2018年7月14日土曜日

逆に長期維持 <4>

前回は長期維持で水槽に個性が出るという話に
なりました。
それが具体的にどういう事なのかを見てみましょう。


水草水槽を維持してそれなりに時間が経過すると
ソイル系の場合は初期のブーストが終わるころに
水草の生育に変化が見られます。
短期思考の水槽の場合はここでリセットですが、
長期維持の場合はここからです。
ちなみに大磯などの砂礫系の底床の場合は
この辺りからようやく良くなり始めます。
短期のゴール時期=大磯長期のスタートライン
と言った具合ですね。

変化の中で育ちが悪い水草を引き抜き、新たな
水草を買ってきて植えてみる。その繰り返しを
行っていくうちに不思議と綺麗に育つもの、
以前とは異なる草姿ではあるものの良い雰囲気に
なるもの、毎回いじけるものなど、様々な
パターンが見られるようになります。

いつも登場する大磯水槽です。
設置は2000年か2001年なので
17年くらいは経過してますね。



これは作り手の日々の管理、その地域の水道水の水質、
使っている底床や素材の材質や量、添加する栄養素や
その使用頻度など、それらが複雑に絡み合って
得られる結果のため、その人のその水槽でしか
あり得ない状態になります。

マニアやショップの維持された水槽を見たときに
「同じ水草なのに何かが違う。」
「設備は普通なんだけど。。。」
「なぜ間延びせずに育ってるのだろう。」
「水は同じく透明なのにどこか違う感じがする。」
「この水草ってこんなに繊細だったかな?」
など、感覚的に「おや?」と感じることがあると
思いますが、まさにそれがその管理者が産み出す
その「水草水槽」の色なのです。

いつものイエローアマニア(笑)
上の大磯水槽より先にセットしてるはず
なので2000年設置だったと思います。
なのでこちらは18年。
アマゾニアパウダーがメインです。





















つまり、水草水槽を長期維持すると言うことは、
管理者の能力やクセ、水槽のある環境などが反映される
ことであり、その結果自分の管理で、自分の水槽で、
どの水草が美しく育ち、どの水草が合わないのか
と言うことがなんとなく見えてきます。
もちろん方向性が見えてからも模索を続けるわけですから、
それを踏まえての修正・微調整を継続していくことにより
次のステージへと進むことが出来ます。

そうなると更に他人の水槽とは明らかに異なる
水草水槽が出来上がります。
それこそが「水草水槽」の「個性」なのです。
そして、短期思考のレイアウトとは異なり、
恐ろしいことに明確な「ゴール」がありません(笑)
5年、10年と時間の経過と自身の管理により
常に変化し続け、その「水草水槽」はいつも
違う顔を見せ続けてくれるのです。

ここはプラチナソイルを試してみたかったので
初期のアマゾニアから一度リセットしています。
なので比較的新しいですが、それでも5年以上は
経過していると思います。藍藻時代が数年
あったような気がするので。。。(笑)





















弛まぬ努力と時々の手抜き、あるいは無謀な挑戦、
新たな水草の導入やある種の栽培の追及。
そう言った様々なことを1本の水槽、同一の底床で
延々と楽しむことが出来るのです。

私はそんな水草水槽を見て
「う~ん。。。やられた。こりゃマネできん(笑)」
と思いたいんです。


逆に長期維持  終わり

2018年7月12日木曜日

逆に長期維持 <3> 

引き続き長期維持についてです。
前回は近年のレイアウトは主に短期思考で
作られることが殆どであり、使用する器具や水草も
同じようなものであるために、水槽としての
性質は似たような状態に収斂したところで
終了するとしました。

その場合、個性と言うものはレイアウトのみで
表現されることになり、問われるセンスは、
どのような材質の素材(木や石)をどう組み合わせて
どう並べるか、そしてどこにどの水草を配置するか、
と言うことになります。

もちろん、それも発想の自由度や新しさ、
組み合わせの妙みたいな部分で個性が出せると
思います。
しかしながら私の考えるところの

「水草水槽の個性」

と言うのはまた別の部分なのです。
そしてそれを見るためには、それ相応の時間が
必要になります。
それこそが、「水草水槽」を「長期維持」する
楽しさと言うことになるのです。

