前回までは主にファーム物を念頭に話を
進めてきました。しかしながらアヌビアスを
より深く楽しむと言う事を追及すると
避けて通れないのがワイルド(野生採集株)です。
今回はその辺の事情等を考えることにしましょう。
カメルーン、ギニア、ナイジェリア、コンゴ、
ガボン、シエラレオネ、リベリア、セネガル等と
されていますが、多産なのはカメルーンやギニアと
なっています。
日本からはなかなかの距離で、おいそれとは
行くことは叶わないと思います。
しかしながら日本の問屋さんは優秀なもので、
アフリカから水草を引っ張るんですよね。
素晴らしいことです。
現地で採集されたアヌビアスの仲間が無尽蔵に
輸入されていた時期がありました。
何とも贅沢な話です。南米からエキノドルスが
プライベート便(ブローカー的な)で入荷した場合、
価格は1株10,000円~となるのは深緑の種類で
周知の事実でしたが、何とアヌビアスは最安値で
1000円未満と言う物も見られました。
これは根本的に間違っています。
ギニア便の定番中の定番である アヌビアス バルテリィ var. アングスチフォリア トロピカの物は葉柄に赤みが無い。 |
問屋さんもボランティアではないのです。
数百株ものアヌビアスが手元に届く前に
検疫で焼却されたり着状態が悪く、言葉を選ばずに
言うと「お金を払ってアフリカからゴミを買った」
状態になる場合もしばしばでは商売として成立
しません。
しかしながらいつしか価格競争の波に晒されるように
なってしまいました。それは残念ながら問屋間での
値下げ合戦の様相を呈したこと、数が多すぎて
捌くためには価格を下げざるを得なかったこと
などがありました。
最終的には誰からも必要とされなくなったかの
ような状況で、まさに焼野原。
ワイルドアヌビアスの価値は地に落ち、極々一部の
マニア以外には必要とされなくなりました。
個人的にかなり気にっているカメルーン便の アヌビアス ナナの名前で入荷する種類。 勝手にカメルーンナナと呼んでいます。 これも最後はめちゃくちゃ安くなってました。 |
そこから数年、ほとぼりが冷めたと言うべきか、
やはりどこかに物足りなさを感じたのか、一部の
問屋で輸入が再開されました。もちろんいろんな面で
簡単なことではありません。
この時、幸いなことに正しい判断がされました。
そう、価格が上がったのです。
もちろん昔と様々なコストも変化しておりその転嫁に
よる部分もあろうかと思いますが、投げ売り状態から
まともな価格に戻ったのです。
安売り合戦が趣味の領域で好循環を生むことは
考えられず、その水草が持っている価値そのものを
毀損する暴挙と言わざるを得ません。
もちろん入荷するまでの道筋が大変なのは変わりなく、
相変わらずの綱渡り状態。しかしながら本来の姿を
取り戻したアフリカ便は良いものをもたらしてくれます。
ギガンティアと思われる種類。 耳もさることながら葉脈の素晴らしいこと。 この感覚は野生株の醍醐味ですよ。 |
喜ばしいことに、以前にも増してパワフルで
やはりワイルドはこうでないと!!(笑)と言う入荷が
ありました。
。。。と、喜んでいたのも束の間、実はその裏では
あの忌まわしきバナナネモグリセンチュウの問題が
燻っていたのです。。。
。。。続く
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