2024年12月27日金曜日

恒例!今年印象に残った水草 2024

 2024年もさくさくと時が流れもう年末です。

1日が長く感じる日もあるのに1年はあっと言う間。

1999年に開店してから今年で四半世紀。

なかなかの水草も来てましたが結構忘れているものです。

そりゃ今年の水草もすっと思い出せないくらいですからね…


※決まり事※

当店に「入荷した」、当店から「リリースした」

水草に限ります。

イベント、個人輸入、直販のみ、他店入荷は

関係無いので対象外です。


クリプトコリネ+ラゲナンドラ

コメント:現地便は今年も継続して入荷していますが

色々考えると買いに行けるみなさんに任せてしまおうと

思ってます(笑)

・Cry.シアメンシスvar.ディデリキ【TB】

Bungo Jambi産のディデリキ。TBさんがキープしていると

学名変更のたびに修正されて出てくるので助かります。

・Cry.xバタンカヤンエンシス【TB】

グラボウスキィとフェルギネアvar.フェルギネアの

ナチュラルハイブリッド。TBさんのマレーシア便が

再開してなによりです。

・Cry.アウリクラータ【TB】

みんな大好きBetongのアウリクラータ。

マレーシア便再開の恩恵ですね。

・Cry.ストリオラータ ブルゴーニュレッド【PP便】

今年からこちらに入荷するようになったPP(胡椒)便から。

ストリオの中ではおそらく屈指の変わったタイプ。

同じくらい変わっているものに昔のMt.ベサールがありますが

こちらはもう日本に無いかなと。

・Cry.ウィリッシィ ナロー【スリーパドマ】

個人的なお気に入りなので(笑)前景向きです。

丈夫で大きくならないので今のところパルバより

使いやすいと思いますが、まぁ今の時代レイアウトの

前景にクリプトを使う人は居ませんね。

・Lag.トキシカリア テンカシ

東南アジアのファームから来た立派な株…ですが

根茎が無いのが残念でした。しかしながら状態は

すこぶる良かったので溶けること無く水上・水中

ともに立ち上がりました。つまりほぼ売れずってこと。

・Lag.Mix【ADA】

そんなに売れないだろうからそれなりに立派でした。

入荷したのはナイリィ、テンカシ、トキシカリア、

オバタ、シルバー。

【入荷ページ】

Cry.シアメンシス var.ディデリキ

Cry.xバタンカヤンエンシス

Cry.アウリクラータ

Cry.ストリオラータ ブルゴーニュレッド

Cry.ウィリッシィ ナロー

Lag.テンカシ

Lag.Mix


アヌビアス

コメント:ワイルド物は当然なしですが、

引き続き時折出てくるやつを待つだけ。

改良品種は稀に変なのが来ますね。

・An.ヘテロフィラ スーパーノヴァ

超新星(笑)名前くらいのインパクトはありますね。

いつも配信ネタにしているキングコングと

スーパーノヴァの入荷順は奇跡的(笑)

・An.spp.ギニアやカメルーンの増殖株

毎年何かしら出してくれていますがそのうち

なくなるのか、上手くコントロールし続けるのか。

水草売れないから数字の嵩上げに使ってると

なくなりそう。

・An.スターダスト【台湾便】

昔のオリエンタルのとは違うでしょうね。

とりあえず待っていた人は入手したかと思いますので

そのうち様子も見れるでしょう。

【入荷ページ】

An.ヘテロフィラ スーパーノヴァ

カメルーン便増殖

ギニア便増殖 ギニア便増殖

An.スターダスト


エキノドルス+ヘランシウム

コメント:アヌビアス同様ワイルド物は当然なし、

良い入荷はあまりない状態が続きますね。

・Ech.ハディレッドパール 斑入り

昔のと同じかどうかは不明ですが、おそらく

新しく作り直したんでしょうね。

形質が安定するなら問題はあまりないかな。

【入荷ページ】

Ech.ハディレッドパール斑入り


ブセファランドラ

コメント:基本的にはワイルド物は来ないはず

なのですが…というわけで当店はファーム物のみ。

時々仕入れていますが同じくらい買ってないものも

ありますね…

・Buc.ソルディデュラ ブルー【トロピカ】

おそらくみんなが驚いた価格帯のブセ(笑)

そして学名は違うんじゃないかという…

綺麗ではありますよね。

・Buc.sp.ディープブルー

以前入荷していた同名のブセとは異なるらしい。

東南アジアファームから入荷するブセは入荷が

一時途絶えるとしばしば名前はそのままで

物が変わるのでやっかいです。これはこれで

格好良いんですけどね。

・Buc.sp.ピンクムラウィ

ほぼ最後に来てそれなりに何かありそうなもの

だったので(笑)