短期思考での水槽は、もちろん技術も大いに
関係するのですが、主に底床や器具が作り出す
「性能」が反映され、その似た環境で生育する
定番である数種類の水草の状態を見ていることが
多くなってしまいます。

アマゾニアですね。
どのくらいの年数か定かではありません。。。
恐らく7~8年くらいは経っているはず。



















そこでなぜ長期維持の水草水槽に個性が
出るのかを考えてみましょう。

まず、大きな違いとして底床の扱いがあります。
主にソイル系の場合はある期間を経過すると
ソイルの持ついくつかの力が減衰します。
そうなると、そこからの水草育成は、管理者の
影響がより大きくなり始めますが、
短期思考の場合は、そうなった底床は
賞味期限切れとされ、リセットにより新たな
ソイルに入れ替えられることが殆どです。

しかしながら長期維持の場合は、その
賞味期限切れ以降も使い続けます。
そこから引き続き自分の良いと思う管理や
生活ペースに合わせた管理を継続すると、
更に水草の様子が変化したり偏ったり
することでしょう。
そこがその管理者の「水草水槽」の個性に
なりうる部分なのです。

大磯の場合はどうでしょうか。
近年は大磯などの砂礫を底床に用いて
レイアウトを作る人は殆ど居ないと思いますが
せっかくなので少し触れておきます。

大磯ではありませんが。。。
アクアセラミックと言う商品で、
最近どこかの思い出話にも登場していました(笑)
セットしたは良いものの、一般的なレイアウトには
完全に不向きでした(笑)これで19年目。
当然セットしてから入れ替えてないです。





















例えばソイル系の底床を使ってレイアウトを作り、
そのセオリーに沿って管理して見ごろ迎えるとします。
仮にその期間を4ヶ月とした場合、大磯を使用した
水槽はその頃から少し良くなってくるかな、と
言ったところですので、そもそも短期思考の水槽に
不向きな底床なのです。


長くなりそうなので、予定を変更して続きます(笑)

2018年7月10日火曜日

逆に長期維持 <2>

引き続き長期維持の話ですが、少し目線を
変えます。

<1>の冒頭に書きましたアプローチが
画一的であるということですが、やはりそれは
情報のソースがインターネットであることが
多く、検索エンジンが上位に拾い上げるものは
同じものであることがあるため、と言う事が
一因と思います。

また、レイアウトも良いとされるものの
出所が1カ所で、専門誌にもそれに倣った
レイアウトばかりが紹介されるため、
「水草レイアウト」自体がそう言うものだと
認識されている、言い換えれば、レイアウトを
作るならこういう物を作るのが当たり前で、
綺麗なレイアウトとはそういったものだ、
と言ったことになっている印象を受けます。

そういったスタイルのレイアウトには
すでにセオリーやメソッドが存在しており、
それ自体がタイムテーブルに沿って最終形を
目指すタイプです。
決まった期間で結果を出す、つまり短期間で
作り上げるための方法となっています。

また、近年見られる「ミスト式」と呼ばれる
水草の植え付け方法があります。
近年の水草レイアウト自体が前述の通り短期思考で
ある場合が多く、そのための1手法として
用いられていると思います。

しかも、ミスト状態の期間は「水草水槽」ではなく、
注水前と後では環境が大きく変わってしまうため、
純然たる水草水槽の立ち上げとは考えらません。
つまりミスト期間は水草水槽ではないため、
水槽維持の期間には含まれず、水槽の維持期間は
更に短いものとなります。

つまり、現在よく見るレイアウト水槽は
概ね同様の短期思考で作られることが多く、それは
目立った情報がそれしかないことに起因していると
考えられます。そして、そのレイアウトには
ゴールがあるため、結果が出た段階でそのレイアウトは
終わりを迎え、多くの場合はリセットとなります。

以上のようなことから、多くの人が同じような道具、
同じような水草を使い、同じような工程、同じような
期間で終着駅に辿り着く形で水槽を作ることに
なります。

もちろんセッティングからレイアウトの
完成(見ごろを迎える)までが全てマニュアル化
出来ていて、多くの人がその通りにやれば
同じゴール(綺麗なレイアウト水槽)へ向かうことが
出来ると言うのは非常に素晴らしいことで、
こう言った方法の確立は水草への入口を広げることに
大いに役立っていると考えています。

