月7日土曜日

思い出補正

お店ではPCを使っています。まぁ当たり前ですが(笑)
PCと言うものは突然息絶えてしまうので、油断をしていると
データはあっさり消えてしまいます。
何かのネタにと思って探すと全然見つからず、結局は
話題にも出来ないと言うオチになりがちです。

先日、ベトナムの現地画像を探していたらなぜか
そのCD-Rの中に水槽の画像が4枚だけありました(笑)
その水槽は月刊アクアライフ2002年7月号に掲載された
南米有茎草がメインのレイアウト風在庫水槽です。
ただし、掲載するより半年以上前の画像のようで
水草の種類と分量が少し異なります。
1つの水槽に結構な種類を詰め込んでいたので、何かの
例えや参考に使えるかなと思っていたのですが
雑誌に載っている写真は使えないんですよね。。。
面倒はご免なので(笑)

と言う訳で何年もモヤモヤしていたのですが、
水槽の中身が多少違うとは言えようやく掲載出来ますよ。。。
やれやれ(笑)

2001年11月と言うデータでした。マジか。。。(笑)
水槽サイズは120x45x45(cm)です。
現在はリセットしてブローサ水槽として機能しています。



















斜めから見るとどんな水槽でもそれなりに見え。。。ない(笑)
まぁ在庫水槽、すなわち畑なのでこんなもんです。
手書きのプライスカードが色んな意味で若さを感じる。。。
何故デジカメの画像が色褪せているのかと言うと、単純に
カメラのスペックが低いとか撮影者の腕が悪いとか
その辺だと思います。その後壊れた気もするのですが(笑)

右のパートです。
一応作り込んだ感も無きにしもあらず(笑)
たぶん配置はそれなりに考えたような気がします。


















前景のメインはアマゾンハイグロレッドラインです。
大きな葉は南米ラージリーフハイグロ。今で言うところの
スタウロギネの超巨大版です。その手前にゴイアスドワーフ、
右端はアマゾンハイグロパープル。奥の小さい緑の葉は
フラジャイル、手前のバコパはアラグアイアとローライマ。
細葉の小さいのは今でも見かけるアラグアイアミズマツバ。
奥の赤い葉は今でもありますパラナレインキー。手前に
パンタナールクリスパグリーン。後ろは恐らく
ドワーフアンブリア、その前に恐らくアラグアイア
グリーンピンネイト(グリーンはパンタナールじゃないよ)、
隣はイレシーヌ。うーん、無理過ぎる(笑)

左のパート
こちらは割と整然としてますね。ちまちまやってるな、と(笑)
このくらいの方がすっきり見やすいですけどね。
どうにも育てたり隙間に挿したりしてるとダメですね。。。



















右のイレシーヌからトニナは何か忘れました。。。
その後ろはピンネイト?前景はサンパウロウェーブリーフハイグロ、
少しだけアラグアイアレッドシャープがあるようで、メインは
アマゾンハイグロ。その後ろに超レア(笑)なパンタナール
ピンクムグラのグリーンタイプ(ややこしい)。斜めに
みょーんと伸びているのはマナウスのシペルス。
その辺にパンタナールクリスパのレッドがあって、後ろの
輪生しているのはなんだろう。。。オランダか何か??
その手前にアラグアイアレッドバコパとアラグアイア
オレンジバコパ。隣の緑はサンフランシスコバコパかな。
左手前の可愛らしく輪生しているのはリムノフィラsp.マタノ。
隣はご存知アラグアイアレッドロタラ。後ろは記憶にありませんが
アマニアか何か??その後ろに少しだけあるのは恐らく
リムノフィラsp.スリランカ。シソクサのはしりですね。


正面です。
やる気ありすぎでしょ。。。(笑)
まぁやればこのくらいの種類は突っ込めるのですが
逆回転したら即終了してしまう水槽の見本ですね。




















と言う訳で、現・放置水槽生産職人の私も若い時は
楽しんで細かい作業をやっていたと言う思い出でした(笑)

2020年2月27日木曜日

ソイルの寿命とは??

