クリプトコリネと言う水草が持つ魅力はなんでしょう。
苔むした水草愛好家なら小一時間は語れるかもしれませんね(笑)
まず水草として考えた場合、その個性とバラエティに富んだ
草姿(≒葉の形状や色彩)だと思います。
葉幅数ミリのテープ状の物(線形)から、丸葉(心形・卵形?)まで
様々であり、大きさも数センチ~1メートル近いものまであります。
また、緑から茶色までの間にその色彩は無段階に存在し、
葉1枚でも様々な色の変化が見られます。
更に、葉の縁や葉全体が波打っていたり、葉の表面が
ハンマーで叩いたように凸凹になっていたりと、その形状も
非常に興味深いものです。
Cry. ウェンティ 'リアルグリーン'で入荷するもの。 スリランカ狭葉系で最も緑を維持できるタイプ。 ただし、好条件下で茶色は乗る。 |
水草水槽においてのクリプトコリネは主役にも脇役にも
なれる魅力を持っています。
前景~後景まで使える種類が揃っているのは、様々な草姿を
持っている水草であるためなのは前述の通り。
主にランナーで増殖するため自身で群生を形成してくれます。
もちろん、ある程度離れた場所から出現することもあるので
そのような意図に反する区画に侵入した際はカットすれば
良いだけ。
多くの水草に言えることですが、やはり真骨頂は群生美!
もちろんクリプトも茂った時が美しいのです。
Cry. ペッチィで入荷するもの。 スリランカ狭葉系では見かけることはやや少ない。 ウェンティやウンデュラータ、ワルケリィで入荷するものに 比べて若干ではあるが弱い側面がある。 |
また、一般的に流通している種類は育成条件が厳しくなく、
二酸化炭素の添加や肥料、照明などの下方への適応範囲が
広く、設備的に控えめでも育ってくれるところも優れている点です。
Cry.ウンデュラータ レッドで入荷するもの。 成長が速くレイアウト向き。独特の赤茶色も魅力。 |
Cry.パルバ「オリエンタル」 シンガポールのオリエンタルアクアリウムから入荷する パルバがパルバで最小。恐らく最小のクリプト。ただし 成長が非常に遅く、必要数の購入が必須。 |
。。。とまぁ、そう言ったところは一般的な視点。
(画像が古くてすみません。。。)
さて、ここからはちょっと屈折した水草好きとして考えてみましょう。
まずはファームで生産されていないものが殆ど。
もちろん、採集物の増殖株が販売されてはいるものの、
無くなれば終わり。次に入手出来る保証はない。
まぁワイルドものすべてにおいて言えるかもしれませんが、
稀にファームに渡って逆輸入と言うパターンが見られますからね。
その代表はNewラージパール。少し前だとアマゾンハイグロや
スターレンジ、ギニア便のルドなんかもそう。
クリプトだとなぜかヒュードロイはそんな感じ。
有茎草はファームがその気になればあっさりと作られます。
ただし、水上葉を作ることが大事ですが。
まぁこの辺の話題はまた別の機会にでも。。。
先日少量入荷したアポノゲチフォリアなんかは
もう長い間まともな入荷もない状態でしたし。。。
気になった時に買わないと次が無い、かもしれない種類が
多いんですね。
斑入りのポンテデリフォリアもロザエも海外からはもう
入ってきてません。ネットでは見つけましたが(笑)
幸いコルダータのロザエは元株がタイ産なので、日本の水に
馴染みやすかったのか、水草水槽であっさりと育つこともあり、
叩き売られるようになりましたが。。。
草そのものの価値がなんら変わるわけではありません。
「ロザエ」は「ロザエ」なんです。128.000円でも1280円でも
「Rosanervig」なんですよ。
まぁ要約すると入手が意外と困難、と言うところも魅力の
1つ、と言ったところでしょうか。
次にコレクション性の高さ。これは重要視する必要も
無いのですが、これが無いと始まらないのもまた事実。
クリプトが優れているのは、種類ごとに全く異なる外見を
していることや、種の中でも変異があること。
わかりやすい所だとコルダータやクリスパチュラですね。
ここらは種類の中で結構なタイプがあります。
学術的に「var.~」となっているものもあれば、趣味目線での
個体群の差まで様々。
最近だと神畑インド便の功績であるスピラリスの多様性。
まぁスピラリスマニアなんて日本に1~2人居れば奇跡だと
思いますが、居ても良いくらい違う。
また、東南アジア各国に自生しており、その地域ごとに
特有の種が存在していて、国ごとに見ても面白い。
特にボルネオやスリランカは固有種が多産でとても
魅力的です。また、ベトナムやフィリピン、ニューギニアなどは
少数精鋭で独特の種類が存在しています。
マレーやインドネシア、周辺の島々にも見られますから
未だに新たな種や変種が発見されています。
クリプトは情報収集さえ行っていれば、飽きることのない
水草なんですね。
。。。続く
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