ただ今回は別の話で、それがどういう事かと言うと、
レイアウト自体は当然それぞれ異なるのですが、
水槽自体は同様の過程を出来るだけ短期間で作るため
誰が作っても似たような性質に収斂された段階で
終わってしまうと言えるのではないでしょうか。


。。。続かないとまとまらないので続きます



2018年7月7日土曜日

逆に長期維持 <1>

水草水槽の楽しみ方は様々だと思います。
近年は道具が豊富・安価となり、調達もインターネットを
使えばどこからでも可能です。

しかしながらそれに反して、アプローチはどこか
画一的になっているような気がします。
恐らくはインターネットで検索すると上位には
同じような情報が常に並んでいます。
それを参考にすることによって、大多数の人が
同じ情報をお手本にしていることが考えられます。

また、前述したように道具が非常に良くなったため、
水草水槽自体を作り上げていくと言う作業があまり
必要でなくなりました。
それに加えて、ある意味仕方のない状況とは言え
業界全体が向かった水槽の小型化と、ソイル系底床の
誤った情報の伝播によって、短期間でリセットを
行うことが前提となってしまっています。

2000年くらいに設置しました。
アクアプラントサンドです。
新たに足すことも殆どしてませんが
粒も残っていてまだまだ使えます。




















かつては大磯と呼ばれる海産の砂利が底床の
主流でした。ヨーロッパでは珪砂に近いものが
利用させていたようですが、水草器具のメーカーから
石英を原料にした水質に影響を与えない砂利も
発売されていました。

確か2001年くらいに設置しました。
大磯の細目がメイン、アクアプラントサンド少々、
最下層にアクアグラベルの小粒が入っています。
もちろんリセットは行っていません。
状態の良い時も悪い時ありますけどね。





















これら砂利と呼ばれるものを底床に使用した場合
水草が根を下ろし、底床内が有機的に機能するまで
それ相応の時間を要しました。
そのため、ある程度の期間維持するのが前提で、
ある日を境にどことなく、または劇的に環境が
良くなる(いわゆる立ち上がった状態)瞬間を
目指して、試行錯誤したものです。

しかしながら、ソイル系の底床材の登場で
その立ち上げのプロセスのかなりの部分を
ショートカットしているような状態になっています。
この時点で数か月程度の管理を端折ったことになり、
ゴールとは言えないのですが、ゴールに近い状態に
ワープするような結果となります。

大磯などの底床でようやく立ち上がった水草水槽は
そこからが本番で、いよいよ本命の水草を導入したり、
クリプトコリネなどが美しくなり始めることかと思います。
そこまでの過程とようやくたどり着いたその状態を
そこから数か月でおいそれと壊すと言う事は
非常に勿体ないことです。
なぜなら、ようやく水草水槽として機能し始めた
ということですし、そこから楽しくなってくるからです。


続く予定。。。

2018年4月29日日曜日

当店リリースのアグラオネマ ピクタムの名称とその由来について (改訂版)

アグラオネマ ピクタムがアクアシーンに登場して
10年ほど経過しました。
その間、様々な出来事があり、色んな事が見えてきました。
立場上、優先的に入ってくる情報もありますが、またその
逆もあるわけで、すべてを見てきたわけではありませんが
導き出された答えがあります。

と、まぁそれはさて置き(笑)
10年ひと昔ではありませんが、そろそろ何周か回ったのかな、
と感じるのは、素朴な疑問を投げかけられた時です。
これはずっと関わってると特に気にならないのですが、
普通に初めて入ってきた人には何を言ってるのだろう?
と言う事になると思います。