現在の水草水槽に欠かせないものは様々ありますが、
その中でも比較的新しいものでソイル系の底床と言う
物があります。

かつては大磯などの海産砂が主流でしたが、現在は
水草を育てるためにはまずセッティングでソイル系の
底床を使用しましょう、と言うのがスタンダードと
なりました。
大磯は言うなれば小さい石ころのようなもので、
水槽内で使用している間にはまず粒子が崩壊することは
ありません。
しかしながらソイル系の底床材は指で押すと容易に
潰れてしまうほど柔らかい構造です。
また、ソイル自体に何かしらの効力があり、例えば
肥料分や水質の安定、物質の吸着であることが多く
なっています。

それらの性質を考えると容易に想像がつくことがあります。

「これって寿命がありそうだよね。」

そうなのです。もしその効力がなんのメンテナンスも無く
無限に続くのであれば人類悲願の永久機関がが作れるのでは
ないでしょうか(笑)
また、砂利と異なり摩擦などの力が加わることにより
ソイル自体が削れたり壊れたりするので、粉塵のような
粒子が舞うことによる濁りが生じることがあります。

なのでソイルについてのご質問で多いのは

「寿命はどのくらいですか?」
「ソイルって1年しかもたないんですよね?」
「どのくらいで交換したら良いのでしょうか?」

と言うような内容がメインです。
これにはざっくり言ってそれぞれ答えが2つあります。
多くの場合は片方の話しかしていません。
そちら側の答えとしては下記のような感じでしょうか。

・寿命は1年です。
・1年くらいもちます。
・1年くらいで交換してください。

これは前述したソイル系の底床が持っている
何らかの効力がそのくらいで確認出来なくなるで
あろう、と言う前提の元に導き出される答えです。
なるほど、確かに有茎草の勢いが無くなり
ピンチカットした後に展開してくる葉が小さい、
色が薄い、茎が細い、と言うような現象が見られます。
また、水質がやや中性付近で安定し始める
あるいはややアルカリ側に振れ始めると言う事も
あろうかと思います。
ソイルのブーストに陰りが見え始めるのは
3ヶ月~6ヶ月程度で、上記の回答から想像するに
1年あれば殆ど沈黙する感じでしょうか。

一方、もう1つの答えは長期維持の視点に立った
ものになるでしょう。

・寿命は殆ど考えなくても大丈夫です。
・5年でも10年でも、それ以上でも。
・どうしようもない状態になるまでです。

つまり最初の回答においてのソイルの寿命と言うのは
「ソイルの効力」に限った話であり、単なる「底床」
としての寿命に関してはではありません。
「底床」として使用する場合の寿命を検証するのは
困難です。何年もつかを確認するためには当然同等の
年数が必要です。

いわゆるノーマルサイズの粒です。
そもそもクリプトコリネ等が繁茂すると
リセットなどもってのほか(笑)
これで8~10年程度は経過していると
思うのですがセット時期を覚えていません。





















幸い、当店では私の性格上だらだらと維持している
水槽が殆どです。その中で最も長いものは設置後
20年以上経過しています。いずれもパウダータイプと
なっており、現在でも水草が生育しているため
とりあえずパウダータイプのソイルは20年は
使えると言うのが現在の答えです。
ノーマルタイプで15年以上が2~3本はあるので
概ねそのくらいは大丈夫であると言えます。

パウダータイプと呼ばれる粒です。ここで20年くらい。
クリプト、ブセ、有茎、シダ、エキノ、アヌビアス等
色々入ってますがなんとなく上手くいっています。
もちろん調子の良し悪しはありますが。




















