2017年12月3日日曜日

ノスタルジック プランツ

近年、海外から入荷する水草の殆どがファームものと
なっています。主には東南アジアとヨーロッパからの
入荷で、それぞれ複数のファームがあるのですが
ヨーロッパからは殆どがトロピカの入荷で占められている
と言う印象があります。

もちろん現在もオランダからの入荷もあるのですが、
かなり影が薄くなっており、目を引く新作にも乏しく、
10年以上も誤った種小名を使い続けている※ような
状況があります。

※アクアフルールと言うオランダのファームは
 もう10年以上、スリランカの狭葉系クリプトに
 「クリプトコリネ ブローサ」の名前をあてて
 販売しています。

ドイツからはデナリー(DENNERLE)が入荷します。
最近の代表作は「クリプトコリネ 'フラミンゴ'」や
「アヌビアス ナナ 'Pinto'」などがあります。
一時期は改良品種のエキノドルスにも手詰まり感が
ありましたが、ようやくそこから脱却して近年は
なかなか良いものを作ってきています。

ドイツと言えばアクアリウム先進国であり、
名だたるメーカーやファームがあります。
その中で、水草マニアが忘れてはならない存在が
あります。

「Hans Barth Dessau」

旧東ドイツのDessauにあったこのファームは
その名の通り、バース博士のファームなのです。
確か、博士と呼ばれるのはご本人はあまり好きではなかった
ように記憶していますが、古い事のなので(笑)

私がバースの水草と出会ったのは水草の輸入卸に
いた時に、上司が確かインターズーだったかで
バースのブースを見つけて、その後に始まった
輸入が最初でした。
そのリストにはオテリア ウルヴィフォリア’、
クリプトコリネ ヒュードロイ、アヌビアス コーヒーフォリア、
カボンバ シルバーグリーンと言うとんでもないメンツが
勢揃いしていました。当然すべて日本初入荷で、まだ
誰も実物を見たことが無いものばかり。
もちろん、バース氏の作出したエキノドルスの改良品種や
オリジナルのEch.バーシィ、ホレマニーグリーン、
タイガーロータス、後半に日本初入荷となり、その
毒の有無が話題となったハイグロフィラ バルサミカなど
水草マニアには垂涎ものでした。
こぼれ話的なことを言えば、最初はウルヴィフォリアと
ヒュードロイのスペルが間違っていました(笑)

また、バース氏が水草研究者と言いますか、または
愛好家と言いますか、商売人じゃなかったんですね。
取引も日本を下に見がちなヨーロッパ勢の印象とは
かなり異なったように記憶しています。
大量生産から一定の距離を置き、地道に生産していた
そのスタイルも非常に好感が持てました。

南米有茎やワイルドのエキノドルスやクリプトコリネと共に
水草の一時代を担ったバース便は今はもう来ませんが、
オテリア、ヒュードロイ、コーヒフォリア、シルバーグリーンは
今でも入手できる素晴らしい水草となっています。

Ottelia ulvifolia
これは先日入荷した神畑ギニア便の株ですが、バース便の
子孫は時折東南アジアのファームや国産ものが出回ります。
久々のギニア便で入荷した株です。
水槽内で葉を展開してくれました。
バース便のとは違う個体群だと思います。
凄く大きくなるのですが、これを良いサイズと
ボリュームに仕立てるのが腕の見せ所(笑)
透明感のある葉に虎斑模様が素晴らしい。


Cryptocoryne hudoroi
私がその初便をキープしています。
私個人は初入荷の96年から切れることのない
お付き合いです。以前はワイルドの入荷も
ありましたが、今はアジアのファームから
比較的安価で時々入荷しています。




















Anubias barteri ’Coffeefolia’
ヨーロッパ、東南アジアのファームからある程度の頻度で
入荷しています。
初めて見た時はこれもしびれました!
波打つ葉に色づく新芽に感動。
大きく育てると凄く格好良くなる種類です。
ファーム物が流通しますが、稀に途切れます。




















Cabomba caroliniana 'Silver-Green'
国産品が流通しています。
斑じゃないですよ。ねじれです。
元祖トルネード(笑)
これも憧れの水草でしたね。
上からの見た時の美しさは格別!




















今後、こんなにも熱い水草ファームが見つかることは
無いでしょう。。。

2017年11月30日木曜日

「ホレマニー」と「ウルグアイエンシス」 Part6 最終回

前回はウルグアイエンシスの知られざる?タイプ違いに
ついて見てみました。
1種を見続けるだけでも延々と遊べるということが
わかると思います。

さて、落としどころもわからなくなってきましたが(笑)
最後はホレマニーについてです。
ホレマニーと言えばエキノドルスの王様と言っても
良いでしょう。

エキノドルスの終着点はホレマニーグリーンです。
もちろん魅力的なエキノドルスはたくさんあります。
しかしながら、やはりその存在は絶対的なものだと
思います。
透明感のある濃いグリーンの葉に規則的に並ぶ
葉脈は美しいの一言。
水槽内にその1株があれば他に何もなくても
成立してしまう存在感。
それでいて手間がかからないと言う素晴らしい水草。
水草マニアを自負するなら一度は育ててほしい。
基本的に水草水槽が癒しと言うことは無いのですが、
美しく育てられたホレマニーグリーンが水流に
そよぐ姿だけは、もしかしたら癒しなのかもしれません。

