2018年8月25日土曜日

水草水槽的キャズム〈3〉

水草水槽を始めた人の多くは、相当な気合を入れて
と言うよりも、ちょっとやってみようかなと言った
感じだと思います。
もちろん、最初に書いた通り設備投資と言う
溝を超えるのはなかなかのパワーを要します。
しかしそれはまだ漠然とした希望の中で
通過しています。

前回で述べた通り、セッティングと植え込みまで
辿り着いてもその後には更に大きな溝が
待ち構えています。

それは生育の良し悪しと藻類の発生です。

始めるきっかけとなった綺麗に管理された
写真や店頭で見た水槽のようになるはずの
自宅の水槽が、茶色や緑の藻類に覆われ
見るのが苦痛になったり、這うはずの水草が
上に育つ、赤系水草が緑になる、と言った具合に
水草が想像とは異なる成長をしたりするのです。

ただ、それなりの金額を投じ、手間をかけて
ここまで来たのだから、心理的にはそれを
正当化しないといけません。
もちろん、まだまだ理想を追求するだけの
モチベーションは残っていると思いますが、
この後引き続き水草水槽をやっていくことを
考えるとこの辺りもかなり大きな溝となります。

理想と現実のギャップを目の当たりにして
そこと向き合えるか、楽しめるかどうか
と言うところにかかってきます。

そこに対してしっかりと取り組み、
起こった事象を次の行動にフィードバック
出来るか、そして異なる目線で観察して、
現実を受け止めて対策を講じると言った
面倒くさいことを自分のペースで楽しみながら
出来るか、と言うところをクリアできると
ようやく趣味として成立し始めると思います。

そしてこれが数か月くらいかけて進行します。
この期間の躓きや予定と違う出来事は
初期投資を回収しなければ言う気持ちを
徐々に薄れさせ、何かと理由を付けて
無かったことにさせるには十分な効果を
発揮します。

そのうちボンベの交換も怠り、ボンベは空のまま
繋ぎっぱなし、使いかけの肥料も放置。
思い出したように置くだけの水草や鉛巻を
買ってきて漫然と続けることでしょう。
そうなると、そこにあるのは純然たる水草水槽では
なくなり、水草の植わった熱帯魚の水槽に変貌します。
ただ、それはそれで水槽や濾過器などは
無駄にならないので許容してしまうんですね。

もちろん二酸化炭素無添加の水草水槽も存在
しますが、当初の目的とは異なり、道を逸れて
しまったこういったシーンは、販売された
二酸化炭素添加器具の数のうち、かなりの割合で
起こっていると想像しています。


。。。続く

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