2017年10月6日金曜日

絶滅水草専門店

近年は水草専門店と言うものをみつけるのが困難になりました。
以前は良くも悪くもそこそこあって、なんとなく水草に
注力しているショップを巡ることも不可能ではありませんでした。

私自身は水草好きなので、たまに「水草で」刺激を受けたいと
思い続けているのですが、なかなかそういう機会に恵まれません。
ちなみに、私の言う水草専門店と言うのは、水草に特化した
ショップで、以前にもブログに書きましたが(~屋って難しい)、
情報発信量と取り扱い量、あとは内容が伴ってと言う感じです。
まぁ完全に主観なのですが(笑)

昔はあんなに水草専門店やそれに類するショップがあったのに
今は何故無くなってしまったのでしょうか。
理由は様々あると思うのですが、近年の状況と比較すると
主な理由は以下のようなことかと思います。

・新着の水草が来ない
これはなかなか致命的です。
基本的に水草マニアは新しい種類を常に渇望しています。
個人的なイメージですが、新たな種類を集めたいと
いうのもあると思いますが、それよりも未知の種類と
出会って攻略したい、と言うのが強いと思います。
そこがモチベーションに繋がることが多い。
また、インターネットが無かった時代には洋書を見て
未入荷種に強い憧れを抱き続けていた、と言うこともあり
それが入荷した時の感動は近年の新着とは比較に
ならないと思います。

・栽培方法の確立
ソイル系の底床、主にアマゾニアの登場と共に、難種の
栽培が容易に可能となり、試行錯誤と再挑戦・再々挑戦の
機会が激減しました。と言う訳でマニアックになるはずであろう
種類があっという間に普及種への道を進んでしまい、
マニアック路線のショップの優位性が極端に低下すると言う
状況が出来てしまいました。

・海外ファームの影響力の低下
新作水草のリリースや新たなファームの開拓が滞りました。
むしろ金融危機以降はファームの減少や効率化が
進められるようになり、ファームにおけるラインナップの
リストラが継続的に行われているような印象を受けます。
また、日本人によってもたらされた水草を海外ファームが
生産するようになり、日本においては新作が新作として
機能しません。十数年経ってから当時いじり倒した
「スタウロギネsp.ポルトベーリョ」
「ハイグロフィラsp.アラグアイア」
と言った具合に少々呼び方が変わって入荷しても新しい
訳ではないんですね。
また、日本向けのビジネス自体が縮小傾向にあるように
感じます。

・水上育成から陸上植物への移行
近年大規模に進んでしまったこの動きは、水槽から
水を抜くことを選択させてしまったかもしれない。
ある意味、自分自身でこちらへの方向を後押ししたとも
言えますが。。。
一旦上陸してしまうと、炭酸ガス、コケ、換水などの
煩わしさ?から解放されて戻れなくなると言う部分が
あるように思います。

・そもそも論
身も蓋も無い話になってしまいますが、日本国内では
アクアリウム自体が衰退しているので、その中でも
ニッチ過ぎるマニアック水草の世界などは、業界内で
殆ど必要とされていないと思われます。

・水草マニアの減少
上記の中に見られる理由から水草マニア自体が大幅に
減ってしまったことが考えられます。
また、90年代~2003のような水草黄金期ど真ん中に
居たマニア層が、ちょうど様々な環境の変化
(例えば就職、結婚、子供、住居など)を迎えるタイミング
だったこともあるかもしれません。

細部を見るとまだまだあるとは思いますが、
キリが無いので(笑)

。。。と言うような理由から水草専門店が無くなって
しまうのだと思います。

まぁ私自身も歳をとってしまい、懐古主義的な部分が
あるのだろうと思いますが、かつてはあの時の怒涛のような
入荷と善し悪しはともかくそれらをすべて食らい尽くすような
消費行動、そしてショップの乱立を許容してしまう全体的な
パワーの存在があったから成立していた状況だと思います。
今はもう不可能な話ですね(笑)なにせ、換金手段や
トレードが殆ど皆無の状況で起こっていたわけですからね。
今は。。。と考えると根本的な部分が大きく異なって
きていますから、やはり不可能です。

まぁ以前からここに書いていますが、水草と言う趣味は
一般化する必要もなく、極々限られた世界でのもので
良いと、私は思っていますので、規模的には現状か
ちょいプラスマイナスと言ったくらいが適温だろうと
考えています。