果たして斑は出るのか、出ないのか。

【入荷ページ】

Buc.ソルディデュラ ブルー

Buc.sp.ディープブルー

Buc.sp. ピンクムラウィ


アポノゲトン・ニムファ・クリナムなど

コメント:ワイルド物は稀に来ますがなかなか

大当たりは少ないですね。面白そうなものが

生えている場所が難ありの場合が多いですからね。

・バークレア モトレイ【神畑インドネシア便】

何より状態が良かった。もうこれを状態良く

届けるための便だったくらいの勢いなので

一緒に来たうねうね草は可哀そうなことに…

・タイガーロータス ピンクタイガー

球根のみで自分で袋詰めにして売ってね、と(笑)

画像も無いのでピンクになるという情報だけが

頼りと言うか何と言うか。そろそろ葉が展開

している頃でしょうか。

・アポノゲトン ナタンス

入荷時についていた花序が気になったので

育てています。もしかしたらちょっと面白いかも

しれないし、なんてことないかもしれない。

【入荷ページ】

バークレア モトレイ

タイガーロータス ピンクタイガー

アポノゲトン ナタンス


有茎草

コメント:ちらほら来てますね。結果がわかるのは

少し先になることが多いので入荷時とその直後

くらいの印象からですね。

・オーストラリア産水草 

まとめてしまってすみません(笑)

昨年のバリスネリア ルブラに続いていろいろと

まとまって東南アジアファームから入荷しました。

ただ最終的にポゴステモンしか残らないような気も…

・ハイグロフィラ セルピラム【トロピカ】

スリーパドマから来ていましたがトロピカの

1-2-Growで入荷しました。リリース前から

トロピカ社の水槽にあったので来るのはわかってたと

いうのがちょっと残念でした(笑)

個人的に好きな水草なので良いのですが。

・ディディプリス ディアンドラ

探していたところ東南アジアファームに組織培養が

ありました。ありがたい限りです。というわけで

楽しませてもらってます。そのうち消えるでしょうね。

・ギニアン エイクホルニア【神畑ギニア便】

ナタンス待ちでしたけど小さい種類でした。

2022のギニア便と同種でしょうかね。

・ハイグロフィラ オドラ タンドン【神畑ギニア便】

産地付きのオドラですが、どうやらタイプが違うのか

種類が違うのか色や形が異なるようです。

・リムノフィラ sp.SENNIN dwf 【PP便】

スラウェシ産のドワーフアンブリア。

葉が細かく間延びもしない割とよさげな種類です。

・ハイグロフィラ ピンナディフィダ ロゼウス【スリーパドマ】

意外なところの改良品種が出ましたね。

ピンナティとは。育つというお話をうかがいましたので

栽培に関しては可能というところですね。色がどうなるか。

【入荷ページ】

オーストラリア産水草 

ハイグロフィラ セルピラム

ディディプリス

ギニアンエイクホルニア

ハイグロフィラ オドラ

リムノフィラsp.SENNIN dwf

ハイグロフィラ ピンナディフィダ ロゼウス


シダ(水生種)

コメント:ファーム物はピンとくるものが

全然来ないので…

・ミクロソルム sp. Seven tails Kapuas hulu

増殖・栽培してからリリースしたため

新入荷としては出していなかったのですが

他のPP便と一緒に来ていました。

格好良いですよ。

【販売ページ】

ミクロソルムsp.Seven tails


その他

コメント:ごく稀に変なのが来るので

要注意ですね。

・ウォーターローズ レッド

世に知られた経緯はともかく

ファームが作ってくれていたのが驚きでした。

高いと言えば高かったのですが良い水草です。

個人的にはお気に入り。

丈夫・綺麗・成長ほどほど、良いこと尽くし。

・カッセルマンのポケットアトラス

ウォーターローズ レッド、載ってます(笑)

つまり水草図鑑です。

【入荷ページ】

ウォーターローズ レッド

カッセルマンのポケットアトラス


ちょっと一言、いかがなものかと。

コメント:名前に釣られて買ったものの

ちょっとどうなのよ、と思うことが多いのは事実。

結局正体不明のままになるからモヤモヤするような

別に良いような…

・Cry.フロリダサンセット【タイのファーム】

それらしさもあるような感じも残しつつ

それでもフロリダのとは別物な気がしますが…

別で出せば良いのにね。

・Ech.オパクス【国産】

深緑でもなかった。なにこれ?

・Ech.スクルエテリ

草姿が違いますね。なにこれ?

【入荷ページ】

Cry.フロリダサンセット

Ech.オパクス

Ech.スクルエテリ


まとめ?!