もちろん、石や流木を頻繁に動かしてゴリゴリねじ込んで
固定させるようなことをやればあっと言う間に粘土質の
出来上がりになるでしょうけど、普通に水草の抜き差しを
行う程度では粒が崩壊して、泥になってしまう事は
ありません。
ノーマル粒ですが水草の根がびっしりと生えているため
プロホースが入らない状態です。そのため底床クリーニングはしておらず
粒を目視することは出来ません。往々にしてこれを「泥化している」
などと言いますが、単なる堆積物です。水草水槽と魚だけを飼育している
水槽とは意味合いが異なりますが、混同してる場合が殆どです。
この水槽も年数は定かではありませんが15年前後かと思います。





















皆さんは水草水槽を設置する際にどのくらいの期間を
想定しているでしょうか?恐らく数年くらいが殆どかと
思います。
と言う訳で個人的には「底床としてのソイルの寿命」は
考える必要性を感じないのですよ。


2020年2月24日月曜日

長期維持水槽のポートフォリオ #5

長期維持水槽と言われてイメージする水草はなんでしょう。
概ね陰性水草、例えばミクロソルムやボルビティス、または
アヌビアスの仲間やモスの類、そしてあの水草です。
そう、クリプトコリネ。

簡単なのか難しいのか、丈夫なのか弱いのか。。。
いつまで経っても掴みどころのない水草。
しかしながらこの水草が魅力を最大限に発揮するのは
その水槽で時間をかけて群生した瞬間と言うことだけは
はっきりしています。

もちろん短期的に繁った群生も美しいのですが、
大小様々なサイズの株が時間をかけて密度高く繁り、
よく見ると底床から上向きに生え揃っている根が
あちこちに確認出来たときの落ち着きと安心感、
トータルでの群生美はその性質から考えても
圧倒的です。

と言うわけで、クリプトコリネ自体がある程度の
期間を維持しなければその本来の魅力や達成感を
味わうことができない水草なのです。

数年間藍藻に覆われても耐え続けていたブローサ。
リセットなんかしなくても藍藻は無くなるし
クリプトは群生するしブセも育ちますね。
(この水槽にブセのクダガンが入ってます)




















ひとまとめにクリプトコリネと言っても、その種類に
よって成長速度や増殖方法が異なるため、取り組み方も
変わってきます。
ただ、そのような情報は基本的にはネットには落ちておらず
自身がその種類と向き合って初めて感じられると言うことが
多いと思います。
そして当然それもある程度の時間を要することは明らかです。

縦横無尽にランナーを伸ばして増殖する
旧トンキネンシス。まとまって生えてくれない(笑)
レイアウト写真のようにはいきません。。。



















また、その水槽自体のコンディションや維持年数などによって
クリプトが見せる表情も異なるため、維持すればするほど
様々な姿を見ることができるのです。


神畑インド便のCry.スピラリスの1タイプです。
数年この場所に居ますが全く増えない(笑)
当初は緑の葉に幅のある茶色い縁取りでしたが
ある時期を境にがっつり模様が出ました。




















性質的にも底床の締まりや汚泥の堆積などにも比較的強く
長期維持水槽にふさわしい水草であろうかと言えます。

20年近く経過した底床ですが、数年前に仕入れたものの
カップ内でカビだらけになり捨てようか迷ったフラミンゴも
すくすくと育ってランナーを出しています。



















お気に入りのクリプトを水槽の片隅に忍ばせておくと
そのうち思いもよらない景色を見せてくれると思います。
もちろん複数種を入れておくのも楽しいですが、最後は
強い1種とわずかな生き残りと言うパターンか、または
なかなかのせめぎ合いを見ることになるかもしれません(笑)
いずれにせよ十数年かけて楽しめることとなるでしょう。


。。。続く




2020年2月15日土曜日

長期維持水槽のポートフォリオ #4

前回までに長期維持水槽に使う水草として
思いつきそうな物を並べてみました。
エキノドルスとクリプトコリネの話をする前に
もう1つ挙げておこうと思います。

2回3回で取り上げた水草はもちろん魅力的で
個人的にも好きなものが色々あったわけですが、
比較的渋めな、と言いますか地味な印象を受ける
種類が多かったかもしれません。
そんな水槽の中に1区画くらいは明るい部分が
欲しいと言うのが人情(笑)
と言う訳で今回はこちら、

