ご来店頂いたことがあり、かつクリプトコリネに興味がある
みなさんは当店の奥に120cm水槽があって、そこにクリプトが
植わっているのをご存知だと思います。
最近は動画にアップしているので、遠方の方でもご存知かも
しれませんね。そうです、これです。
1996年バース便としてご紹介していますが、私がデナリーの水草の
輸入に携わっているときに、上司がインターズーでバースさんと話を
してきて輸入できるようになったんですね。 その際に日本に初入荷と
なったのが、
「Ottelia ulvifolia」
「Anubias barteri 'coffeefolia'」
そして
「Cryptocoryne hudoroi」
でした。
その時に1株持ち帰ったのが、現在店頭にある株の元になった1株です。
もちろん当時は自宅の水槽で育成してたのですが、一緒に植えていたのが
トニナやスターレンジ、ガードネリィ、アマゾンハイグロなどでしたが、
硝酸処理大磯は良いとしても、pHマイナスと液肥を常に添加しており、
今考えるとよく育ってたと思います。。。(笑)
確か当時は水草倶楽部でヒューが1万円、アフリカンオテリアが
2万円だったと思います。古い記憶なので正確かどうかはあれですが。
その後、お店を始めてしまったので家の水槽は放置になったため、
瀕死の状態のヒューを救出してこちらに持ってきたわけですね。
持ってきたのはお店を始めてから1年後くらいだったと思いますので
植えてから16年くらいです。入手してからは今年で20年。
1種類の水草を20年キープするのは有茎草だとかなりの重労働だと
思います。もちろん、水草レイアウトを長年やっていて、何本かの水槽を
使っている場合、定番種1~2種程度がどこかしらに必ず使ってあって
気づくと10年くらいはあるな、と言うことはあると思います。
また、今は使わないからとりあえず屋外の水上で、と言う逃げ方も
あります。
しかしながら、意図して水中葉の状態、同一水槽内でキープしようと
思うと、有茎草はかなりハードルが高いです。
反面、ニムファ、アポノゲトンなどの球根を作る種類やクリプトコリネの
ように根茎が球根に近い役割を果たす種類などは、水槽がラン藻だらけに
なろうが、黒髭だらけになろうが、こちらがある程度の意識を持っている
限りは復活してきます。
他にはボルビティスやミクロソリウムなんかは底床への依存度が
低いので維持はしやすいですね。
もちろんボルビティスやミクロソリウム(そろそろミクロソルムと言った方が
良いのかもしれませんが。。。)も純然たる水草で、それがある水槽は
水草水槽なのですが、個人的にはなんとなく、底床があって、そこに
様々な水草が根を下ろしている姿が水草水槽としてあるべき姿な
ように思います。
そこには差し戻しが好きと言っている自分との自己矛盾が生じるような
気もしますが、底床に水草を植える、そこに根を張る、と言った流れが
大事なのかとも思います。
話が逸れましたが。。。
レイアウト水槽をメインとする場合、どうしてもたくさんのレイアウトを
作ろうと思うと、完成したらリセットが必須になるわけです。なぜかと言うと
所有している水槽の本数には限りがあるからです。
レイアウトが上手い人は、もちろんセンスの部分が大きいとは思いますが、
いかに本数(回数)をこなしているかと言うところも大切な要素のように思います。
特にソイル系の底床材が使われるようになってから、そのソイル自身が
持つ能力を使って育成するスタイルが主流になったため、その効果が
低下すると新しいものを交換するのが当たり前になりました。
もちろん、作物でも新しい土や配合し直した土を使うように、水草水槽も
新しい土に交換することによって生き生きと育つさまが見れるようになるのは
素晴らしいことだと思いますし、大いに活用すべきだと思います。
ただ、私やそれ以上の古い人たちには、どこかに水草水槽≒長期維持と言う
思いがあるんですね。(もしかしたら私だけ?)
長期的に安定して維持され、中のメンツも多少の入れ替わりはあるものの
大きく変わらないと言った水槽には、こまめに換水して隅々まで苔を取って、
非の打ち所がないオール5の美しい水槽が持ちえない雰囲気が漂うんです。
個人的にはその雰囲気が欲しいの半分、面倒くさいの半分で長期維持を
したいと思うわけなんです。
まぁそれがお店のラン藻水槽のようではリセットした方が精神衛生上にも
見た目にもよろしいかとも思いますが(笑)
そういった長期維持水槽の中で、自然と有茎草は淘汰され、前述したような
球根や根茎に避難できる能力のある種類や、底床依存度の低い種類が
残っていくわけです。
もちろん、個人的にも有茎草は好きなので、底床を水作プロホースで
耕し、汚泥や根の繊維などを除去して、有茎草が植えれるスペースも
作り直したりします。やはり有茎草は「水草水槽の華」ですからね。
同一の底床で維持することは困難でも、やはり時々植えたくなります。
上の1200x450x450水槽の右側です。 こちらは長年植わっているエキノドルスやアヌビアス、ミズニラで いっぱいになっています。エキノとミズニラはともにゴイアスからで 入荷は1999年です。アヌビアスは数種類入っていて、カメルーン便、 ギニア便、ファームものと色々。すべて2009年より前の入荷物です。 |
やはりこういう水槽にはロゼットがよく似合う。
ポイントで有茎草が入るとそこが アイキャッチになるので、意外と変化に
富んでいるように見える、と思う(笑)
前述しましたが、近年は長期維持のスタイルは殆ど見かけなくなりました。
主にソイル系の底床の存在がリセットへと向かわせるのかもしれませんが、
それに加えて、水草そのものへの執着と言うものが希薄化しているように
感じます。
(ただし、私はソイル否定は一切しません。どちらでも長期維持できます。)
水槽の本数に余裕がある方は、好きな水草を見つけて維持してみて下さい。
また、底床の入れ替えを行わず、じっくりと水槽自体を長期に渡って
維持するというのも、水草水槽の楽しみじゃないかと思うんですね。
なので、コケと戦いながら、水槽の好不調を見ながら、その水草と底床を
何年も眺めてみると、今までには見えない景色が見えるかもしれません。
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