入荷頻度はそれなりにあったのですがいかんせん

全体的にそこまでのインパクトがあったかと言われると

それは結構限られてるかなと。

結局売り切ってしまって自分でやっていないものが

多いので入荷時に少し「お!?」と思っても記憶に

あまり残っていないことが増えてきました。

もう若くないのでガツガツと皆さんを差し置いて

と言うのもなくなりましたし、水槽自体ぬるめに

管理していることもあって残しても、と言うところも

ありまして。

水草に関しては引き続き問屋・ファームものが殆どに

なりますが、それでも何かしらは来るのでそこに

期待しつつ楽しんでいければと思います。

個人的にはおさらいをやっているので新しいものは

みなさんに。

私は頑張らないのでみなさん頑張って!(笑)


2024年もお疲れ様でした!


2024年12月8日日曜日

とうめいふかみどりは系エキノドルスの話【3】

透明深緑葉系のエキノドルスが入荷し始めて

なんとなく形状的には出そろってきたところに

現れた新しい形を持った深緑。

このタイプの登場はこのグループにはまだ

先があると思わせてくれました。


オパクスに近いものの異なる形状を持つタイプ

オパクス パラグアイタイプで入荷したもの。
水槽内で栽培中の株です。特徴の1つに
葉先の尖りがありますがこれは旧オパクスにも
見られるので新しいものではありませんが
最大の特徴は「左右の側脈が主脈の先端付近で
合流する際に左右で合流場所が異なる点」です。







やはりヴェルデとは異なります。
画像が悪くて申し訳無い…











オパクス イボレで入荷したもの。
これはウルグアイ産となっています。
入荷後水槽に浮かべている間に
新芽が1~2枚展開したところ
だったと思います。古い葉の葉色と
葉脈の抜け感が素晴らしいですね。
主脈と側脈をよく観察して下さい。












ラウンドリーフです。
どこがやねん!と言うツッコミも
聞こえてきそうな感じですが
入荷時はまんまるだったのです。
屋外で水上栽培すると丸くなりますよ。











ラウンドリーフはオパクスとして入荷

していないのですが、パラグアイタイプなので

ここに含めています。

ややこしいのは前記事のウルグアイ産オパクスとは

別に同名で本タイプが入荷しており真面目に

分けておかないとごちゃごちゃになるのです。

ただ今更どうしようもないので私は知らん(笑)

それが残っているかもわからないですし。


正誤は横に置いておくとして現在流通

している名称としては恐らくイボレ、

ラウンドリーフ、パラグアイの3つなので

どれかだと思って下さい(笑)

問題はこのタイプも普通に「オパクス」として

流通する場合が見られるのでせめてヴェルデとは

わけて考えようと言いたい。

全然形が違う訳ですし。


あとはこのタイプを出し手側が後になって

「ライノ」と名付けた点です。

単にこのタイプをライノと呼んでしまうと

パラグアイもイボレもラウンドリーフも

ライノになるので区別がつかなくなるのです。

と言う訳でどのタイプかと言う会話の中で

ライノと呼ぶのは構わないのですが、商品として

「Ech.オパクス ライノ:~円」と表記すると

これがパラグアイなのかイボレなのかわからない。

これはいただけない。

まぁそんなこと気にするのは私くらいかもしれませんし

おそらく後世まとめてオパクスになっていると

思うので割とどうでも良いのかも知れませんけどね。


オパクス的なのはこれで終わり。

次は別の種類をやる予定…

2024年12月5日木曜日

とうめいふかみどりは系エキノドルスの話【2】

 前回はいわゆるオパクスを見てみました。

まぁさらっとですが、ごちゃごちゃ書くよりも

あのくらいの方が良い気がします。

オパクスという名のバリューはとても高く

とにかく丸っこい深緑はオパクスにしておけば

OKみたいな空気もあるような無いような。

学術的にどうかはさて置き、趣味の世界には

趣味の世界の共通認識(だったもの)があり

少数のマニアの間では理解出来ていたのですが

残念ながら…



オパクスにされていた大きなもの

昔オパクスにされていたタイプ
らしいので勝手に「旧オパクス」として
グループ分けしました。ヴェルデとの違いは
実物を見たら明らかなのですが写真は難しい。









まずサイズが違います。こちらは
数倍大きいです。あと葉先が角のように
尖るのも大きな違いですね。葉の輪郭も
目が慣れてくると別物に見えますね。
入荷時は大きなおむすび型の葉を
つけていたのですけどね。