有茎草

を見てみたいと思います。

長期維持された水槽はどうしても底床内に
汚泥や根の繊維が蓄積してくるため、か細い
有茎草を何もせずに後から植えると言うのは
なかなか厳しい場合があります。
そこで底床クリーニングを行う訳ですが、ここで
使用するのが水作プロホースと言う商品です。

水草いぢリスト、長期維持水槽には
必須アイテムです。これがないと始まらない(笑)
長年使っているとパイプやホースとの接続部分が
摩耗で抜けやすくなったりなにかしらの不具合が
出てくるので適当に買い替えが必要。。。





















何度かのリニューアルを経て現在の形状だったはず。
中の弁が1枚から2枚に、角度が90度からこの角度に、
呼び水がシャカシャカからシュポシュポに(笑)

底床内の汚泥をこのプロホースで適度に取り除き、
邪魔になりそうな水草の繊維などを除去して
底床の詰まり・締まりを解消してから有茎草を植えます。
。。。と言うような処置を行うと長期維持した底床でも
なんとなくそれなりに育つものです。

おわり

。。。ではお話になりません(笑)
水草水槽を設置してしばらくは恐らく有茎草をしばしば
導入することかと思います。色々試すうちに割と自分に
合った種類が見つかることでしょう。
ある程度の期間維持しながら、その中から更にその水槽に
合うものを見つけ出します。
そうするとなぜかその水槽だけで強靭な種類が見つかります。
もちろん1種類ではなく複数種、探していけば色々と作れると
思います。

難種とは言いませんが、この水槽では
ほぼ一定のクオリティで美しい草姿を
見せてくれるイエローアマニアです。
挿し戻し、ピンチカットいずれでも
いじけることなく何年も同じ場所にあります。





















その水槽でなぜか丈夫で美しくなる水草へ、または
なぜかそれなりの草姿で居座っている水草へと変貌を
遂げるのは必ずしも丈夫な種類に限ったわけでは
ありませんし、意外な種類であったりします。
その水槽がどのような傾向を持っているか、または
自分がどういう水槽へ持っていこうとしているかで
変わります。

ロタラ ロトンジフォリアは流木の影、
モスの下、水槽の隅とどこでも進出して
長い時間を経過すると驚くほどの根張りを
見せます。増やすことも減らすことも自在に
なるため水槽のバランスを取るのに良い種類です。
しかしながらタイプによって若干のクセがあります。





















たとえ底床が10年以上経過していても、その水槽に
「合ってしまった」水草は普通に育つため、常に
暗いトーンになりがちな長期維持水槽に彩りを
与えてくれます。

そうなった水草はなぜか肥料や光量をそれほど
気にしなくてもいつも同じ表情を見せてくれます。
これこそがその水槽の作り手との相性です。
長期維持水槽では長い時間をかけて自分の水槽に
おけるパートナー探しを行っていると言っても
良いのではないでしょうか。

なので、有茎草は新しいものをじゃんじゃん試しましょう!
枯れても良いのです。大切なのは買う事、導入すること、
触ること、枯らすこと、なのですよ。


。。。続く

2020年2月8日土曜日

長期維持水槽のポートフォリオ #3

長期維持する水草水槽においてどのような水草を
選択すれば良さそうか、と言う事を考えているわけですが、
前回はその代表と言えそうな底床依存度が低いと思われる
着生系を挙げてみました。

長期維持していくということは、つまり何年にも渡って
水草水槽を維持すると言う事です。
そこで避けたいのは煩雑なメンテナンスだと思いますが、
その中にトリミングと言う行為があります。

水草水槽を始めた時は、有茎草が日々成長していく姿を
嬉々として眺めるわけですがそれも束の間、そのうち
「もう切らなきゃいけないのか。。。」となるわけです。
そのようなネガティブな感情を出来るだけ回避するために
今回はトリミングの手間を省けるであろうロゼット型の
水草を見てみましょう。