と言う訳で、最近も何度かご質問を頂きましたので
簡単に解説したいと思います。
基本的には2013年に書いた記事をトレースしつつ、
思いついたことを加筆します。

・「Class2」
AZ便のピクタム初入荷をリアルタイムで見ていないと
わかりません(笑)
ニアス島で野生のピクタムが見つかり、入荷した際に
当時は今のように多種多様なパターンが無く、
ピクタムに関しての認識や価値観が明確には固まって
いませんでした。
そのため、「サイズ」「模様」「葉数」「色」等を
考慮して価格を付けるしかなく、下からClass1、
Class2、Class3、Class4と言った具合に価格帯を
わけました。
その際、Class2には緑三色しか入っておらず、
次の便までClass2と名称で増殖株や養生株を
販売していたため、そのままその緑三色の
ピクタムを「Class2」と呼ぶようになりました。
つまり、Class2は「ニアス島初入荷の産地」の
「緑三色」のピクタムを指します。

・「エウレカ」と「エウレカタイプ」
当店では私が忘れていなければ「エウレカタイプ」として
リリースしていると思います。最近は歳を取って
忘れていることもあるかもしれませんが(笑)

ニアス島から初めてピクタムが入荷した際に、
クラス分けをして販売したのは前述の通りですが、
その最上であるClass4より更に上物個体として
選抜された9株が、通し番号付きで「エウレカ」と
呼ばれました。
すなわちエウレカ1~エウレカ9までが存在すると
言う事です。
(ちなみにClass4以下にはエウレカタイプと後の
ニルバーシュが混在していました)

※現在でもAZ直販で「エウレカ7」が出てくるのは
 この「7」です。

つまり、「エウレカ」と名が付いたのはこの9株(と
その増殖株)のみしか存在せず、それ以外はClass~であり、
厳密に言うとエウレカではありません。
当店で「エウレカタイプ」で販売するのは、私が当時の
「1~9」を残しておらず、親株はClass4となっている
ためです。
ただし、同産地であり、カラーパターンも同じなので、
別物と言うわけではありません。あくまで概念の問題と
なっています。

エウレカタイプです。もちろん個体差があります。

















・神10
その後、ニアス島のピクタムがある程度の数量で
再入荷した際に、Maxサイズに近いような立派な
株がありました。10株あったそれらが、48グループ
選抜総選挙(今年もあります(笑))の上位7名を
「神7(かみセブン)」と呼ぶことに引っ掛けて
「神10(かみテン)」と呼ばれました

その際にエウレカとは異なり、通し番号が無く、
株自体を識別するようなことはありませんでした。
もうお気づきかと思いますが、「エウレカ」同様
「神10」はその10株とその増殖株のみとなります。

もちろん「エウレカ」=「神10」=「エウレカタイプ」
と考えて間違いありませんが、概念上別物です。

・「元祖トリカラー」
当店がリリースしている園芸由来の昔から日本に
存在していたピクタム'トリカラー'のことを指します。
当店が最初に本タイプを入手した時点ですでに
日本で栽培されて何年も経過していました。

当店でリリースした当初は流通しているトリカラーと
呼ばれるピクタムはこのタイプしかなく、園芸でも
「ピクタム'トリカラー'」と呼ばれていました。

インターネットで調べると本タイプとは別に、濃い色の
タイプ(現在で言う当店リリースの記載タイプ系)も
存在していましたが、目立った流通はありませんでした。

本タイプを知った時に、「水草愛好家の中にこういうのが
好きな人が絶対に居るはずだ。」と思い、2007年頃に
水草の世界にA.ピクタム'トリカラー'を持ち込んだのですが
思った通り、反応してくださった方がちらほら
いらっしゃいました。

そうするとどうしても需給バランスが崩れてしまうので
水草のルートでお願いしてみるとタイから3タイプの
ピクタム'トリカラー'が入荷しました。
ピクタムが水草界隈で認知されだしてからタイから
入荷したものと、昔からの本タイプを区別しているうちに
自然と「元祖」と呼ばれるようになっていました。

園芸の「元祖タイプ」と言うのを見たことが無いので
何とも言えませんが、本タイプと後に入荷した
タイの園芸のタイプが同様ならば、エウレカと
エウレカタイプと同じ認識になるのですが、別物だと
「元祖」と「元祖タイプ」は違う物と言えます。

・2-2
当店のドマイナータイプです(笑)
ニアスの2便目あたりにもたらされた緑三色です。
当時緑三色と言えばClass2でしたが、それとは
別産地の緑三色、つまりClass2のタイプ2と言った
意味合いで2-2と表記しました。そこから2年2組と
こちらで勝手に呼ぶようになりました。
つまり2-2は当店独自の呼び方です。
おそらく当店のみのリリースになっていたと思います。