旧オパクスとひとくくりで入荷したのですが
育てると2タイプにわかれました。
とにかく葉が大きかったので
ラージリーフにしましたが葉の形状は
オパクスと言うよりどちらかというと
ポルトアレグレンシス寄りです。
こちらも旧と同じく入荷時はおむすび型。












マッサンバラ産のオパクスとして
入荷したもの。右上が入荷時の葉です。
やはり大きなオパクスに見えますし
水槽で展開した1枚目の葉はそのまま
おむすび型と言える形状ですが
水槽内で栽培すると長くなり
ラージリーフ系になる不思議。












オパクス サンタマリアで入荷したもの。
目が慣れてくると入荷時の雰囲気で
どのタイプから見当がつくようになります。
これは旧オパクスタイプですね。









オパクス サンタマリアのその後。
見事に旧オパクスとなりました。
ややこしいのはオパクスサンタマリアも
便違いでもう1タイプあることなんですよね。









スーパーオパクス。
なんて名前つけるのよ(笑)
入荷時の形状はもう思い出せないですが
恐らくおむすび型だったのでしょう。
結局水槽内ではこんな感じに。
この後長くなった気もするけど
さすがにもう忘れました。ただ
ご覧の通りヴェルデとは違いますね。













入荷時はいずれもオパクスとなっていましたが

水槽内で栽培すると入荷時の形状から大きく変化

してしまうのが困ったところなんですね。

大きめのタイプはいずれも採集時に

おむすび型をしていることが多く一見

大きなオパクスに見えてしまうのが

その理由かと思います。

私個人は1度ひっかかったものの最初の

旧とラージに分かれた便の入荷で

なんとなく特徴と変化を理解したので

その後はその呪縛で大変でした。何故かって?

入荷したのがオパクスじゃないってことが

わかるようになったのでオパクスとして

売れないから…

高額な授業料を払った感じですね(笑)

まぁそれも必要経費ですよ。

そう、何でも授業料は払わないといけないんです。


と言う訳でまだ続きますよ…


2024年12月3日火曜日

とうめいふかみどりは系エキノドルスの話【1】

みなさんご存知のエキノドルスですが、
かつてちょっと風変わりなグループが
入荷したことがありました。
透明系とか深緑系と呼ばれるあのグループです。
もう20年くらいまとまった入荷も無く、
今後の見込みも無いでしょう。
そして今は流通の中でぐちゃぐちゃに
なっているようなので…
と言う訳で古い画像しか残っていませんが
振り返りと言うか懐古というか、
まぁ画像の供養…👏

オパクス
ヴェルデ川産と呼ばれるタイプ。
The オパクスですね。これが標準。













同じくヴェルデ。
環境によって形は多少差が出ます。













エキノに根茎が形成されると言うのも
深緑の存在で知られるように。
見よ!この葉の密度を!(笑)













そっくりですがこちらは
Ratajのオパクス、と
呼ばれていた物です。














こちらもラタイです。
ほぼ、と言うかまんまヴェルデなので
これが標準的なオパクスなのでしょう。















ウルグアイ産のオパクス
幾分面長であまり素直に
育たなかった印象です。
ごく少数が一度入荷しただけ
だったような気がします。
なので恐らくもう無いかな。

























まぁオパクスと呼ばれるのも色々ありますが
基本的にオパクスと言えば本種(本タイプ)を指します。
誤解を恐れずに言うならオパクス=ヴェルデと
考えて良いのですが、都合良くオパクスの名前を
使われることが今も昔も多いかもしれませんね。

小出しにしたいので続く…(笑)

2024年11月29日金曜日

持っておきたい水草関連書籍【11】

 水草の図鑑は数年~10年程度に1回出るような

ペースなのでなかなか新しいものに出会えません。

近年は国内外で良い感じに新刊が出ましたが

これがいつまでも続くとは限りません。

となると時代を遡るのも悪くないと思いますので

昔の図鑑を見てみるのも良いと思います。

何気に発見があったりするのでお勧めです。














以前ご紹介しました世界の水草1・2・3の

9年前に発刊されたのがこれです。

巻末の解説文には水草の育て方や進化について

触れられておりページ数は少ないものの

興味深い内容となっています。


おすすめポイント

写真は古いながらも美しく、1本、1株単位で

撮影されています。もちろん属ごとに分けて

掲載してあるのでとても見やすいつくりです。

後に出版される世界の水草への道筋に

なっているでしょうし、古き良き水草の時代を

垣間見るのにもってこいの図鑑だと思います。

世界の水草を購入するハードルが高い方は

こちらから入っても良いと思います。


水草図鑑

アクアリウム プランツ フォー アクアート

定価2039円(本体1980円)

1985年4月1日発行

著者 山田 洋

ISBN 4-7952-3005-6