・アポノゲトン
・クリナム
・ミズニラ
・ニムファ
・ホシクサ(一部)

この辺は概ね植えた場所で大人しくしていますが、
一部は親株に限定と言うものがあります。

アポノゲトンは基本的に植えた場所から動かず
その場で茂っています。底床が古くなっても一旦
ある程度までの生育を見せるとその水槽に定着します。
季節要因や水槽環境の変化でいわゆる休眠と呼ばれる
期間が訪れることもありますが、そのうち生えてきます。
大型種が多いので葉数の調整は必要ですが、基本的に
放置に近いので楽なものです。
一応注意しなければいけないのが開花後に種子が
散らかりあちこちから生えてくることがあります。
この処置だけは必要です。
あとは最初の球根はある程度の期間で役割を終えて
空っぽになってるので、そのうち殻だけ出てきます(笑)

ベトナムの固有種、アポノゲトン ロビンソニィ。
アポノゲトンは長くなるものが多いのでセンターか
バックに用いることが多くなります。



















クリナムの楽さ加減は最上位クラスです。
場所を決めて植えたら動かさない。以上!!(笑)
とんでもなく楽です。

クリナム ナタンスですが、やっぱり名前は
C.アクアティカ ブロードリーフの方がしっくりくる。
20年近く植えっぱなしだと思いますが、
いつ植えたのかなんて思い出せません(笑)
恐らくこれ以上楽な水草はそうそう無いはず。





















ミズニラも基本的にクリナムと同様と考えて良いのですが
問題は稀に腐ることです。長期維持の過程で数年に1度くらい
根元から腐敗することがあります。早期発見が出来れば
対処は可能ですが、見落とすことが多いです。
腐ってるサインが出ますが一度経験しないとわかりません(笑)

ゴイアス産のミズニラです。
いわゆるパンタナールクイルイォート。
ちまたに出回るサウスブラジリアンとは別種。



















ニムファの仲間はランナーを出すものは広がってしまうので
やや問題ありですが、バークレア ロンギフォリアは
クリナム同様一カ所に居てくれます。南米産の種類の多くは
ランナー増殖を行うので侵入してほしくない区画に来た場合は
除去するようにすれば良いかと思います。
あとはいかに球根を作らせて、底床内でキープするかが
ポイントです。
近縁でガガブタの仲間も動かないので使えますが、
基本的に浮き葉での維持になりがちです。
南米産は盛んにランナーや子株を出すため
保険は作りやすいものの区画の維持は必要です。
ただし、一度繁茂してくれるとどこかに球根が
潜んでいるため、ロストする可能性は低下します。




















ホシクサの仲間は水質にやや敏感な種類が多いのですが
その中でもゴイアススター、ソーシャルフェザーダスター、
エリオカウロン ブレビスカプム、ギニアンスター(大型種)は
とても育成しやすく長期間水中葉でいることにストレスを
感じていないように思うのでサイズはさておき水草水槽に
もってこいの種類です。
(写真は500種図鑑を見てみよう(笑))

その他、シペルス ヘルフェリィあたりも使えそうです。
オテリアは調子の良し悪しとサイズコントロールに難があるため
かなり栽培者を選ぶと思います。

何かが足りない、そうだエキノドルスとクリプトコリネはどうした?
と思いましたね。
もちろん、取り上げますのでしばしお待ちください。
まぁ出し惜しみするようなことはありませんが。。。(笑)


。。。続く

2020年2月3日月曜日

長期維持水槽のポートフォリオ #2

長期維持水槽と言うものは多くが結果的にそうなって
しまう場合が多いかも知れません。しかしながら少しでも
そうなることをセッティング前に意識するのであれば
底床を敷く際に少しだけ先のことを想像すると良いかもしれません。