・白玉ちゃん
AZ便のピクタムですが、正式名称?としては
「DFS マルチカラー 白玉」
でしょうか。
マルチの中でも幼株で本タイプと認識しやすい
アクは強くないが特徴的なタイプ。
大きくなってもエグみは無く爽やかな感じ。
と言うことを踏まえ、白玉と言う可愛らしい響きから
私が勝手に「白玉ちゃん」と呼んだだけです。
特に意味はありません(笑)

白玉ちゃんの幼株表現。
これはこれで綺麗なんですよ。




















・反転(反転系)
名称ではありませんが、反転って何ですか?と言う
ご質問を頂いたことがありますので、ついでに。
これは人によって解釈が相当異なっているようですが、
個人的な見解を。
おそらく最初はAZ便のゴールドラッシュではないでしょうか。
これを反転と呼ぶのであれば、定義は

「地色と模様が逆になっている」

と言う事です。つまり本来地色は最も濃い緑で、
2色目に黄緑(少し明るいトーンの緑)、3色目に
更に違った緑(または灰緑、クリーム色x緑と言った色、
あるいは白系)になりますが、地色が2色目の緑で
本来地色であるべき最も濃い色が模様になっているのが
反転です。

ポイントは「地色であるべき濃い色が模様」に
なっている点なので、成長して2色目の面積が
葉の殆どを占めてしまい、隙間から地色が覗いている
と言った場合は「反転」ではなく、単に
「模様の面積が広い」だけです。

あとは反転によく見られる特徴としては
地色であるべき濃い色が模様になっているのは
前述の通りですが、その模様が2色目の下に
埋没しているように見える点です。
下地の上に絵の具を乗せたのではなく模様を
先に描いて上から薄く下地を作ったと言った感じ
でしょうか。
まぁこうなるとどっちが地色なんだと言えなくも
ないですが(笑)

これは人によって捉えた方が異なる感じがするので
少なくとも私個人はこのように認識しています。

ゴールドラッシュ。
模様少な目の方がわかりやすいので地味な葉を(笑)




















(注)
私個人の記憶と当店の判断基準の中で書いています。
ピクタムをアクアに持ち込んでから10年以上経過した
現在、色々と変化も見られますので、現状とのズレなどが
生じている場合はご容赦下さい。

2018年4月10日火曜日

冬は終わらない

2018年の第1四半期が終わりました。
とりあえず色々あったのでざっくりと見てみましょう。


今年に入ってから関東の有名店が閉店したとの
ニュースがありました。

JCNET 第1報
JCNET 追報

こちらは以前触れました2016年の情報です。
JCNET 第1報
JCNET 追報
そして先日、再建を断念したようだと言う話が飛び込んで
来ました(※公式には未確認)


また、今月からガーパイクが特定外来生物としての
規制が開始されました。個人的に好きな魚なので
非常に残念です。
ガー科の特定外来生物指定について


ADA製品の多くが価格改定となります。
平たく言うと値上げですね。
ADAネイチャーアクアリウム製品価格改定のお知らせ
駆け込み需要は多少あるかと思いますが、
その反動はいかに。


各運送会社の荷受け基準が変更になっています。
ヤマト運輸 らくらく家財宅急便 受付条件
その他3社に確認しましたが、いずれもガラス水槽の
荷受けは不可となっていました。
現状、店頭には届くと言う矛盾は生じてますが
もしかしたらこの辺りも修正されるのかもしれません。
そうなるとガラス水槽の流通はどうなるのでしょうか。
小型水槽は大丈夫だと思いますが、これだと
ますます小型水槽しか見かけなくなるような。。。

そろそろプラス要因を探すことが難しくなってきた
感じがします。
2018年はまだ半分以上ありますが、どうなりますか
何がありますか。

2018年2月10日土曜日

水草と言う特殊な商品

水草の入荷ルートは様々あります。
一般的なところでは、ヨーロッパ、東南アジア、国内の
水草ファームからの入荷です。日本国内で流通している
多くの水草がこのルートでしょう。

