2022年5月23日月曜日

アヌビアス ~きれいな水槽植物~ Part 6 最終回

前回はマニアが好む耳付きの種類を紹介しました。
これらは流通が少ない種類が多く、採集物やその
増殖株でしか入手出来ないものが多く、まさに
コレクターズアイテムと言ったところです。
もちろん、その草姿はとてもナナ等と同じ
仲間であるとは思えないくらい勇ましく巨大な
種類が殆どで、その佇まいに魅了されるマニアも
多いかと思います(人数は少ないのですよ)。

その特徴的な草姿故、耳付きの種類は非常に
わかりやすい魅力があるのですが、実は本当に
マニアックなのはスルーされがちな細い葉や
狭い葉を持つ種類と言えます。
これらはついてくる名前がランケオラータや
コンゲンシス等と言ったファーム物で古くから
馴染みのあるものが多いためインパクトに
欠けるのですが、よくよく見ると変なのが
混ざってることがあります。

An. barteri var. angustifolia
ギニア便定番種で昔からずっと輸入されていた
バルテリィvar. アングスチフォリアです。
入荷はファーム物のように同じ物が殆ど。
トロピカから来る本種は赤くない。




















An. barteri var. ?? 
入荷名はアフゼリィでしたが
それとも違うような感じです。
その入荷の中に混じっていた
模様が入るような葉を持つ個体。
草体はアングスチっぽい。




















An. sp. 
カメルーン便のバルテリィvar. ナナとして
入荷しましたがいつものカメルーンナナとは
全く別物でした。ナナと言うよりは
草姿はグラブラと言った印象ですね。
これはすんなり水中化しました。






















An. sp. 
sp.物ですが、細葉ウェーブで
葉柄が短めだったので草姿的には
バルテリィvar. グラブラに近いタイプ
ですが、上記の物ともまた異なる感じ。



















An.
sp. 

sp. 物として入荷しましたが
同じ物の中に3~4タイプ混ざっていました。
この葉は葉先や質感が変ですね。


















An. barteri 
var. ??

バルテリィvar. グラブラとして入荷するも
全体は葉柄が長く、葉の質感も併せて
とてもそんな草姿ではない印象です。


















An. afzelii ??
入荷名はコンゲンシス。
入荷の中から葉っぱがかなり丸い株を
抜き出してみたもの。カッセルマンの
水草図鑑に掲載されている
アフゼリィに似ていて面白い。






















An. cf. heterophylla
cf. ヘテロフィラとして入荷したもの。
それにしては葉が長いようにも見えますが
葉脈の感じはヘテロフィラっぽい。














葉のアップ。個人的にはこのタイプは
結構お気に入りだったりします。
個人的には心の中で勝手に
ロングリーフコーヒーフォリアと
呼んでいるのはここだけの秘密(笑)
























An. sp. 
恐らく同じタイプ(種類)と思われますが
こちらはsp.として入荷しました。
幾分ヘテロフィラっぽくはありますが
やはり葉が細長い様に感じます。





















あの頃にあんなのが来ていたはず。。。と思い出しながら
少し遡ってピックアップしました。買えなかった、
買わなかった種類もかなり多くあったと思いますので
これでも極一部と言えるでしょう。
こういった細葉や狭い葉の種類はどうしても耳付きに
比べて購入・栽培される機会が少ないかと思います。
もちろん私もそうなのですが。。。

やはりアヌビアスは一般的にビギナー向け、入門種、
熱帯魚水槽のお飾りと言った風潮が業界内に根強く
残っています。もちろん入口はそんなものなので
それで良いのです。ただ、情報の発信側がそう言った
姿勢でいるといつまでも何も変わりません。
主な雑誌で何年も何年もそう扱われてきたので
出来上がったイメージは簡単には払拭出来ない。
1ジャンルとしては昔から確立しているものの
ワイルド物さえも安売りの対象となってしまった。
挙句の果てにはバナナネモグリセンチュウのために
カメルーンやギニアからの直接輸入は出来なくなり、
もう新たな種類が入荷することもほぼ叶わない。
今でこそマニアが大事に育てているのを見かけますが
現状がもうゴールでしょうね。

アヌビアスは水草を始めてから何年もずっと
アクアリストの側にいるような存在です。
気が付けば必ず水槽のどこかに居ていつも変わらぬ
姿を見せてくれている。たまにびっくりするくらいの
速度で枯れることもありますが。。。(笑)
そんなアヌビアス、ワイルドでもファーム物でも
お気に入りの1種を見つけて長い付き合いを
始めて見るのも悪くないと思いますよ。


アヌビアス ~きれいな水槽植物~ 
終わり。

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