とは言っても、それほど凄い事がある訳ではありません。
単に底床を厚めに敷くとかあとで多少混ざっても許容できる
程度の階層構造にすると言ったところです。
水槽が冷える場所にある場合は砂よりソイルや大磯と言った
ある程度の隙間が確保できる方が良いかと思います。

水槽周りの設備的なものは短期でも長期でもさほど
変わることは無いので、少し考えるのは前述のような
底床のことくらいです。
あとは素材として石を多用しない方が良いと思います。

さて、水草を植えるわけですが長期維持水槽向きの
水草と言うものがあるのでしょうか。
もちろん水草によってある程度わかれるところですが
比較的古い水槽でも維持しやすいものや、ある程度の
管理で大丈夫なものがあると思います。

まず思い浮かぶのは底床依存度の少ない水草です。
浮草はさておき(笑)、着生させて使用する仲間になります。
例えば下記のような水草があると思います。

・ミクロソルム
・アヌビアス
・ボルビティス
・ブセファランドラ
・ウィローモスの仲間

個人的にはブセファランドラとアヌビアスは直植えすることが
多いのですが、成長してくると仕方なしに縦方向へ伸びてくる
種類があり、それらの本体は底床から離れていきます。
また、上記のような水草は比較的水槽に馴染むのに時間がかかるため
じっくりと育成して元の葉がすべて無くなり、葉や根茎が
完全にその水槽内で形成されたものだけになってから良くなることが
しばしば見られます。
その点においても長期維持水槽で良く言えばじっくりと、
平たく言えば適当に放置しておけばいつの頃からか割と良い感じに
なってくれます。


アヌビアスはある程度混みあっても
水流や水質が適切であれば問題無く
成長します。難しい局面もあるかと
思いますがバランスが大切です。




















のんびり構えて株を更新していく作業を続けていけば
それなりの状態を維持しながら楽しむことが出来ると思います。
個人的には上記の中でもボルビティスは、導入当初から
数か月は上下があると思いますが年単位で見た時には
意外と長期的に維持しやすい印象です。

アヌビアスやミクロソルムに関しては丈夫な印象がありますが
長期の場合はある程度の栄養状態のコントロールが必要になる
ことがあろうかと思います。
長期維持された水槽はある種の偏りを見せるため、この辺の
種類は丈夫ではあるのですが、その影響を割と受ける感じが
します。

殆ど触る必要も無い設定だと
手間的にも精神的にも楽ですね。
長期維持には大切なことでしょう。



















ブセファランドラに関しては種類によって性質の違いが
結構見られるので、ブセに照準を当てて環境維持していくことが
望ましいのかもしれません。
先ほど縦方向への成長について触れましたが、種類によっては
這うように成長する種類もあります。種類ごとに上手く
使い分けるのがポイントです。
結局のところ種類間の差が大きくなってくるので、その水槽で
育てやすいものを選ぶか、育てたい種類にフォーカスするかの
どちらかになるかと思います。

モスはトリミングで散らかってしまう上に駆除するのは
至難の業なのでほどほどにしましょう(笑)
長期維持の雰囲気は凄く出ますけどね。


。。。続く

2020年1月30日木曜日

長期維持水槽のポートフォリオ #1

当店ではリセット=底床を交換を長期間行っていない水槽が
いくつかあります。近年の捉え方からすると2~3年も維持すれば
長期みたいな雰囲気があるような気がしないでもない(笑)ですが、
私が考える長期維持は、振り返った時にセットした年月が
すぐに思い出せないくらいです。ざっくり言うと5年以上と
言ったところでしょうか。その辺りから長期維持と言えるかと
思います。3~4年などは中期です(笑)

なぜ私がしばしば水槽の長期維持を取り上げるのかと言うと
趣味として水草水槽をやっていく上でそれなりにメリットが
あると言う点があります。また、時間と言うものは買うことが
出来ないため、長期維持した水槽に触れると言う経験は
時間によってのみ達成することが可能だからです。