私が身を置く特殊な水草界の場合はちょっと違いますね。
みなさんご存知の採集業者さんたちが持ち帰る、現地で
採集された水草(まぁ今は植物と言った方が良いですが)が
メインとなります。
プラスアルファで、問屋さんの努力による現地の業者を
使った採集品が入荷します。代表的なところでインド便、
カメルーン便、ギニア便、インドネシア便などです。
ブラジル便のように今はもう途絶えてしまったルートもあり、
過去には様々なものが入荷しました。
同じ便でも実は現地の業者が変わってることも
あります。

振り返ると、本当に多くの水草が日本にやってきては
消えて行くと言うことを繰り返していますが、幸いにも
ずっと維持されている種類もあります。

例えばトニナsp.と言う有茎草を見てみましょう。


一世を風靡したトニナsp.です。
文字通りスタープランツと言えるほどの
地位まで駆け上りました。本種が
ソイルの需要を押し上げたと言っても
過言ではありません。ADAはトニナと
レッドビーを神棚に祀るべき(笑)

本種はその独特な草姿から誰がどう見ても間違うことは
ありません。「トニナ」と言えばこの水草です。
しかしながら、水草には同種異産地、同タイプ異産地などがあり、
並べても見分けがつかないものが多数存在しています。

トニナと言えばスターレンジです(笑)
スターレンジのベレンとアルタミーラはそっくりです。
なんだったらトカンチンスも似てたと思います。
エキノドルスなんかも産地が違うだけで見分けがつかないものが
あります。
似た種類を別の環境で栽培していて、それを別々に見た場合、
まず区別がつきません。

水草以外での似たような例としてはアグラオネマ ピクタムが
あります。同産地の同系統・異タイプとして入荷しても
その産地の傾向と言うものがあるので、現地サイズ以上に
育成したり、好条件の同じ環境で栽培した場合は、一定の
模様に収斂する場合もあるかと思います。
ただ、近年は「タグ」と言う名札がついていることがあるので
それが身分証明書のような役割を果たしているようです。

しかしながら、かつての採集物の水草にはそんなものが
ありません。
もちろん葉っぱの裏に名前が書いてあるわけでも
刻印があるわけでもありません。型番があったり
照らし合わせるカタログがあるわけでもありません。
JANコードも無ければ透かしもありません。
マイクロチップも電子タグも付いてません。
質屋に持って行っても見分けはつきません。
その区別のつかない同じ(似た)種類を割と大きく
異なる価格で販売しているのが水草です。

例えばエキノドルスのウルグアイエンシス。
ワイルド(の増殖株)とファーム物が区別がつくのかと
言われると、それぞれでタイプ違いがあるので
なかなか困難を極めます。と言いますかわかりません(笑)
主に黄緑のエキノドルスはワイルドで~産ですと
言われると「そうなんだ。」としか言いようがない。
ワイルドのウルグアイエンシスですが、
これだけで見ても区別はつきませんね。。。


















また、身近なところではギニア便のボルビティスも
普通はファーム物と区別がつかないでしょう。
まぁこれは価格に大きな差は無いような。。。(笑)

そうなると重要な点がいくつか出てきます。

・販売者がその水草の出自を把握しているのか
・初便(その便)を仕入れた履歴があるのか
・採集者と取引があるのか

と言うところがあるでしょうか。
それに加えて、

・似た種を混同しないように管理しているのか
・安易に出自不明の増殖株を入手していないか

と言う部分もそれなりに重要になってくるでしょう。
ただし、これらは資格や証明書があるわけではなく、
殆どが形として見ることが出来ないものばかりです。

これはすなわち「概念を信用で売っている」と言った
ところでしょうか。そして、その価値は、例えば
当店なら私を信用して頂いていると言う部分と
みなさんがそれはそう言うものだと言う事に
合意している事で成り立っています。

なんとも不思議なものですね。。。
ちゃんとやります(笑)

2018年1月20日土曜日

welcome back

近年は新たな水草の入荷がめっきり減ってしまいました。
特にワイルドの採集物と言うのは皆無といっても
過言ではないくらいのレベルです。

かつては南米からの未知の水草や個人採集の
東南アジア産水草が退屈する間も無く
続々と紹介され、その合間にファームの新着も
あったりして、選び放題と言う贅沢な時期がありました。

