2019年1月5日土曜日

”Roots”的ダッチアクアリウム入門 #3

前回はダッチアクアリウムの成り立ち的なものを
見てみました。

今回からダッチアクアリウムが突き付けてくる注文を
考えてみたいと思います。
これを踏襲するか否かで、その水景が醸し出す
そこはかとない「ダッチっぽさ」が格段に変わります。

近年のダッチアクアリウムと呼ばれている水景は
ここが抜け落ちていることが多いため、私のような
拗らせている人間は

「ダッチ。。。ではないよね?」

と言う印象を持ってしまいます。

配信の中でもしばしば触れていますが、
最も基本的な部分ではあるけれどあまり
メジャーではないところ。

「10cmに1種類」

これはかなり大きいです。
120cm水槽なら12種類、60cmなら6種類
ということになります。
個人的には本場のダッチアクアリウムに
何とも言えない迫力があるのは恐らくこの
ルールの影響が大きいと思ってます。
日本のマニアなら200cmの水槽に20種は
きっと我慢できないでしょう(笑)

このルールに従うと、自然に使う水草の
種類が抑制されます。つまり1種類のボリュームが
増すわけですね。各水草がそれぞれの区画を
しっかり持ってその存在感を出すので
全体の迫力に繋がっているのだと思います。

また、ダッチアクアリウムが雑然としていないのは
そのレイアウトセンスに因るところも大きいと
思いますが、上記のことで無駄にごちゃごちゃ
することがなく、それぞれの水草がある程度の
ボリューム持って区画を形成しているため
引き締まって見えるのだと思います。

あとはこれにセンタープラントやサイドの処理用の
種類がプラスされても良いのですが、ベースは
10cmに1種類です。

もちろん、多種を上手く組み合わせてレイアウトを
作り上げることも可能ですが、水槽をパッと
見た瞬間にインパクトが無いとダメなんだと思います。
また、単純に使用する種類を減らしてしまった場合も
各種のボリュームは増すものの、デザインとしての
視覚的インパクトは減ってしまうと思います。

いずれも同程度のレベルで計算しつくされた
レイアウトと仮定した場合、視覚的に圧倒する力が
あるのは、多数の種類を複雑に配置した水景や、
種類を抑えすぎた水景よりも、絶妙な種類数で
構成された抽象画のようなレイアウトでは
ないでしょうか。

じっくり時間をかけて詳細を検証し、その技巧や
配置の意図を理解しつくした場合はいずれの
レイアウトのクオリティも高いことがわかると
思いますが、一目見て心に刻まれる、強烈な
インパクトを与える

「水草レイアウト」

と言うのは、また別次元のものでしょう。

全く写真が無いのでお茶濁し用です。。。
テキストだけは殺風景ですからね(笑)