新規セッティングからのブースト水槽のように短期間に
何度も経験できるわけではありません。5年維持した水槽を、
10年維持した水槽を管理するには5年、10年が必要なのです。
なので、経験するためには出来るだけ早く始めることが
必須となります。

AL2001年6月号に掲載した水槽なので
少なくとも19年は経過していますね。
長期維持と言う事で底床の入れ替えを
やっていないのは当然です。少し前の
写真なので、今は汚いです。。。





















さて、以前に水草水槽の長期維持についての
記事を書きました。続き物なので、まだご覧になっていない方は
サイトのアーカイブからが見やすくなっています。
ブログアーカイブス内の「逆に長期維持」と言う記事です。
そちらでは長期維持についての概念や思想と言った角度から
書きました。(たぶんそれっぽい)
第2部として、今回は長期維持水槽にどんな水草を入れようか、
と言うところをメインに、そこに付随して何かしらを
書いてみたいと思います。
店内にいくつかある維持期間が5年~20年程度の水槽を
バタバタしながら維持してきた結果から何かしらのヒントに
なるようなことがあるのか無いのか(笑)

。。。で、表題についてですが、オススメ種と言うのも
どうにも受け入れがたい。組み合わせと言えばそうなのですが、
なんとなく型にはまってしまう感じがして自由度が低い
気がする。と言う訳でその都度見直して入れ替えも可能っぽい
感じが出そうなのでポートフォリオとしています。
ふわっと雰囲気は伝わるでしょうか(笑)



。。。続く


2020年1月9日木曜日

”Roots”的ダッチアクアリウム入門 #6 (補足)

ライデン通りを語った時点で満足してしまい、すっかり
滞っておりました(笑)
#1~#5でダッチアクアリウムについては概ねご理解
頂けるかと思います。
また、「10cmに1種類」「色・形状の異なる種類を隣接させる」
「ライデン通り」と言う項目は非常に重要で、これらを
大きく外してしまうとダッチアクアリウムモドキですらないと
言えるでしょう。(個人の感想)

もちろん水草の配置や種類の選択などはダッチアクアリウムには
非常に重要です。ただ、ここを完璧にしても一歩引いてみた時に
ちょっとがっかりな状態である場合が多いと思います。
それが水槽周りの処理です。つまり。。。

周囲のインテリアと水槽の調和

と言った部分です。
これは昔からインテリアとしての水槽はどうすれば
良いのか、と言う事で試行錯誤されてきました。
もちろん、水槽自体が部屋のインテリアとして
機能すると言うのは大切なことで、日本のアクアリウム業界に
おいて様々なインテリア水槽と言うものが発売された
経緯があります。

しかしながらふと立ち止まって見てみると
そうすればするほど水槽自体が特別なもの、更には
異質なものとしての存在感が強くなりました。
水槽の「中身」は綺麗ですが、部屋全体をトータルで
見た場合の取って付けた感が凄いのです。

ここでダッチアクアリウムを考えると、そもそも
水槽を紹介する写真自体が部屋ごと撮影されていることが
多いのです。この時点で考え方の違いがうかがい知れます。

まず水槽自体が木枠等で覆われており、水槽前面以外は
見えません。照明器具、ホースやパイプ、濾過機などは
見当たらず、当然ハサミやピンセット、バケツ等も一切
ありません。正面から見える水景以外の物は徹底的に
隠されています。

更に凄いのはここからで、部屋の壁紙や絨毯、周囲に
飾られる調度品、絵画、家具、観葉植物などが
当然のようにトータルでコーディネートされています。
ここまで込みでダッチアクアリウムなんですね。

こうなると日本のアクアリストで再現できる人は
本当に限定されます。
しかしながら、ダッチアクアリウムにトライするにあたり、
水槽内だけでなく、水槽周辺にも意識を向けてみるのも
良いのではないでしょうか。
到底及ばないにしても、少しでも近づけるように
意識を持つのも大切なことだと思います。
そうすることでアクアリウムが1つ上に上がる。。。
のかもしれない(笑)