現在唯一残っているアクアリウム関係の月刊誌である
AL誌にある新着を紹介するコーナーの
アクアフィーチャーでも、かつては毎月3~5種は
水草が掲載されていたものですが、今となっては
掲載されるのが珍しいと言う状況です。

採集物に関しては、採って来る人が居なくなったので
入荷しないのですが(笑)、ファームからの水草は
途絶えたわけではありません。
現在でも昔からの定番種、例えばアヌビアス ナナや
ミクロソリウムなどのポット物、鉛巻きの有茎草、
そして現在は組織培養カップが輸入されています。

その中にファームの新作と言うものは少量ながら
毎年あるのですが、さほど目立って取り上げられることが
ありません。
もちろん、日本初入荷種の場合はT氏(笑)の目に留まれば
紹介されることもあるのですが、殆ど埋もれているように
思います。
それに加えて、

ファームの新作≠我々にとっての新作

ではないと言うことが、近年多くなっています。
さて、それはどう言うことか。
賢明な読者ならお気付きですね(笑)
かつて日本に入ってきた様々な水草が、日本で
流通した後、現在は海外のファームが生産して
日本に送られてきています。
















どういったものがあるのか見てみましょう。
近年のスターとしては先日も由来を取り上げました
Newラージパールグラスですね。
これは100%断言できます(笑)
AZ便で当店にのみ入荷したもので、即リリース分は
ともかく、まぁ大して売れなかったのでその後は
私が栽培して、這うのを確認して「前景用水草」として
リリースしたものです。

生産されている(されていた)ものでは、かつての
南米有茎ブームの時にもたらされた物が
ちらほら見られます。例えば。。。

トニナsp.ベレン
スターレンジ サンガブリエル
ケヤリソウ
パンタナールウェーブリーフハイグロ
スタウロギネsp.ポルトベーリョ
ハイグロフィラsp.アラグアイア
ミリオフィラムsp.ガイアナ

この辺は日本で楽しまれた後に海外へ流出したものです。
名前がちょくちょく変わっていて、下の3種は
アマゾンハイグロ ‘ポルトベーリョ’
アラグアイア レッドシャープリーフハイグロ
ガイアナ ドワーフミリオ
が当時の名称です。

また、東南アジアやアフリカ辺りの水草も、
水草業界の有名どころや問屋さん経由の
ワイルドものが、海外に持ち出されて生産されて
います。こちらも例を挙げますと。。。

ベトナムゴマノハグサ
インディアンクラススラ
ギニアンルドウィジア
ロタラsp.ベトナム
パンタナールヘミグラフィスsp.
ローライマブラックナヤス

この辺りは確実に日本由来です。
ブラックナヤスなんか好きな人が
かなり限られそうですが。。。(笑)
ベレンのレッドカボンバも来たのですが、
入荷時にちょっと大きかったのと葉数を
見てるとまだちょっと。

恐らくそうであろうけど、微妙なところや
一部不確実な部分が残るようなものは。。。

ブセファランドラsp.レッド
ブセファランドラsp.グリーンウェービー
ハイグロフィラ ピンナティフィダ
エレオカリス アキクラリス ミニ
ウォーターローン

これらはほぼ間違いなく日本由来だと
思うのですが、インドネシアやインドに関しては
ヨーロッパと繋がっている可能性があるので
断言できません。
ただし、水草としての有用性を最初に見出し、
アクアリウムに用いたのは日本で間違いないと
思います。
ヘアーグラスのミニは恐らくベレンのミニヘアー
でしょう。

まぁまだちらほらあるのですが、色々あって
割愛してます(笑)
入荷する水草からこれらを差し引いて考えた場合、
ラインナップの印象がガラリと変わる気がしませんか?

これだけ役立つ水草が日本から行ってるのに
いつまで経っても格下に見てるのは
どう言うつもりなのか。。。

しかしながら、新たな水草の入荷が無くなっている
現状からすると、今後は「おかえりなさい」と
言える水草はあまり出てこないかもしれませんね。