もちろん赤系も大変美しいです。
基本的にダークグリーンでもスーパーレッドでも
同じですが、これは冬がシーズンです。
冬の紅葉はそれは素晴らしいもので、赤ワインのような
その色彩はとても水草とは思えない。

ホレマニーにもタイプが色々あるのは再三申し上げて
来ましたが、どんな美辞麗句を並べたところで
この水草の魅力を伝えるのは難しいと思います(笑)



レッドエッジ
ようやく再生中。。。
当店で名前を付けて販売した数少ないエキノです。
アクアプランツ創刊号P.31に登場してます。
2004年当時と同じ水槽、同じ底床、同じ位置(笑)
店頭ラスト1株、しかも瀕死でしたが
ようやく復活中。やれやれ。。。
新芽から数枚に赤い縁取りが出来るから
この名前です。特に暗い環境だと新芽が
赤くなるほどエッジの色が内側に広がる。




















葉のアップ
後ろの草が透けて見えるほど透明な深緑色の葉と、
それと対比するような綺麗に並んだ明るい葉脈。
新芽じゃないのでエッジはありません(笑)



















座標軸
名前も格好良い。
非常に美しい草姿なので使いまわし(笑)
長い間日本に存在するホレマニー。
快く譲って頂いた筒井さんに感謝!!



















San Ignacio Paraguay
AZ便第1号のホレマニー。
以前にも書きましたが、このタイプを残せて
本当に良かった。
非常に珍しいパラグアイ産のホレマニー。
画像の株はまだこれからではあるものの、
葉の下半分のウェーブが顕著になっています。
大変装飾的な個体群です。美しい。




















Montecarlo-1
AZ便ホレマニーで最も幅広だった個体群
AZ0112-15=AZ1110-6
まだ大きく出来ていないので自身の宿題。
水槽内であの透明感のあるブロードリーフを
ぜひ再現したい!現在育成中。



















Montecarlo-3
かの有名な「Newラージパール」と同産地。
AZ1110-8
以前、もう少し大きく育った時も葉幅が
出なかったので、おそらくナローリーフ系だと
思います。この草姿が標準なのかは不明です。



















赤系は数が少ないですね。

スーパーレッド
とにかく良い色です。原種赤系No.1でしょう。
この画像も上手く撮れ過ぎていてついつい
使いまわしてしまいます。赤と言うか黒っぽい。
ホレマニーの烏葉と言ったところでしょうか。
水温が低いと紅葉するのでより楽しめます。






















葉のアップ
臙脂や蘇芳と言えば良いのか、筆舌に尽くし難い。

















ダークグリーン
何故この名前にしたのかは不明(笑)
見えないところで改名騒動があったものの
結局そのまま。
ちょっと誤魔化しきれない水槽の汚さ(笑)
新芽の色合いなどはスーパーレッドにも
引けを取らないとは思います。この辺の
違いはもう気持ちの問題です(笑)




















ブラッドレッド
全く別のルートから入手しましたが、
正体は不明です。ただ、色はかなり良い。
なぜか後ろに向かって進んでいるため
撮影は困難(笑)この時期と言うのもあって
とんでもない色をしています。
これも一度大きくしないとダメなのですが
手つかずの宿題となっています。。。



















様々なホレマニーを見てきましたが、やはりどれも
美しいですね。大型水槽で何にもひっかからずに
放射状に葉を展開させても良いですし、横長で
水深が浅めの水槽に流れを作って棚引かせても
良いでしょう。AZさんやFMの現地画像を見ていると
後者の方がより自然な感じかもしれません。

いつの日かそんな水槽を眺めてみたいですね。



「ホレマニー」と「ウルグアイエンシス」 
 終わり




2017年11月19日日曜日

背中合わせ

以前に水草業界の大きな変化として組織培養カップの
普及について触れました。
見ている限り、世間的には割とすんなり受け入れられた
印象でした。
もちろん以前の記事で解説した通り、メリットものあるのですが、
個人的にはある意味収縮の方向への転換点になったのでは
ないかと感じています。

組織培養カップの水草は寒天培地に根を張っているため、
従来のロックウールに根付いたポットに比べて水草を取り外すのが
容易で、植える前の準備が楽だと言われています。
これはもう殆ど手間と言えるレベルではありません。

しかしながらここから更に進みます。

「液体培地」

の登場です。




これを聞いた時は違った意味で驚きました。
もちろん、ファーム側、ユーザー側共に利便性の向上と
捉えるべきことなんだとは思うのですが、私自身が
直感的に感じたことは、この流れはどこまで行って
これからのユーザーやショップは無意識のうちに
どんどんスポイルされていくのだろう、と言う事でした。

趣味は無駄があってこそだと思うのですが、器具や
底床、更には水草の供給形態までもが進化??しており
ユーザーが良くも悪くも出来ること・やらねばならないことが
削ぎ落されていく状況にあるように思います。
面倒くさい部分があるからこそ、頭を使って、いかに
自身で効率的にするか(手抜きできるか)を模索するのも
この趣味の楽しみの1つだったはずなのです。
単純に楽だからアクアリウム人口が増えると言うものでは
ありません。

水草だけではありませんが、ユーザー側の本来の
楽しみ(趣味的苦痛)が上流で奪われているような
気がしてなりません。